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JFAファミリーフットサルフェスティバル2012 with KIRIN スペシャルステージ in 徳島 6月10日に徳島県鳴門総合運動公園球技場で開催
2012年06月15日
家族の触れ合い、ボールを蹴る楽しみを味わうことをテーマに開かれる「JFAファミリーフットサルフェスティバル2012 with KIRIN スペシャルステージ in 徳島」が6月10日、徳島県鳴門総合運動公園球技場(鳴門市)で徳島、愛媛、香川、高知から24チーム236人が参加して開催された。四国地方は2日前に梅雨入りするも、当日は雲ひとつない快晴で、強い日差しの下、天然芝のピッチに参加者の歓声が響き渡りフットサルを大いに楽しんだ。ファミリー賞は「東温FC」が受賞。そのほか「丸亀城東サッカー少年団」にフェスティバル賞、「レッツゴー アサニ ファミリー」にフットサル賞がそれぞれ贈られた。
ファミリー賞
今大会のファミリー賞を受賞したのは「東温FC」。愛媛県東温市の川上サッカースポーツ少年団を母体にしたチームで、同チームの子供たちと保護者の8人で構成されている。チーム代表・名本繁樹さん(59)のフットサルとの付き合いは20年以上。サッカー解説者のセルジオ越後氏との出会いから始まった。以来子供たちのフットサル育成に尽力してきた。名本さんは「帰ったら、思い出作りのために、大会の感想作文を子供たちに書かせますよ」と笑いながら語った。
メンバーの吉田和佳子さん(42)は長男の耕介くん(10)と参加。和佳子さんはフットサルの大会初試合に「目が回りました」と苦笑しながらも、2試合目にはゴール前の耕介くんへナイスパスを見せるなど気を吐いた。その耕介くんは和佳子さんのアシストなどで、3試合中2試合でハットトリックを演じた。その活躍に和佳子さんは自らの疲れも忘れて目を細めていた。
「相手がうまいので少しむきになって」と照れ笑いを浮かべたのは渡辺家のお父さん、哲也さん(33)。小・中学校でのサッカー経験を生かし、長男・英人くん(11)、次男・陽道(はるみち)くん(9)とともに無心にボールを追った。英人くんはゴールを決め、陽道くんは「もう1試合したかった」とうれしそうに言うほどに、家族のきずなを深めていた。
フットサル賞
高知県から参戦した「レッツゴー アサニファミリー」がフットサル賞を受賞した。高知市朝倉第二小学校のサッカーチーム「VAMOS朝二」所属6年生7人がメンバーとなっているチームだ。
代表の大坪幹夫さん(61)は「フットサルとサッカーを併用している数少ないチームです」とVAMOSの特徴を説明してくれた。所属60人で全国大会にも9回出場している。そうしたレベルの高さからか、弘田想くん(12)はメッシ(バルセロナ)が、武市和大くん(12)はマタ(チェルシー)が憧れだと世界のトップ選手に目標を置いている。
県のフットサル委員長も務める大坪さんは、初心者フットサル教室を開くなど、地元のフットサル人口開拓にも余念がない。
週に1回程度だが、その教室に顔を出したのが縁で、山下和恵さん(45)は長男の航史くん(12)と大会に参加。「子供と共通の話題ができましたし、ストレス解消になってますね」と笑う。初参加ながら、「ちゃんと役割を果たしていた」と航史くんから合格点をもらっていた。
フェスティバル賞
フェスティバル賞を受賞した「丸亀城東サッカー少年団」は香川県丸亀市立城東小学校の児童で構成されたクラブ。今回はクラブの女子部が、昨年に引き続き参加し受賞となった。
女子部門ができたのは昨年。チームを引率してきた三谷弥須彦さん(47)が中心となって設立した。クラブのスポーツ推進委員でもある三谷さんは「女の子たちに運動をする機会を作ってあげたくて」と動機を語った。「お兄さんや弟に一緒についてきても見てるだけではつまらないでしょうから」との想いだった。
当初は体力づくりが目標だった女子部も、女子W杯で意識が変わってきたという。秋山みゆきさん(10)は「目標は川澄(奈穂美)選手」と、なでしこメンバーの名前もあがるようになった。また八木愛梨さん(10)は「6年生になってもフットサルを続けます」と意欲的になった。
チームは3戦全敗に終わり、越智陽香さん(9)は「パスをうまく出せなかった」と少し落ち込んだが、母・景子さん(45)は「団体競技でみんなで取り組む楽しさを知ってくれてうれしい」と成長ぶり喜んだ。悔しさも覚えたチームのさらに成長した姿が楽しみだ。
キリンフットサル教室
JFAスペシャルインストラクターで元フットサル日本代表の藤井健太さん(35)らによる「キリンフットサル教室」が参加チームの子供たち約120人を対象に実施された。藤井さんは昨年いったんは引退したが、今年5月から湘南ベルマーレで現役復帰した。ミニゲームでは軽快なフットワークとトリッキーなボールさばき、そして軽妙なジョークを交え、子供たちを盛り上げた。「四国の子供たちは親しみやすく、人懐っこいので楽しいですね」と藤井さんも笑顔に。
もちろん子供たちの動きを隈なく観察。アップでフィールドを走った直後に「今、何を考えて走った? バックステップを踏んだり試してみたか?」と問いかけ、問題意識を喚起した。「人の話を1回でちゃんと聞けるか、1回で自分で考えて判断できるか、人と違ったことを工夫してやっていこう!」と全員にアドバイス。外からは見えない部分の努力と工夫について何度も強調し、実技と合わせて、上達するためのコツを丹念に教え込んでいた。
キリンビバレッジ(株) 四国支社長 塚原 光彦さん
晴天の中、大会を観戦したキリンビバレッジ(株)塚原光彦四国支社長(50)は「キリングループは1978年以来オフィシャルスポンサーとしてサッカー日本代表を支援してまいりました。またA代表やなでしこだけでなく、フットサルや初心者の方など裾野を広げる支援を今後もしていきたい」とあいさつした。この大会の様子も写真に収め、後日社内の朝礼などで紹介するという。「キリンが社会の役に立っているという実感を持ってほしい」と大会の意義を社員に伝えるつもりだと語った。
また、今月からサッカー日本代表応援キャンペーンとして11種類デザインの「サカT」プレゼントもスタート。「A代表やなでしこがデザインされたキリンラブズスポーツなどを飲んでいただいてどんどん応募してほしい」とアピール。
高知県では10月28日に元サッカー日本代表小倉隆史氏がスーパーバイザーを務めるサッカー教室「キリンサッカーフィールド」が予定されている。「小学生向けのサッカー教室です。キリンのHPで参加申し込みできますので奮ってご応募ください」と話した。
徳島県サッカー協会 藤田 明さん
徳島県サッカー協会・藤田明会長(71)の話 梅雨の合間の晴れ間で熱中症やけが人なども出ることなく終えられたことをうれしく思います。「楽しく、笑顔で、和やかに」の目標は達成できたと思います。参加者の皆さんには心から敬意を表したいです。
4年に1回のスペシャルステージは四国4県の関係者が交流することで視野も人脈も広がります。じかに触れ合うことで、お互いの実情を知ることもできます。我々の活動目標の1つはサッカーファミリーの拡大、ひいては言葉を交わすことで家族の絆を深めることですが、ファミリーフットサルはこの10年で着実に定着してきています。このいい流れをさらに拡大して、フットサルを広げていきたいと考えています。そしてここから、フットサルやサッカーで活躍する選手が出てくることを祈っています。
文・写真提供:日刊スポーツ