JFA.jp

JFA.jp

EN

日本代表

年代・カテゴリーを選ぶ

表示したいカテゴリーを
以下から選択してください。

1.年
  • 2024年
  • 2023年
  • 2022年
  • 2021年
  • 2020年
  • 2019年
  • 2018年
  • 2017年
  • 2016年
  • 2015年
  • 2014年
2.年代別
  • SAMURAI
    BLUE
  • U-24
  • U-23
  • U-22
  • U-21
  • U-20
  • U-19
  • U-18
  • U-17
  • U-16
  • U-15
  • 大学
  • フットサル
    (男子)
  • U-25フットサル
    (男子)
  • U-23フットサル
    (男子)
  • U-20フットサル
    (男子)
  • U-19フットサル
    (男子)
  • U-18フットサル
    (男子)
  • フットサル
    (女子)
  • U-18フットサル
    (女子)
  • ビーチサッカー
  • eスポーツ・サッカー
ホーム > 日本代表 > 最新ニュース一覧 > 覚悟と感謝~森保一監督手記「一心一意、一心一向 - MORIYASU Hajime MEMO -」vol.01~

ニュース

覚悟と感謝~森保一監督手記「一心一意、一心一向 - MORIYASU Hajime MEMO -」vol.01~

2019年06月16日

覚悟と感謝~森保一監督手記「一心一意、一心一向 - MORIYASU Hajime MEMO -」vol.01~

人の中に自分がいる

覚悟と感謝――。これは1年前、僕が日本代表の監督に就任する会見で、みなさんに伝えさせてもらった言葉です。

これまでサッカーに携わってきたひとりの人間として、今日に至るまでの環境を築いてきてくれた人たちへの感謝と、今後の日本サッカーの発展につなげていく強い覚悟を込めさせてもらいました。

僕が記者会見や試合後のインタビューで、関係者や応援してくれる人たちへの感謝を述べるのは、自分がここまで歩んできた中で、その節目、節目で人に助けてもらってきたという思いが強くあるからです。

常日頃から、深く考えているわけではないですが、もしかしたら、そこには両親の影響が大きいのかもしれません。直接、声に出して言われたことはありませんが、いつも両親は「人の中に自分がいる」という考え方をしていたように思います。自分自身もまた、そうした環境で育ってきたことによって、知らず知らずのうちに、人に感謝するようになっていったのかもしれません。若い時分には、それを忘れそうになってしまったり、勘違いしそうになってしまったこともありましたが……。

実際、自分の人生を振り返ると、必ずと言っていいほど、分岐点では人に手を差し伸べてもらいました。僕が、社会人としてサッカーを続けることができたのも、高校時代の恩師が今西和男さんに一通の手紙を送ってくれたことがきっかけでした。あのとき、恩師が手紙を出さなければ、きっと、今西さんがハンス オフトさんを連れて、長崎まで練習を見に来てくれることもなかったでしょう。

また、社会人になり、マツダSC東洋というチームでプレーしていたときもそうでした。当時監督を務めていたオフトさんが、試合を見に来てくれなければ、僕はサンフレッチェ広島の前身となるマツダSCでプレーすることもなかった。さらに言えば、そのオフトさんが、日本代表の監督にならなければ、僕が日本代表のユニフォームを着てピッチに立つことも、監督として日本代表を指揮することも、間違いなくなかったでしょう。

グラスルーツを支える指導者たちの熱量

ちょっと古い話になりますが、環境への感謝を示すのは、自分がJリーグ創設前のJSL時代を知っていることもあります。特に2部リーグでプレーしていた当時は、試合前に自分たちで椅子を並べ、観客席を作るなど、会場の設営をしていたこともありました。当時は観客といっても、選手の家族や友人、職場の人がほとんど。一般の方は数えるくらいしかいないこともありました。

Jリーグが創設されて27年目を迎え、今では多くの人に応援してもらえる環境になりました。Jリーグが開幕し、満員のスタジアムでプレーしたときには、何度も、何度も「夢で終わってほしくない」と思ったことを、今でも覚えています。

選手を引退して、指導者としてのキャリアをスタートしたときに、日本サッカーのグラスルーツに触れられたことも大きな刺激になりました。ナショナルトレセンの巡回コーチとして、地域を回る中では、それこそキッズの指導を担当させてもらったこともあります。まさに日本サッカーの礎ですよね。

そのとき、子どもたちを教える指導者の方たちとも話をする機会があったのですが、ほとんどの方がボランティアで、選手の育成に携わってくれていることを知りました。普段は自分自身の仕事があり、自分が指導するチームの活動もある。さらには言えば、自分の家庭もある中で、プライベートを削ってまで、選手の育成のために時間を費やしてくれている。そんな方々と触れ合うたびに、この情熱はどこから来ているのだろうかと、驚かされることばかりでした。

日本代表の監督としては、そうした日本サッカーの土台を支える指導者の人たちが、見守ってきた選手たちを預かっているだけに、責任であり、覚悟も感じれば、自然と感謝の言葉が出てきます。

人であり、環境。自分がそのすべてを端から端まで見ることができているとは思いませんが、ここまで自分は人に助けられ、人に引き上げられてきました。それは今こうしてサッカーができる日々も同様。だからこそ、僕は覚悟と感謝を持って、日本代表監督という職務を全うしています。

“マリーシア”は狡賢さではなく賢さ

さて、かなり前置きが長くなりましたが、日本代表は6月15日からブラジルで開催されるコパ・アメリカに臨みます。

個人的なことになりますが、ブラジルを訪れるのは今回が初めてのこと。活動期間中はなかなかブラジルの風土であり文化、日常に触れるのは難しいとは思いますが、現地のサッカー熱を感じ、知ることができる機会を楽しみにしています。

初戦で対戦するチリは、自分にとって日本代表監督として初めて指揮を執るはずだったチームでした。昨年9月7日に行われる予定だったキリンチャレンジカップです。前日に起きた北海道胆振東部地震の影響を考慮して、試合は中止になりましたが、そのチリと今回の初戦で対戦できることは、個人的にも光栄に思っています。

第2戦で対戦するウルグアイは、昨年日本で対戦をしたときは勝利(4-3)したこともあり、相手はより必死になって戦ってくることが予想できます。加えて、ウルグアイ戦が行われるポルト・アレグレは、ウルグアイの国境にも近いということで、より多くの相手サポーターが会場に訪れるという話も聞きています。コパ・アメリカは南米大陸の大会ということもあり、日本にとってはそもそもアウェイなのですが、ウルグアイ戦はより色濃いアウェイ状態で戦うことになる。そうした環境で、今の自分たちに何ができるのか。

コパ・アメリカは、世界のトップレベルを体感できる大会だけに、現時点での日本の立ち位置を知ることができると同時に、日本が培っていかなければならないこと、学ばなければならないことが、南米にはまだまだ、たくさん転がっています。

相手との駆け引きもそのひとつ。日本では“マリーシア”という言葉が知られていますが、日本では、その意味はというと、“ずる賢さ”と捉えられがち。でも、個人的には、“マリーシア”とは“ずるがしこい”ではなく、“かしこい”だと思っています。自分なりにマリーシアという言葉を解釈するならば、それは局面での相手との駆け引きや、状況に応じた個々の判断力ということになります。時間の使い方もそのひとつですが、プレーにおけるギアの上げ下げも、まさにそうですよね。

勤勉であることが日本人の良さだとするならば、その特徴を保ちつつ、選手たちには、状況、状況に応じた賢さを、今回のコパ・アメリカを通して学び、身につける機会にしてもらいたい。それこそが、まさに日本版のマリーシアとでも言えばいいのでしょうか。いわゆる“賢さ”になっていくからです。

「絶対」という言葉を用いない理由

サッカーは自分たちのコンセプトであり、戦術的なベースがある一方で、常に相手がいる競技。自分たちが常に優位に立てれば、それに越したことはないですが、劣勢になったとき、受け身になったときに、どうするのか。もしくは相手を上回れる状況になったときに、どのように畳み掛けていくのか。また、自分たちの良さを出しながらも、相手をいかに疲労させ、疲弊させていくのか。そうした相手を見た戦い方に、南米のチームは長けているように思います。

チームとしての戦術的なベースというものは、試合に勝利するためにも重要なもののひとつです。ただ、アジアカップでもさまざまな戦い方ができたように、勝ち方はひとつではありません。だからこそ、僕は選手たちに状況判断を期待してもいます。

それは、サッカーに絶対はないからです。僕はミーティングでも選手たちに、“絶対”という言葉は使いません。「基本的にはこうした傾向がある」「過去の試合ではこうだった」ということは伝えますが、そこに「絶対」という言葉は付けません。それは、そのときどきの相手のコンディションであったり、自分の調子によっても対戦してみなければ見えない、分からないところもあるからです。そうしたピッチに立たなければ、感じることのできない、空気感を含めて、僕は状況判断と定義しているのです。

チームとして戦術的にやるべきこと、最低限のルールというものは設定します。でも、思い描いたとおりに行かないのも、またサッカー。計画どおりに進まなかったときに、諦めてしまうのではなく、そこから何ができるのか。監督やコーチが伝えることで、状況や戦況を変えられることはありますが、サッカーは一度、試合がはじまれば、時間は刻々と進んで行く。だから、その中で選手個々が状況を見て、それぞれがチームのために判断していく対応力を身につけていってほしいと考えています。

思い通りに行かないときにどうするのか

そうした僕の考え方の根本は、日常にあります。自分自身は、ここまで人に助けられてきたと話したように、恵まれた人生を送ってきたかもしれません。ただ、その一方で、サッカーも、人生も、思い通りに行かないことのほうが圧倒的に多かった。

おそらく多くの人の理想は、日々楽しく、労力をかけず、なおかつストレスなく生活を送ることだと思います、でも、実際は、日々の生活の中に競争があり、戦いがある。きっと、思い通りにならないことのほうが多いはず。それは選手たちはもちろん、働いている人たちもそう。育児や家事に追われている人もそう。きっと、部活や勉強に励んでいる学生もそうだと思います。みんながみんな、理想どおりに物事が進まず、苦しかったり、耐えなければならなかったり、我慢しながら生活していますよね。

サッカーはそうしたみなさんに、簡単な言葉で言えば、感動とか勇気、夢を与える可能性を秘めたスポーツだと思います。僕らのプレーであったり、がんばりを見て、みなさんの日常に照らし合わせてもらいたいという思いが、どこかにあるんです。選手たちが、あそこで数センチ寄せて身体を張ったからピンチを防げた。ゴールが決まるか決まらないか分からないところで、がんばってつま先を出したから得点になった。そうした選手たちの姿を見て、明日も、今週も、がんばろうと思ってもらえたらと。

現役時代に人々が沸いた瞬間に原点がある

そこには、選手時代の自分のプレーに起因しているかもしれません。自分は華麗なプレーができる選手ではありませんでしたが、観客、ファン、サポーターのみなさんが反応してくれたのは、まさに泥臭いと言われるようなプレーでした。タッチラインぎりぎりで、ボールが外に出るか出ないかの状況でも、諦めずに追いかけ、つなぐことができたとき。守備のときに、足が届くか届かないか分からない状況でも足を伸ばしてボールに届いたとき。そういうときに、周りが反応してくれ、「見てくれているんだ」と感じることが多々ありました。日本的に言えば、それを頑張りと言うのかもしれませんが、そうした泥臭いひとつひとつのプレーもまた、それぞれの状況判断によるものです。

日本代表の監督になって強く感じているのは、いかに自分たちがやれると思うことができるか。これはコーチとして帯同したロシアワールドカップでも強く感じました。相手をリスペクトしつつも、自信を持ち、同じ目線で戦うことができるか。

南米には学ばなければならないこともたくさんあるとは思いますが、同時に自分たちがこれだけやれたと思えることも大切になってきます。加えて、ただ学んで帰ってくるだけでなく、自分たちに足りなかったものは何なのかを考え、その後に身につけることができるか。コパ・アメリカに臨むA代表には、若い選手たちもたくさんいます。彼らも含めた全員が、どれだけ自分たちができると思ってピッチに立てるか。そうした試合を、ブラジルの地ではしたいと思います。

スケジュール

SAMURAI BLUE(日本代表)のスケジュールはこちら

CONMEBOLコパアメリカブラジル2019

大会期間:2019/6/14(金)~2019/7/7(日)

グループステージ:
2019/6/18(火) 8:00キックオフ(日本時間)
vs チリ代表

2019/6/21(金) 8:00キックオフ(日本時間)
vs ウルグアイ代表

2019/6/25(火) 8:00キックオフ(日本時間)
vs エクアドル代表

大会情報はこちら

 

OFFICIAL PARTNER
KIRIN
OFFICIAL SUPPLIER
adidas
SUPPORTING COMPANY
  • 朝日新聞
  • SAISON CARD
  • 大東建託
  • Family Mart
  • JAPAN AIRLINES
  • au
  • Mizuho
  • MS&AD
アーカイブ
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー