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「自分たちらしい戦いを見せてほしい」鮫島彩選手(INAC神戸レオネッサ)が語る高校時代 第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
2018年12月25日
第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会が2019年1月3日(木)に開幕します。ここでは大会準優勝の経験がある鮫島彩選手(INAC神戸レオネッサ)に大会や高校時代の思い出について聞きました。
――鮫島選手は高校時代、常盤木学園高校のメンバーとして、2003年度の第12回大会から、3年連続で本大会に出場しました。どのような思い出がありますか?
鮫島 3大会とも決勝まで戦いました。優勝してもおかしくないチームだったと思いますが、シルバーコレクターでしたね(苦笑)。3度とも準優勝で、逆転負けの試合もありました。結果はとても悔しかったけれど、本当に楽しかったです。
――どのようなところに楽しさを感じていましたか?
鮫島 今はなでしこリーグで毎週試合がある生活を送っていますが、当時はこの大会のために1年間頑張っていました。毎日たくさん走って、たくさん練習して。それまで積み重ねてきたものを全て出す場所だと思うとプレッシャーもありましたが、それよりも試合ができてうれしいとか楽しいという気持ちの方が大きかったです。
――鮫島選手は地元の栃木県を離れ、高校3年間を宮城県の常盤木学園で過ごしました。高校生活ではどのようなことを感じていましたか?
鮫島 地元にいた頃とは環境が変わりました。衝撃的だったのはやはりサッカーのことでした。私が入学する前年に常盤木学園がこの大会で優勝していたので、その優勝メンバーも多く残っていました。絶妙なタイミングですごくいいパスを出してくれたり、私の動き出しによって出してくれるボールが違ったり。とても新鮮で、本当に「楽しい!」という表現がぴったりでした。先輩たちの良い部分をどんどん吸収したいと思いながら、練習に取り組んでいましたね。
――練習の中で、特に印象深いことはありますか?
鮫島 当時はかなりハードな走り込みがありました。二度と同じ走り込みをしたいとは思わないくらいにとにかく走りました(笑)。けれど、それも含めて常盤木学園に行ってよかったと思います。今でも昔の仲間と集まったときに笑いながら言うんですよ、「あのとき辛かったね」って(笑)。苦しさを乗り越えるということも、大切な思い出の一つになるのかもしれませんね。
――本大会は、鮫島選手が出場されていた当時とはレギュレーションが変わり、出場32チームによるノックアウト方式になりました。
鮫島 私たちの時代だとまずグループリーグが3試合ありました。今のルールに比べれば心の余裕はまだあったと思います。それでも、ノックアウト方式の決勝ラウンドになると、やはり試合前は怖かったですね。今の選手たちは、すごく難しいだろうと思います。
――ノックアウト方式の大会を勝ち抜くためには、どのようなことが大事でしょうか?
鮫島 試合の入り方はすごく大事です。一発勝負だと先制点が試合の流れを左右します。失点してしまうと、相手が守備を固めてくる可能性もあります。その中で自分たちは守備のリスクを冒してでも点を取り返すしかなくなってしまう。そうなるとプランが崩れて、難しいことが増えてきてしまいます。だから試合の入りからどれだけいい流れを自分たちに引き寄せられるかがとても重要です。キックオフの瞬間、一本目のパスから大事にすべきですね。
――出場する選手たちにアドバイスをお願いします。
鮫島 ノックアウト方式だと、試合前には「ここで自分たちが敗退してしまうかもしれない」という恐怖を感じることもあると思います。でも、守りに入ってしまうと楽しさも半減してしまうだろうし、自分らしいプレーも出せないと思います。せっかく1年頑張ってきたんだから、自分の好きなプレーをやってもらいたい。そして、周りの選手の特長をしっかり生かしてあげてほしい。変に結果を恐れることなく、自分たちらしい戦いを見せてもらいたいです。
第27回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
大会期間:2019年1月3日(木)~2019年1月13日(日)[全試合無料]
大会会場:三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、神戸総合運動公園(兵庫県神戸市)
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