2022.01.09
第100回全国高等学校サッカー選手権大会は1月8日(土)に、国立競技場で準決勝を行いました。
準決勝を前に、進出した4チームを対象に大会前に定められた検査を行った結果、関東第一高校の選手2名から新型コロナウイルスの陽性反応が認められました。大会感染対策ガイドラインの内規に則り、正規登録チーム(選手30名およびチーム役員)に代わり予備登録チーム(選手14名及び正規登録チーム以外のチーム役員)での出場について、関東第一高校およびサッカー部の関係者で検討した結果、関東第一高校は準決勝の出場を辞退。これにより、準決勝第1試合で関東第一高校と対戦する予定だった大津高校が決勝に進出することとなりました。また、第2試合の前には7日(金)に逝去された長崎総合科学大学附属高校の監督、小嶺忠敏氏(享年76歳)への黙とうも行いました。
高川学園高校(山口) 0-6(前半0-2、後半0-4)青森山田高校(青森)
立ち上がりと共に仕掛けたのは、4年連続での決勝進出を狙う青森山田。「相手を研究した内容が頭に入りすぎて、本来の自分たちのサッカーを見失っていた」(黒田剛監督)という、ここまでの3試合の反省点を生かし、アグレッシブに仕掛けました。3分に相手エリア左でFKを獲得すると、藤森颯太選手がゴール前に入れたボールを名須川真光選手が頭で合わせ先制に成功。26分には藤森選手が上げた左CKから、丸山大和選手がヘディングシュートをたたき込み、リードを2点差としました。
守備も「できるだけリスタートを与えず、シュートを打たせない。本来、我々がインターハイ(全国高等学校総合体育大会)やプレミアリーグ(高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ)で志向してきたハイプレスのサッカーをしっかりやっていこうと試合に入った」(黒田監督)ことが奏功。37分に自陣のミスから、田島黎門選手に決定機を与えた場面も守護神の沼田晃季選手が落ち着いて対処し、失点を回避しました。
後半に入ってからは攻勢を強めた高川学園の隙を突いて、ゴールラッシュを披露。57分には右サイドの高い位置でこぼれ球を拾った松木玖生選手が技ありシュートを決めて3点目をマーク。68分には途中出場の小湊絆選手もゴールネットを揺らしました。その後も攻撃の手を緩めず、2点を重ねた青森山田が6-0で勝利し、決勝行きを掴みました。10日(月・祝)に国立競技場で行われる決勝では大津高校(熊本)と対戦します。
江本孝 監督(高川学園高校)
国立で得点を取るための課題をこれからしっかり探していきたい。得点はチームみんなで取るものだと思いますが、最後ゴールに押し込むのは1人の選手でもあります。1人の選手のレベルアップにも今後は取り組んでいかなければと感じています。青森山田さんとは日常が異なるとも感じました。我々は日頃から激しく厳しくしのぎを削るようなトレーニングを積み重ねていかなければいけません。
北健志郎 選手(高川学園高校)
大会前に奥野(奨太)がけがをして、チームとしてうまくいかない時期が長く続きましたが、大会が始まってからは、「奥野を絶対に国立に連れて行こう」とチームが一つになれました。そこから初戦に勝って勢いに乗れたので、ここまで来ることができました。決勝に行けなくて申し訳ない気持ちはありますが、応援やサポートをしてくれた人のおかげで、14年ぶりに準決勝まで来ることができたので、すごく感謝しています。
黒田剛 監督(青森山田高校)
試合の入り方が良かったのは、青森山田らしさが出せたからです。ハードワーク、相手に対するハイプレッシャー、またはリスタートからでもボールをつないでバイタルエリアを攻略していけるのが青森山田の強さ。何でもできるサッカーというのを志向して、1年間やってきました。それをまずきちんとやろうと試合に入ったことで、肩の荷が下りてのびのびプレーできました。
松木玖生 選手(青森山田高校)
今日は相手の分析に偏らず、自分たちらしいサッカーをしようと意識しました。相手に合わせることなく、立ち上がりのセットプレーや流れの中から点数を決められたのが、今回の勝因です。(得点の際に喪章を空に捧げたのは)インターハイの初戦で長崎総科大附高校と対戦した時、ベンチに小嶺(忠敏)先生がいらっしゃった。高校サッカーを築いてきた方だったので、小嶺先生に向けた得点でした。
大会期間:2021/12/28(火)~2022/1/10(月・祝)