青森山田は流経大柏との“高体連対決”に勝利し首位を堅守 ~高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ第10節~
2019年07月16日
高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2019 EASTの第10節が7月13日(土)から14日(日)にかけて開催され、各地で熱戦が繰り広げられました。青森山田高校グラウンドではホームの青森山田高校(青森)と流通経済大学付属柏高校(千葉)の高体連同士の試合が行われ、3-1で勝利した青森山田は無敗で首位をキープしました。
青森山田高校 3-1(前半3-0、後半0-1)流通経済大学付属柏高校
試合の序盤について、流経大柏の監督代行を務めた斉藤礼音コーチは「決して悪いものではなかった」と振り返ります。選手たちは厳しく相手にプレッシャーをかけながら集中してゲームに入っていましたが、青森山田は一瞬の隙を見逃さずに得点を重ねていくこととなりました。
まずは開始9分、ハンドの反則で得たPKをMF武田英寿選手(#10)が落ち着いて決めて先制点を奪い取ります。さらに続く11分には古宿理久選手(#6)のパスを受けた武田選手がペナルティーエリア中央に入り込んでの左足シュートを振り抜きます。「古宿選手が良いパスをくれて、ファーストタッチがうまくいった。シュートもイメージ通り」という一撃がゴールネットを揺らします。
「1点目を奪われたあとにチーム全体でメンタル面が受け身になってしまった」とMF八木滉史選手(#10)が悔やんだように、この連続失点が最後まで重くのしかかることになります。そして22分にはまたも青森山田にゴールが生まれます。武田選手が右サイドでのFKをファーサイドへ送ると、これにMF松木玖生選手(#7)がジャンピングヘッドで競り勝ち、3点目を奪い取りました。
流経大柏の前半におけるシュート数は0本。中盤の中央で主導権を握られてしまい、有効な攻撃がまったく繰り出せませんでした。このため、選手交代を交えてシステムも変更。中盤中央を厚くする形に切り替え、「まず中盤の中央で武田選手や松木選手に自由にやらせないようにした」(斉藤コーチ)と戦術的な修正を施します。
後半開始早々、スローインの流れからMF藤井海和選手(#4)がゴールを奪って反撃の狼煙をあげると、ここからは流経大柏のペースになります。相手ゴールに迫るシーンを何度もつくり出しますが、青森山田守備陣もDF藤原優大選手(#5)、箱﨑拓選手(#4)を中心に粘り強く対抗します。流経大柏がフィニッシュの精度を欠いたこともあり、結局ゴールは最初の1点止まり。3-1で逃げ切った青森山田が無敗をキープし、首位で夏の中断期間を迎えることとなりました。
青森山田・黒田剛監督は「反省材料が出た」と後半の内容を厳しく評価した一方で、「あっさり勝つよりも選手たちにとっては良かったかもしれない」と中断期間前に苦い薬を飲んだことをポジティブに捉えました。一方、敗れた流経大柏の斉藤コーチは「内容だけなら前半は青森山田、後半は流経大柏という痛み分けのような試合。ただ、そこがうちと青森山田さんの差。最後の精度、ゴールを決める部分を夏の間に鍛え直したい」と語り、中断後の巻き返しを誓いました。
黒田剛 監督(青森山田高校)
全国高等学校総合体育大会を控えているタイミングですが、リーグ戦の期間中はリーグ戦のことしか考えていません。(流経大柏に対しては)2トップを抜け出させないこと、両サイドのバトルで絶対に負けないこと、そしてカウンターのケアについて選手たちには伝えてありました。ただ、まずは相手のことより自分たちがやるべきことを徹底して試合に臨んでいます。早い時間帯に先制点が取れたのはすごく良かったですが、後半の内容には課題が残りました。
GK #1 佐藤史騎 選手(青森山田高校)
前半の最初はまずリスクを冒さないようにして試合に入りました。前半の内容は良かったと思いますが、後半立ち上がりの失点は自分たちのミスでした。セットプレーで決められてしまったのは課題です。後半に入ってからセカンドボールが拾えなくなってしまったのが苦戦の原因だと思います。リーグ戦を首位でいられるのは、守備から入るところが徹底されている成果だと思います。
斉藤礼音 コーチ(流通経済大学付属柏高校)
青森山田の中心は武田選手と松木選手のところで、そこに仕事をさせないことが重要でした。前半はそれができず、後半はそれができていたという試合だと思います。山田との違いはやはりゴール前でのクオリティーの差だと思います。単純に技術のあるなしではなく、相手を見てプレーできているかどうか。その差を感じているので、この夏の中断期間を使ってしっかりトレーニングしていきたいと思っています。
MF #10 八木滉史 選手(流通経済大学付属柏高校)
PKで失点してチームが動揺してしまったのは反省点です。もっとしっかり話もするべきでした。後半から中盤の枚数を増やして対応しましたが、前半のうちからもっと意識して(他のポジションの選手を絞らせたり、下がらせたりして)あそこを埋めさせれば良かったです。もうリーグ戦の8試合と全国高等学校サッカー選手権しか残っていないので、この夏を通じてチームとして一皮も二皮もむけて来ようと思います。
清水エスパルスユース 1-1(前半1-1、後半0-0)浦和レッドダイヤモンズユース
鹿島アントラーズユース 1-0(前半1-0、後半0-0)大宮アルディージャU18
尚志高校 3-1(前半2-1、後半1-0)柏レイソルU-18
ジュビロ磐田U-18 1-2(前半0-1、後半1-1)市立船橋高校
清水エスパルスユース(静岡)と浦和レッドダイヤモンズユース(埼玉)の一戦は、アウェイの浦和が4分に先制ゴールを挙げるも、前半のアディショナルタイムにMF青島太一選手(#11)の得点で清水が追いつき、勝点1を分け合う結果となりました。大宮アルディージャU18(埼玉)をホームに迎えた鹿島アントラーズユース(茨城)は、31分のMF竹間永和選手(#25)の得点を守り抜き、6試合ぶりの勝点3を獲得しました。尚志高校(福島)はFW山内大空選手(#10)の2ゴールと途中出場のFW染野唯月選手(#9)のゴールで柏レイソルU-18(千葉)を撃破。降格圏を脱しました。ジュビロ磐田U-18(静岡)と対戦した市立船橋高校(千葉)は、1-1で迎えた61分にFW森英希選手(#8)にゴールが生まれ、第5節以来の白星を手にしました。
大会期間:2019年4月6日(土)~2019年12月8日(日)
EAST 第11節
2019年8月24日(土)
17:00 大宮アルディージャU18 vs 市立船橋高校(NACK5スタジアム大宮)
2019年8月25日(日)
11:00 ジュビロ磐田U-18 vs 青森山田高校(磐田スポーツ交流の里ゆめりあ球技場サッカーグラウンド)
11:00 尚志高校 vs 流通経済大学付属柏高校(郡山市営西部サッカー場)
16:00 柏レイソルU-18 vs 清水エスパルスユース(三協フロンテア柏スタジアム)
17:00 浦和レッドダイヤモンズユース vs 鹿島アントラーズユース(浦和駒場スタジアム)
WEST 第11節
2019年8月24日(土)
17:00 京都サンガF.C. U-18 vs ヴィッセル神戸U-18(京都サンガF.C. 東城陽グラウンド)
17:00 セレッソ大阪U-18 vs サンフレッチェ広島F.Cユース(セレッソ大阪舞洲グラウンド)
17:00 大津高校 vs アビスパ福岡U-18(大津町運動公園競技場)
18:00 名古屋グランパスU-18 vs 東福岡高校(トヨタスポーツセンター(天然芝))
2019年8月25日(日)
10:00 ガンバ大阪ユース vs 愛媛FC U-18(OFA万博フットボールセンターグラウンド)