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2023年度初めてのJFAナショナルGKキャンプが終了
2023年03月29日
2023年度初めてのJFAナショナルGKキャンプが3月26日(日)、千葉県の高円宮記念JFA夢フィールドで3日間の活動を終えました。
このキャンプはU-14/U-13年代におけるポジション別指導・育成というテーマのもと、日本サッカー協会(JFA)が「JFA2005年宣言」で掲げた「2050年までのFIFAワールドカップ優勝」に向けて、将来の日本代表GK、そして世界一のGKの育成を目的に活動しています。トレーニングはテクニックの習熟度にあわせて選手3~4名の小グループ対してGKコーチが1名つく形でGKに求められるテクニックの習得とその質的向上を目的として実施しました。今年度は、第1回がU-14対象、第2回はU-13を対象に各20名で行い、第3回はU-14、U-13 各10名での開催を予定しており、今回はU-14の選手20名で実施されました。
トレーニングは昨年度に引き続き、常にゲームシチュエーションを想定しながら、この年代で身につけておかなければならないゴールプレーヤー(GP)※ のテクニックの習得を目的に実施されました。各選手の課題が異なる中、それぞれの選手の個別性に考慮しトレーニングを行うことで選手に最大限の刺激を与えることを目的としています。トレーニングセッションごとにJFA GKプロジェクト テクニカルアドバイザーであるフランス・フック氏(前オランダ代表 GKコーチ)も含めてコーチングスタッフ間でディスカッションを行い、フランス・フック氏の知見を最大限生かして常にアップデートをしながらトレーニングを計画し実施しました。
トレーニング中にも、フック氏がアイデアを紹介しながら、実際に指導する機会もあり、直接指導を受けた選手だけでなくコーチ陣も大いに刺激を受けました。
また、夢フィールドでトレーニングを実施していたSAMURAI BLUEのシュミット・ダニエル選手からも選手たちに向けて熱い激励の言葉をもらう、非常に貴重なセッションも行われました。前日にウルグアイ代表との試合に出場した直後にもかかわらず、選手たちや将来の日本サッカーのため、貴重な時間を提供してくれました。選手たちはSAMURAI BLUEという、選手たちにとって将来目指すべき目標のシュミット・ダニエル選手の言葉に目を輝かせながら真剣に聞き入り、いつかはこうなりたいという気持ちを強くしてくれたものと思います。質疑応答の時間も設けられ、選手たちは非常に積極的に質問をシュミット・ダニエル選手にぶつけるといった、自発的な取り組みも見られました。
さらに、フランス・フック氏から選手に向けたレクチャーでは、選手たちの夢でもある、世界一のGPになるために、必要な要素とはなにか、ワールドクラスのGPになるために何が必要なのか、この年代で必要な要素とは何なのかについて、具体的かつ明確に提示がありました。
実際にワールドクラスのGPをたくさん育成・指導をしてきたフック氏からの生の言葉は、選手たちにとって非常に刺激的なものになったと思います。実際のトレーニングの振り返りを踏まえた上で、どうすれば選手たちは目標に近づいていけるのか具体的な指摘を受けるなど、選手の今後の成長に向けた大きなサポートも頂きました。
さらに、フィジカルフィットネスプロジェクトリーダーの菅野淳氏が、フィジカル測定、ムーブメントプレパレーションの指導なども実施し、フィジカル面、コンディショニングについても自チームに戻っても取り組めるメニューが提示され、選手は早速取り組み、大きな刺激を得ていました。
2日目夜には各選手とコーチの1対1での個別ミーティングを行いました。まず選手自身がこのキャンプで学んだことを振り返り、それを自分のトレーニング映像を見ながら確認し、コーチからさらにフィードバックを受けることで、各自の出来ていることと課題を明確にし、正しいテクニックを習得するためにはどうしたら良いのか、日常に戻った後にも意識をして取り組んでいけるようにコーチと一緒に再確認しました。
最終日のトレーニングの最後にも、コーチングスタッフから今回のキャンプ全体を通してのフィードバックが行われました。こうして非常に多くの宿題を持ち帰り、自チームの日常の活動で取り組むべき自分の課題の改善や長所を伸ばすための宿題をより明確に意識することができたのではないでしょうか。
クロージングでは、フランス・フック氏から再び選手たちに向けて激励の言葉が送られました。選手たちがそれぞれの夢を実現するために、今回得た学びを生かし、また継続的に取り組むことで将来に向けて確実にステップを踏み成長してくれることが期待されます。
事業終了後も、コーチングスタッフ、テクニカルスタッフが協力して、選手個別のフィードバックやトレーニング映像を各所属先に送付を予定しています。今回のキャンプが日常での活動に生かされ、SAMURAI BLUEで活躍し、世界No.1のGKになる夢に繋げるべく、活動は続きます。
※ゴールキーパー(GK)の役割はゴールを守るだけでなくゲームの4局面での関わりが増え、攻撃でもチームのビルドアップに多く関わり、更に重要なポジションに変わってきていることから、GKプロジェクトでは、ゴールプレーヤー(GP)という名称の使用を提案しています。
スタッフコメント
井出大志 コーチ(公益財団法人日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ(U-16/U-15日本代表 GKコーチ))
2023年最初のJFAナショナルGKキャンプとなった今回は、2009年生まれのGPの選手20名を対象に、JFA夢フィールドで三日間に渡り開催されました。
各選手の課題が異なる中でそれぞれの選手の個別性に考慮しトレーニングを行うことで、選手に最大限の刺激を与えることを目的としています。
それぞれのトレーニングセッションについては、JFA GKプロジェクト テクニカルアドバイザーであるフランス・フック氏(前オランダ代表 GKコーチ)の知見やノウハウを最大限生かしたトレーニングを計画し、実施しました。
トレーニングは①シュートストップ②ブレイクアウェイ③クロス④攻撃、の4つのテーマのトレーニングを行い、それぞれのテーマについてこの年代で獲得しておくべきテクニックにフォーカスしたトレーニングを実施しました。
1日目はシュートストップの状況下における基本姿勢、キャッチングのトレーニングを行い、2日目の午前は、ブレイクアウェイのプレーのテクニック(ピックアップ,フロントダイビング,プレッシャー)についてのトレーニングを行いました。
2日目の午後にクロスのトレーニング、最終日に攻撃のテーマとして攻撃に関わるテクニック、様々な種類のキック、コントロール、スローに取り組みました。
キャンプ中の夜のミーティングセッションでは、テクニカルスタッフが撮影した映像を使用して、担当のコーチとトレーニングを一緒に振り返るビデオフィードバックミーティングを行うことで、GPのテクニックについて選手自らが考えを深めて課題をより明確に捉えることができました。
また、今回のキャンプ中に同施設でSAMURAI BLUEがトレーニングを行っており、タイトなスケジュールの合間を縫ってシュミット・ダニエル選手から選手たちに直接エールを送っていただきました。
質疑応答では、選手たちの質問にとても丁寧に答えて下さり、これ以上ない刺激を選手たちに与えてくれました。
今回の3日間のナショナルGKキャンプで、20名の選手たちは自らを高めることに積極的にチャレンジしてくれました。今回のキャンプでより明確になった課題を宿題として日常に持ち帰り、さらなるレベルアップに繋げてくれることを期待します。
参加していただいたスタッフの皆さま、最高のグランドを用意していただいた施設関係者の皆さまのご尽力とご協力により無事に全日程を終えられたことに感謝申し上げます。
また、選手を送り出していただいた保護者の方々や、学校・所属チーム関係者各位、そしてなにより、参加してくれた選手全員に感謝を申し上げます。
皆さんが所属チームに戻って、GPとして成長した姿をグラウンドで見られることを期待しています。
選手コメント
佐々木翔大 選手(ブラウブリッツ秋田U-15)
僕は今回のGKキャンプで同年代のトップレベルのゴールプレーヤーと一緒にトレーニングをすることができ、とても良い刺激を貰うことができました。
ゴールプレーヤーとして学んだことは、左右同じくらい蹴ることや投げることを正確にできるようにすることや基礎的なことや足元のレベルアップがより必要とされるということでした。
そのためにも一つ一つのプレーを今以上に強く意識して取り組んでいかなければいけないと実感しました。
今回、僕たちは日本代表の選手たちのトレーニングを見学させいただける機会がありました。
さらに僕はシュミット・ダニエル選手に質問もさせていただくことができました。日本代表選手を目の前にし、僕はより一層、将来はワールドカップ優勝を達成できるような日本代表ゴールプレーヤーになりたいと強く思いました。
そのためにも今後、エリートプログラムU-14そしてU-15日本代表に選出される選手になるため今回学んだことを日々のトレーニングで取り組み、オンザピッチ、オフザピッチを誰よりも意識した行動をしていこうと思います。
長井京志郎 選手(ロアッソ熊本ジュニアユース)
まずは今回ナショナルGKキャンプに選ばれて非常に嬉しく思います。また、このキャンプを実施するにあたってサポートしてくれた全員に感謝をしたいです。
僕は、今回のGKキャンプで課題をいくつか見つけることができました。
一つ目は、キャッチングなどの技術を基礎練習の時はできていたものが、実際にキックなどでしたときは、質が落ちるときがあるということです。これを直すために日々の練習でこれまで以上に意識して行っていきたいです。
二つ目は、ビルドアップ等の攻撃に関わるテクニックについてです。
ボール回しで僕は、相手の動きをキックする直前まで見ることができていなかったので、宿題としてチームの紅白戦などで間をみて相手の動きを最後まで見ることをしっかり意識して取り組んでいきたいと思いました。
また、左足のキックと低弾道のサイドボレーキックの質をもっと上げていきたいです。
最後に、次このようなキャンプに呼ばれたら今回出た課題をしっかり克服したことをスタッフ陣に見せられるように頑張っていきたいです。
ナショナルGKキャンプは、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施しています。