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同じ目線を持つことの意味 ~森保一監督手記「一心一意、一心一向 - MORIYASU Hajime MEMO -」vol.03~

2019年08月09日

同じ目線を持つことの意味 ~森保一監督手記「一心一意、一心一向 - MORIYASU Hajime MEMO -」vol.03~

選手の育成における考えの変化

コパアメリカでは、多くの若い選手たちが、年齢という垣根を跳び越えて、チリ、ウルグアイ、エクアドルと戦いました。1試合目よりも2試合目、2試合目よりも3試合目と、試合を重ねるごとに、勇敢さを増していく選手たちを見て、思い出したことがありました。それはコーチ時代に、ミシャさん(ミハイロ・ペトロヴィッチ)から聞いた言葉でした。
「若い選手を試合に出場させるなら、しばらく起用し続けること」
ミシャさんは、一度、チャンスを与えた選手が、その試合で期待に応えられなかったからといって、監督が次の機会を与えなかったら、その選手は自信を失ってしまう。起用し続けることで、その選手は自信をつけていくことができると教えてくれました。どの指導者も選手をデビューさせる、起用するタイミングというものは考えていると思いますが、ミシャさんの言葉が強く印象に残っていたから、自分もクラブの監督をしているときには、そうした過程を意識していたかもしれません。
ただ、日本代表を率いるようになった今は、自分の考え方は、少し変化しています。たとえ、一度の機会だったとしても、その場に立つことが大切なのではないかと思うからです。結果的に、プラスなことだけでなく、マイナスなことが起こったとしても、指導者はそこで切り捨てるのではなく、できなかったことはできなかったこととして、足りなかったところは足りなかったところとして、整理して選手に伝え、今後の成長につながるようにアプローチしていく。それこそが大切なのではないかと考えるようになったからです。
選手の育成という視点において、理想としてはチャンスを与え続けることかもしれません。でも、ポジティブだろうがネガティブだろうが、その経験を選手の次の成長につなげていけるかどうか。そうしなければ、時代の流れが早い昨今において、タイミングそのものがなくなってしまうのではないかと、今は感じています。

対戦相手はスーパーマンではなく同じサッカー選手

経験というポイントで自分自身を振り返れば、自分にとって大きかったのは、1992年に初めて日本代表に呼ばれたときのこと。招集されたときの自分は経験も浅く、「果たして自分に務まるのか」という思いもありました。しかも、日本代表でのデビュー戦の相手はアルゼンチン。それこそ、このときのアルゼンチン代表はコパアメリカで優勝していて、そのメンバーがこぞって来日したのです。
錚々たる選手たちと試合をするということで、デビュー戦だった僕は、完全に相手を上に見て物怖じしていたところもありました。でも、いざ試合になり、対戦してみたら、相手もミスをするし、自分にもできる部分がありました。まあ、その当時の相手が、どれだけ本気で試合をしてくれていたかは分からないですが……。
でも、対戦したことで、アルゼンチン代表の選手たちも、自分と同じサッカー選手であるということ、スーパーマンや異次元の存在ではないということを知ることができたのです。敵わない相手ではないということを知り、そこからは気持ちに余裕を持つことができるようにもなりました。まさに何事も経験だということを知った瞬間でもありました。
この経験から、何を伝えたいかと言うと、今は日本サッカーを取り巻く環境も変わり、育成年代から、選手たちは国際経験を積む機会が格段に増えました。初めて自分がアルゼンチン代表と対戦したときに感じたもの以上のことを、今の選手たちは若いときから経験してもいる。だからこそ、自分もひとりの指導者として、相手を上に見過ぎることのないようにしなければならないと感じています。

「勝った」と「勝てたかもしれない」の差を埋める努力

それは、コーチとして帯同した2018年のFIFAワールドカップで強く感じたことでもありました。ラウンド16でベルギーと対戦するとき、選手たちの口から普通に、エデン・アザールの特徴はこうだ、マルアン・フェライニの癖はこうだという会話が飛び交っていました。スタッフからは分析として相手選手の情報は伝えますが、実際に体感している選手から語られる内容ほど有益なものはありません。彼らは日頃のリーグ戦などで、相手と対戦した経験もあり、すでに同じ目線でプレーし、戦い、見て、どうやったらその相手に勝つことができるかを考えている。そのとき、「それはいい戦いができるよな」と感じもしました。
言い換えると、試合に勝つためには、勝てると思って、できると思って戦わなければ、勝てるものも勝てないということ。謙虚な姿勢は日本人の美徳として素晴らしいものではありますが、相手をリスペクトしすぎてしまえば、自分たちの力も発揮できないし、相手を上回ることもできない。そうした姿勢を、コパアメリカを経験した若い選手たちは、試合を重ねるごとに示してくれたのではないかと思っています。
ただ、選手たちには、コパアメリカで経験したことは大きかったけれども、この経験を今後にどう活かしていくかが大切だということを話しました。3試合を戦って、グループステージを突破できなかったという事実があるように、「突破できた」と「突破できたかもしれなかった」とでは大きな違いがあります。そこには、まだまだ、チームにも、個人にも足りないものがあったということ。2試合で引き分けたことから、その差は「ほんのちょっと」に感じるかもしれませんが、「勝った」と「勝てたかもしれなかった」が違うように、ここから「勝てた」を「勝ち」に変えていくには、相当な努力が必要だということ。できたところは自信に、できなかったことは反省しつつ、この決して小さくはない壁を乗り越えられるように、努力をしていこうという話を伝えさせてもらいました。

 

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