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フィジカルフィットネスリフレッシュ研修会実施レポート ~女子選手のフィジカルフィットネス なでしこジャパンの事例より~
2023年07月11日
JFAフィジカルフィットネスプロジェクトは6月17日(土)、高円宮記念JFA夢フィールドにて指導者を対象とした『女子選手のフィジカルフィットネス』に関するリフレッシュ研修会を行いました。
昨年4月に同様の研修会をオンライン開催しましたが、今回はオンラインと対面のハイブリッド形式による講義と、実技(対面のみ)の2部構成で実施しました。講師には、フィジカルフィットネスプロジェクトメンバーでなでしこジャパンフィジカルコーチの大塚慶輔コーチが担当し、トップカテゴリーから育成年代まで様々なカテゴリーで活躍する参加者の幅広いディスカッションが行われました。
講義は、コンディショニングに関する基本的な考え方から始まり、女性アスリートのコンディション要因についてのテーマでは、フロアからも多くの質問や現場での課題についての意見が交わされました。また、障がい予防に関する考え方やトレーニングの紹介、さらに7月に開催されるFIFA 女子ワールドカップ オーストラリア&ニュージーランド 2023を戦うなでしこジャパンの活動内容や、世界基準の選手を育成するための取り組みについての報告もありました。
実技では、講義でも紹介があったムーブメントプレパレーションや各種ステップワーク、さらにステップワークを意識できるボールトレーニングについての実践を行いました。3種、4種年代を指導する参加者が多かったことから、選手への指導方法についても細かな紹介をし、参加者からも指導する際のポイントや伝え方の工夫についての質問が出るなど活発な意見交換が行われました。
今回は女子選手の指導者も多数参加しており、参加者同士の情報交換や共有があり、大変有意義な研修会となりました。今後も継続的に実技を踏まえた研修会を行う予定です。
講師コメント
大塚慶輔 なでしこジャパンフィジカルコーチ(JFA)
昨年に引き続き、女子選手に対するコンディショニングの考え方や指導現場での実際を紹介できる良い機会を得ることができました。オンラインと対面のハイブリッド形式ではありましたが、現場で起きている実際の悩みや課題なども共有することができ、有意義な研修会になりました。実技に関しても選手にどう伝えるか、注意すべきポイントはどこなのか、など様々な視点からの議論があり、参加者からも明日からすぐにやってみよう、との声があがっていました。
こうした研修会を継続していくことで、少しでも女子選手のパフォーマンスが向上することを期待したいと思います。
参加者コメント
山口広晃さん(立教大学スポーツウェルネス学研究科)
女子サッカーのフィジカルトレーニングとコンディショニングにおいて、女子サッカー選手のアスリート化の必要性、トップから逆算しての育成年代のアプローチ方法など非常に大きい枠組みのお話をいただきました。女性の身体的特徴に合わせたトレーニングや上半身の強化、コアトレーニング、敏捷性とスピードの向上、持久力とエネルギー供給、柔軟性と関節可動域の向上、疲労回復とリカバリー、メンタルなど実践的なお話などオープンに情報共有頂きまして非常に理解が深まりました。
研修会通じて、菅野フィジカルフィットネスプロジェクトリーダーの仕切りや幅広いお心遣いのおかげで、本題の内容に集中できてとても密度の濃い講習と実技でした。欲を言えば、研修会の中で基礎基本的なストレングストレーニングのフォームやスプリント技術の習得等に時間を費やしてサッカー専門指導者の方々と共有できますと、サッカー競技の特異な動きやパフォーマンスアップへの変換がより効率的にできるようになっていくかと思います。
大武輝恵さん(FC QOL MITO CIRUERA)
講義では女性特有の周期由来のコンディション把握や対策への考え方知ることができ、参考になりました。個人差があるものと捉え、個別に対応していくことはチームで実践していきたいと思います。また、育成年代の女子チームに携わっているため、生活習慣を整えること、栄養面に気を遣うべきだという点は非常に共感いたしました。各家庭と協力できる体制作りをしていきたいと感じました。
実技では、なでしこジャパンやJFAアカデミーの女子選手に実施している、またはそれに基づくトレーニング、ウォーミングアップを学ぶことができたのは、非常に有意義でした。
女子トップレベルやエリート活動でのコンディショニングやフィットネストレーニングの実践例を交えて具体的にコンディションやフィジカルフィットネスについてご教示いただけたので分かりやすかったです。
フィジカルフィットネスやコンディショニングについてより深く学びたいと感じることができました。ありがとうございました。
加藤瑠伍さん(ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-15)
今回はフィジカルというテーマだったので、生活習慣(特に食事面)から変えていかないといけないという点では自分がこれまで指導していた部分と重なることが多く、続けていくモチベーションとなりました。また、海外選手との比較から日本における女子サッカーがストロングポイントとしていきたい部分とウィークポイントである部分、そしてそれを改善するためにどのような取り組みをしていくべきかが整理されていました。
自チームでも計画的かつ継続的に実施していければと考えています。実技面では限られた時間ではありましたが、フィジカルがどうサッカーに繋がっていくかという部分で整理することができました。
自分は監督という立場でフィジカルコーチと協力しながらフィジカルトレーニングを行っていますが、トレーニングを構築していくにあたって、列になってステップ等をすることがどうサッカーの動作に繋がるのかを明確に選手に伝えていく大切さに改めて気づくことが出来ました。
日頃からその繋がりを選手が気づけるようにするための工夫の質をさらに上げていきたいと考えるヒントになった研修会でした。
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