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JFAプログラム 西村雄一主審の講習会

2010年09月03日

今年のFIFA南アフリカW杯に主審・第4審判として日本代表、そしてアジアの代表として
大活躍された西村雄一さんが、JFAアカデミー福島男子寮ミーティングルームにて男女選手・
スタッフへレクチャーをして下さいました。
約1時間の講習では、西村さんご自身が実際に「観て・感じた」世界の一流選手のプレー、そ
してスペイン代表のオフ・ザ・ピッチでの一流の人間としての立ち居振る舞いに触れた場面な
ど、W杯の裏側まで全ての事をお話しして頂きました。
「一流のサッカー選手は、一流の人間である」というお言葉は、我々アカデミーが目指している
方向性を改めて感じさせて頂いたエピソードでした。
西村雄一さん、お忙しい中大変に貴重なお話をして頂きありがとうございました。また、この様
な機会を設けて頂いた日本サッカー協会関係者の方々に厚く御礼を申し上げます。


映像を交えて、実際に主審を務められた試合の解説をして頂きました。


選手から多くの質問が飛び出しましたが、その一つ一つに丁寧にお答え頂きました。

下記、各カテゴリーの選手達よる感想文を掲載します。


~西村レフェリーのレクチャーを受けての感想~ 1期生 古山瑛翔
 私は、西村レフェリーのレクチャーを受けている中で、西村さんがおっしゃった一言にとても感銘
を受けました。その一言とは、
 「私は、レフェリーをする時は、常に選手の夢を壊すことのないようなジャッジを下すように心掛
けている。」ということでした。私は、この西村さんのレフェリーをする上での姿勢はさすがプロ
フェッショナルだなと思いました。
 「選手の夢のため」・・・この様に誰かの為に、と思えるような人が、やはり上に行けるのではな
いかと思いました。西村さんが南アフリカW杯にレフェリーとして出場し、更に準々決勝、決勝の
舞台に立ったことは、日本サッカー界にとってもとても価値のある事だと思います。日本人が決
勝の舞台に立つという事は、日本のサッカー文化の発展、そして日本サッカーのレベル向上に
つながり、世界のトップチームと互角に渡り合えるようになるのではないかと思います。
日本サッカーのレベルを上げるには、選手だけでなく、レフェリーという存在も大切だということ
を、今回のレクチャーを受けて感じる事ができました。
 レクチャーを受ける前までは、レフェリーというのは試合をスムーズに進めるためや、危険な行動に
対して警告や退場の判断を下すために存在するのだと思っていました。しかし、それは大きく違い
レフェリーは、「選手を守るため」という事を一番の目的とし、決してプレーヤーのプレーを制限する
ものではありませんでした。この事を、今回のレクチャーを受けてはっきりと理解することが出来ま
した。「自分の為だけ」にという考えではなく、「誰かのため」にという考えを持ちながら、これから
の日々のサッカー、生活を過ごして行きたいと思いました。

~西村レフェリーの講習会から感じた事~ 2期生 飯干雄斗
 今回の西村さんのレクチャーを聞いて印象に残った事が2つあります。
 1つ目は、西村さんが主審になられたきっかけの話しです。西村さんが昔指導していたチームで、
主審の誤審によりチームが負けてしまった事があったそうです。その時に、審判が少年の夢を壊しては
いけないと思い、審判を始めたのだと教えてくれました。そして、その思いは今でも変わらず、選手の夢
を壊さないような判定をしているとそうです。人の思いや夢を背負いながら、自分の夢も追い続けている
という事は、どれ程大変な事なのだろうと思いました。
 2つ目は、W杯の舞台で審判を行った時のプレッシャーについての話しです。西村さんがおっしゃった、
「プレッシャーは全く感じなかった。何故ならば、自分の能力がFIFAに認められていることを知っていた
から。だから自分はやれるだけの事をやれば良いと思っていたから。プレッシャーとは自分の中での不
安要素や失敗した時の事を考えるから生まれるのであって、そういうものを自分で考えなければプレッ
シャーは生まれない。」という言葉です。「プレッシャーは自分で作り出すもの」この言葉に、私はとても
共感できました。本番でどれだけ頑張ろうと思っても、それまでの過程がしっかりとしたものでなければ、
決して良いパフォーマンスを発揮する事は出来ないし、だからこそ本番までの過程が本当に大切なの
だと思いました。
 この2つの事から、西村さんは、ほんの小さなきっかけからとても大きな夢を達成するための努力をさ
れてきた事が分かりました。また自分の夢だけでなく、他の人の夢を背負う事はとても素晴らしい事だと
思いました。私も、多くの人の夢を背負う事が出来るような人間になれたら良いなと思います。
そして、W杯の金メダルを日本にもっと増やして欲しいという西村さんの願いを、私自身がプレーヤーとし
て貢献したいと思います。


~23番目の出演者が見たW杯~ 2期生 石井翔大
 「スペイン代表の強さは真摯な態度である。」西村さんのこの言葉が私にはとても印象的でした。西村
さんによると、スペイン代表の選手は常に礼儀正しく、審判としても人間としても一緒にピッチにいて気持
ちが良かったとおっしゃっていました。しかし、「礼儀正しいから優勝した」それは違うと思います。礼儀正
しいだけでW杯を優勝するのであれば、それは「礼儀正しいW杯」となってしまうからです。しかし、スペ
イン代表の真摯な態度、人間として気持ちの良い姿勢は、優勝する為の手助けをしたと思います。何故
ならば、それは多くのスペイン代表のファンを作り、人とメディアをスペイン代表の味方に付け、良い環境
を作ったと私は思います。また、その態度は自分達のプレースタイルを信じる事にも繋がったと思いま
す。不真面目なチームはW杯では優勝できないとは思いませんが、スペイン代表のチームや選手の行
動は見習うべきであると思います。それは、沢山の応援してくれる人を生み、大きな感動を与える事が
出来るからです。
 次に、「プレッシャーは自分が作りだすもの」という言葉も印象的でした。W杯の主審に選出された時に
「選ばれたのだから、それは認められたことである。普段の自分が認められたのだから、普段通りの自
分を出せば良い。できる事をただする」と思ったそうです。世界中が注目するW杯、世界を動かすと言っ
ても過言ではない大舞台に出場したにも関わらず、23人目の出演者である西村さんにプレッシャーは
無かったとおっしゃっていました。人は、気持ちの持ち方、考え方次第で変われるという事を強く感じまし
た。大舞台で活躍できる人は、過度なプレッシャーを感じないという事です。今回のレクチャーを聞けて、
とても参考になりました。
 西村さんはW杯決勝戦の金メダルを持って、「今度は君達がこの金メダルを持って帰ってきてください」
と、おっしゃっていました。今回のレクチャーから学んだ事を活かし、W杯で活躍できる選手、そして沢山
の人々に感動してもらえるような人間になりたいです。

~西村さんのレクチャーを受けて~ 3期生 西川智史
 僕は、西村さんのレクチャーからさまざまなことを学ぶことができました。そして、貴重な体験をできたの
がとても嬉しかったです。
 西村さんのレクチャーの中で印象に残ったことがいくつかあります。
 まず、西村さんがレフェリーをした準々決勝のオランダ対ブラジルの試合で、西村さんはブラジルの選手
にレッドカードを出しました。その時のことを西村さんは、レッドカードを出した後に、寄ってくる選手たちに
対してきっぱりと何の反抗もさせずに追いはらったと言っていました。確かにその時の様子を見ると西村さんは
堂々たる態度で選手を寄せつけずに、またプレーが再開されていました。僕も、自分が正しい判断や間違って
いないと思う行動をしたときには自分の考えを曲げずに自分を信じて堂々と人前に立ちたいです。
 次に、西村さんがスペインの試合でレフェリーをした時に、スペインのファウルをとったにもかかわらず、スペ
インのプジョル選手は西村さんに対して「グッドジャッジ!」と言ったのを聞き、ワールドカップで優勝できるよう
なチームの選手はとても審判のことをリスペクトしているのだということが分かりました。また、西村さんの話を
聞いてスペインの選手たち本当に誠意があると思いました。特にカシージャス選手はチームのことを考えながら
行動し、誰にでも敬意を払いながら生活をしているのではないかと思いました。
 このレクチャーで僕はプロになるためやワールドカップで活躍するための要素を学ぶことができたと思います。
特にサッカー面ではなく、もっと大事なところを学べたと思います。そして、実際にワールドカップで使用した物
を見て触れることができたのでとてもいい経験ができました。これからはこのレクチャーで学んだことを自分に
活かしていきたいです。

~JFAプログラム 西村レフェリーの講習を受けて~ 4期生 髙森大夢
 僕は、今回西村さんがアカデミーの寮に来ていただいたことでワールドカップに出たいと思う気持ちがより強く
なりました。その理由はワールドカップのメダルを首に掛けて重みを感じることができたことです。僕は正直こん
なに若い年でワールドカップのメダルに出会えることができるとは思っていませんでした。なぜならワールドカッ
プのメダルは世界で数少ない勝者しか出会えることができないものだからです。それを持って帰ってきた西村
さんは本当にすごい人なのだと思いました。
 しかし、このメダルは日本にはまだ2つしかないと西村さんから聞きました。このメダルを増やすには日本代表
がワールドカップで優勝するしかありません。でもこれはとても難しいことです。厳しいアジアの予選を勝ち抜い
て本大会に出場し、予選リーグを突破します。そして日本が未だに勝ったことのない決勝トーナメント1回戦。
そこに勝っても、ここからは日本にとって未知の世界。こんなに厳しい道のりを歩いてやっとメダルがもらえるの
です。僕は西村さんとみんなで約束したワールドカップのメダルをいっぱいにすること、すなわち日本代表が
ワールドカップで優勝する事を実現させたいと思います。
 でも今のままでは絶対に実現できません。西村さんがフェリペ・メロにレッドカードを出せるぐらいの精神力を
磨き、西村さんがワールドカップのレフェリーをするためにやってきた努力を見習って実現できるような選手に
なります。そして、もう1つの目標は西村さんが笛を吹く試合に出場することです。
 この2つの目標を実現するために西村さんのレクチャーのことを忘れずにこれからは口だけでなく頑張りたい
です。

~JFAプログラム 西村審判の講習会~ 5期生 谷口憧斗
 僕は、9月3日金曜日、ワールドカップで何度もレフェリーをした西村さんのレクチャーを聞きました。
 僕が西村さんの話を聞いて印象に残ったことは3つあります。
 1つ目は、西村さんがレフェリーになろうと思ったきっかけのことです。西村さんは、昔自分が指導していた
チームが、あるレフェリーのミスジャッジで点を失ってしまいました。そして、試合に負けてしまった選手が悔し
涙を流しているのを見て、選手の夢を壊したくないと思いレフェリーを始めたそうです。そして、今でもレフェリー
を始めた時と同じ気持ちでスタジアムに立っているそうです。僕は西村さんみたいな人がいると知り、とても嬉し
く思いました。西村さんは選手達のことを思ってレフェリーをしてくれて、とてもすごいと思いました。
 2つ目は、世界のサッカーと日本のサッカーの違いです。西村さんはレクチャーの中で世界のサッカーは、
1秒1秒集中していてどの選手も一瞬のすきを見逃さないと言っていました。しかし、日本のサッカーは休みの
時間があるそうです。世界のサッカーはすきを見せたらすぐにやられると知り、とてもすごいなと思いました。
この話しを聞き、ヨーロッパや南米のサッカーのすごさを初めて知りました。今まで日本のサッカーと世界の
サッカーの違いとはどんなものなのかよくわからなかったけど、それが聞けてとても勉強になりました。僕も、
世界のサッカープレーヤーになれるように、すきがなく、すきをつく選手になりたいです。
 3つ目は、スペイン代表のすごさです。スペインの選手達は、すごく心が広いそうです。スペインがファウルを
したにも関わらず、プジョル選手は西村さんにむかって、「ナイスジャッジ」と言ったそうです。西村さんは、その
ような事を言われたのは、初めてだったそうです。他にも、スペイン代表のユニフォームチェックの時に、フェル
ナンド・トーレス選手がロッカールームにいなく、西村さんが探しているとスペイン代表のみんなが協力してくれ
たそうです。僕は、スペイン代表の選手達の心が広かったから、失点しても、あきらめず、自分達のサッカーを
つらぬき通して優勝できたのだと思います。やぱり、心の広い人の方がサッカーも上手になるので、自分も心
の広い人になりたいです。
  


W杯決勝戦後に授与された金メダルを手に、
「ここにいる君達がもっと多くの数のメダルを日本に持ち帰ってきて欲しい!」
と、西村さんからメッセージを頂きました。


今回のW杯で実際に使用された用具や、主審を務められた際に使用したウェアーなど。


選手も手に取り、W杯の雰囲気を感じ取っていました。


アカデミーユースとの記念撮影        

文責:林 晋太郎

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