チームの歩み(U-24日本代表)
2017年
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2017.10 U-20日本代表に森保監督就任 ~ M-150 CUP 2017
東京オリンピック2020を目指すチームの初陣は、タイで開催された国際親善大会M-150 CUP 2017だった。同年夏のFIFA U-20ワールドカップに参加した選手をあえて選ばず、「より幅広くこの世代の選手たちにチャンスを与えたい」という指揮官の意向からフレッシュなメンバー構成だった。大会は決勝で惜しくもウズベキスタンに敗れるも、各年代通じて初招集のFW上田綺世が活躍するなど、小さくない意味を持つ第一歩となった。
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▼サブトピック
東京オリンピックを目指すチームの指揮を執ることになった森保一監督は、2018年7月にはSAMURAI BLUEの監督にも就任。2000年のシドニーオリンピックを指揮したフィリップ・トルシエ監督以来となる兼任監督となった。
2018年
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2018.01 AFC U-23選手権中国2018
東京オリンピック2020を見据え、他国より2歳年少のチームで臨んだ日本は、3連勝でグループステージを突破。前年末のM-150 CUP決勝と同カードとなるウズベキスタンとの準々決勝に臨んだ。しかし、「こちらの心理的状況をついてきた」と森保監督が振り返ったとおり、ミスを突かれて失点し、そこから飲み込まれるように試合の主導権を失い、0-4の大敗。「実力の差。課題ばかりがクローズアップされるような試合になった」と指揮官も認める完敗となった。
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2018.03 スポーツ・フォー・トゥモロー(SFT)プログラム
パラグアイへ遠征して南米3カ国とのアウェイでの連戦。いずれも接戦となったが、ベネズエラにPK勝ちしたものの、チリとパラグアイには苦杯。4チーム中4位の成績とり、森保監督は「南米の選手は上手かったというより、強かった。ミスを犯せばやられる、そこは必ずつけ込んでくる。本当にタフな経験ができたし、もっと勝負強さを身に付けないといけない」と総括。初招集のFW前田大然の活躍など明るい材料もあったものの、今後の課題も突き付けられる大会となった。
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▼サブトピック
スポーツ・フォー・トゥモローは、日本政府が推進する国際貢献事業で、開発途上国を中心にあらゆる世代の人々にスポーツの価値を広げていくことを目指す取組み。このときは南米10協会の女子指導者やパラグアイの女子関係者を集めて普及ツールとしての女子サッカーフェスティバルの開催手法を紹介するといった試みが行われた。
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2018.05 第46回トゥーロン国際大会 2018
活動期間が重複するSAMURAI BLUEに森保監督がコーチとして帯同したため、横内昭展監督代行が初めてU-21日本代表の指揮を執る大会となった。初戦でトルコに敗れ、第2戦でポルトガルに逆転勝利も、第3戦でカナダに引き分けて準決勝進出はならず。しかし、7位決定戦でアフリカの強豪トーゴに1-0と粘り勝ち。体格・パワーで大幅に上回る相手に対して「逃げずに戦う姿勢を出してくれた」と横内監督代行が語ったとおりの内容だった。まるでタイプの違う欧州、北米、アフリカの強豪と連戦し、チームの財産となる貴重な国際経験となった。
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2018.08 第18回アジア競技大会(2018/ジャカルタ)
インドネシアで酷暑のなか連戦の大会となったが、同様の気候が予想される東京オリンピックを見据えれば「絶好の機会とも言える」(森保監督)大会。強化のため、日本はグループ2位通過となったものの、ノックアウトステージではいずれも1点差の際どい試合を制して決勝進出を果たした。決勝は2歳年少のチームで臨んだ日本とは対照的に、オーバーエイジ枠も活用して英国プレミアリーグで活躍するFWソン・フンミンも招集していた韓国との死闘に。延長戦の末に敗れたものの、「タフに粘り強く戦い抜いてくれた。誇りを持って今後の成長に繋げていく」(森保監督)と胸を張れる内容だった。
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2018.11 ドバイカップU-23
年少のU-19日本代表からDF橋岡大樹らが初招集されて臨んだ中東への遠征。初戦で因縁深いウズベキスタンと打ち合って2-2と引き分け、第2戦ではクウェートに大勝。開催国UAEとの第3戦は優勝のために引き分けではなく勝利が欲しい試合だったものの、PKで先行される苦しい流れ。上田のゴールで同点にしたものの、決勝点は奪えず2位での終幕に。横内監督代行はアウェイでの連戦の中で「課題も見付かり、収穫は見えた」と総括した。
2019年
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2019.03 AFC U-23選手権タイ2020 予選
東京オリンピックのアジア予選を兼ねるAFC U-23選手権の予選はミャンマーで行われた。開催国としてすでに出場権を得ている日本だが、「相手にとっては絶対に負けられない戦いになる」(横内監督代行)という貴重な真剣勝負を経験できる場として位置付けていた。いずれも大勝となったが、「短い間隔の連戦でどうコンディションを整えるかという部分でのこだわり」(横内監督)といった酷暑での連戦で経験値を蓄える場にもなった。
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2019.06 第47回トゥーロン国際大会
同時期に開催されたコパアメリカに主力選手たちが招集される中、「ものすごい反骨心」と横内監督代行も驚く意欲の高さで集まった選手たちは歴史ある国際大会に臨んだ。大会を3連覇していたイングランドとの初戦を逆転で制すると、続く第2戦はチリに6-1と圧勝。第3戦は落としたものの、準決勝ではメキシコにPK勝ち、そして決勝ではブラジルを相手に「歯を食いしばりながら食らい付く」(横内監督代行)激闘を展開。惜しくもPK戦で敗れたものの、MF田中碧が優秀選手の第3位に選ばれるなど、個々人の奮闘を含めて収穫の多い大会となった。
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2019.06 CONMEBOLコパアメリカブラジル2019 ※SAMURAI BLUE
A代表の大会ながら、23名中18名がU-22年代の選手で、「東京オリンピックも見据えながら」(森保監督)のメンバー編成で臨んだ。南米のフル代表相手に未勝利での敗退となったが、強豪ウルグアイに引き分け、最終戦もあと一歩でグループステージ突破というところまで到達する好勝負を演じることに。またGK川島永嗣、FW岡崎慎司といった選手たちがトレーニングから「本当の代表選手というのはどういうものかを背中で伝えてくれた」ことにも大きな意味があった。
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2019.09 国際親善試合 ~北中米遠征~
メキシコ、アメリカとのアウェイでの連戦となる北中米遠征。森保監督は「大会まで1年を切ったので、選手を固定してチームづくりをするという考え方もあるが、アンダー年代はまだまだ成長の段階」との想定から、「常連の選手はコンディションも考慮して呼ばなかった」と新たな可能性も模索。DF瀬古歩夢が初招集されるなど、年少組の底上げも狙っての遠征だった。メキシコに引き分け、アメリカに敗れ、無得点に終わる厳しい結果に。
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2019.10 国際親善試合~ブラジル遠征~
2014年のFIFAワールドカップでも使用したアレナ・ペルナンブーコを舞台に行われたブラジルとのアウェイマッチ。相手の激しいプレスに序盤から圧倒されてPKから先制される最悪のスタートとなるも田中碧の同点ゴールで追い付き、後半には2点を奪う。そこからブラジルの猛反撃を受けて1点差に迫られた上に退場者まで出す苦しい展開となったが、「チームとしてやるべきことを全員がこなした結果」(横内監督)、3-2での逃げ切り勝ち。サッカー王国を相手に大きな自信を掴むこととなった。
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2019.11 キリンチャレンジカップ2019@広島
前月にはSAMURAI BLUEに招集されていたMF堂安律、久保建英、板倉滉も招集され、ベストに近い陣容で臨んだ。練習試合以外では国内で初めて行う試合ということもあり、観衆が作り出す雰囲気を含めた東京オリンピック2020に向けたシミュレーションの場とも位置付けられていた。しかし「勝たなければいけないというプレッシャーから硬い入りをしてしまい、相手にペースを握られる難しい試合になってしまった」(森保監督)。隙を突かれて失点し、ゴールは奪えない厳しい試合内容で、0-2と苦杯。課題を残す形となった。
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▼サブトピック
11月に広島、12月に長崎と、「世界で二つしかない被爆地」(森保監督)でキリンチャレンジカップが行われたことを踏まえ、「BLUE PEACE DAYS 平和のパスを、世界へ、未来へ HIROSHIMA・NAGASAKI」プロジェクトを展開した。日本サッカーミュージアムなどでファン・サポーターの皆様から折り鶴を募集し、それを11月に広島の平和記念公園に、12月に国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館へ献花するに際し、共に献納した。
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2019.12 EAFF E-1 サッカー選手権 2019 決勝大会 ※SAMURAI BLUE
東アジア王者決定戦と位置付けられる大会ながら、日本は欧州組が日程上の問題で不参加となり、23人中14名がU-22世代というフレッシュな編成で臨んだ。初戦で中国を2-1と退け、第2戦では11人中9人がU-22世代という編成で香港に5-0と快勝した日本だったが、韓国には0-1と惜敗。3年ぶりの優勝は逃したものの、U-22世代の選手たちがあらためてフル代表レベルのスピードとパワーを経験する機会となった。
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2019.12 キリンチャレンジカップ2019@長崎
年末に行われたこの試合、11月のコロンビア戦の反省として「コミュニケーションが不足していた」(MF中山雄太)点を踏まえ、欧州組や国内組、年齢の差といった垣根のない話し合いの場をしっかりと設けた。「本当に全員が同じベクトルを持って試合に臨むことができた」(中山)という日本は、5分にその中山のFKから先制点を奪うと、そのまま相手を圧倒。9-0での大勝となった。「試合の入りも含めて前の試合の課題を活かせた」(森保監督)手応えのある試合内容だった。
2020年
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2020.01 AFC U-23選手権タイ2020
欧州がシーズン中のため、国内でプレーする選手たち中心で臨んだ大会は、3試合で勝点1に終わっての敗退という厳しい結果になった。東京オリンピック2020の最終予選を兼ねることもあって気迫にあふれる相手に対し、初戦から2連敗。カタールとの第3戦は「メンタル的に難しい中で意地を見せてくれた」(森保監督)内容ながら、退場者も出して勝ち切れず。「勝てれば一番だが、負けて学ぶこともあるので、学ばないといけない」(MF相馬勇紀)と選手たちが口々に反省の弁を残す場となった。
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―活動停止(Ready For The Future紹介)―
新型コロナウイルスの影響により、予期せぬ形で全ての活動が休止され、東京オリンピック2020も翌年への延期が決まった。その中で選手たちからの発案で実施されたのが、「Ready for the Future」と題された動画の作成だった。東京オリンピック2020を目指すチームが2017年12月に立ち上げられてから招集された経験のある全78名の選手(不参加含む)が登場する形で、苦しい状況にある人々に対する励まし、そして東京オリンピックに向けた夢が語られた。
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2020.12 トレーニングキャンプ@高円宮記念JFA夢フィールド
コロナ禍での活動休止から、約1年ぶりの招集となった。森保監督が「1年延期になったことで、新しく伸びてきた選手が本当にたくさんいる」という現状を踏まえ、9名が初招集となる陣容でのトレーニングキャンプを実施した。26日は関東大学選抜との練習試合も実施し、4-0と勝利。本大会への最後のチャンスと位置付けた選手たちが意欲的なプレーを見せた。森保監督は本大会に向けての新戦力探しができたことで、「本当に貴重な機会をつくっていただけたことに感謝している」と総括した。
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▼サブトピック
2020年に開所された高円宮記念JFA夢フィールドで初めて行うトレーニングとなった。各種各年代の日本代表チームの機能が一元的に集まり、縦横の緊密な連携を可能にした「日本代表の基地」として活躍するようになっている。
2021年
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2021.03 SAISON CARD CUP 2021@東京、北九州
「世界的な本当の強豪」であるU-24アルゼンチン代表を招いて2試合が行われた。第1戦は「なかなか日本にいると感じることのできないプレースタイル」(横内監督)に戸惑ったことに加え、久々の試合という難しさもあって0-1と苦杯。しかし第2戦は立ち上がりから優勢に試合を運び、「球際のデュエルのところでも優った」(同監督)上で3-0と快勝。競争の活性化につながる初招集のFW林大地のゴールも飛び出すなど、好内容の試合となった。
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2021.06 vsSAMURAI BLUE
SAMURAI BLUEのジャマイカ代表戦が中止になり、急きょ札幌入りし、札幌ドームで開催されたSAMURAI BLUEとの一戦に臨んだ。
年齢無制限、大迫勇也、長友佑都らFIFAワールドカップを経験している熟練の選手も多数含むSAMURAI BLUEに対し、U-24日本代表は24歳以下の選手たちのみで先発メンバーを構成。
開始早々に1点を失ったU-24日本代表は、相手を押し込む時間帯も作ったものの得点は奪えず、逆に二つの追加点を奪われて0−3の敗北を喫した。
U-24日本代表の選手たちにとっては多くの課題を得る機会となった一方、オーバーエイジ選手として初出場した遠藤選手は「(SAMURAI BLUEの選手たちが)手を抜かずに戦ってくれたことで、いいゲームだった」と、日本トップクラスの選手たちの胸を借りたことでさまざまな課題が浮き彫りになったことをポジティブに解釈。今後の活動を通じて、ここで得たものを選手たちで共有し、改善していく考えを明らかにした。
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2021.06 国際親善試合 vsU-24ガーナ
東京オリンピックを目指すU-24日本代表6月5日(土)、福岡県のベスト電器スタジアムにてU-24ガーナ代表との国際親善試合に臨んだ。
対戦相手となったガーナは、横内昭展監督を含めたチームスタッフがオリンピック初戦の相手である南アフリカへの対策という意味を含めて対戦を熱望したアフリカ勢のチーム。
この試合で日本はオリンピックのレギュレーションで3人まで起用することが許されているオーバーエイジ選手として、吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航を初めて先発で起用。
SAMURAI BLUEとの一戦を終え、中2日という短い時間の中でしっかりとコンディション調整に努めた日本代表は6-0の大差で勝利し、本大会に弾みをつけた。
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2021.06 国際親善試合 vsジャマイカ
東京オリンピック2020を目指して活動を続けるU-24日本代表は6月12日(土)、愛知県の豊田スタジアムにてジャマイカ代表との国際親善試合に臨んだ。
ジャマイカのフル代表を迎えて行われた今回の国際親善試合は、本大会に臨む最終メンバー18名を発表する前に行われる最後の試合であり、5月31日から続いた活動の締めくくりとなる一戦。また会場には新型コロナウイルスへの対策から人数を制限した形ではあったものの、ファン・サポーターの皆様を迎えることができ、心のこもった拍手や、熱い思いを込めた横断幕の掲示などがあり、選手の士気も自ずと高まった。
攻守ともに圧倒したU-24日本代表はジャマイカの攻撃をシュート0本に完封。6月シリーズ締めくくりとなる一戦を完勝で終えた。