2022.01.11
第100回全国高等学校サッカー選手権大会は1月10日(月・祝)に、国立競技場で決勝を行いました。
大津高校 0-4(前半0-2、後半0-2)青森山田高校
立ち上がりから、主導権を握ったのは、キャプテンの松木玖生選手が「自分たちでモチベーションを高め合いながら、最高のアップができたので、『これは、もう勝ったな』と確信していた」と振り返る青森山田高校(青森)でした。黒田剛監督に「青森山田が1年間志向してきたプレッシングサッカーをとことんやっていこう」と送り出された選手たちは、キックオフと同時に高い位置からのボール奪取を狙いました。
一方の大津高校(大津)は「どうにか押し返して、相手のCKやロングスローの数を減らそうと思っていましたが、前半から押し込まれる状況が続き、完全に相手のゲームでした」(山城朋大監督)。そう振り返るほどの圧力で押し込まれ、セットプレーのピンチが続きましたが、GK佐藤瑠星選手の好セーブもあり、何とか失点を免れます。
それでも青森山田は攻め続けます。37分には中盤でボールを奪った松木選手が、「チームに勢いがなくなっていた時間帯だったので、自分で仕掛けてCKを取りにいくような形でクロスを上げた」ことで左CKを獲得。藤森颯太選手がニアに入れたボールを、「こういう大舞台で決め続けることが自分の得意なところ」と話す丸山大和選手が頭で合わせ、青森山田が先制しました。41分には左サイドでこぼれ球を拾った田澤夢積選手のパスを名須川真光選手がスライディングで決めて、2-0で試合を折り返しました。
後半は大津がボールを握る時間が増えましたが、キャプテンの森田大智選手が「ブロックを敷かれて、ボールを持っているけど、前に進めないと感じていた。相手が怖がるパス回しが全くできなかった」と振り返る通り、シュートまで持ち込めません。
素早い攻守の切り替えで大津の自由を奪いながら、機を見て攻撃に転じた青森山田に3度目の得点が生れたのは、55分。左サイドから藤森選手が入れたロングスローは大津DFに跳ね返されましたが、自ら競り合い再びゴール前へ。素早く落下点に飛び込んだ松木選手が頭で押し込みました。試合を決定付けても青森山田の得点への意欲は落ちず、78分には小野暉選手の左クロスから渡邊星来選手がヘディングシュートを決めました。このまま4-0で試合を終えた青森山田が、3大会ぶり3度目の優勝を果たしました。
山城朋大 監督(大津高校)
最初に比べると一人一人がたくましくなり、これまでにないくらいに成長してくれたのが今年の3年生でした。とにかく真面目にひた向きに自分たちは力が足りないとやってきた成果、大津高校が今まで超えられなかったところまで来ることができました。そこは自信にしてほしいですが、4年連続決勝まで進んだ相手に対し、我々は3年ぶりの出場という部分で差があった。毎年国立の舞台で戦い続けないと、青森山田さんとの差は縮まらないのかなと痛感しています。
森田大智 選手(大津高校)
押し込まれる展開になるのは分かっていましたが、序盤から思っていた以上に圧力とパワーがすごくて、後手に回ってしまいました。大観衆の中でプレーできた経験は自分の中でも大きいですが、やれなかった悔しさしかありません。薬師田との2人で松木選手、宇野選手と真剣勝負がしたいと試合に臨んだのですが、セカンドボールを回収されてしまいました。守備もしっかり抑えられて悔しい思いが強いので、差を埋められるよう頑張っていきたいです。
黒田剛 監督(青森山田高校)
中1日でファイナルに挑む我々に対し、大津は中5日であったため、多少コンディションの差があるという見方がありましたが、国立で1試合やったアドバンテージをポジティブに捉えていました。我々はシュートを打たせない、リスタートも取らせない。そして、堅守速攻、リスタート、ポゼッションと全てにおいて、何でもできるサッカーを志向してきた形が決勝戦で見せた。今日は本当にパーフェクトのゲームをやってくれたと思います。
丸山大和 選手(青森山田高校)
僕たちは、2年間選手権の決勝という舞台で負けてきました。その時、自分はスタンドから見ていて、本当に悔しい気持ちを持っていました。監督の言う通り、この悔しい気持ちはこの大会でしか返せないし、優勝しないと悔いが残ります。今日は3年間の集大成としてやり切れました。チーム全員で戦えた結果が勝利につながったと思います。監督やコーチ、スタッフに感謝しながら、喜びをみんなで分かち合いたいです。
大会期間:2021/12/28(火)~2022/1/10(月・祝)