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デフフットサルワールドカップ2019 in スイス
2019年11月21日
11月8日(金)~11月16日(土)スイスのヴィンタートゥールにて、デフフットサルワールドカップ2019が開催されました。
今大会は第4回となり、日本は男女共に3回目の出場となりました。
男女共に世界一を公言し挑んだ大会でしたが、結果は男子10位(14チーム中)、女子5位(12チーム中)となりました。
女子は前回大会の6位を上回り、史上最高位となりました。
大会の結果は下記の通りになります。
男子日本代表
予選リーグ(3位予選敗退)
日本 5-2 ブラジル
日本 4-5 ポーランド
日本 1-2 ロシア
9-12位決定戦
日本 5-5(PK 3-1) アルゼンチン
9-10位決定戦
日本 3-3(延長 1-2) イタリア
女子日本代表
予選リーグ(2位予選突破)
日本 3-3 スウェーデン
日本 6-0 フィンランド
日本 4-6 ポーランド
準々決勝
日本 1-2 ブラジル
5-8位決定戦
日本 5-4 スウェーデン
5-6位決定戦
日本 6-2 ロシア
今大会男子の優勝国はスペイン、女子の優勝国はブラジルとなりました。
応援ありがとうございました。
監督・選手コメント
川元剛 監督(デフフットサル男子日本代表)
11/8~16までデフフットサルワールドカップ2019inスイスに参加しました。ヨーロッパでの開催という事で、前回のアジア開催とは違い、ヨーロッパの参加国がとても多く、レベルも過去最高のワールドカップだったと思います。
日本は前回大会の7位を下回る10位となりましたが、確実にレベルアップしていた事は間違いありません。2戦目のポーランド戦がブザービートでの失点で敗戦。3戦目のロシア戦が残り54秒での失点で敗戦。最終戦のイタリア戦が延長戦での敗戦。敗戦の3試合はいずれも最後の最後で失点しての1点差ゲームでした。
ここには、毎年ヨーロッパ選手権やクラブ選手権があり圧倒的に勝負慣れをしているヨーロッパ勢と、4年に一度のアジア予選、本戦しかない日本の国際大会での「経験値の差」があるように思います。
また、外国人選手との慣れ。この部分においても、日本は殆ど経験がなくどうしても、プレッシャーに負けてしまい消極的な選択になってしまう選手が多く、個人個人のスキル、チームの戦術や戦略による差も勿論ありますが、顕著に出てしまったように感じました。これは島国である日本が抱えるスポーツにおける大きな問題だと感じます。近年のサッカー日本代表選手が、若いうちから海外に出る傾向も理解が出来るというか、そうしていかないと世界で勝つには相当難しい現実があるように感じたワールドカップとなりました。
そして、日本の「障がい」に対する捉え方や「障がい者スポーツ」いや、「スポーツ」に対する捉え方そのものを、見直していかないとスポーツ先進国にはドンドン突き放されていくのではないか?そう感じずにはいられない今回の大会となりました。
沢山のご声援を背に今大会に挑みましたが、結果としては残念なものとなりました事、本当に申し訳なく思っております。ただ、選手達はこの4年間、この舞台の為に努力を続けてきましたし、その努力の結果、強豪国相手に引けを取らない所まできました。どうか、選手達の頑張りには大きな拍手を贈って頂きたく思います。沢山のご声援、ご支援、本当にありがとうございました!
山本典城 監督(デフフットサル女子日本代表)
デフフットサルW杯2019スイス大会、女子日本代表は5位という結果に終わりました。前回のW杯が終わってからチームとして世界一を目指し取り組んできた中でその目標が達成できなかった悔しさが大きいですが、前回成績を上回る5位という結果を残せたことはこの4年間積み上げてきたものをしっかりと出せた結果でもあると思います。
デフフットサルの世界のレベルも上がってきています。これまではサッカー選手がその延長線上でフットサルをやっている状況が世界各国にありました。しかしそれでは結果を出すことが難しい状況になりつつあります。次のW杯で目標に近づくために、選手たちはフットサル選手としてレベルアップできる環境に身をおき、その選手たちがデフフットサル日本代表として強化していける環境作りもより必要だと思います。
これまでこのチームをご支援頂いた皆さま、サポートしてくださった皆さま、そして応援して頂いた皆さま、本当にありがとうございました。
東海林直広 選手(デフフットサル男子日本代表/キャプテン)
まず、たくさんの応援とご支援をいただき感謝いたします。誠にありがとうございます。
失意の4年前を終えて、個人チームとしても自信を持って望んだ今大会。4年前より下の10位で終えました。確実に4年前より日本の実力は上がりました。しかし、それ以上にヨーロッパの実力が格段と上がっていました。4年前にほとんど見ることのなかったパワープレーを、どのチームも戦術として身につけています。他にパラレラ・ピサ・クワトロ、といったフットサル戦術があちこちで見られ、脱ミニサッカーが確実に進んでいます。
初代王者のタイ、2連覇のイランと、3大会をアジアが物にしていたデフフットサルW杯。ヨーロッパのレベルが完全に上がっており、それに遅れを取っているアジア。4年後のW杯に向けて、個人・チームの実力向上はもちろん、チームマネジメント、スタッフ力も上げていかなくてはなりません。そして経験の部分でも、このままでは世界一を取れません。本気で世界一を取るために選手と共に日本ろう者サッカー協会も共に本気で考えなければなりません。国内、アジアに限らず世界への強化遠征も必須になってくるのではないかと思います。
4年後に向けて選手一同は前に進んでいます。また温かな応援とご支援をいただけると嬉しく思います。引き続き応援のほど、よろしくお願いします。ありがとうございました。
岩渕亜依 選手(デフフットサル女子日本代表/キャプテン)
個人的には今日の試合は前大会より良い成績で帰ることしか考えていなかったので、喜びというよりは安堵が大きいです。5位決定戦でロシアに6-2と点差をつけて勝てたことは、日本が4年間積み上げてきたことを証明できた試合だったと思います。ロシアに点差をつけてしっかり勝った分、ベスト4を賭けたブラジル戦で1-2と僅差で辛抱負けしてしまったことが強く悔やまれます。
本気で世界一を狙えると思ってやってきました。スタッフも含めチームのみんながそうだったと思います。史上最高位とされていますが、自分たちが目標としていた順位ではなかった。世界一を取り監督を胴上げしたかった。スタッフを世界一のスタッフにしたかった。いまさら悔やんでも仕方ないですが、史上最高位の5位で日本に帰れること、胸を張って成田空港に降り立ちたいと思います。
連日遅い時間帯での試合でしたが、応援していただき誠にありがとうございました。