United Kingdam英国代表
About Qualifier予選の戦いについて
ヨーロッパ予選は、2019年にフランスで行われた女子W杯が兼ねていた。W杯の成績上位3カ国が出場権を獲得することになっていたが、ベスト8のうち7カ国が欧州勢で、準々決勝が事実上、東京五輪の切符を懸けた試合になった。
グループリーグで日本、アルゼンチン、スコットランドに勝利し、首位通過したイングランドは、ラウンド16でカメルーンに3-0と完勝、準々決勝ではノルウェーが対戦相手となった。前半14分DFホートンが先制点をあげると、日本戦で2ゴールをあげていたエースのFWホワイトが追加点、後半に更にダメ押しとなる追加点を奪い勝負を決した。
その後、準決勝ではアメリカに1-2で敗れ、3位決定戦ではスウェーデン相手に同じく1ー2で敗れ、W杯では4位に終わっている。
出場権を勝ち取ったのはイングランドだが、五輪本大会ではイギリスの統一チームを結成して参加する。
メンバーの大半19人がイングランド、2人がスコットランド(MFキム・リトル、MFキャロライン・ウィアー)、そしてウェールズからチェルシー所属のMFソフィー・イングルが唯一選ばれた。
Match Previewマッチプレビュー
日本は2年前の女子W杯でイングランド代表に0-2で敗戦、昨年3月にアメリカで行われたシービリーブス・カップでも0-1という結果以上の完敗を喫した。
前回対戦では4ー4ー2の日本に対して、イングランドは4ー1ー4ー1。ボール保持率はやや日本が上回ったものの、起点となる効果的なパスはイングランドの方が多く、GK池田咲紀子の好セーブが無ければ0-1どころではなく、もっとゴールを奪われていただろう。
ただ、この一年で“なでしこジャパン“にも変化があった。正確なキックを武器とするMF中島依美がサイドハーフからボランチに移り、センターバックにはフィード力の高いDF宝田沙織が加わるなど、チーム力アップの要素が多く、MF長谷川唯、FW岩渕真奈など、海外移籍で国際経験を積んだ選手もいる。前回対戦時に悔しさを味わったFW田中美南も、WEリーグが開幕するまでの“空白期間“を利用してドイツのレバークーゼンに期限付き移籍をして、武者修行を積んできた。
一対一や球際など基本的なところでも負けないグループになってきてはいるが、イングランド代表のメンバーが大半を占める英国代表が強力であることに変わりはない。イングランド代表以外の3人も、スタメンで出る資質が十分にある選手たちだ。
スコットランド代表MFキム・リトルは、ロンドン五輪でも英国代表として全試合に出場しており、もう一人のスコットランド代表MFキャロライン・ウィアーはマンチェスター・シティに所属しており、クラブでのチームメートが多い(英国代表メンバー22人のうち10人がマンチェスター・シティに所属している)ため、連携面でのメリットが大きい。
戦術面では4ー1ー4ー1だけでなく、4ー2ー3ー1もハイレベルに機能出来る柔軟性を持ち合わせている。
もっとも警戒しないといけないのは、やはりエースストライカーのFWホワイトだが、2列目から決定的なパスを配球するFWカービーとのホットラインを繋げさせないためにも、ボランチの二人が守備のプレッシャーをかけ続けること、ボールを持った時に失わないことが生命線になるだろう。英国代表はフィジカル面も強いが、カナダ代表ほどサイドアタックに特化してこないので、中央で自由に繋げさせなければ、攻撃をある程度は限定出来るだろう。
英国代表からゴールを奪うためには、幅を使いながら、最終的にはバイタルエリアで素早いコンビネーションで崩していくのが効果的だが、英国代表は最終ラインの統率がしっかりしているので、ボランチの二人はもちろん、ワイドな位置から長谷川や、MF杉田妃和がミドルシュートを打つ形も有効だろう。
得点経過や試合の流れを見ながらのゲームコントロールはカナダ戦に引き続き重要だが、そのカナダ戦の結果次第でもプランが変わってくるかもしれない。
初戦で勝利していれば、英国代表に引き分けても勝ち点は4になり、ほぼ突破が決まるし、もし初戦が引き分け以下であれば勝ち点3が欲しいだろう。
いずれにしてもノックアウトステージを突破出来るか否か、鍵となる試合になるだろう。