なでしこジャパン（日本女子代表）は12月3日(日)、ブラジル・サンパウロのCicero Pompeu de Toledo StadiumでFIFAランキング9位のブラジル女子代表との国際親善試合を行い、2-0で勝利しました。

池田太監督は3日前の第1戦から先発5人を入れ替え、1-4-3-3の布陣でGKに田中桃子選手、最終ラインは南萌華選手と古賀塔子選手がセンターバックを組み、左サイドバックに遠藤純選手、右に清水梨紗選手が入ります。アンカーにキャプテンの熊谷紗希選手、インサイドハーフに杉田妃和選手と林穂之香選手が入り、前線には左から猶本光選手、田中美南選手、藤野あおば選手が並んでゴールを狙いました。

開始3分にはブラジル選手のスルーパスに対し、古賀選手がスライディングで触ったところ、そのボールが日本ゴールポストに当たるシーンがありましたが、GK田中桃子選手がキャッチしました。

日本は両サイドからチャンスをつくると、17分に右CKを獲得。これを遠藤選手が蹴り、ファーサイドの南選手がボレーで合わせて日本が第1戦に続いて先制点を挙げました。2分後には再び日本がチャンスをつくり、左サイドでドリブルを開始した猶本選手がパス。それを受けた田中美南選手はゴールから約25mの位置でトラップから即座にシュートを放つと、これがゴール右に入って2-0としました。

その後も杉田選手がミドルシュートを放つなど日本が攻めますが、連勝を狙うブラジルも活発に動き、Debora Cristiane選手、Geyse da Silva選手が放ったシュートはGK田中桃子選手が連続セーブしました。

後半頭からは1-3-4-3に変形し、石川璃音選手が3バックの右、長谷川唯選手がボランチへ。続いて宮澤ひなた選手が投入されましたが、その直後に相手選手と接触して負傷交代を余儀なくされます。長野風花選手がボランチに入り、長谷川選手が前線へ移動しました。

ブラジルはベテランのMarta Vieira選手が出場すると勢いを増しますが、日本は冷静に対処して石川選手、遠藤選手の素早いカバーリングでゴールを許しません。86分には清水選手のクロスボールから植木理子選手がヘディングシュートを放ちましたが、惜しくもゴール左に外れました。ブラジルは最終盤にも猛攻を見せましたが、今回初招集の谷川萌々子選手、古賀選手がブロック。

前後半で飲水タイムが設けられるほど暑いコンディションでしたが、高い集中力を維持した日本が2-0で勝利を収め、今回のブラジル遠征を1勝1敗で終えました。

2023年最後の活動を勝利で締めくくったなでしこジャパンは、来年いよいよオリンピックイヤーを迎えます。女子オリンピック サッカートーナメント パリ 2024 アジア最終予選を勝ち抜き、本大会で世界の頂点を目指すため、チームは強化を加速させていきます。

監督・選手コメント

池田太 監督
この暑さのタフな環境下の中で選手たちが走り切り、2-0で勝利できたことを嬉しく思います。3日前の1戦目で感じたブラジルのタイトなマークに対して、2戦目は自分たちがスペースを作ってそこを使えるようにすることが攻撃の狙いのひとつでした。守備に関しても相手の選手が流動的に入れ替わるところに対しコミュニケーションを取りながら対応することを意識しました。ブラジルは1戦目、4-2-3-1のシステムで戦っていましたが、今日はまた違ったシステムでした。そういった相手の変化にも対応しながら戦えたこと、そして勝利できたことは自信につながります。ブラジル女子代表と連続して試合をできたことはオリンピック最終予選の良いシミュレーションになったと思いますし、この雰囲気のスタジアムで試合ができたことにも本当に感謝しています。

GK #18 田中桃子 選手（日テレ・東京ヴェルディベレーザ）
コンディションも悪くなくずっと準備はしてきていたので、シュートストップの部分などはある程度想定通りのいいイメージでプレーできました。ただまだまだ不安定な部分が多かったので、まずは結果が出てよかったなという安堵の気持ちが大きいです。1戦目で4失点していたので、まずは失点しないことを第一に考えてやっていましたが、いざピッチに立ったら試合状況で判断していく必要があったので、1戦目がどうだったからと意識するよりもその場に合わせてどうプレーするかということに集中していました。これから所属チームに帰ったら自分のプレーをより良くしていかなければならないですし、そのために安定感というのは自分の鍵だと思います。一つずつ積み重ねた先にここ（なでしこジャパン）があると思うので、しっかり立ち返ってやりたいと思います。

FP #4 熊谷紗希 選手（ASローマ／イタリア）
これだけ良い場所でいい相手と対戦できて、スタジアムの雰囲気もかなりアウェイを感じましたし、そこも含めて最終予選につなげていけると思います。短期決戦で勝ちにこだわっていく必要がある中、初戦は3-3まで追いついたものの結果的に負けたことで、自分たちに足りないのは勝ち切る力だなと痛感、再確認できました。1試合目の自分のミスはやってはいけないものですし、世界の戦いではああいうミスをしっかりものにしてきます。反省点しか無いですが、学びにしていくしかないですし、起こしてしまったミスに対しては自分がそこからピッチで取り返すしか無いと思ってプレーしています。そういう意味では引きずることなく今日の試合もプレーできましたし、監督が期待して任せてくれたことに応えようという気持ちが大きかったです。ここからは負けたら終わりの試合がくるので、勝ち切ることを自分たちのテーマにして、そういう力のあるチームにしていかなければなりません。そのための良いシミュレーションができたことは良かったです。

FP #11 田中美南 選手（INAC神戸レオネッサ）
1戦目で勝てなかったので、2戦目は結果を求めるためにチームとしてやれることを増やしながら臨みました。しっかり勝てたことは大きいですし、これから長い移動をして帰りますが、勝てたことでフライトの気持ちが少し楽になりました。自分のゴールシーンについては、相手のGKがいつも高い位置を取っているなと感じていて、どこかのタイミングで狙いたいと思っていました。横パスをもらった時に右に置いたらシュートブロックされると思ったので左に置き、理想としてはGKの頭越しのシュートだったので想像とは違い、入った時は少しびっくりしました。4-3-3でプレーする時は、後ろからのビルドアップでひとつ相手を剥がせれば前の選手どうしが近く、3-4-3の時に比べ前で関わる人数が増え、自分としては距離感よくできると思っています。今日は前にボールが入った後にもう少し相手の3バックの脇を狙えたら良かったですが、自分の失い方が悪く前進できないシーンもあったので、改善したいです。

国際親善試合

2023年11月30日(木) 15:15 キックオフ予定（日本時間 12月1日(金) 3:15）vs ブラジル女子代表
会場：Neo Quimica Arena（ブラジル／サンパウロ）

2023年12月3日(日) 11:00 キックオフ予定（日本時間 12月3日(日) 23:00）vs ブラジル女子代表
会場：Cicero Pompeu de Toledo Stadium（ブラジル／サンパウロ）

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