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U-20日本女子代表候補 FIFA U-20女子ワールドカップコスタリカ2022に向けて今年初めての活動を実施
2022年05月26日
U-20日本女子代表候補は5月23日(月)から、今年初めてのトレーニングキャンプをJヴィレッジで行っています。5月5日(木)にFIFA U-20女子ワールドカップコスタリカ2022の組み合わせ抽選会が行われ、グループステージでオランダ、ガーナ、アメリカと対戦することが決まったチームは、約2ヶ月後に開幕する大会に向け再始動しました。
集合日には選手とスタッフ全員がSmartAmp法検査を受検し、新型コロナウイルス陰性を確認してからJヴィレッジに移動しました。到着後の午後のトレーニングでは測定テストを行い、その後は練習組とリカバリー組に分かれてそれぞれのメニューに取り組みました。夜のミーティングでは、池田太監督から今回のトレーニングキャンプのテーマやチームコンセプト、FIFA U-20女子ワールドカップ優勝という目標の再確認が行われ、またFIFA U-20女子ワールドカップに向けたスケジュールと大会でのマッチスケジュールが共有されました。チームのコンセプトは昨年に引き続き、「アグレッシブにボールを奪う」こと。チームとしての目指す姿を全員で再認識しました。
2日目の24日(火)は午前と午後の二部練習。翌25日(水)は、午前中にセットプレーの確認を行い、午後は東日本国際大学附属昌平高等学校(男子)とトレーニングマッチを実施。試合は30分×3セットで実施しました。
試合前、池田太監督から選手へ「本番までの試合数は限られていている。今日の試合はその限られた貴重な試合数の中の1試合である」こと、そして「すべてを出し切ること。出し切った結果初めて課題が浮かび上がり、修正や改善が可能になる」ことが伝えられ試合に入りました。
試合は1セット目で相手に先制を許すと、その後の2、3セットでも2点ずつ失い、合計0-5で敗れました。チームコンセプトである狙いを持ったボール奪取も多く見られましたが、一方で奪った後のプレーに課題が残りました。男子高校生というプレー強度の高い相手との対戦であった中で、試合後池田監督は選手に対し「良いチャレンジはできていた、今後は奪った後にゴールへ向かうトライをできるよう取り組んでいこう」と語りかけました。
チームは26日(木)の午前に今回のトレーニングキャンプでの最後の練習を行い、その後解散予定です。
監督・選手コメント
池田太 監督
昨年のU-19のトレーニングキャンプから時間が空きましたが、意図的にFIFA U-20女子ワールドカップに向けて連続してキャンプができるスケジュールを組み立てた中での1回目をこの時期に行いました。ここからワールドカップに向けてまたしっかりと積み上げをできるように、U-19のトレーニングキャンプで伝えてきたコンセプトを再確認しながら、ワールドカップにフォーカスしていくということを伝えてスタートしました。
初めて招集した選手もいましたし久しぶりの招集という選手もいたので、あえて強度の高いトレーニングマッチを組みました。その強度の中でどのくらいできるかというトライの場にしたいと思っていました。もちろん結果に対して考えることはありますが、最後まで自分を出し切れるかどうかを見るということがこのゲームを組んだ目的でもありましたし、その点は色々と見られて成果があったゲームだと思います。
世界と戦ううえで身体の大きさ、アスリートプレーヤーというのはどんどん増やしていきたいと思っていますが、だからといってそういう選手を特別集めているというわけではありません。日本の女子のサッカーの積み上げの中でそういう選手が増えてきたということだと思いますし、それは全体としてプラスに考えています。コロナで活動が限られたこともあり、海外でプレーしている選手はなかなかコンスタントに呼べなかったので、こういった機会にこの年代で海外に留学して頑張っている選手もこのグループに入れながら、グループの中でどれだけプラスになってもらえるかという点も見ています。球際のトレーニングでの強さなどはアメリカで留学している選手の日頃の感覚と国内でプレーしている選手たちがやっている感覚に違いがあり、それが互いに刺激になると思っています。そういった面でトレーニングひとつ、球際ひとつへの緊張感が生まれて良い効果が見られました。
6月のトレーニングキャンプはもう少し期間を長くできるので、その時には本大会採用されるVARのレクチャーを行って準備をしたり、スタジアムに入ってからのスケジュールもゲーム感覚に合わせてみたりなど、国際試合をなかなかできていなかった分そういった工夫は考えていかなければと思います。練習試合も男子高校生を相手に、グループリーグでの対戦が決まっているオランダ、ガーナ、アメリカの情報を踏まえながらシステムや戦い方をお願いしてやっていくことも考えています。そういう工夫をしていかなければと思っています。
天野紗 選手(INAC神戸レオネッサ)
FIFA U-20女子ワールドカップ本大会まで残り2ヶ月ほどしか無い中で、今回のトレーニングキャンプではチームとしてのコンセプトや共有ごとを再確認しています。練習でも共有ごとをプレーで実行しながらチームとしてのコンビネーションを高めていて、今日の練習試合でもそれを出せた部分がありました。ただ相手のスピードに対してより早く準備していくという点はチームとしても個人としてもまだまだ必要だと感じました。(大山愛笑選手とボランチを組んでみて)距離感やバランスを考えてビルドアップに関わりながら、FWにボールが入ったときのサポートで前向きの選手を作れるようにと試合前に話をしていました。ただ1本目でビルドアップの時に2人ともボールを受けに下がったことで全体的に重くなってしまったので、そこは修正するよう取り組みました。所属チームでは最近はサイドでプレーしていた中で、自分がボールを受けた時に中盤の選手の横のサポートがあると選択肢が広がってありがたく感じていたので、自分もサイドバックやサイドハーフにボールが入ったときの横のサポートに素早く入ることを意識していました。
ワールドカップまで時間が無いので、所属チームとしてはオフシーズンに入りましたが、個人としてはよりコンディションを上げていけるように準備をしていきたいです。もっともっとチームの得点に関わることだったり、相手の攻撃の芽を摘むことだったり、チームに貢献できる選手になっていきたいと思います。
岩井蘭 選手(フロリダ州立大)
アメリカから帰ってきて、自分の中でフィジカルの部分は向こうで学んだ一番大きなポイントだったので、そこは今回のトレーニングキャンプで存分に発揮できていると思います。ただ日本人の選手と一緒にやると足元の技術の質をもう少し自分の中で上げていかないとチームに貢献できないなというのが正直なところです。
日本とアメリカのギャップはフィジカルの部分で、単純にバチンと当たったときの強さというよりフィフティ・フィフティのボールに飛び込んでいくメンタルや、より近くまでプレスに行くためのあと一歩というところに差があるなと感じています。一方でアメリカの選手に比べて日本の選手は足元の技術が高くて、パス回しもうまくいくシーンが多いので、そういう部分をうまく合わせて攻撃していければ日本もワールドカップで通用するなと思います。
アメリカの文化である褒め合うことが自分もすごく良いなと思っていて、自分は今回のメンバーで一番年上の年代でもあるので、惜しみなく人を褒めたり、ポジティブに鼓舞することを意識してプレーしているところです。30mや40mのスプリントは自分の強みではありますが、100mを何度も繰り返して上下動することがサイドバックの肝になるので、スプリントだけではなく持久力も上げていって、プレーも向上させていければと思います。
西野朱音 選手(マイナビ仙台レディース)
今日の練習試合の相手は以前にも対戦させてもらった相手だったので、速さや強さがあることは全員が理解して臨んだ試合でした。立ち上がりから相手のペースにならないように自分たちがボールを保持することを意識して試合に入りました。ゴールには繋がらなかったですが、チームとして狙っていた良い形で攻撃を組み立てることができたのは収穫だと思っていて、ただ守備の強さがまだ足りないなと、課題として感じました。
ワールドカップになると足の速い選手や身体の強い選手は絶対にいますし、今日の試合でもそういう部分で早くラインを下げたり、足元に入った時にもっと強く行かなければいけないところがあったので、そこは改善していければと思います。
今までは国内の選手だけでやっていたトレーニングキャンプに海外の選手も入ったことでスピードの違いを感じました。その中でそれぞれがもう少しいい距離感で試合に臨めていたらもう少し違った結果になったのかなと感じています。フォワードにボールが入ったときの押し上げが少し遅い部分もあったので、そこは練習で積み上げていかなければいけないところだと思っています。
個人的には所属チームではボランチでプレーしていて、U-20に来るとセンターバックという違いはありますが、自分の良さを出していかないといけません。年下の選手たちもうまいですし、負けていられないなと思います。自分自身も生き残っていけるようにもっとアピールしていかないとと思いました。
西尾葉音 選手(三菱重工浦和レッズレディース)
素晴らしい環境の中、代表活動が行えていることに感謝の気持ちでいっぱいです。
前回のキャンプからだいぶ期間が空きましたが、このチームの目標であるFIFA U-20女子ワールドカップ優勝に向けてチームとしても個人としても今の力を測る大事なキャンプとなりました。今回のトレーニングマッチではゴール前の崩しやアクションのタイミングや質の部分が課題として残りました。ワールドカップまであと少しなので、今回のキャンプの基準や意識を継続してレベルアップしていきたいです。