ニュース
S級コーチ養成講習会2023 Module1・集中講習① 参加者レポート Vol.2
2023年04月28日
一週間の短期講習を終え、会場を高円宮記念JFA夢フィールドに移して集中講習が始まりました。集中講習は指導実践と外部講師も招いての講義でカリキュラムが構成され、リーダーシップやコーチング、マネージメント等、プロの監督に求められるスキルや知識、能力を高めていきます。
Module1の2週目を迎えて参加者同士の緊張もほぐれたこともあり、指導実践でのディスカッションは先週よりも活発に、内容の濃いものになりつつあります。天候にも応援され、順風満帆に集中講習がスタートしました。
Module1・集中講習①
期間:4月17日(月)~4月20日(木)
4月17日(月) | 午後 | 「JFAの取組み」 JFA会長 田嶋幸三 「短期講習①振り返り」「セルフスキャン」 S級チューター 浮嶋敏 「ブレインストーミング①」 京都大学教授 宇佐美誠 |
---|---|---|
4月18日(火) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 指導実践 | |
4月19日(水) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「JFAの取組み・指導者養成」 JFA指導者養成ダイレクター 西川誠太 「人材育成マネージメント」 東京音楽大学教授 広上淳一 |
|
4月20日(木) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「コミュニケーションの構築と実践①」 スピーチライター・コミュニケーションコンサルタント ひきた よしあき 「プロフェッショナルコーチング論」 S級チューター 浮嶋敏 |
サポートプレーヤー派遣ご協力
慶應義塾大学、江戸川大学、日本体育大学、和魂サッカースクール、千葉SC
参加者コメント
大黒将志 さん(ガンバ大阪)
今週から集中講習がJFA夢フィールドではじまりました。
東京音楽大学の教授で指揮者でもある広上淳一先生の講義では、大学の指揮課で学生さんを指導する様子や指導で心がけていることなどをお話しいただき、指導者と指揮者はいろんな面で非常に共通点が多いことがわかりました。
広上先生の話は非常に面白くて自らの失敗談も交えてお話しいただいたこともあり、より身近なこととして捉えることができ、今後の自分の指導や指導者人生に生かしていきたいと思いました。
コミュニケーションの構築と実践のひきた先生の話も、簡潔に話をする方法や選手をポジティブにするポイントや方法も教えて下さって非常にありがたかったです。
昨年12月のトライアルに心臓がとまるほど緊張して臨んだことが今では懐かしく思えるほど充実した毎日を過ごしています。参加者同士たくさんサッカーの話をして、いろんなことを吸収したいです。
来週もいろんな分野の先生にお越しいただき、講義をしていただけることになっているため、今からとても楽しみにしていて、それぞれの先生の話をよく聞いて今後に生かしていきたいと思います!
大塚真司 さん(ヴァンフォーレ甲府)
Module1・集中講習①がJFA夢フィールドにて行われました。緊張感がある中始まった先週の濃密な短期講習を経て、既に参加者同士の絆は、とても強いものと感じることができます。講習会では、皆がオープンな姿勢で関わり合っていること、また時には仲間に厳しくもクリーンなフィードバックをしてもらうことで、充実感のある非常に有意義な時間を共有することができました。ピッチで行う指導実践は4人グループとなり、『監督・コーチ・GKコーチ・フィジカルコーチ』といった役割が与えられます。監督がテーマに沿ったトレーニングを組み立てますが、私自身、監督役の時にはグループの仲間にとても助けられました。食事やコミュニケーションを重ねて、自分のやりたいことを各コーチに伝え、コーチからのアイデアをもらいながら次第にトレーニングの内容が深まっていく時間は非常に貴重なものでした。また、プレーヤーとして参加していただいた学生・社会人の方々の懸命にプレーする姿勢にも大きく助けられたことで、講習全体の質と熱が高まった要因の一つとなりました。ピッチを離れた講義では、今後チームをマネジメントする上で、自分の中での軸を再確認することができました。田嶋会長の講義ではリーダーの役割として、「苦しい時にブレないことが大切」という言葉は強く胸に響きました。また、改めて日本サッカー協会の歴史やビジョンを聞き、改革として育成年代のゲーム環境を整えてきたことで現在の多くの日本代表選手が育ってきたことを知ることができました。人材育成マネージメントの講義には、世界的指揮者の広上淳一さんを迎えた講義に引き込まれました。約80人ものオーケストラをまとめて素晴らしい音楽を奏でることは、サッカーの監督と通じるものがあります。広上さんは経験を重ねてきた現在は、「微熱の愛情」を注ぐといった手法で、オーケストラに気づきを与えることで、自らが考えて動く主体的なグループになっていったというエピソードを聞くことができました。また、監督として誰かを真似る必要はなく、自分自身のオリジナリティーのやり方で選手と向き合いチームを作ることの大切さを学ぶことができました。コミュニケーションの構築と実践の講義では、簡潔に伝えることの大切さ「15秒で3フレーズトーク」や「ポポネポの法則」「PEP TALK」といったコミュニケーションを図るテクニックを、実践を交えて学びました。これらは自分自身にとっての課題でもあるため、今後向上させていく上での大きなヒントとなりました。プロフェッショナルコーチング論では、チューターである浮嶋敏さんの監督時の実体験を聞くことができ、監督は次々と決断を下し、チームが進むべき方向性を示し、覚悟を持って困難に立ち向かう強さが必要だということを感じることができました。有名な監督カルロ・アンチェロッティ曰く「監督とは離婚を前提とした結婚だ」とは、納得させられる言葉でした。だからこそ、その結婚期間をできるだけ長く続けられるように、これから1年間のS級受講を通して、監督として必要なスキルを身につけ、いかなる状況にも対応できるように備えたいと思います。
S級コーチ養成講習会は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施しています。