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スポーツ救命ライセンス講習会を他競技向けに初開催
2018年07月18日
7月7日(土)に東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターにて、公益財団法人日本バレーボール協会メディカル委員会との共催で、他の競技団体向けでは初となる「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催しました。
今回はバレーボールに携わる方々への講習会で、通常の講義(心臓突然死・、脳振盪(のうしんとう)、熱中症、アナフィラキシー、窒息についての予防・対応策)・実技(心停止からのCPRとAED使用)の内容を、屋内でのバレーボール、屋外でのビーチバレーの競技中に起こりうる事例を盛り込み行われました。受講生の皆様からはバレーボールの現場特有の質問も多く、真剣に取り組む姿が見られました。
本講習会はサッカーだけではなく、様々なスポーツの現場で対応できる内容となっています。スポーツに関わる方々へより実践的な救命講習会として今後も広く開催していきます。
本講習会の合格者には修了証(3年間有効のライセンス証)が発行されます。また、本講習会は、公益財団法人日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有していなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
※ 講習会開催希望の団体は、公益財団法人 日本サッカー協会技術部宛にメール(jfa-igaku@jfa.or.jp)にてお問い合わせください。
講師コメント
福島理文 JFAスポーツ救命プロジェクトメンバー
今回、サッカー以外のスポーツ協会では初めての開催となり、記念すべき講習会となりました。受講者は医師、歯科医師、看護師、理学療法士など27名が参加しました。スポーツにおける突然死や脳振盪(のうしんとう)や熱中症の講義に加え、一次救命処置と傷病者搬送の実技について熱心に積極的に受講されており、多くの質疑応答も行われました。今回をきっかけにして、本講習会がスポーツの垣根を超えて広がり、あらゆるスポーツ現場で対応出来るようになり、スポーツ中の事故が少なく出来ることを願っております。本講習会はサッカーに限らずスポーツに関わる方にご利用いただけますのでご興味をお持ちいただける方はぜひご参加していただければ幸いです。
インストラクターコメント
北田博 市川市消防局 救急救命士
JFAが開催しているスポーツ救命ライセンス講習会に、実技のインストラクターの一員として参加させていただいておりますが、今回初の試みでもある、日本バレーボール協会に対するスポーツ救命ライセンス講習会が東京都内で開催されました。指導内容は心臓突然死等の講義を始め、AEDを用いたBLSやバックボードによる固定処置、搬送要領と5時間にわたる講習会で、受講生も医師や歯科医師、看護師、トレーナーなど27名が汗を流しながら熱心に受講されました。特に実技試験では実践に即した内容を付与したことで理解度も上がり、搬送要領は、実際どこでも調達できる毛布やタオルでの代用方法などを織り交ぜた内容に変更したことで満足度も上がりました。一つのセクションごとに参加者の質問も多く、皆さまの熱心さが講師陣にも伝わりました。講習会終了後、実際そのような事態に遭遇した時は、自信を持って対処することができるとの言葉をいただき、救急救命士の私としてはとても嬉しく思いました。すべてのスポーツで起こりうる緊急事態に遭遇した場合、そこに関わるすべての方が、適切な処置を行うことで大切な命を救うことが出来ます。『一人でも多くの人命を救うために』を合言葉に、今後も積極的にスポーツ救命ライセンス講習会に関わっていきたいと思います。
受講者コメント
林光俊 日本バレーボール協会メディカルユニット委員長
サッカーとバレーボールの架け橋 ―目標は2020東京オリンピックの医療救護―
きっかけは2017年11月の日本臨床スポーツ医学会でした。日本サッカー協会スポーツ救命プロジェクトの古家信介先生による“日本サッカー協会による新しい救急救命講習会「スポーツ救命ライセンス講習会の試み」”を拝聴して、ご講演後、私は迷わず我々日本バレーボール協会メディカルスタッフのスキルアップのために、受講させていただきたいと願い出ました。目的は東京オリンピック試合会場での医療救護チームのスキルアップです。バレーボール競技は体育館での6人制競技以外に、炎天下の潮風公園でビーチバレーボールが開催予定です。8月の暑熱下で行われる悪環境を考えると、選手のみならず役員、観客のコンディションはどうなるのか頭が痛い次第です。7月7日(土)、ついに両協会の懸け橋となる講習会が味の素ナショナルトレーニングセンターでバレーボールメディカルスタッフ27名(ドクター、理学療法士、歯科医師、体育教員ほか)、JFAから9名のスタッフ講師が集まり開催されました。内容は盛りだくさんで、現場での救急医療の座学に始まり、全員がAED使用、担架搬送の実技を手取り足取りで教わりました。バレーボール競技は幸い命にかかわるような外傷は少ないですが、真夏に行われるビーチバレーボールのように熱中症、救命対応などが予想され、非常に有意義な講習会でした。休日にもかかわらずご指導いただいた古家先生はじめJFAスタッフ9名の方々には大変感謝いたします。