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女子国際審判員強化プロジェクトを実施
2014年07月18日
台風の影響が危ぶまれた7月12日(土)・13日(日)、都内にて女子国際審判員を対象とした強化プロジェクトを実施しました。
このプロジェクトは、2015年カナダで行われるFIFA女子ワールドカップへ向けた強化策の一貫として昨年より実施されている事業です。
今回の研修でも、講義だけでなく、レフェリーフィットネスインストラクターによるトレーニングも行いました。
審判員同士によるディスカッションも活発に行われ、この研修会で何かを会得したいという強い思いが感じられる研修会となりました。
トレーニング風景
指定された色が光っているポールを見つけ、瞬時に走って行く。 様々なステップを使うことで体の強化を図り、また光っているポールを瞬時に見つけられる視野の広さの確保、反応の高かめることを目的としている。
インストラクターコメント
石山昇 S級インストラクター
女子国際審判員6名に対して、国際舞台で役立つと思われるテーマについてレクチャーとプラクティカル・トレーニングを実施しました。
今回のテーマは(1)「なり切ること」の大切さと効果、(2)「夢の途中・・・十年後の自分へ」、(3)Analysis of Match incidents (事象の判断と処置)及び(4)女子アジアカップから学んだこと(参加審判員による英語での報告)でした。
参加いただいた審判員は、前向きに取り組んで内容を吸収しようという意気込みにあふれる方々ばかりでしたので、とても進めやすい研修になりました。
プラクティカル・トレーニングを含めて、試合状況に対して素早く判断し、対応することが彼女たちの課題であることを確認できたので、様々な機会を捉えて研鑽してくれることと期待しています。
2014年のプロジェクトとして私が担当するのは最後となりましたが、今後は国際審判員候補やAFCプロジェクトフーチャーを目指す若い審判員たちも対象にした研修機会として発展して行くことを期待しています。
山岸貴司 レフェリーフィットネスインストラクター
今回のテーマは実践に活用するフィジカルフィットネスとして、アジリティ、アジリティエンデュランス、スピードエンデュランスを実施致しました。
ゲームのイメージを持たせながら、身動きさせましたがみなさん意識を持ちトレーニングされていました。
男子審判員に比べてトレーニングする機会が少ないので今回のトレーニングは新鮮に感じてもらえたようです。
何気ない動作でも普段のトレーニングから意識を持ち、取り組めることを繰り返し実践していくことが無意識下への変化につながります。
夏の暑さはこれからが本格的となります。体調を崩すことなく暑さ対策も忘れず、取り組んでください。
受講者コメント
桑原里佳子 女子1級審判員/女子国際主審
プログラム以外でも仲間との情報交換など、多くのことを学ぶことができました。
座学で学んだ、『なりきることの大切さ』。
なりきることで自分の表情、感情、行動に大きな影響を与える。それと同時に、強さや毅然さなど周りに与える影響も大きく、なりきることでたくさんのメリットがあることを学んだ。普段はマイペースで優柔不断な私にとっては、特に必要なことであると感じました。
フィジカルトレーニングでは、争点への加速、一旦完全に静止してからの次の争点への加速、また、争点から目を離さないアジリティートレーニングなど、試合中に必要な動きを取り入れた内容でした。
特に静止してからの加速については試合中、繰り返し必要とされる動きなので日頃のトレーニングにも取り入れて強化していきたいです。
プラクティカルでは、ボールの出所の争点とゴール前の争点を、どのタイミングで切り換えて監視するのか、また、副審の援助を必要とするとき副審を見るタイミングはいつなのか、などについてトレーニングを行いました。
これらについて、自分ができていないことがより明確になり、自分の課題として再確認できました。一つ一つの課題を修正し、次に繋げていきたいです。
また、笛の吹き方、音色が悪い、マネジメントするときに不安な表情が出ているなど、たくさんのご指摘、アドバイスをいただきました。
「なりきる」 ことで一つ一つの笛、シグナル、表情にも気持ちを込め、伝わるレフェリングができるようにしたいです。
今回の研修で学んだことを活かし、メンタル面・フィジカル面ともに良い準備をして 取り組んでいきたいです。
大畠千枝 女子1級審判員/女子国際副審
・プロジェクトの狙いと成果
国際審判員として、海外へ出て、信頼を得、存在感を示すために必要な、伝える・見せる力(英会話力・コミュニケーション力・表現力)、フィジカル、ゲーム分析力、マインド(捉え方・感性・強いメンタリティ)の向上に取り組みました。
・感謝の気持ち
昨年5月に、このプロジェクトが立ち上がった際に、私達を本気で強化しようとしてくださっていることが伝わり、嬉しく思うと共に、責任・使命を果たすことを、再確認しました。
プロジェクトは、元女子国際審判員の先輩方の想いと、今後、受け継ぐ後輩達への希望が詰まったものであり、年間を通して、温かみと繋がりを持って、育てていただいたことに心より感謝申し上げますと共に、このプロジェクトに関わっていただいた全ての方々に御礼申し上げます。
このHPを閲覧されている方々と同様に、私もサッカーを愛する一人です。審判員は人間であり、完璧ではないけれども、人間は、意欲を持ち、努力し続けることで、向上する。そのことを、サッカーから学び、そのことに取り組むことで、心の底から悔しい思いをしたり、心の底から感動できることが、幸せなことだと感じます。
日本の女子サッカーの発展のために、全力を注ぎます。