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なでしこジャパン ピッチ内外でチーム戦術の共通認識を深める

2021年03月25日

なでしこジャパン ピッチ内外でチーム戦術の共通認識を深める

なでしこジャパンは24日(水)、前日をオフに近い形で回復に充てたこともあり、リフレッシュしてトレーニングに臨みました。

所属チームが始動したばかりで、各選手のコンディション面に多少のばらつきはあるものの、代表活動に照準を合わせて準備してきたこともあり、ここまで大きなけが人や離脱者もなく、2週間のキャンプを折り返しました。積極的な休養日を取ったことで「だいぶ回復した」と口にする選手もいて、それぞれが一日一日を無駄にすることなくトレーニングに臨めるよう、自分の体と向き合って過ごしています。

この日のトレーニングは、対人のメニューを多く取り入れた内容となりました。3つのグループに分かれたポゼッションのトレーニングでは、ボールを失った1グループが守備に、残りの2グループがボールを保持する形で攻守が目まぐるしく入れ替わる展開の中、「切り替えを速く」「もっと逆サイドを意識」「遠くを見よう」といった声がかかります。狭いスペースで予測を働かせて守ってくる相手に対し、素直なプレーが多いことを見た高倉麻子監督はプレーを止めて、「もっと相手を騙さないと」と、目線や体の向きで相手の逆を取る工夫などを伝えました。最後はピッチを少し狭めた10対10のゲームでこの日のトレーニングを締めました。

夕食後に行われたミーティングは頭を整理する時間となり、ピッチ上のエリアの認識や、それぞれのエリアでチームとして狙うプレーについて、映像を見ながらチーム全体で確認し、共通の認識を深めました。

選手コメント

MF 猶本光 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
今の代表チームではボランチとサイドハーフという2つのポジションでプレーしています。それぞれ役割が違う中で、どうプレーすべきか、ポジションの役割を理解しながらプレーして課題を出すことで次に繋げられていると思います。チームとしては特に守備面で組織的に共通理解を持つ中でいいエラーが出て、そこに対して選手間で話ができているので手応えを感じています。2つのポジションでプレーできることはプラスに捉えています。特にサイドハーフに関しては、所属チームと代表では求められる役割が違うところがあるので、そこをもっと突き詰めていけると思っています。1月、2月と代表の活動が予定されていたため、いつものこの時期よりはコンディションがいい感覚なので、4月の2試合に向けてしっかりと備えたいと思います。まずは自分がすべきことをしっかりとやって、ボランチであればまずは守備から、サイドハーフであればより攻撃的にゴールに絡みたいと思います。ドイツから日本に復帰して、所属チームの目指すサッカーが代表チームと共通する部分があり、それを1年かけて取り組めたことは良かったと思います。ヨーロッパでは守備の部分で、特に球際で勝つというのは大前提として求められますし、トップの選手はシュートを決める部分が全く違うので、そのあたりは突き詰めていきたいです。シュートは永遠の課題で、ゴール前のレパートリーを増やしていくことはもちろんですが、昨シーズンは初めてプレースキックを任せてもらえて、蹴り続ける中で毎回課題を見つけてまたトライして、その中で新しい発見があり、代表でもその力は発揮したいです。

MF 杉田妃和 選手(INAC神戸レオネッサ)
今回の代表合宿ではここまで、積極性を含めて自分の特長を活かすという部分ではいい形でできていると思います。最後のところで合わせるという部分ではもう少しやり込んでいけばいいシーンも出てくると感じています。ボランチでは守備面が大事ですが、後ろに重たくなり過ぎると攻撃の幅も出ないので、あまり後ろに引っ張られ過ぎないようにバランスを見ながら前にも関わっていくプレーをしたいです。WEリーグの開幕が9月ということでチームの始動が遅い一方で、代表では東京オリンピックに向けて活動が始まるので、所属チームの監督がチームと代表でバランスを見ながら練習を組んでくれていたので合わせやすかったです。先日は紅白戦も行われましたが、選手によってはまだ試合形式のトレーニングをやっていないので、久しぶりでうまくあわないところもありました。ただ皆コンディションは悪くなく、オフ明け最初のキャンプとしては悪くなかったと思います。ストロングポイントや得意なことが選手によって違うので、パスであったりタイミングであったり、自分の中でなるべく意識してプレーしようとしています。五輪まで時間がすごくあるわけではないですが、できることはありますし、来月には試合も控えていて、すごく楽しみにしていますし、久しぶりに試合ができることに喜びを感じています。今オリンピックに期待している人が多くないと見聞きしますが、この難しい時期に結果を残すことで逆に女子サッカーも面白いと思ってもらえるタイミングだとも思うので、一つの勝利への執着心や、気持ちのコントロールは技術以上に大事だと考えています。昨年も今年も海外遠征に行けずに試合ができませんでしたが、自分の課題に向き合える時間があると捉えて、質を高めていけると思っています。サイドでプレーすることが多いですが、相手がいる中でどれだけできるか、駆け引きなど工夫しながらやっています。相手からしたらひとつひとつのプレーで駆け引きしてくる選手は嫌だと思うので、相手から嫌がられるプレーを意識しています。

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