2022.01.08
第30回全日本高等学校女子サッカー選手権大会は1月7日(金)、準決勝2試合を行い、ファイナリストが決まりました。
神村学園高等部 3-0(前半2-0、後半1-0)常盤木学園高校
神村学園高等部(九州1/鹿児島)は試合開始から10分以上、相手陣内でプレーを続けました。中盤で横に動かすドリブルや少ないタッチでのパス回し、さらに大きな展開も織り交ぜて、常盤木学園高校(東北1/宮城)にボールの奪いどころを絞らせません。効果的な攻めは少なかったものの、前半のうちに中盤中央から左ウィングへ位置を変えた愛川陽菜選手が35分、得意のドリブルをサイドで活用。深く入り込んで送ったクロスボールを、ニアサイドで黒木愛理選手が押し込みました。さらに4分後には三冨りりか選手が蹴った長いFKが直接決まり、2点リードで試合を折り返しました。
苦しくなった常盤木学園ですが、後半に盛り返します。ここでも神村学園の先制点をアシストした愛川選手が鍵となりました。「相手の14番(愛川選手)にやられることが多かったので、そのマークの徹底と、サイドバック2人を替えて1対1で抜かれない対応をして、後半は良い攻撃に転じられました」とキャプテンの前田郁美選手。前半は1本のみだったシュートも4本に増加。それでもゴールには至らず、逆に前に出た常盤木学園の裏を突いて加点した神村学園が、2大会ぶりの決勝へ進みました。
藤枝順心高校 0-1(前半0-0、後半0-1)日ノ本学園高校
日ノ本学園高校(関西1/兵庫)の選手たちは、試合開始から力強く前へと進みました。その勢いを守備にも生かして、藤枝順心高校(東海1/静岡)に自由な攻めを許しません。31分には強烈なミドルシュートを受け、GKが弾いたところで連続してシュートを放たれましたが、守備陣が体を張ってゴールラインを割らせませんでした。
藤枝順心は後半から選手を交代させつつ、フォーメーションを変更。反撃に移ろうとしたところで、落とし穴が待っていました。効いたのは、日ノ本学園の前線からの守備でした。51分、ボールを動かす藤枝順心の最終ラインに日ノ本学園の左ウィング、篠田帆花選手が襲い掛かります。ボールを奪った篠田選手は迷うことなくゴールに向かい、そのままシュートを決めました。
藤枝順心は次々と選手を代え、前線へと早くボールを送る場面が増えていきました。対する日ノ本学園は、先発した選手たちが足を止めず、懸命に相手に食らいつき続けます。最後まで選手交代のなかった日ノ本学園の集中は途切れることなく、7大会ぶりの決勝進出をつかみ取りました。
黒木愛理 選手(神村学園高等部)
点を決められるとは思っていませんでしたが、1点目は狙った通りの形でした。2点目の場面では、相手もちょっと気が緩んだところもあったと思います。点を取るというのはもちろんなのですが、攻撃の起点となるのも私なので、その役割を果たせたのは良かったと思います。それぞれがドリブルやパスを使い分ける判断力が成長していたので、良かったです。
前田郁美 選手(常盤木学園高校)
相手は前に出る勢いがすごい分、サイドの裏が空くと分かっていました。前半は相手の14番にやられることが多かったので、そのマークの徹底と、サイドバック2人を替えて1対1で抜かれない対応をして、後半は良い攻撃に転じられました。私たちは力が弱い代だと言われてきて、技術や能力は他校に劣るかもしれませんが、勢いやチームワークでうまくまとまってきました。3位という悔しい結果で終わってしまいましたが、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)の時よりも成長できたと思います。
篠田帆花 選手(日ノ本学園高校)
得点した場面では、相手のパススピードが少し緩いと分かったので、思い切って前に出ました。チームとして、相手のビルドアップに対して前からプレッシャーを掛けて、ボールを奪おうとしていました。その形で点を取れたし、決勝につながる点になったのでうれしかったです。私たちが入学してから一度も優勝できていないので、最後の大会で絶対にみんなで日本一になりたいです。
窓岩日菜 選手(藤枝順心高校)
分析した以上の相手のパス回しに前半は苦しみましたが、粘り強く戦えました。どこかで気が抜けてしまって、ミスから失点してしまい、自分たちが崩れる要因になりました。このチームになってから、3連覇という目標をずっと掲げてきたので、今はとても悔しいです。ピッチに立っていない仲間やいろいろな人の力があって、ここまで戦えました。後輩たちには、出た課題に繰り返し取り組み、悔しさを忘れずに、この場所まで戻ってきてほしいです。
大会期間:2022年1月3日(月)~2022年1月9日(日)
大会会場:三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、ノエビアスタジアム神戸(兵庫県神戸市)