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ヴィッセル神戸U-18との震災復興祈念試合を終え、ネパール代表のトレーニングキャンプが終了(8/12~20@神戸・大阪)
2017年08月28日
外務省の日中植林・植樹国際連帯事業の一環として、8月12日(土)から大阪府のJ-GREEN堺にてトレーニングキャンプを実施していたネパール代表が全日程を終了し、20日(日)に帰国しました。
トレーニングや試合の他に、環境・防災施設を訪問し、同じく阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた兵庫県、また神戸市をモデルとした震災復興までの過程を学びました。
18日(金)は、ネパール地震の際に職員を派遣した特定非営利活動法人CODE海外災害援助市民センターの吉椿雅道事務局長及び日本経済大学在学中のネパールからの留学生によるネパール復興支援についてのプレゼンテーションを神戸市役所にて実施。その後、神戸市の玉田敏郎副市長を表敬訪問し、さまざまな意見交換が行われました。
19日(土)は、今回のメインイベントであるヴィッセル神戸U-18との「ネパール震災復興祈念試合」を三木総合防災公園陸上競技場にて実施しました。神戸市在住のネパール人の方々が会場まで駆けつけ、熱い声援を送っていました。
キャンプ後半に実施した練習試合の結果は以下の通りです。
トレーニングマッチ結果
8月17日(木) ネパール代表 0-5(0-3)アミティエスポーツクラブ @J-GREEN堺
8月18日(金) ネパール代表 0-6(0-4)阪南大学 @J-GREEN堺
8月19日(土) ネパール代表 2-4(0-1)ヴィッセル神戸U-18 @三木総合防災公園陸上競技場
ネパール代表 監督・選手コメント
行徳浩二 監督
大阪という慣れない土地でしたが、短期間でいろいろなプログラムを組んでいただき、全てが良い経験になりました。選手たちにとって初めての経験ばかりで、その印象は各自さまざまだったと思います。大切なのは帰国してから、サッカーだけでなく、防災に関する体験や知識をネパール国内でいかに伝えていけるかだと思います。
日本のサッカーに対する印象といえば、ここ数年でシステマチックなプレーをするチームが増えたと思います。個人のプレーよりも戦術に重きを置いており、こういうスタイルのサッカーを初めて経験したネパールの選手たちはどう対応したら良いか分からなかったと思います。今回日本でキャンプを実施し、実際に選手が普段とは異なるプレースタイルを体感できた良い機会になりました。自分たちがまだまだできていないことに各自が気付いたことが、今回のキャンプの大きな収穫になったと思います。
アニル・グルン 選手(キャプテン)
楽しいキャンプでした。サッカーに限らず、日本の社会、その構造自体が実にシステマチックという印象を受けました。これまでいろいろな国で試合をしてきましたが、日本は子どもたちの年代から教育が非常に行き届いていると思います。食事の習慣や生活スタイルもそうでしたが、ネパールと比べてサッカーのレベルが大きく違うことが分かりました。どういう形でプレーするのかを各選手が正しく理解し、戦術・技術共にレベルが非常に高かったです。
日本は自然災害が多いなか、子どもの頃から災害対策に関する知識を勉強するなど、しっかり対策をしていることがわかりました。また、三木総合防災公園陸上競技場には備蓄倉庫が完備してあるように、日本のような災害に備える概念がネパールにはありません。今回のキャンプを通して、災害に関するいろいろな情報を得ることができましたが、その中でも消火器の使い方を教えていただいたのは大変良い経験になりました。
この度滞在したJ-GREEN堺は素晴らしい施設でした。子どもから大人までさまざまな年代がサッカーに対して真摯に向き合っている姿に感心しました。ネパールではコーチによって指導方法が違うので、選手が混乱することもありますが、日本人はサッカーのプレースタイルは当然のこと、食事するときもみんな一緒に行動していて、彼らの一貫性及び協調性に対する意識の高さを実感しました。
また、年長者に対する敬意を表した姿勢も素晴らしかったです。Jリーグの試合を観戦しましたが、対戦相手に手を差し伸べるようなフェアプレーがありました。今後見習っていきたいと思います。
AFC加盟協会の日本でのキャンプ受入れ
日本サッカー協会では、日本でのキャンプ実施の要請があった場合、トレーニングマッチのアレンジを含めた受け入れ手配全般をコーディネートし、各国協会のチーム強化をサポートしています。
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