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都道府県サッカー協会取り組み紹介‐第4種の取り組み(岩手県サッカー協会)
2015年08月24日
各都道府県サッカー協会の方針や活動内容を、「シニア」「第1種」「第2種」「第3種」「第4種」「キッズ」「女子」「フットサル」「ビーチサッカー」「審判委員会」「施設委員会(環境整備)」「技術委員会」「障がい者サッカー」の13テーマの下、紹介しています。全国各地でどのような活動が行われているのか、この機会にぜひご一読ください。
今回から4回にわたり、第4種の取り組みをご紹介いたします。
※以下の寄稿記事は、JFAnews2015年8月情報号「REGIONAL NEWS」コーナーにも掲載されています。
第4種の取り組み~岩手県サッカー協会
工藤幹太郎 4種委員会 委員長
「東日本大震災以降の岩手県少年サッカー界」
東日本大震災の発生直後から、東北各県はもとより日本全国そして世界各国の皆さまから多大なるご支援をいただき、あらためて感謝申し上げます。
岩手県沿岸地区の多くの方々は、震災によって愛する家族や思い出の詰まった家財、そして大切な仲間を失ってしまいました。皆さま方からのご支援と、そして何よりも被害に遭われた方々の頑張りにより、この耐え難い経験を乗り越え、沿岸地区では少しずつ復旧から復興へと歩み始めています。
このような状況下、当沿岸地区において今年6月、本県少年サッカー界としては最も歴史が長い「かもめの玉子セーラーカップ第42回岩手県サッカースポーツ少年団大会」の決勝トーナメントを開催することができました。当初は、被害に遭われた方々への負担をより大きくしてしまうのではないかとの迷いもありましたが、開催後に運営に携わった方々に話をうかがったところ、「多くのチームが沿岸地区に足を運んでくださり、現状を知ってもらえて大変ありがたかった」との声をいただきました。また、試合会場のひとつとなった陸前高田市長部グラウンドの天然芝ピッチは、震災で津波の直接被害を受け、その後多くの方々からのご支援によって整備されたものでした。
今回、この県大会の決勝トーナメントを被災地域で開催した大きな意義は「風化させない」ということです。震災から4年余りが経過し、私自身も含めて実際に被害が大きかった地域に住んでいない者からすれば、復興が進んですっかり元の生活に戻りつつあるものと感じ、震災自体を過去のことと捉えてしまいがちです。しかし、実際は復興の道を歩み始めただけでまだ全く進んでいません。被害に遭われた方々はいまだに不安から抜け出せず、将来をしっかりと見据えることが難しい状況にあります。だからこそ、今回、県大会の決勝トーナメントを沿岸地区で開催し、県内各地から多くの方々に集まっていただくことで、現状を知り、被害に遭われた方々を忘れることなく風化を防ぎたいと考えました。
今後も、私たちにどれだけのことができるか分かりませんが、被害に遭われた方々をできる限りサポートしていきたいと思っています。