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今年2回目のJFAフットサルGKキャンプ2023を開催
2023年10月23日
将来のフットサル日本代表ゴールキーパー(GK)を育成・強化することを目的に、今年で6年目の実施を迎えるフットサルGKキャンプ。2023年度は6月に開催した第1回に引き続き第2回を10月21日(土)から2日間、高円宮記念JFA夢フィールドで開催しました。
例年、ポテンシャルを持った若い選手が多く参加する本活動ですが、今回は最年少12歳の選手から19歳と更に幅広い年齢層の選手を招集しました。選手のプロファイルもFリーグの育成組織や各地域リーグでフットサルをプレーしている選手や高体連のサッカー部で普段はサッカーをメインでプレーする選手などそれぞれ異なるバックグラウンドを持った総勢10名の選手の編成です。活動では2021年に立ち上がったJFAフットサルGKプロジェクトの内山慶太郎リーダーと同プロジェクトメンバーである松原君守氏が今回のコーチとして指導にあたりました。
オープニングでは団長の前川義信氏(フットサル育成ダイレクター)より、この活動に招集されていることの意味や選手たちに2日間を通して感じてほしいことが伝えられ、その後に内山コーチからJFAのエンブレムを背負って活動を行うことの責任やオフザピッチでの振る舞いなどアスリートとしての重要な部分を説いた上で、最後は技術的な現代フットサルにおけるGKに求められる能力やこの2日間で意識してほしいポイントについて説明があり、最初のトレーニングへと移っていきました。
初日のトレーニングは10:00と15:00から各90分で行うことがアナウンスされると過去に参加したことがある選手を中心にコミュニケーションを取りながら、トレーニングに向けたウォーミングアップを行いました。フットサル日本代表の木暮賢一郎監督が視線を送る中トレーニングは始まり、選手たちも初めは緊張や様子見の雰囲気もありましたが、すぐに活気ある声が選手から飛び交う良い雰囲気がアリーナ内に溢れていました。幅広い年齢層を対象とした活動でしたがトレーニングは年齢の上から5名ずつのグループに分けて行われ、強度と難易度が調整されながらも各選手にとって自分の限界を上回るべく、シュートが決められても何度も起き上がってチャレンジする姿が印象的でした。
普段慣れていない、午前と午後の2部トレーニングを終えて疲労の色が見える選手たちでしたが、夕食後には普段はフットサル日本代表に帯同している吉田成仁アスレティックトレーナーによるパフォーマンス発揮に向けた食事と休息、ウォーミングアップ・クールダウンをテーマに講義を実施しました。年齢の上昇に伴い競技自体の強度が上がることで身体への負担が大きくなること、それに伴い食事や休息をどのように行うか、トレーニングや試合に向けてどういった準備が必要なのかという内容で選手たちとコミュニケーションを取りながら、皆が理解を深める時間となりました。
最終日の3セッション目ではディストリビューションやパスアンドコントロールなど、オフェンス面に関してもトレーニングを行いました。内山コーチより世界基準でフットサルGKにはセービングやスローの技術と同様に足元の技術も標準装備で求められることが前日から繰り返し伝えられてきました。サッカーと比べピッチサイズが狭く、またGKが第5のフィールドプレイヤーとして攻撃参加することが求められるフットサルの昨今のトレンドも理解した上でハーフコートでのGK同士の1対1のメニューに取り組みました。ディフェンス側はシュートを決めさせないよう構え、オフェンス側はセグンドの選手へ合わせるか、直接ゴールを狙うかを瞬時に判断しながらネットを多く揺らし、セービングだけでなく攻撃の部分にもフォーカを当てたメニューに全員で取り組みました。
解散前の全体ミーティングでは、活動期間の2日間とも視察に足を運んだフットサル日本代表の木暮賢一郎監督(兼U-20フットサル日本代表監督)が選手たちに2日間で取り組めたこと以上に日常でどのように意識してプレーするかが重要であるかが伝えられ、内山コーチからは日本を代表するGKになるために求められる振る舞いや選手に求められている要素について振り返り、「謙虚」と「自立」を忘れずに所属クラブに戻ってからも日々取り組んでほしいと伝えられて2日間のキャンプに幕を下ろしました。
コーチコメント
内山慶太郎 コーチ(JFAフットサルGKプロジェクトリーダー)
2023年度2回目のフットサルGKキャンプを無事に開催することができました。全国から初招集の6名を含む10名の選手が集まり、冒頭のミーティングでキャンプの目的を確認しました。その後はピッチでフットサルGKに必要とされる基礎テクニックの理解と向上に取り組みました。選手たちは非日常の中で冒頭は緊張が強く見られましたが、少しずつ慣れていくことで本来の持ち味が発揮でき、それぞれの世代を代表する選手として相応しい姿を示してくれました。
また、今年度はフィットネスの側面からの働きかけとして、帯同いただいた吉田トレーナーにアップやケアの大切さを中心に講義をしていただきました。選手たちはプレー面だけでなく、食事・睡眠・休養・ケアの重要性についても多くの学びがあったと思います。キャンプは2日間という短い時間ではありましたが、この中でも選手たちは非常に多くの変化を見せてくれました。今後は日常でレベルアップに努め、また成長した姿で再会できることを期待したいです。最後になりますが、実施にあたり参加してくれた選手、活動にご理解をいただきました所属先および保護者の皆さまに感謝を申し上げます。
松原君守 アシスタントコーチ(JFAフットサルGKプロジェクト/立川アスレティックFC)
今回フットサルGKキャンプに初めて参加させていただきました。大きな怪我も無く無事に終えることができました。
選手たちは初日からやるべきことに集中し、それぞれ発生した課題と向き合い、最終日には課題をクリアする成果が見られました。ミーティングではGKに必要な技術や戦術と食事・睡眠・休養・ケアのオンとオフの過ごし方の学びがあり、選手達はもちろんアシスタントコーチとして自分自身も大きな経験となりました。今回のGKキャンプを通して、今の自分としっかりと向き合い、1つでも多くの短所を長所に変え、今の長所をもっと伸ばし、今後の試合などで成長した姿が見られることを楽しみにしています。今回、選手を派遣してくださった保護者とチーム関係者の皆様、選手の皆さんに感謝を申し上げます。
選手コメント
物部呂敏 選手(名古屋オーシャンズサテライト)
今回のキャンプでは前回招集されたメンバーから大きく変わり初招集メンバーも多いキャンプになりました。自分は最年長であり今まで多くのキャンプに参加させてもらっています。自分が先輩たちの背中を見て、追いかけて、成長できたように、ピッチ内外問わずに今まで自分が学んできたことを若い年代の子達に伝え、行動で示せることが大切だと感じ参加させてもらいました。
特にピッチ外ではロッカーの使い方や荷物を運んだり、片付けたり、選手としてだけではなく「人」として当たり前のようにやるべきことができる選手でないと、代表やこのような場所に残り続けられることはできないことを自分は強く感じていたのでみんなに伝えるように意識して行動しました。
ピッチ内では内山ゴールキーパーコーチに技術発揮の前の移動や準備の大切さを学び、初日の夜には吉田トレーナーからコンディショニングの大切さ、ピッチ外の時間をどれだけ自分の体のために使えるかトップレベルになればなるほどその時間が必要になることを学ぶことができました。
キャンプを開催するにあたって関わっていただいたスタッフ、関係者に感謝して、チームに戻ってからもキャンプでの学びを忘れず日本代表選手としてこの素晴らしい場所に戻って来られるように1日1日を大切にし、頑張ります。
香林渉 選手(宮崎日本大学高)
今回初めてGKキャンプに参加させていただきました。日常ではなく「非日常」を体験する中で、今まで教わったことがないプレーや技術、テクニックをピッチ内では学ぶことができました。プレー1つ1つを事細かに解説や、問題点の修正など短期間ですが、切り取ってプレーし成長できたと思います。
ピッチ外では、食事やケアの仕方などさまざまなミーティング、セッションの中で吸収するものがありました。
オフザピッチでの習慣を改善し、今後の目標に向かっていくための知識を得る大切な時間にすることができました。
大学からフットサルを本格的に始めるにあたり、まだまだ足りない部分があるのでチームに持ち帰って練習していきたいと思います。
武藤晴登 選手(アッズーロ和歌山フットサルクラブ)
今回初招集という形でこのキャンプに参加させて頂き、コーチ、スタッフにとても感謝しています。同年代で活躍する選手の集まるレベルの高いトレーニングをできました。改善するための練習メニューがあったので、チームに帰って改善したいと思います。自分の目標のために、今回得たものを生かして日々の練習に取り組んでいきます。
城殿雲雀 選手(名古屋オーシャンズ U-15)
今回のキャンプは前日に追加招集してもらい、初めての参加で緊張していましたが、最年長のロビン君(物部呂敏選手)に「そんなに緊張しなくて大丈夫だよ」と言っていただいたおかげで、リラックスした状態でキャンプに参加することができました。
今回のプレーを振り返ると、セービングでは飛んできたボールを手の甲で捕らええること、コラプシングでは届かないシュートは両足で飛んでダイビングして止めることができました。でも、後ろにプレーしてしまうことがあったのでボールにアタックしたいです。フットセーブではギリギリのボールは体を捻って足を精一杯伸ばして止めたり、くるぶしの下でしっかりボールを止めて遠くに飛ばしたりすることができました。クロスのブロックでは上半身が旋回してしまったのでボールと両肩で二等辺三角形ができるようにビビらないでいい形を作りたいです。股にボールを蹴られた時も股の下を抜けてしまったので折っている足を早く引きつけて相手に隙をつかれないようにしたいです。
こういうフットサルだけに集中できる環境は、初めてのことなので日常生活では味わえない経験ができました。この経験を日常生活にもいかして、学校の勉強とフットサルの両立を頑張っていきたいです。