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【Match Report】SAMURAI BLUE、アジアカップ第2戦でイラクに敗れて1勝1敗に
2024年01月20日
SAMURAI BLUE(日本代表)は1月19日(金)、カタールで行われているAFC アジアカップ カタール 2023のグループD第2戦でイラク代表と対戦。1-2で敗れて1勝1敗となり、ノックアウトステージ進出決定は第3戦に持ち越しとなりました。
イラクは2連勝で勝ち点を6に伸ばしてグループステージ突破を決め、日本は勝ち点3で2位に後退。この日、他会場で行われたもう1試合でインドネシアがベトナムに1-0で勝利して3位につけています。16強へは各グループ2位以内と3位の中で上位4チームが進出。日本は突破をかけて、24日(水)の第3戦でインドネシアと対戦します。
3大会ぶり5度目の優勝を目指している日本は、初戦でベトナムに勝利してグループ1位で大会をスタート。この日、イラクに勝てばグループステージ突破が決まる状況でした。
しかし、2007年大会以来の優勝を目指すイラクは、中東開催で多くの応援を獲得。ドーハ郊外のアルラヤン地区にあるエデュケーション・シティ・スタジアムに駆け付けた38,663人の観客の大半を占めたイラクサポーターが、試合前から大声援を送り、日本にとっては完全アウェイの雰囲気を作ります。
14日(日)のベトナム戦から中4日の日本は第1戦から先発2人を入れ替えて、トップに浅野拓磨選手(VfLボーフム)、2列目トップ下に久保建英選手(レアル・ソシエダ)を起用して4-2-3-1の布陣を継続して臨みました。
一方のイラクは15日(月)に3-1で勝利したインドネシア戦の先発から、その試合では控えだった長身のアイマン・フサイン選手をトップに起用するなど5人を変更。大会直前には主力攻撃陣の1人がコンディション不良で大会直前にチームを離脱するというニュースもありましたが、影響を感じさせることなく、立ち上がりから高さと勢いを生かした猛攻を仕掛けて日本を押し込みます。
最初の失点は試合開始5分でした。
イラクは右サイドから中央のフサイン選手を経由して左へ展開。攻め上がった左サイドバックのアハメド・ヤヒヤ選手が縦へ出してこれを受けたアリ・ジャシム選手が深い位置まで切り込んでゴール前に折り返すと、走り込んだフサイン選手が頭で捉えて先制しました。
日本はトップ下に入った久保選手、伊東純也選手(スタッド・ランス)を中心に右サイドから仕掛けを試み、前半14分には久保選手のパス、18分には伊東選手の右クロスに前線に顔を出した伊藤洋輝選手(VfBシュツットガルト)がシュートを狙う場面を作り、32分には久保選手のスルーパスに浅野選手が反応して左足を振ってゴールに迫りますが、枠を捉えることができません。
早々にリードを奪ったイラクは球際で激しく競り合い、守備を固めて日本のチャンスメークを阻止していましたが、前半アディショナルタイムに再びギアを上げて攻撃に転じます。左サイドでヤヒヤ選手が日本DFを振り切って攻め上がり、クロスを上げると、ゴール前に走り込んだフサイン選手がヘディングで合わせて得点。2-0とリードを広げました。
日本は後半開始から谷口彰悟選手(アルラヤンSC)に代えて冨安健洋選手(アーセナル)を投入し、2列目の並びを変えて伊東選手を左サイドにシフトすると、攻撃が活性化。56分には伊東選手の左クロスにゴール前に飛び込んだ浅野選手が相手と交錯して倒れ、一度はPKの判定に。しかし、VAR判定で取り消しとなりました。
日本はその後も左サイドを中心に攻撃を仕掛け、61分には堂安律選手(SCフライブルク)と上田綺世選手(フェイエノールト)を送り出し、66分には堂安選手がFKで直接狙う場面を作ります。
さらに、74分には旗手怜央選手と前田大然選手のセルティック所属の2人を投入して、中盤の形をインサイドハーフ2枚とアンカー1枚に変えて、得点機の糸口を探ります。
83分には南野拓実選手(ASモナコ)が右サイドに流れて上げたクロスに前田選手が飛び込んで頭で合わせる場面を作り、後半終盤には立て続けにCKの機会を獲得します。
そして後半アディショナルタイム4分に、旗手選手の左CKをファーサイドに入った遠藤航選手(リバプールFC)が頭で捉えてゴールネットを揺らし、1点を返しました。その後も、ゴール前の混戦から堂安選手がシュートを放つ場面も作りましたが、相手DFに阻まれてゴールを割ることはできず、1-2で敗れました。
日本がアジアカップのグループステージで黒星を喫したのは、初優勝した1992年広島大会以降では初めて。昨年6月からの国際Aマッチの連勝も10で止まりました。
次は24日(水)にインドネシアと対戦します。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
試合の入りのところで完全アウェイの雰囲気をつくられた中、追う展開になったのは非常に痛かったと思います。前半のスタートと前半の終了間際に失点して、特に2失点目のところでより難しい展開になってしまった。試合の入りと前半と後半の締めのところをどう戦うのか。選手もスタッフも試合へ向けて最大限の努力をしている中で、監督として勝利に導くことができず、しっかり反省して修正しないといけません。大会はまだ終わっていないので、3戦目とその次につなげられるように、まずは第3戦の勝利にこの2戦を生かせるようにしたいです。相手の試合の入りはスカウティングしていましたし、スタジアムの雰囲気で相手がより圧力をかけてくることも想定していました。我々も勝利のためにアグレッシブに入ろうとチームで申し合わせて入りましたが、相手はそれ以上に来た。その意味では力が足りませんでした。もともと選手は力を持っているので、スタートから力を出すことをできるようにしないといけないと思っています。
なかなかビッグチャンスを数多く作れなかったことは反省しなければいけないですし、質も上げなければいけません。私自身の選手起用の中で、勝った試合の後、この2戦目へ少し変更したところがあるので、そういった部分で私のチョイスしたことが選手のメンタルにどう影響したかを考えないといけないと思っています。私自身がもっと働きかけを変えていれば違った結果になっていたと思うので、その反省とともに、これまではできていて、より強固な相手にできなかったことは、練習して、より質を上げることをやっていきたいと思います。冨安選手は怪我から復帰して、後半から相手が10番を投入してカウンターを仕掛けることも想定して、時間を限定してプレーしてもらいました。
DF #2 菅原由勢 選手(AZアルクマール/オランダ)
あまり良くない時間帯に失点したと思うので、もったいなかったと思います。スローインからの流れでボールが右に流れてきて、そこからインサイドのランニングがあったと思いますが、あそこを走ってくるのはわかっていたので、そうなる前にスローインのところでどういうボールの持って行き方をするか、守備の仕方をするかというのは、もっとできたと思います。ボールが来てからも、もっと間合いを寄せられたかなと思います。シンプルに相手が上手だったのは間違いないですし、だからやられたと思う。あとは自分の実力不足がただピッチで出ただけだと思うので、そこは自分の責任だと思います。
DF #3 谷口彰悟 選手(アルラヤンSC/カタール)
相手の狙いは立ち上がりからはっきりしていましたし、結果的には一番やらせてはいけない選手にやらせてしまったというところが一番大きかった。失点しなければ、ああいう展開でもじわじわと自分たちのペースに持っていけたと思うので、あそこで我慢しきれなかったのが痛かったと思います。(2試合で失点が続いて)細かいことを言えば、たくさんあると思いますが、一人ひとりがボールをこぼさないとか、小さな細かいところのバトルが大きな結果の差を生んでしまっている。それは真摯に受け止めていかないといけません。日本が相手で、いつもの120%の力で絶対来るというのは共通認識として持っていましたが、その相手の圧や会場の雰囲気に少し負けてしまったなというところはあります。
DF #22 冨安健洋 選手(アーセナル/イングランド)
もちろん勝ちにいきましたし、その中で勝てなかったので残念です。相手が思ったよりもダイレクトなプレーをして、僕たちが後ろ向きでプレーする時間が長かった。最初の時間帯は特にそうで、その中で相手に勢いに乗られてしまいました。アジアでの戦いはベトナム戦も含めて難しいなと感じました。相手にリスペクトされていますし、勢いに乗せたらスタジアムの雰囲気もあって乗ってしまうので、そういう意味では先制されて相手の流れにさせてしまったところと2失点目が痛かったです。0-2でも間違いなくトライはしましたが、そんなに簡単ではありません。難しい戦いというのは分かっていますが、それを相手が上回ってきた。逆に、日本が受け身になるのではなくて、最初からアグレッシブにいかないといけないと思います。
MF/FW #8 南野拓実 選手(ASモナコ/フランス)
失点したくない時間帯で今日も2失点してしまっている。経験のある選手たちがいますが、こういう雰囲気、アジアの相手に対して試合を読んでいかないといけないし、僕もその経験あるうちの1人なので、チームとしてもっと中の選手たちがそういう意識を共有しないといけないと思います。プレーが切れたときに一旦チームとして整えるのか、やり方はいくつかあるし、そういう締めるべきところをチームとして引き締められませんでした。前半は特にそうです。それはアジアカップを戦い抜く上ですごく重要だなと思います。ゴール前に迫る回数は少なかったですし、単発な攻撃も割と多かった。もう少しボール持って、0-1の段階でもより自分たちが長く持てる時間を増やし続けて、後半に0-1でつなぎ続ければよかったです。
MF/FW #10 堂安律 選手(SCフライブルク/ドイツ)
かなり立ち上がりから押し込まれましたし、相手は対人も強かったです。サイドの1対1が強いのは分かっていたので、自分は伊東選手とは違うスタイルで中に絡んでいこうと思っていて、シュートが圧倒的に少なかったので「シュートを打たないと」と思っていました。イメージ通りのプレーはできたのですが、早めに僕のチャンスで決めていれば(状況は)変わっていたと思います。負けに値する試合でした。反省できることは反省して、下を向いている時間はないので、切り替えたいと思います。
MF/FW #14 伊東純也 選手(スタッド・ランス/フランス)
先制点を取られたのが痛かったですし、相手のパワープレーにうまく対応できなかったと思います。ロングボールを蹴ってくることは分かっていたのですが、セカンドボールをこちらが拾えず、最初の5分で1点を取られてゲーム展開を難しくしてしまいました。相手はワンチャンスを決めて乗ってきて、守備の強度も高くなったと思います。最近の試合ではあまり失点していなかったと思いますが、今日は本当に軽く失点してしまった。自分たちの決定的なチャンスは3回ぐらいしかなかったので、そこの部分が課題かと思います。ここから全部勝つしかないですし、こういう戦い方をしてくる相手にもう負けられません。修正してセカンドボールや跳ね返すところは修正しないといけないと思いますし、攻撃の部分でももっとクオリティの高い、ゴールに迫る動きをしないといけないと思います。
MF/FW #20 久保建英 選手(レアル・ソシエダ/スペイン)
チャンスらしいチャンスが前半はありませんでした。攻めているようで攻めきれず、相手のチャンスで2点取られて、すごく後味の悪さがありました。悪い試合ではなかった分、もったいないという前半の終わり方をしてしまいました。2点目を取られるまでの間にクロスなどが合わないシーンが何回かありましたし、あそこで決めきるべきだと思いました。ずれたパスも多かったですし、最終的にしっかり相手に回収されてしまいました。予期せぬ失点で焦った部分もあったかもしれません。うまくいかなかった時に中に人数をかけたりして少し違ったやり方をした方が、前半は特に相手がルーズだった分、良かったと思います。(2位通過のラウンド16で)韓国とやると考えていると次のインドネシアに足元をすくわれてしまいます。まずはインドネシアの試合にフォーカスしていきたいです。
ヘスス・カサス イラク代表監督
今日はイラクの人々にとって素晴らしい日です。我々は日本に勝って勝ち点6にすることができました。試合に勝つことは簡単ではなく、競争力を持って戦う姿勢がなければなりません。私は自分のポリシーとして戦える選手を選んでいますが、代表チームで大事なのは戦うこととクオリティのバランスを持つことです。選手たちは私の誇りですし、国民の皆さんも誇りに思ってほしい。今日は勝利を喜ぶことにしますが、明日からは第3戦のベトナム戦へ集中しなければなりません。次もしっかりと戦う試合をお見せしたいと思っています。
YouTube(AFC):#AsianCup2023 | Group D : Iraq 2 - 1 Japan
AFC アジアカップ カタール 2023
大会期間:2024年1月12日(金)~2024年2月10日(土)
グループステージ
第1戦 1月14日(日) 14:30[現地時間] ◯4-2 vs ベトナム代表
第2戦 1月19日(金) 14:30[現地時間] ●1-2 vs イラク代表
第3戦 1月24日(水) 14:30[現地時間] vs インドネシア代表
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