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「他分野の先駆者からクラブ・地域振興のヒントを学ぶ」 JFAスポーツマネジャーズカレッジ・セッション2が終了
2013年09月26日
9月19日から23日の期間でJFAスポーツマネジャーズカレッジ(SMC)本講座、セッション2が実施されました。
今回のセッションは、松岡正剛さん(編集工学研究所所長)による「クラブ論」の講演に始まり、新潟県の越後妻有の「大地の芸術祭の里」での視察・講義まで、スポーツ界以外の分野で活躍される方々から多くの学びを得る場となりました。
特別講座と題した松岡さんの講演は、今年度の本講座受講生のほか、過去の受講生にも参加を募った結果、当日は約100名の聴講生が集まり会場は大盛況に。
講演では、日本のクラブの可能性として「結」、「講」、「座」など、様々なカタチの集団を例に挙げながら、クラブやコミュニティの発展の条件として、ルール、ロール、ツールの「ルル3条」の必要性や、閉じられた組織での「クラブ財」の価値醸成の重要性が語られました。
息つく暇もないほど次から次へ話題が提供され、難しい内容の部分もありましたが、聴講生からは「参加してよかった」、「もっと聴きたい」という声が多く寄せられました。
翌日以降も内容は盛りだくさん。まずはStudio-Lの内海慎一さんによる「コミュニティデザイン」のお話。今や飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍されるコミュニティデザイナー・山崎亮さんの元で活躍される内海さんからは、地域の人々を巻き込み、共同作業を行っていく際の様々な活動における考え方、取り組みについて実際の事例を紹介しながら講義が行われました。
その後も後藤健市さん(合同会社場所文化機構)や本木陽一さん(株式会社アールアンドディーアイスクエア代表取締役)による北海道・十勝や群馬・高崎の地域活性の取り組みについて、「ない」から「ある」への意識の転換や、コミュニティにおける記憶のフックとしての「場」の創造といったテーマでお話をいただくとともに、その夜は実際に高崎の屋台村を訪れ、実際に地元活躍される方々と意見交換を行いながらそれぞれの想いや情熱に触れることができました。
最後の場所は新潟・越後妻有。
1996年に樹立された「越後妻有アートネックレス整備構想」を受けてその計画が始まった「大地の芸術祭」の舞台であるこの土地で、様々な作品を巡り、またイベントに参加しながら地域住民との関わりや歴史を学びました。最終日には大地の芸術祭総合ディレクターである北川フラムさん(株式会社アートフロントギャラリー代表取締役)に講義をいただき、計画当初における地域住民との対立やそれを乗り越え徐々に理解が深まってきている現状、この取り組みが地域や住民にもたらしたものなど、アートにちなんだ話題を交え興味深いお話をいただきました。
特別講座を含め、計5日間のセッションとなった今回の一連の講座では、サッカーから少し離れた分野でのお話や活動視察が多く、また早朝からの講義などもあり、体力的な部分はもちろん、集中力の持続という意味でも非常に大変な内容だったのではないかと思います。
しかしながら、また一方で普段は接することのない人々や活動に出会うことで感じること、学ぶことも多くあったはず。受講生は自身の考える「理想のクラブ」の確立に向け、今回の学びや経験を活かしてくれることでしょう!
受講者コメント
長谷川雅治さん
(大地の芸術祭の里を巡って)地域の外的環境(地理的要件)から文化(稲作、織物)、芸術祭の成り立ち、人のエピソードまで、バスガイドの方の丁寧な解説も含めて多くの話を聞かせていただき大変感謝しています。
谷島大知さん
人をつなぐヒントが詰まった内容でした。「何かやらないと」と思っていても、実際に行動に移して成果をあげたという地域の話は多くないと思いますが、そこを打開する、またはそのような人たちを巻き込んでいくという考え方はいろいろと参考になりました。