



オーストラリア代表の注目は、やはりティム・ケーヒル選手になるだろう。長年、イングランドのプレミアリーグで活躍してきたこのストライカーは、アメリカのMLS、中国リーグでのプレーを経て、今季より母国オーストラリアのメルボルン・シティでプレーする。36歳となった今なお、オーストラリア代表において絶大な存在感を放っている。
2次予選では出場7試合で8ゴールと圧倒的な決定力を示し、最終予選進出の立役者に。第6戦のバングラデシュ代表戦ではハットトリックを達成し、グループ内最大のライバルとなった最終戦のヨルダン代表との一戦でも2ゴールを奪い、5-1の勝利に貢献した。
若手の台頭もあり、途中出場が増えているものの、大事な場面で決定的な仕事をこなすのはやはり、このケーヒル選手となる。最終予選第2戦のUAE戦では0-0で迎えた71分からピッチに立つと、その4分後に決勝ゴールをマーク。アウェイでの重要な一戦で見事な働きを見せた。
写真提供:Getty Images
決して上背があるわけではないものの、クロスをピンポイントで合わせるヘディングの強さは驚異的で、エリア内で見せる一瞬の動き出しも光る。オーストラリア史上最高のストライカーは、日本代表との対戦でも数々のゴールを決めてきた。
2006年のドイツ・ワールドカップでは途中出場から2ゴールを叩き込み、逆転勝利を演出。2009年6月に行われた南アフリカワールドカップのアジア最終予選でも2ゴールを奪取し、逆転劇の主役となった。日本にとってはまさに天敵とも言える存在であり、今回の対戦でも最も警戒すべき相手であることは間違いない。
期待がかかるのは吉田麻也選手を中心とする日本の最終ライン。このストライカーを封じることが、勝利に近づくための重要なテーマとなる。