ニュース
横浜FM、FC東京、神戸、カタール開催で再開のACLでアジア王座に挑む
2020年11月20日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の東地区の戦いが、新型コロナウイルス感染流行による中断からカタールでの集中開催で再開されます。日本から出場している横浜F・マリノス、FC東京、ヴィッセル神戸は11月24日からアジア王座への戦いを再び始めます。
今季のACLは東地区では2月11日からグループステージを始めていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて2~3節まで実施したところで中断。その後、世界的流行となった感染状況を見ながら再開時期と場所を探り、東地区は今大会残りの試合を11月18日からカタールでの集中開催で実施することになりました。
12月3、4日のグループステージ第6節までを中2日で行い、各グループの上位2チームがノックアウトステージへ進出。ラウンド16(12月6、7日)以降、準々決勝(12月10日)、準決勝(12月13日)は従来のホーム・アンド・アウェイ方式から1発勝負での戦いに変更されています。勝ち抜いて東地区でトップになったチームは、ドーハで行われる12月19日の西地区準決勝勝者との決勝に臨みます。
中断前の試合消化数がチームによって異なるため、今回の再開での第1戦もチームによって異なります。特に2~3月の感染拡大の影響で、中国勢はグループEの北京国安以外は今回が今季ACLのスタートです。
日本勢はFC東京が11月24日、横浜FMと神戸は翌25日が再開後の第1戦。いずれも中国勢との対戦で、しかも中2日で同じ相手とリターンレッグを行うという日程です。
ちなみに、今季の中国スーパーリーグは感染流行での中断を受けて再編され、7月から開始。2グループに分けてファーストステージを行い、10月から11月にかけてプレーオフを実施しました。今回日本と対戦のある3チームは、11月12日のプレーオフ決勝で江蘇蘇寧に敗れた広州恒大が準優勝、上海上港が4位、上海申花が7位でした。
横浜FMは上海上港、FC東京は上海申花と第1戦
昨季のJリーグを制して6年ぶりに出場している横浜FMは、韓国Kリーグ王者でACL2度優勝の全北現代モータース、前回大会ベスト8の中国強豪の上海上港、オーストラリアAリーグ・グランドファイナル勝者のシドニーFCと同じグループHです。再開初戦で上海上港と対戦します。
横浜FMは2月の初戦でアウェイでの全北戦に2-1で勝利。第2節にホームでシドニーと対戦し、FWオナイウ阿道選手とMF仲川輝人選手が2ゴールずつをマークして4-0で勝利しました。現在勝点6でグループH首位に立ち、19日にシドニーに2-1で勝利した上海上港が勝点3で2位に浮上しました。上港は22日に、現在勝点1で初勝利を目指している全北と対戦します。
上港には元ブラジル代表MFフッキ選手が健在。先日、中国リーグでのプレーは今季が最後となることを発表しており、今大会は集大成となりそうです。
一方、FC東京は、昨季のJリーグ2位でプレーオフを勝ち抜いて2016年大会以来4年ぶり通算3度目の出場です。2012年大会優勝で昨季Kリーグ2位の蔚山現代、中国FAカップ優勝で2年ぶり出場の上海申花、オーストラリアAリーグのレギュラーシーズン1位でグランドファイナル準優勝のパース・グローリーと、グループFでの対戦です。
2月の初戦をアウェイで蔚山と1-1で引き分けた後、ホームでパースに1-0の勝利を収めました。第1戦ではFWディエゴ・オリベイラ選手、第2戦ではFWレアンドロ選手が得点を決めています。
現在、勝点4のFC東京がグループ首位。18日にパースに2-1で勝利した上海申花が勝点3を手にし、勝点1の蔚山を抜いて2位に上がりました。
申花は21日の蔚山戦を経て、24日に東京との対戦に臨みます。ジョバンニ・モレノ選手、キム・シンウク選手ら主力数人を負傷や大会登録制限で欠いているようですが、韓国の全北をACL優勝に2度導いたチェ・ガンヒ監督が率いており、油断はできません。
神戸と同組のマレーシア王者が出場断念
天皇杯に優勝してACL初出場の神戸はグループGでの戦いです。中国スーパーリーグ王者でACL2大会制覇の実績がある広州恒大、韓国FAカップ優勝の水原三星ブルーウィングス、マレーシアリーグ優勝のジョホール・ダルル・タクジム(JDT)との組み合わせでしたが、JDTが大会を辞退。3チームでの戦いになります。
JDTはマレーシア政府の感染対策による渡航制限を受けてカタールへ渡航できず、出場を断念。これにより、JDTの今大会でのこれまでの試合記録も無効となるため、2月の初戦で神戸がFW小川慶二朗選手のハットトリックなどで5-1の勝利を収めた記録も無くなりました。
神戸は中断前の第2節にアウェイでの水原戦にFW古橋亨梧選手の得点で1-0と勝利。この勝点3で、試合消化のない広州恒大、1敗の水原を抑えてグループ首位を維持しています。グループGは22日の水原-広州恒大戦から戦いがスタート。その試合を経て25日に神戸と広州恒大の対戦が行われます。
広州の元ブラジル代表MFパウリーニョ選手は負傷で直前に不参加となりましたが、2015年大会優勝に得点王の活躍で貢献したFWリカルド・グラル選手が代わりに登録されました。
西地区は終了、感染の影響で前回王者が辞退
西地区では9月に、カタールでの集中開催で準決勝までを終了しています。
東地区同様にラウンド16以降は一発勝負形式で行われ、10月3日の準決勝ではペルセポリス(イラン)がアルナスル(サウジアラビア)と対戦。1-1の延長の末にPK戦5-3で競り勝って、決勝へ駒を進めました。
しかし、グループステージ再開時にアルワハダ(UAE)が選手の感染判明で辞退。前回優勝のアルヒラル(サウジアラビア)も同じく感染者が出たことで、出場に必要な選手人数を確保できずに辞退となるハプニングもありました。
現在も新型コロナウイルス感染症の世界的流行に収束は見られず、試合はエデュケーション・シティ・スタジアムなど2022年FIFAワールドカップのスタジアムで行われますが、無観客での開催です。
なお、アジア王者が出場するFIFAクラブワールドカップは、今年は感染拡大の影響で12月開催が見送られ、来年2月1~11日に開催されることがFIFAから発表されました。開催地カタールに変更はありません。