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【JFA STATEMENT】第1回 「JFA2005年宣言」の進捗状況

2012年11月01日

【JFA STATEMENT】第1回 「JFA2005年宣言」の進捗状況

 皆さん、こんにちは。

 本日(11月1日)から「JFA TODAY」と題したJFAのブログを新設することになりました。ここでは、サッカー界で起こっている日々の動きや最新の情報をブログ形式でお伝えしていきます。また、今、私が綴っているこの「JFAステイトメント」は、我々の活動やその時々に起きた事象に関する見解などを示し、多くの人々に我々の考えを理解していただきたいと考えております。翌週の8日からは、歴代会長のプロフィールや、恥ずかしながら私の経歴などを掲載した「JFA President」もオープンします。皆さん、どうぞよろしくお願いします。

 さて、第1回の「JFAステイトメント」では、JFA2005年宣言の進捗状況とサッカーファミリーの拡大についてお話ししたいと思います。

アクションプランと業務プラン

 日本サッカー協会(JFA)は2005年1月1日に天皇杯決勝が開催される国立競技場で、当時の会長だった川淵三郎キャプテンが「JFA2005年宣言」を行いました。覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 JFAの理念は、「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する」こと。この理念を中・長期的な目標を掲げて示すことで、多くのサッカーファミリーと共有し、活動をより推進させようという目的で作ったのが「JFA2005年宣言」です。

 そこには、"2015年には、組織、代表チームともに世界でトップ10となり、サッカーを愛する仲間=サッカーファミリーが500万人になる"ことを示した「JFAの約束2015」という中期目標と、"2050年までに、すべての人々と喜びを分かち合うために、2つの目標を達成する、①サッカーを愛する仲間=サッカーファミリーが1000万人になる、②FIFAワールドカップを日本で開催し、日本代表チームはその大会で優勝チームとなる"、という長期的目標「JFAの約束2050」が掲げられています。

 この時、我々は「アクションプラン2015」というものをつくりました。これは、"約束2015"で掲げている3つの項目に対して、2005年から10年間で我々がやるべきことを明記したもので、例えば、世界でトップ10の組織になるために掲げた "国際力を強化する"という項目では、FIFAやAFCに人材を送り出し、国際交渉力や発言力を高めるといったことが掲げられているんです。

 これらをもっと具体的にしたのが、「業務プラン」で、2015年までの10年間を3年ごとに区切って、各部門毎に詳細な項目とそれに付随する具体的課題を掲げ、2年経ったところでそれらがどこまで達成されているかを検証。そしてまた次の3年間の業務プランを立てるというものなんです。最初に作ったのが「業務目標2008」で、現在のものは第3版となります。

 代表強化や普及推進、国際、社会貢献、広報、スポーツ医学等など28項目からなり、担当部署がそれぞれの項目のさらに具体的な計画や課題を挙げます。それがスタッフ個人の目標につながり、その成果が年俸に反映されるようになっているんです。

 進捗度合いに差はあるものの、確実に成果を上げたものもあります。例えば、「女子サッカー」。

 2010年に、2015年を見据えて"2011年FIFA女子ワールドカップで、メダル獲得"、"オリンピック競技会2012/ロンドンに出場し、メダル獲得"というのを目標の一つとして掲げ、それを達成するための業務プランとして、チームコンセプトを確立する、とか、JFAアカデミー(女子)の開校、フットサル女子の普及とか、これ以外にも詳らかな課題が網羅されています。

 そういった目標達成に向けて取り組んだ結果、皆さんご存じの通り、なでしこジャパンはワールドカップで優勝し、オリンピックでも銀メダルを獲得。女子のアカデミーも今年春、大阪・堺市にオープンし、順調に運営されています。2006年にスタートしたJFAアカデミー福島からも多くの代表選手を送り出しています。

 目標を掲げたことによって、明確に成果を出したものも少なくないんですね。

サッカーファミリーの拡大

 現在、私は、6月に就任してからのご挨拶を兼ね、9地域のサッカー協会を訪問しています。

 役員の就任挨拶と併せて会議を行い、JFAからは、登録システムの話や2013年度の公益目的事業等の活動支援金についての説明をさせてもらうほか、各地域協会の実情や課題といったことも忌憚なく話してもらい、情報共有と活動の相互理解を図っています。

 現在、日本サッカー協会に登録する人は138万人あまりで、その内訳は、サッカー/フットサル選手、監督、サッカー/フットサル審判員、サッカー/フットサル審判インストラクター、指導者、キッズリーダーなど、所定の手続きを踏んでサッカー協会に登録した人になります。

 JFAは「Kick Off」という登録管理システムによるウェブ登録サイトを運営しており、ここでは各種カテゴリーの登録手続きや講習会及び研修会の申し込みなど登録者向けのサービスを提供しています。現在はこのシステムがカテゴリー毎に別のシステムとして構築されているため、例えば指導者資格を持ち、審判資格も持っているという人は2つのIDを持ち、それぞれ別々のサイトにログインする必要があります。

 それではどうしてもシステム間の情報の相違が発生する危険性があり、管理も煩雑になってしまうことから2014年の登録年度切り替えのタイミングを目処に「1 ID for 1サッカーファミリー」を目指して「新登録管理システムの構築」を進めているんです。

 現在の登録者は、選手やチームを支えてくれるファン・サポーターは入っていませんし、試合やイベントを裏方として手伝ってくれるボランティアの人たちも入っていません。また、JFAや都道府県サッカー協会ではフットボールデーやキッズ・プログラムなどを行っていますが、そういったイベントに参加してくれる人も入っていません。しかし、「サッカーファミリー」というのは登録する人に限定されるものではなく、サッカーを愛するすべての仲間がそうであるはずです。

 サッカー協会には登録していないけれども、趣味でサッカーやフットサルを楽しんでいるというエンジョイ志向のプレーヤーも全国に大勢いらっしゃいますよね。そういった人たちも大切なサッカーファミリー。ですから、近い将来、こういった人にもIDを持ってもらい、我々からいろんな情報を発信したり、あるいは、ネット上で大会にエントリーができたり、サッカー場やフットサルコートを予約できるようになればいいと考えています。そのための基盤を今、急ピッチで整備しているというわけです。

 将来的にこのシステムがもっと整備されれば、サッカーファミリーの志向や要望をも把握できるようになるでしょうから、それが、サッカー環境を改善させたり、新たな活動をスタートさせることにもなると思っているんです。

 壮大な計画ですが、多くのファミリーの皆さんが生涯を通じてサッカーに親しめるよう、その環境整備に務めていきます。

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