ビーチサッカー競技規則に関する付記
公式言語
国際サッカー連盟(FIFA)は、英語、アラビア語、フランス語およびスペイン語版の競技規則を発行している。文章表現に疑義が生じた場合、英語版の競技規則に基づくものとする。
その他の言語
各国サッカー協会(FA)は、ビーチサッカー競技規則をそれぞれの言語に翻訳するため、refereeing@fifa.orgからFIFAにご連絡いただき、2023-24版ビーチサッカー競技規則のレイアウトのテンプレートを入手することが可能である。このレイアウトを用いてビーチサッカー競技規則の翻訳を作成した各国サッカー協会は、翻訳をFIFAに送っていただきたい(表紙には各国サッカー協会による正式翻訳であることが明らかに分かるよう表記して)。それをFIFAのウェブサイト(FIFA.com)にアップし、他の方々も利用することができるようになる。
ビーチサッカー競技規則の適用
各大陸連盟、国、町、村、世界中のすべての試合において同じビーチサッカー競技規則が適用されることは非常に大きな強みであり、維持されなければならない。また、このことは、世界中のどこであってもビーチサッカーそのもののためになることになる。
審判員やその他の参加者に競技規則を教育する方々は、次のことについて強調する必要がある。
・主審・第2審判は、フェア(公平・公正)で安全な試合が行われるよう、競技の「精神」に基づいてビーチサッカー競技規則を適用すべきである。
・誰もが、ビーチサッカー競技規則のインテグリティを思い起こし、尊重して、審判とその判定をリスペクトしなければならない。
競技者はビーチサッカー競技が作り出すイメージに大きな責任を負っている。また、チームのキャプテンは、ビーチサッカー競技規則と主審・第2審判の判定がリスペクトされ、守られるよう、重要な役割を果たすべきである。
ビーチサッカー競技規則の修正
ビーチサッカー競技規則は普遍的なものであることから、世界中のあらゆる場所、あらゆるレベルでプレーされるビーチサッカーの試合は、本質的に同じものになる。ビーチサッカー競技規則は、ビーチサッカーをプレーするために「フェア」かつ安全な環境を作り上げるだけでなく、ビーチサッカーに参加することや楽しむことを促進すべきものである。
歴史的にFIFAは、各国サッカー協会が特定のカテゴリーにおいて、「競技運営に関連する」競技規則の一部をある程度柔軟に修正することを認めていたが、その国のビーチサッカーの利益になるのであれば、各国サッカー協会は競技運営方法のいくつかの部分を変更することができるべきであると強く信じている。
ビーチサッカーをどのようにプレーし、レフェリングするかは、世界中どのビーチサッカー場でも同じになるべきである。しかしながら、国内のビーチサッカーが求めるものに応じて、試合時間の長さや参加人数、フェアではない行為を罰する方法を決めていくべきである。
これにより、各国サッカー協会、大陸連盟およびFIFAは、ビーチサッカー競技規則のうち、その責任において修正可能である競技運営に関連する次の領域の規定のすべて、または一部を修正できることとする。
ユース、年長者、障がい者およびグラスルーツのビーチサッカー
・ピッチの大きさ
・ボールの大きさ、重さ、材質
・ゴールポストの間隔とクロスバーのピッチ面からの高さ
・(同じ長さの)3つのピリオドからなる試合時間(および、1つのピリオドからなる延長戦の時間)
また、各国サッカー協会が、ビーチサッカーが国内で発展し、ビーチサッカーの利益になるために、さらに弾力性を持てるよう、ビーチサッカーの「カテゴリー」に関して、以下の変更を認める。
・各国サッカー協会、大陸連盟およびFIFAは、ユースおよび年長者のビーチサッカーの年齢制限を弾力的に決定できる。
・各国サッカー協会は、裾野レベルのビーチサッカーにおいて、どの競技会を「グラスルーツ」とするのかを決定する。
各国サッカー協会は、各種競技会において様々な修正を加えることを認めることができる。すべての修正を適用する必要もないし、あらゆる競技会に適用する必要もない。しかしながら、FIFAの承認なしに上記の項目以外の修正を行うことはできない。
各国サッカー協会には、上記の修正を行うことや、どのレベルにおいて修正するかをFIFAに報告するよう求められている。なぜなら、こうした(特に修正を行う理由についての)情報があれば、ビーチサッカー発展のためのアイデアや戦略を明確にし、FIFAが他国のサッカー協会と共有して競技の発展を援助できる可能性があるからである。
また、ビーチサッカーがより多くの人に楽しまれ、ビーチサッカーがより魅力的で、世界中でさらなる発展を促すためにビーチサッカー競技規則の考え得る変更についてFIFAあてに、ご意見を寄せてもらいたい。
ビーチサッカー競技規則変更への対応
どのような変更提案に対しても、フェアであること、インテグリティ、リスペクト、安全、参加者や観客の喜び、また、必要に応じてはビーチサッカーの試合をより良いものする最新技術の使用に焦点を当てて検討することになる。更にビーチサッカー競技規則により、そのバックグランドや能力にかかわらず、誰もがこれまで以上にビーチサッカーに参加できるようにならなければならない。
何が起こったとしても、ビーチサッカー競技規則はできる限りビーチサッカーの試合を安全なものにすべきものである。競技者は相手にリスペクトを示さなければならないし、審判はあまりに攻撃的で危険なプレーをする競技者に対して強く対応し、安全な環境を作り上げるべきである。ビーチサッカー競技規則は、受け入れられることができない危険なプレーを懲戒の罰則として整理している。例えば、「無謀なチャレンジ」は、警告=イエローカード(YC)であり、「相手競技者の安全を脅かすこと」や「過剰な力を用いること」は、退場=レッドカード(RC)となる。
ビーチサッカーは、競技者、審判、指導者にとって、また、観客、ファン、管理者などにとっても魅力的で、楽しいものでなければならない。これら競技規則の改正は、ビーチサッカーの試合が魅力的で楽しいものになるように手助けするものにならなければならない。それによって、年齢、人種、宗教、文化、民族、性別、性的指向、障がいなどにかかわらず、誰もがビーチサッカーに参加でき、またそれにかかわることが楽しみとなる。
これらの改正は、ビーチサッカーの試合を分かり易いものにするべく、また、多くのサッカーおよびフットサル競技規則改正の観点に即して行われている。しかし、試合においては多くの状況に「主観的な」判断が必要となる。審判は人間であり(それがゆえに間違えることもある)、幾つかの判定については、当然なことながら、討論や議論を引き起こすことになる。
ビーチサッカー競技規則はひとつひとつの状況に対して言及することはできないので、具体的事象についての規定はない。FIFAは、審判が「ビーチサッカーの理解」を用いつつ、ビーチサッカー競技の「精神」に基づき判定を下すよう求めている。これにより、しばしば「ビーチサッカーは何を求めているのか、何を期待しているのか」といった質問を投げかけられることになる。
第1条 ピッチ
1.ピッチの表面
表面は、砂でできていて、水平でなければならない。また、荒れていてはならず、競技者、審判員またはその他の者が負傷する可能性のある小石、貝などが取り除かれていなければならない。
国際競技会では、砂は粒が細かく、少なくとも40cmの深さがなければならない。砂はプレーに適するように、ふるいにかけられたものでなければならない。しかしながら、皮膚に付着するほどまで過度に細かくなってはならない。
2. ピッチのマーキング
ピッチは長方形で、連続したラインでマークしなければならない(破線は、認められない)。
第1条に示されるラインのみピッチにマークすることができる。
競技者がピッチに許可されていないマークをつけた場合、反スポーツ的行為で警告されなければならない。試合中に主審・第2審判が気づいた場合、アドバンテージが適用できなければプレーを停止し、反則を行った競技者を反スポーツ的行為で警告しなければならない。その反則が行われたとき、ボールが相手競技者のハーフ内にあった場合はプレーが停止されたときにボールがあった位置から、またはボールがその反則を行ったチームのハーフ内にあった場合はピッチの中央から行われる相手チームのフリーキックで再開される。
長い方の2本の境界線をタッチライン、短い方の2本の境界線はゴールラインという。ただし、ゴールポストの間にラインはない。
ピッチの外に設置された2本の赤色のフラッグでマークされる仮想のハーフウェーラインでピッチを半分に分ける。
この仮想のラインの中央の地点がキックオフと特定のフリーキックのための位置である。
主審・第2審判が仮想のコーナーアークを特定するために、それぞれのコーナーから1mのゴールライン上とタッチライン上にマークを描かなければならない。
コーナーキックが行われるときに、守備側競技者が離れる最小の距離を確認するために、上述のマークからそれぞれ5mのゴールライン上とタッチライン上にマークを描かなければならない。
交代ゾーンの境界線を示すために、ピッチのそれぞれのハーフに、チームベンチに近いタッチライン上で仮想のハーフウェーラインから2.5mの位置にマークを描かなければならない。
キックオフのときに守らなければならない最小の距離を示すため、チームベンチと反対サイドのタッチライン上で仮想のハーフウェーラインからピッチのそれぞれのハーフの5mの位置にマークを描かなければならない。
主審•第2審判がペナルティーエリアを特定することを援助するために、それぞれのタッチライン上に仮想のペナルティーエリアと同レベルを示すマークを描かなければならない。
すべてのラインは10cmの幅で、砂とは対照的な色で着色したテープ(好ましくは青)でできている。テープは弾力性があり切れにくく、競技者の足を傷つけるようなものであってはならない。ラインは各コーナーと両タッチラインの中央で特製の止め具で砂にしっかりと固定され、ポストに取り付けるゴム製のリングでゴールに固定されていなければならない。
3. ピッチの大きさ
長さ(タッチライン):
最小35m
最大37m
幅(ゴールライン):
最小26m
最大28m
競技会規定は、上記の大きさの範囲内でゴールラインとタッチラインの長さを設定することができる。
ラインまたは仮想のラインは囲んでいるエリアの一部であるため、計測はラインの外側から行われる。
4. ペナルティーエリア
ペナルティーエリアは、ゴールラインとゴールラインから9m離れた平行な仮想のラインで囲まれたピッチ上のエリアであり、ピッチの外側の両タッチライン近くに立てられた黄色の2本のフラッグでマークされる。
仮想のペナルティーマークは、仮想のペナルティーエリアラインの中央のところとなる。
5. 交代ゾーン
交代ゾーンは、タイムキーパー・テーブルの前にあるタッチライン上のエリアである。
● 交代ゾーンは5mであり、仮想のハーフウェーラインとタッチラインとの交点から両側に2.5mずつになる。
● チームベンチは、タッチラインと交代ゾーンの後方に配置される。
● タイムキーパー・テーブルの前のエリアは、仮想のハーフウェーラインからそれぞれ2.5mあり、見通しをよくしておく。
交代についての詳細および関連する手続きは、第3条に規定されている。
6. コーナーエリア
仮想のコーナーエリアは、それぞれのコーナーからピッチ内に半径1mの四分円である。
7. フラッグポスト
フラッグポストは、少なくとも1.5mの高さで、先端がとがっておらず、フラッグが付き、下記に示された位置に設置されなければならない。
次のように合計10本のフラッグが使用される。
● ピッチのそれぞれのコーナーに1つずつの赤色のフラッグを立てる。
● 仮想のハーフウェーラインの両端に1つの赤色のフラッグをタッチラインの外側に1mから1.5m離して確実に固定する。
● ペナルティーエリアを示す仮想のラインの両端に1つの黄色のフラッグをタッチラインの外側に1mから1.5m離して確実に固定する。
8. テクニカルエリア
テクニカルエリアには、チーム役員、交代要員のための座席が設置される。テクニカルエリアの大きさや位置は、施設によって変わってくるが、次のガイドラインを適用する。
● テクニカルエリアは、特定された座席部分から両横に1m、前方にはタッチラインから1mまでにすべきである。
● テクニカルエリアを明確にするためにマーキングすることを推奨する。
● テクニカルエリアに入ることのできる人数は、競技会規定によって定められる。
● テクニカルエリアに入ることのできる者は、
•競技会規定に従って試合開始前に特定される。
•責任ある態度で行動しなければならない。
•トレーナーやドクターが競技者の負傷の程度を判断するため、主審または第2審判のいずれかからピッチに入る承認を得た場合などの特別な状況を除いて、エリア内にとどまっていなければならない。
● テクニカルエリアからは、その都度ただ1人が立って、戦術的指示を伝えることができる。
● 試合中、交代要員およびフィットネスコーチは、テクニカルエリア後方にウォームアップのために設けられたゾーンでウォームアップすることができる。ゾーンが設置できない場合、競技者や主審・第2審判の動きを妨害することなく、また、責任ある態度で行動するのであれば、タッチライン近くでウォームアップすることができる。
安全
競技者、交代要員、チーム役員、審判員等の安全を常に確保できるよう、競技会規定には、ピッチの境界線(タッチラインとゴールライン)と観客と分離する仕切り(広告版との仕切りも含む)との間の最小距離について定めなければならない。
9. ゴール
ゴールを1基、それぞれのゴールラインの中央に設置する。
ゴールは、ピッチのコーナーから等距離のところに垂直に立てられた2本のポストと、その頂点を結ぶ水平なクロスバーとからなる。ゴールポストとクロスバーは、承認された材質でできていなければならず、危険なものであってはならない。両ゴールのゴールポストとクロスバーは同じ形状で、正方形、長方形、円形、楕円形またはこれらの組み合わせのいずれかでなければならない。
両ポストの間隔(内測)は5.5mで、クロスバーの下端からグラウンドまでの距離は2.2mである。
ゴールポストは、図に示すようにゴールライン上に置かれなければならない。
ゴールポストとクロスバーは、ゴールラインと同じ幅と厚さで、10㎝とする。ネットは、適当な材質で、適切な支持方法でゴールポストとクロスバーの後方に取り付けなければならない。また、ネットはしっかりと張られ、ゴールキーパーの邪魔にならないようにしなければならない。
クロスバーがはずれた、または破損した場合、それが修復されるか元の位置に戻されるまで、プレーは、停止される。クロスバーの修復が不可能な場合、試合は、中止されなければならない。クロスバーの代わりにロープを使用することは認められない。クロスバーが修復できた場合、プレーは、プレーを停止した時にボールのあった位置がペナルティーエリア内でなければ、プレーを停止した時にボールのあった位置からドロップボールにより再開する(第8条参照)。
ゴールポストとクロスバーは、できれば黄色とすべきである。
FIFAや各大陸連盟の主催下で行われる公式競技会の試合で使用されるすべてのゴールにはボールがゴールに入るのを妨げる付帯的な構造物(ゴールポストとクロスバーを除く、例えば、支柱など)を取り付けていないことが推奨される。
安全
ゴールはグランドにしっかりと固定されなければならない。
10. ピッチ上の広告
ピッチ面上の広告は認められない。
11. ゴールネット上の広告
競技会規定で禁止していない限り、競技者、または審判員に混乱や視野の障害を与えないのであれば、ゴールネット上の広告は認められる。
12. フラッグ上の広告
競技会規定で禁止していない限り、フラッグ上の広告は認められる。
13. テクニカルエリア内の広告
競技会規定で禁止されていない場合、エリア内に入る者や競技者、審判員を惑わす、または混乱させないのであれば、テクニカルエリアのグラウンド上の広告は認められる。
14. ピッチ周辺の広告
立型の広告は、少なくとも次のとおり離さなければならない。
● 立型の広告が認められていないテクニカルエリアおよび交代ゾーンを除き、タッチラインから1m。
● ゴールライン後方は、ゴールのネットの奥行と同じ長さ。
● ゴールネットからは1m。
第2条 ボール
1. 品質と規格
ボールは、次のものとする。
● 球形である。
● 適切な材質でできている。
● 外周は、68cm以上、70cm以下。
● 重さは、試合開始時に400g以上、440g以下。
● 空気圧は、海面の高さの気圧で、0.4~0.6気圧(400〜600g/㎠)。
FIFAや各大陸連盟の主催下で行われる公式競技会の試合で使用されるすべてのボールは、FIFAクオリティプログラムのボールための要件を満たし、そのマークのいずれかをつけていなければならない。
各マークは、ボールが公式にテストされ、第2条に規定される最低限の基準に加え、それぞれのマーク別の技術的要件を満たしており、FIFAによって承認されたものであることを示している。
2. ボールへの広告表示
FIFAの競技会ならびに各大陸連盟および各国サッカー協会の主催下で行われる公式競技会の試合では、ボールに一切の商業広告をつけることは認められない。ただし、競技会、競技会の主催者のロゴやエンブレムおよびメーカーの承認された商標は認められる。競技会規定において、これらのマークの大きさと数を制限することができる。
3. 欠陥が生じたボールの交換
ボールがインプレー中にボールに欠陥が生じた場合、プレーは停止され、もとのボールに欠陥が生じたところで、交換したボールをドロップして再開される。ゴールポストまたはクロスバーに当たった結果、ボールに欠陥が生じ、その後直接ゴールに入った場合のみが唯一の例外となる(本条6項参照)。
キックオフ、ゴールクリアランス、コーナーキック、フリーキック、ペナルティーキック、キックイン/スローインまたはドロップボールのときに、ボールに欠陥が生じた場合、プレーの再開をやり直す。
ペナルティーキックまたはPK戦(ペナルティーシュートアウト)の途中で、ボールが前方に動き、競技者、クロスバーまたはゴールポストに触れる前にボールに欠陥が生じた場合、ペナルティーキックは、再び行われる。
4. 追加のボール
ボールパーソンは、プレーがすぐに継続できるように、ピッチの周囲で追加のボールを持っておくことができる。
試合中に、追加的に使用されるボールはピッチの外に配置することができるが、第2条の要件を満たしており、その使用は主審・第2審判のコントロール下にあるものとする。第3審判は、プレーの再開を早くするため、手元に1~2個のボールを置くこともできる。
5. 試合球以外のボールがピッチに入った場合
ボールがインプレー中、試合球以外のボールがピッチに入り、プレーを妨害した場合に限り、主審・第2審判は試合を停止しなければならない。プレーが停止されたときに試合球があった位置からドロップボールで、プレーは再開されなければならない。ただし、その位置がペナルティーエリアの中であった場合を除く(第8条参照)。
ボールがインプレー中、試合球以外のボールがピッチに入ったもののプレーを妨害しなかったならば、主審・第2審判は、プレーを続けさせることができるが、できるだけ早い機会にそのボールを排除しなければならない。
6. 欠陥が生じたボールがゴールに入る
ゴールポストまたはクロスバーに当たってボールに欠陥が生じ、その後直接ゴールに入った場合、主審・第2審判は、得点を認める。
第3条 競技者
1. 競技者の数
試合は、5人以下の競技者からなる2つのチームによって行われる。そのうち1人はゴールキーパーである。いずれかのチームが3人未満の場合、試合は開始も続行もされない。
いずれかのチームのピッチ上の競技者が3人未満になった場合、試合は開始できない。
試合に必要な選手の最小人数は、交代要員を含め、各国のサッカー協会の裁量に委ねられている。
1人以上の競技者が意図的にピッチから出たために1チームの競技者が3人未満となった場合、主審・第2審判はプレーを停止する必要がなく、アドバンテージを適用することができる。ただし、ボールがアウトオブプレーになった後に1チームの競技者が3人未満である場合、試合を再開してはならない。
競技会規定ですべての競技者と交代要員の氏名をキックオフの前に届けなければならないとしている場合で、チームが5人未満の競技者で試合を開始した場合、チームリストに氏名が届けられている競技者と交代要員のみが、到着後試合に参加することができる。
2. 交代および交代要員の数
試合中の交代は、数の制限なく行うことができる。
公式競技会
FIFA、大陸連盟、加盟協会の主催下で行われる公式競技会においては、最大7人の交代要員を用いることができる。競技会規定には、氏名を届けることができる交代要員の数を明記しなければならない。
その他の試合
公式ではない国際「A」マッチにおいては、最大10人の交代要員を用いることができる。
その他のすべての試合においては、次の条件を満たせば、より多い交代要員の氏名を届ける、または交代要員を用いることができる。
● 関係チームが交代要員の最大人数について合意する。
● 試合前に主審・第2審判に通知する。
試合前に、主審・第2審判に通知されない場合、または関係チームが合意しなかった場合、最大10人まで交代することができる。
3. 競技者と交代要員の届出
すべての試合において、競技者と交代要員の氏名は、その場にいるいないにかかわらず、試合開始前に主審・第2審判に届けられなければならない。それまでに主審・第2審判に氏名を通知されていない競技者と交代要員は、試合に参加することができない。
4. 交代の進め方
交代は、ボールがインプレー中、アウトオブプレー中にかかわらず、いつでも行うことができる。競技者と交代要員が代わる場合、次の条件が適用される。
● 他にビーチサッカー競技規則に規定されていない限り、交代して退く競技者は、交代ゾーンからピッチを出る。
● 交代して退く競技者は、ピッチから出るにあたり、主審・第2審判いずれからの承認を得る必要はない。
● 主審・第2審判は、交代要員がピッチに入るために許可を与える必要はない。
● 交代要員は、交代して退く競技者が出た後に、ピッチに入る。
● 交代要員は、交代ゾーンからピッチに入る。
● 交代は、交代要員が交代して退く競技者にビブスを手渡した後に、完全に交代ゾーンからピッチに入ることにより完了する。ただし、競技者がビーチサッカー競技規則に基づき、交代ゾーン以外の場所からピッチを出なければならなかった場合を除く。この場合、交代してピッチに入る交代要員は、第3審判にビブスを手渡す。
● この瞬間から、交代要員は競技者となり、交代して退いた競技者は交代要員となる。
● 例えば、交代要員が用具を正しく着用していない場合などいくつかの状況においては、交代を進めることが承認されない場合がある。
● 交代を完了していない交代要員は、キックイン/スローイン、ペナルティーキック、フリーキック、コーナーキック、ゴールクリアランス、またはドロップボールを受けることで、プレーの再開を行うことができない。
● 交代して退いた競技者は、その試合に再び参加することができる。
● すべての交代要員は、出場する、しないにかかわらず、主審・第2審判の権限および管轄下にある。
● ペナルティーキック、フリーキックを行うために試合時間を延長した場合、守備側チームのゴールキーパーまたはファウルをされてキックを行う競技者が、反則がファウルであり、負傷のためにキックを行うことができない場合のみ交代することができる。
5. ウォーミングアップ
1チームあたり同時に最大5人の交代要員のウォームアップが認められる。
6. ゴールキーパーの入れ替え
● いずれの交代要員も、主審・第2審判に通知することなく、また試合の停止を待つことなく、ゴールキーパーと入れ替わることができる。
● いずれの競技者も、ゴールキーパーと入れ替わることができる。しかしながら、競技者がゴールキーパーと入れ替わる場合、試合の停止中、主審・第2審判に入れ替わる前にその旨を通知しなければならない。
● ゴールキーパーに入れ替わる競技者または交代要員は、自分自身の番号が背中についたゴールキーパーシャツを着用しなければならない。また、競技会規定は、フライング・ゴールキーパーとしてプレーする競技者が、本来のゴールキーパーとまったく同色のシャツを着用しなければならないと定めることができる。
7. 反則と罰則
交代して退く競技者がピッチから出る前に、交代要員がピッチ内に入った場合、または交代で交代ゾーン以外からピッチ内に入った場合、
● 主審・第2審判は、プレーを停止する(アドバンテージを適用できる場合は、即座に止めない)。
● 交代の進め方に反してピッチに入ったことで、主審・第2審判はその交代要員を警告し、ピッチから離れるよう命じる。
主審・第2審判がプレーを停止した場合、次によりプレーは相手チームのフリーキックで再開される。
● ボールが反則を行ったチームの相手競技者のハーフ内にあった場合、プレーが停止されたときにボールがあった位置から。
● ボールが反則を行ったチームのハーフ内にあった場合、ピッチの中央から。
その交代要員またはそのチームが他の反則を行った場合、プレーはその反則に応じた再開方法により再開される。交代要員またはチームがプレーを妨害した場合、妨害の位置に応じて、フリーキックまたはペナルティーキックが与えられる。
ボールがアウトオブプレーの場合、プレーはビーチサッカー競技規則に従って再開される。
交代のとき、交代して退く競技者がビーチサッカー競技規則に規定されてない理由により交代ゾーン以外の場所からピッチを出た場合、主審・第2審判はプレーを停止し(アドバンテージを適用できる場合は、即座に止めない)、交代の進め方に反してピッチを出たことで、競技者を警告する。
主審・第2審判がプレーを停止した場合、プレーは、次の位置から行う相手チームのフリーキックで再開される。
● ボールが反則を行ったチームの相手チームのハーフ内にあった場合、プレーを停止した時にボールがあった位置から。
● ボールが反則を行ったチームのハーフ内にあった場合、ピッチの中央から。
交代要員が交代の進め方に反してピッチに入った場合、またはチームがピッチに1人多い人数でプレーしていた場合、主審・第2審判は、副審の援助を受け、次のガイドラインに沿って対応しなければならない。
● アドバンテージを適用できる場合は即座に止めないが、主審・第2審判はプレーを停止する。
● チームが1人多い人数でプレーしていた場合、または交代の進め方に反した場合、主審・第2審判は、交代要員を反スポーツ的行為により警告する。
● 交代要員が相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止した場合、交代要員に退場を命じる。第3条に従って競技者の数を減らす。
● チームが1人多い人数でプレーしていて、交代要員がまだピッチから離れていなかった場合、交代要員は、次にプレーが停止されたときに、テクニカルエリアに戻るため、または交代要員が交代の手続きに反してピッチに入ったということであれば交代の手続きを完了するために、ピッチから出なければならない。
● 主審・第2審判がアドバンテージを適用した場合、
•交代要員のチームがボールを保持したならば、主審・第2審判はプレーを停止しなければならない。プレーを停止したのが(反則を行ったチームの)相手チームのハーフ内であった場合、プレーを停止したときにボールのあった位置から、相手チームのフリーキックで再開する。反則を行ったチームのハーフ内であった場合、ピッチの中央から、相手チームのフリーキックで再開する。
•交代要員のチームがフリーキックやペナルティーキックで罰せられる反則を行った場合、主審・第2審判は、反則を行ったチームを罰するため、その状況に応じてプレーを再開しなければならない。必要であれば、主審・第2審判は、行われた反則に応じて懲戒処置もとる。
•その後、交代要員のチームの相手競技者が反則を行ったならばプレーを停止し、交代要員のチームの相手競技者に与えられるフリーキックでプレーを再開しなければならない。フリーキックは、プレーが停止されたときにボールがあった位置が相手競技者のハーフ内であったならばその位置から、または、ボールが交代要員のチームのハーフ内にあった場合はピッチの中央から行われる。必要あれば、主審・第2審判は行われた反則に応じて、懲戒処置もとる。
•その後、ボールがアウトオブプレーになったならば、交代要員のチームの相手競技者に与えられるフリーキックでプレーを再開させなければならない。フリーキックは、ボールが相手競技者のハーフのピッチから出た場合、境界線上から行われ、ボールが交代要員のチームのハーフのピッチから出た場合、ピッチの中央から行われる。
● 試合開始時に氏名を届け出た競技者の代わりに交代要員がピッチに入ったが、主審・第2審判またはその他の審判員がこの変更について知らされていない場合、
•主審・第2審判は、氏名を届け出た交代要員が試合に続けて参加することを認める。
•氏名を届け出た交代要員に懲戒処置はとらない。
•主審・第2審判は、関係機関にこの事実を報告する。
● 交代要員がピッチに入る前に退場となる反則を行った場合、チームの競技者の数は減らされず、他の交代要員または交代で退くことになっていた競技者がピッチに入ることができる。
その他の反則があったならば、
● 反則した競技者は警告される。
● 次の位置から行う相手チームのフリーキックで再開される。
•ボールが反則を行ったチームの相手チームのハーフ内にあった場合、プレーを停止したときにボールがあった位置から。
•ボールが反則を行ったチームのハーフ内にあった場合、ピッチの中央から。
8. 競技者と交代要員の退場
退場を命じられた競技者は、
● チームリスト提出前に退場を命じられた場合、いかなる資格があってもチームリストに氏名を届けることができない。
● チームリストに氏名が記載された後、キックオフ前に退場を命じられた競技者は、氏名が届けられた交代要員と代わることができるが、その交代要員の補充をすることはできない。
試合開始前後を問わず、氏名を届けた出た交代要員が退場を命じられた場合、その補充はできない。
試合開始後、競技者が退場を命じられ、プレーイングタイムで2分間が経過した後(つまり、当該チームが少ない競技者数で2分間プレーした後)、タイムキーパーまたは第3審判の承認を得たならば、交代要員は、退場を命じられた競技者と交代してピッチに入ることができる。ただし、2分間経過する前に得点があった場合は、次の条件が適用される。
● 競技者が5人対4人、または4人対3人のときに競技者数が多いチームが得点した場合、競技者数が少ないチームは1人の競技者を補充できる。
● 両チームともに3人または4人でプレーしていたときに得点があった場合、それぞれ競技者数が少なくなる2分間が経過するまで、いずれのチームも競技者を補充することができない。
● 5人対3人の競技者でプレーしているとき、5人の競技者のチームが得点をした場合、3人のチームは1人だけ競技者を補充できる。
● 競技者の少ないチームが得点した場合には、その間に競技者の多いチームが得点しない限り、競技者数を変えることなく、2分間経過するまで試合を続ける。
競技者が2つ目の警告となる反則を行ったがアドバンテージが適用され、その競技者のチームが得点をした場合、キックオフの前に、反則を行った競技者は不正行為による2つ目の警告が与えられ退場が命じられる。しかし競技者の数は、その反則が得点の前に行われたので、減らされない。交代要員は退場となった競技者と代わることができる。ただし、その反則が大きな攻撃のチャンスを止める、または妨害するものであった場合、2つ目の警告で罰せられない。
競技者がピリオド間のインターバルまたは延長戦の前に退場となる反則を行った場合、反則を行ったチームは1人少ない競技者で次のピリオドを始める。
9. ピッチにいる部外者
監督他、チームリストに氏名が記載されている役員は、チーム役員である。競技者、交代要員またはチーム役員としてチームリストに氏名が記載されていない者は、外的要因とみなされる。
チーム役員、交代要員(交代の進め方に基づき入った場合を除く)、退場となった競技者または外的要因がピッチに入った場合、主審・第2審判は次の行動をとらなければならない。
● それらがプレーを妨害しているなら、プレーを停止する。
● プレーが停止したときに、その者をピッチから退出させる。
● 適切な懲戒処置をとる。
次の者がプレーを妨害しており、プレーが停止された場合、
● チーム役員、交代要員または退場となった競技者の場合、プレーは、フリーキックまたはペナルティーキックで再開される。
● 外的要因による場合、プレーは、ドロップボールで再開される。
主審・第2審判は、関係機関にこの事実について報告しなければならない。
10. 得点があったときにピッチに部外者がいた場合
ボールがゴールに入ろうとしたときに、守備側チームがボールをプレーするのを妨害されなかったならば、(ボールに接触があったとしても)ボールがゴールに入ったならば得点は認められる。ただし、攻撃側チームにより妨害された場合を除く。
得点後、プレーが再開されたのち、主審・第2審判が、得点があったときにピッチに部外者がいたことに気がついた場合、得点を認めなければならない。部外者が依然ピッチにいる場合、主審・第2審判は次のことをしなければならない。
● プレーを停止する。
● 部外者を退出させる。
● ドロップボール、または必要に応じてフリーキックでプレーを再開させる。
主審・第2審判は、関係機関にこの事実について報告しなければならない。
得点後、プレーが再開される前、主審・第2審判が、得点があったときにピッチに部外者がいたことに気がついた場合、
● 主審・第2審判は、部外者が次の場合、得点を認めてはならない。
• 得点したチームの競技者、交代要員、退場となった競技者またはチーム役員であって、その部外者がプレーを妨害したならば、プレーは、部外者がいた位置からフリーキック、または妨害がペナルティーエリア内であった場合はペナルティーキックで再開される。
• 外的要因であった場合、上記“ピッチにいる部外者”に規定されることで得点となった場合を除き、プレーは、ドロップボールで再開される。
● 主審・第2審判は、部外者が次の場合、得点を認めなければならない。
• 得点されたチームの競技者、交代要員、退場となった競技者またはチーム役員であった場合。
• 外的要因であったが、プレーを妨害していなかった場合。
いずれの場合でも、主審・第2審判は、部外者をピッチから退出させなければならない。
11. ピッチ外にいる競技者が不正にピッチに戻る
競技者が、主審・第2審判のいずれからの承認が必要にもかかわらず、承認なくピッチに戻ったならば、主審・第2審判は、
● プレーを停止する(競技者がプレーまたは審判員を妨害しない、あるいはアドバンテージが適用できる場合は、即座に停止しない)。
● 承認なくピッチに戻った競技者を警告する。
競技者が、もう1つの警告となる反則を行った場合、2つ目の警告となる反則により退場させられなければならない。例えば、主審・第2審判の承認なくピッチに戻り、無謀に相手競技者をトリップした。この反則が過剰な力で行われた場合、この競技者は直接退場が命じられる。
主審・第2審判がプレーを停止した場合、プレーは次によって再開される。
● 妨害があった位置からのフリーキック、または、妨害がペナルティーエリア内であったら、ペナルティーキックにより。
● 妨害がなかった場合、次の位置からのフリーキックにより。
•ボールが反則を行ったチームの相手ハーフ内にあった場合、プレーを停止した時にボールのあった位置から。
•ボールが反則を行ったチームのハーフ内にあった場合、ピッチの中央から。
競技者が偶発的に、またはプレーの動きの一部としてピッチの境界線を越えることは、反則を行っていないと考える。
12. ピッチから出る(認められる)
通常の交代に加え、競技者は次の状況において、主審・第2審判いずれかによる承認を得ることなく、ピッチを離れることができる。
● ボールをプレーして、相手をドリブルで抜き去るときなど、プレーの動きの一環として、ピッチから出てすぐにピッチに戻る。しかしながら、相手競技者を騙す目的でピッチを出て、ゴールの裏を回ってピッチに戻ることは認められない。この行為が行われた場合、アドバンテージが適用できないならば、主審・第2審判はプレーを停止する。プレーを停止したならば、フリーキックでプレーを再開しなければならない。フリーキックは、反則があった位置が相手競技者のハーフ内であった場合は、反則があった位置から、反則があった位置が反則を行ったチームのハーフ内であった場合は、ピッチの中央から行われる。反則を行った競技者は、反スポーツ的行為で警告される。
● 負傷による退出の場合、交代で退かないのであれば、競技者は、ピッチに戻るときに主審・第2審判のいずれからかピッチに戻る承認を得る必要がある。競技者が出血している場合、ピッチに戻る前に止血してなければならなく、主審・第2審判、またはその他の審判員によって、確認されなければならない。
● 用具を正しく着用する、または着用し直す場合、競技者は、交代して退いていないのであれば、主審・第2審判のいずれからの承認を得て、ピッチに戻る必要がある。主審・第2審判、またはその他の審判員は、競技者がピッチに戻る前に用具を確認しなければならない。
13. ピッチから出る(認められない)
競技者が、ビーチサッカー競技規則では認められない理由により、主審・第2審判のいずれかによる承認なくピッチから出た場合、アドバンテージが適用されない状況であれば、タイムキーパーまたは第3審判が、音による合図で主審・第2審判に伝える。プレーを停止する必要がある場合、主審・第2審判はプレーを停止し、反則を行った競技者を罰し、相手チームにフリーキックを与える。アドバンテージが適用される状況であれば、タイムキーパーまたは第3審判は次にボールがアウトオブプレーになったとき、音による合図で知らせなければならない。競技者は主審・第2審判の承認を得ることなくピッチを離れたことで警告される。
14. チームキャプテン
各チームはキャプテンを置き、キャプテンマーク(アームバンド)で識別できるようにしなければならない。キャプテンは、なんら特別な地位や特権を与えられているものではないが、そのチームの行動についてある程度の責任を有している。
15. 飲料
主審・第2審判は、競技者が、試合の停止時に、飲料を摂ることを認める。飲料が入った袋やその他の容器をピッチ内へ投げ入れることは認められない。
第4条 競技者の用具
1. 安全
競技者は、危険な用具もしくはその他のものを用いる、または身につけてはならない。
すべての装身具(ネックレス、指輪、ブレスレット、イヤリング、皮革でできたバンド、ゴムでできたバンドなど)は禁止されており、外さなければならない。装身具をテープで覆うことは、認められない。
競技者および交代要員は、試合開始前に検査されなければならない。競技者がピッチ上で認められていない危険な用具や装身具を身につけている、または用いている場合、主審・第2審判はその競技者に次のことを命じなければならない。
● 認められていないものを外す。
● 競技者が外すことができない、またはそれを拒んだ場合、次にプレーが停止されたとき、その競技者をピッチから離れさせる。
競技者が拒む、または再び身につけた場合、競技者は、警告されなければならない。
2. 基本的な用具
競技者が身につけなければならない基本的な用具は、次のものであり、それぞれに個別のものである。
● 袖のあるシャツ。
● ショーツ(ゴールキーパーはトラックスーツのパンツをはくことができる)。ショーツはまくり上げることはできず、見苦しくない外見でなければならない。
靴の着用は、認められない。
3. 色
● 両チームは、お互いに、また、審判員と区別できる色の服装を着用しなければならない。
● それぞれのゴールキーパーは、他の競技者、審判員と区別できる色の服装をしなければならない。
● 両チームのゴールキーパーのシャツが同色で、両者が他のシャツと着替えることができない場合、主審・第2審判は、試合を行うことを認める。
アンダーシャツは、1色でシャツの各袖の主たる色と同じ色、またはシャツの各袖とまったく同じ柄や色でなければならない。
アンダーショーツおよびタイツは、ショーツの主たる色、またはショーツの裾の部分と同じ色でなければならない。同一チームの競技者は、同色のものを着用しなければならない。
競技会規定は、交代要員以外のテクニカルエリアに入る者が競技者および審判員が着用する衣服と異なる色の衣服を着用するよう義務付けることができる。
4. その他の用具
ヘッドギア、フェイスマスク、また、柔らかく、軽いパッドが入った材質でできている膝や腕のプロテクターなど危険でない保護用具は、ゴールキーパーの帽子やスポーツめがねと同様に認められる。
つま先とかかとを覆わない、弾力性のあるバンテージを足に着用することができる。
ビブス
ビブスは、交代要員と交代して退く競技者を区別するため、シャツの上に着用しなければならない。ビブスは、両チームのシャツと相手チームのビブスの色と異なるものとすべきである。
ヘッドカバー
ヘッドカバー(ゴールキーパーの帽子を除く)を着用する場合、次のようでなければならない。
● 黒またはシャツの主たる色と同じである(同一チームの競技者が着用する場合、同色のものとする)。
● 競技者の用具として、見苦しくない外見である。
● シャツと一体となっていない。
● 着用している競技者または他の競技者に危険を及ぼさない(例えば、首周りが開閉する構造となっている)。
● 表面から突き出ている部分(突起物)がない。
膝および腕のプロテクター
膝や腕のプロテクターを着用する場合、シャツの袖の主たる色と(腕のプロテクター)、ショーツまたはトラックスーツのパンツの主たる色(膝のプロテクター)と同じ色でなければならず、過度に大きなものであってはならない。色が合わせられない場合、シャツの袖やショーツ(または、着用する場合はトラックスーツのパンツ)がどのような色であっても、黒または白のプロテクターを着用することができる。シャツの袖またはショーツ(または、トラックスーツのパンツ)と色が合わないプロテクターを着用する場合、そのプロテクターはすべて同じ色でなければならない(黒か白で)。
電子通信
競技者(交代要員および退場となった競技者を含む)は、どんな形式であっても、電子もしくは通信機器(EPTSが認められる場合を除く)を身につける、または用いることが認められない。
チーム役員による電子通信機器の使用は、競技者の安全や安心・快適さに直接関係するのであれば、または戦術的もしくはコーチングの目的であれば用いることが認められる。ただし、小型で、持ち運びでき、手で携帯できる程度のものに限られる(例えば、マイク、ヘッドフォン、イヤフォン、携帯電話またはスマートウォッチ、タブレット、ラップトップPC)。認められていない機器を使用する、または電子もしくは通信機器を用いて不適切な行動を取ったチーム役員は、テクニカルエリアから退場を命じられる。
電子的パフォーマンス・トラッキングシステム(EPTS)
FIFA、大陸連盟または各国サッカー協会の主催下で行われる公式競技会の試合で、電子的パフォーマンス・トラッキングシステム(EPTS)のひとつとしてウェアラブル技術(WT)が用いられる場合、競技会主催者は、競技者が着用する機器が危険でないものであり、「FIFAクオリティプログラムーEPTS」のウェアラブルEPTS要件を満たしたものとしなければならない。
EPTSが試合や競技会の主催者によって提供される場合、試合や競技会の主催者は、公式競技会で行われる試合において、試合中、EPTSからの情報およびデータが確実かつ的確にテクニカルエリアに送られるようにしなければならない。
「FIFAクオリティプログラム-EPTS」は、競技会主催者が確実かつ的確に電子的パフォーマンス・トラッキングシステムを承認できることを援助する。
5. スローガン、メッセージ、イメージと広告
用具には、政治的、宗教的もしくは個人的なスローガンやメッセージまたはイメージをつけてはならない。競技者は、政治的、宗教的もしくは個人的なスローガンやメッセージ、あるいはイメージ、製造社ロゴ以外の広告のついているアンダーシャツを見せてはならない。あらゆる反則に対して、競技者およびチームは、競技会の主催者や各国サッカー協会またはFIFAによって罰せられる。
原則
● 競技規則第4条は、競技者および交代要員が着用するすべての用具(衣服を含む)に適用される。この原則は、同様にテクニカルエリアにいるすべてのチーム役員にも適用される。
● 次のものは、(通常)着用が認められる。
•競技者の番号、氏名、チームの紋章やロゴ、ビーチサッカーの試合やリスペクト、インテグリティの促進を主唱するスローガンやエンブレム、さらには、競技会規定もしくは各国サッカー協会、大陸連盟またはFIFAの規定により認められる商業的広告
•試合にかかる事柄:対戦チーム、試合日、競技会またはイベント、会場
● 表示が認められたスローガン、メッセージまたはイメージは、シャツの前面またはアームバンド上に限られるべきである。
● スローガン、メッセージまたはイメージは、キャプテンのアームバンド上のみに表示されることが認められる場合がある。
競技規則の解釈
スローガン、メッセージまたはイメージが認められるかどうかの解釈をするとき、第12条(ファウルと不正行為)に目を向けるべきである。そこには、競技者が次の不正行為を行った場合、主審・第2審判は対応する必要があるとしている。
● 攻撃的な、侮辱的な、もしくは下品な発言をする、または行動をとる。
● 挑発するような、嘲笑するような、または相手の感情を刺激するような行動をとる。
これらの部類に入るスローガン、メッセージまたはイメージは、認められない。
「宗教的な」また「個人的な」ものについては、比較的判断しやすいが、「政治的」なものについてはやや曖昧である。しかし、次のようなスローガン、メッセージまたはイメージは、認められない。
● 生存、死去にかかわらず、個人に関するもの(公式競技会名の一部である場合を除く)
● 都道府県や市町村、地域または国家レベルの政党、政治的組織、結社等
● 都道府県や市町村、地域または国家政府あるいはその部局、事務所または部署
● 差別的な組織
● 数多くの人々を傷つけようとする目的を持つ、または行動をとる組織
● 特定の政治的行動やイベント
国内、国際的な大きな記念イベントを開催するとき、相手チーム(そのサポーターを含む)および一般観客に対して慎重に配慮すべきである。
競技会規定には、具体的に、表示が認められるスローガン、メッセージ、イメージおよび広告の大きさ、数、表示位置に関して、詳細な規制や制限を含めることができる。スローガン、メッセージまたはイメージに関する論議は、試合や競技会が始まる前に解決しておくことが勧められる。
6. 反則と罰則
危険な用具を着用している場合を除き、プレーは停止される必要はなく、反則を行った競技者は、
● 主審・第2審判にピッチから離れて用具を正すように指示される。
● 用具を正していなければ、プレーが停止したときに離れる。
用具を正す、または取り替えるためにピッチを離れた競技者は、
● 審判員に用具を点検されてから、復帰を認められる。
● 主審・第2審判のいずれかの承認を受けて、はじめてピッチに復帰できる。
競技者が主審・第2審判の承認を得ずにピッチに再び入った場合、競技者は、警告されなければならない。警告をするために主審・第2審判がプレーを停止した場合、フリーキックが与えられ、次のように行われる。
● ボールが反則を行ったチームの相手チームのハーフ内にあった場合、プレーを停止した時にボールがあった位置から。
● ボールが反則を行ったチームのハーフ内にあった場合、ピッチの中央から。
ただし、妨害があった場合は、妨害があった位置からフリーキックを行う(ペナルティーエリア内で妨害があった場合は、ペナルティーキック)。
7. 競技者の番号
競技会規定は競技者の番号について定めなければならず、通常は1番から15番までで、1番はゴールキーパーのために用意される。
競技会の主催者は、主審・第2審判が15番より大きい数をシグナルするのは非常に難しく、ふさわしくないことに留意しなければならない。
競技者の番号は背中に見えるように記載されなければならず、シャツの主たる色から見分けがつかなければならない。競技会規定は、背番号の大きさおよび競技者が身につけるその他の基本的な用具への表示、番号の大きさ、また必ず表示しなければならないのかどうかを決定しておかなければならない。
第5条 主審・第2審判
1. 主審・第2審判の権限
各試合は、その試合に関してビーチサッカー競技規則を施行する一切の権限を持つ2人の審判(主審と第2審判)によってコントロールされる。
2. 主審・第2審判の決定
プレーに関する事実についての主審・第2審判の決定は、得点となったかどうか、また試合結果を含め最終である。主審・第2審判およびその他の審判員の決定は、常にリスペクトされなければならない。
主審・第2審判は、プレーを再開した後、もしくはタイムキーパーが音で知らせた後に、ピリオド(延長戦を含む)終了の確認をしてピッチおよびその周辺から離れた後、または試合を中止させた後は、再開の判定が正しくないと気づいても、またはその他の審判員の助言を受けたとしても、
それを変えることはできない。
副審のいずれかが、警告や退場に関する反則について、合図した、もしくは伝えたにもかかわらず、プレーが再開されるまで、主審・第2審判が合図を見おとす、または聞きそんじることがある。この場合でも、主審・第2審判は、適切な懲戒処置をとることができるが、その反則に応じたプレーの再開方法は適用しない。
主審と第2審判の判定に不一致があった場合、常に主審の判定が優先される。
第2審判およびその他の審判員による不法な妨害、または不当な行為があった場合、主審はその審判員を解任し、交代させる。また、関係機関に報告する。
3. 職権と任務
主審・第2審判は、
● ビーチサッカー競技規則を施行する。
● その他の審判員が置かれている場合、協力して試合をコントロールする。
● 使用するボールを確実に第2条の要件に適合させる。
● 競技者の用具を確実に第4条の要件に適合させる。
● 試合におきた出来事の記録をとる。
● ビーチサッカー競技規則のあらゆる反則に対して、主審・第2審判の裁量によりプレーを停止する。
● 外部からのなんらかの妨害があった場合、試合を停止、一時的に中断、または、中止する。
例えば、
•照明が十分でなくなったとき。
•観客が投げた、もしくはけった物が審判員、競技者、交代要員またはチーム役員に当たった場合、主審はその出来事の重大さに応じ、試合を続けることもできる。または、試合を停止、一時的に中断もしくは中止することもできる。
•観客が笛を吹くことは、プレーを妨害することになる。プレーは、停止され、ドロップボールで再開される。
•試合中、試合球以外のボール、その他の物または動物がピッチに入ったならば、主審・第2審判は、
-プレーが妨害された場合、プレーを停止しなければならない(ドロップボールで再開する)。ただし、妨害が攻撃側チームによるものでない限り、ボールがゴールに入りそうで、守備側チームの競技者がプレーするのを妨げないのであれば、ボールがゴールに入った場合(ボールに触れたとしても)、得点を認めなければならない。
-プレーが妨害されなかった場合、プレーを続けさせ、できるだけ早い機会にそれらを排除しなければならない。
● 競技者が重傷を負ったと判断した場合、プレーを停止し、確実に競技者をピッチから退出させる。負傷した競技者は、ゴールキーパーを含め、ピッチ内で治療を受けることはできず、境界線の最も近い地点からピッチを離れ、プレーが再開された後のみ、ピッチに戻ることができ、競技者は交代ゾーンからピッチに入らなければならない。ピッチから退出を求められないのは、次の場合に限られる。
•競技者の目に砂が入ったとき、競技者は目を洗うために水を使用することができ、味方競技者の手助けを受けることができる。ただし、メディカルスタッフによる手助けは認められない。すばやい再開のため、ゴールの後方に水のボトルを置いても良い。
•フリーキックまたはペナルティーキックが与えられ、負傷した競技者がゴールキーパーになったとき。
•同じチームの競技者が衝突し、対応が必要なとき。
•重篤な負傷が発生したとき。
•主審・第2審判が罰則を与えるファウルにより競技者が負傷したとき。この場合、競技者は、フリーキックまたはペナルティーキックを行わなければならない。競技者が重傷を負ってキックを行うことができない場合、
-競技者は反則があったときにチームベンチにいた味方競技者と入れ代わらなければならず、この交代要員がキックを行わなければならない。
-ゴールキーパーは、重傷を負ってフリーキックやペナルティーキックを行うことができない場合、他のゴールキーパーと入れ代わらなければならず、交代したゴールキーパーがキックを行わなければならない。チームは、他のゴールキーパーがいない場合のみ、他の交代要員と入れ代えることができる。
-フリーキックやペナルティーキックを回避するために重傷を負ったふりをした競技者は、反スポーツ的行為により警告されなければならない。
● 出血した競技者を確実にピッチから離れさせる。競技者は、止血および用具に血液が付着していないことが十分に確認された後、主審・第2審判の合図を受けてからのみピッチに戻ることができる。
● メディカルスタッフまたは担架搬送者のピッチ入場が認められた場合、担架に乗って、または歩いて、競技者をピッチから離れさせる。競技者が拒んだならば、反スポーツ的行為で警告されなければならない。
● 主審・第2審判が負傷した競技者に警告または退場を命じる決定をした後で、競技者が治療のためピッチを離れる場合、競技者がピッチを離れる前に、懲戒の罰則に応じてイエローカードまたはレッドカードを示さなければならない。
● プレーが他の理由で停止された、または反則の結果により負傷を負ったのではなくプレーが停止された場合、ドロップボールでプレーを再開する。
● 軽傷であると判断したのであれば、ボールがアウトオブプレーになるまでプレーを続けさせることができる。
● 反則があり、反則を行っていないチームがアドバンテージの適用により利益を得ることができるときは、プレーを続けさせる。アドバンテージを適用した場合、または数秒以内に予測された利益が得られなかった場合、元に戻って反則を罰する。
● 同時に2つ以上の反則が行われたとき、より重大な反則を罰する。
● 警告や退場となる反則を行った競技者に懲戒処置をとる。即座に与える必要はないが、次にボールがアウトオブプレーになったときに与えなければならない。
● チーム役員が責任ある態度をとれないのであれば、注意するもしくは警告する、またはピッチおよびテクニカルエリアを含むその直近の周辺からの退場を命じる。反則を行った者が特定できなかった場合、テクニカルエリアにいる、より上位のコーチが罰則を受ける。なお、退場となる反則を行ったチームのメディカルスタッフは、他にそのチームで対応できるメディカルスタッフがおらず、競技者に治療が必要な場合、試合にとどまることができる。
● 主審・第2審判が見ていなかった出来事について、その他の審判員からの援助に基づき、判定を下す。
● ピッチに入ることが認められない者を確実にピッチに入れない。
● プレーの停止後、プレー再開の合図をする。
● ビーチサッカー審判員のための実践的ガイドラインにある主審・第2審判およびその他の審判員のシグナルのページに示されているシグナルを示す。
● ビーチサッカー審判員のための実践的ガイドラインの該当箇所に示されている、ピッチ上の、またはその周辺におけるポジションをとる。
● 競技者もしくはチーム役員に科せられた罰則または試合前、試合中もしくは試合後に起こったその他の出来事に関する情報などについて、関係機関に審判報告書を提出する。
主審は、
● タイムキーパーおよび第3審判が置かれていない場合、これらの役割を果たす。
● ビーチサッカー競技規則に反するいかなる反則があった場合、自らの裁量において、試合を一時的に中断、または中止する。
● 外部からのあらゆる妨害があった場合、自らの裁量において、試合を一時的に中断、または中止する。
第2審判は、
● 主審が負傷する、またはその職務を行えなくなった場合、主審に代わる。
4. 審判員の責任
主審・第2審判(その他の審判員が置かれている場合は、その他の審判員を含む)は、以下のことに法的な責任を負わない。
● 競技者、役員または観客のあらゆる負傷
● すべての財産についてのあらゆる損害
● ビーチサッカー競技規則による決定もしくは試合の開催、競技、管理に必要な一般的な進め方に基づく決定によって起きた、または起きたであろうと思われる、個人、クラブ、会社、協会もしくはその他の団体に対するその他の損失
これらの決定には、以下のものが含まれる。
● ピッチやその周辺の状態または天候の状態、試合を開催できるかできないか。
● なんらかの理由により試合を中止するかしないか。
● 試合中に用いる付帯設備、ボールおよび用具の適合性に関するもの。
● 観客の妨害、または観客席でのなんらかの問題により、試合を停止するかしないか。
● 負傷した競技者を治療のためピッチから退出させるために、プレーを停止するかしないか。
● 負傷した競技者を治療のためにピッチから退出させる必要があるかないか。
(例外については、前述のとおり)
● 競技者がある種の衣服や用具を着用することを認めるか認めないか。
● 主審・第2審判の権限が及ぶ場所において、いかなる者(チームまたは会場役員、警備担当者、カメラマン、その他メディア関係者を含む)のピッチ周辺への立ち入りを許可するかしないか。
● ビーチサッカー競技規則またはその試合が行われるFIFA、各大陸連盟、各国サッカー協会および競技会の規定や規約に示される任務に従って主審・第2審判が下したその他の決定について。
5. 国際試合
国際試合には、1人の第2審判を置かなければならない。
6. 主審・第2審判の用具
基本的な用具
主審・第2審判は、次の用具を携行しなければならない。
● 笛(少なくても1つ)
● レッドカード、イエローカード
● ノート(または試合を記録するためのその他の道具)
● 時計(少なくても1つ)
その他の用具
主審・第2審判は、以下のものを用いることが認められる。
● その他の審判員との通信のための用具-ヘッドセットなど
● EPTSまたはその他のフィットネスモニタリング機器
主審・第2審判は、カメラを含むその他の電子機器を着用することができない。
主審・第2審判およびその他の審判員も、装身具を着用することが認められない(タイムキーパーが置かれていない場合、主審は、時計または試合時間を計測する機器を着用することができる)。
第6条 その他の審判員
1. 副審
3人の副審(第3審判、第4審判およびタイムキーパー)を任命できる。副審は、ビーチサッカー競技規則に従って任務を遂行しなければならない。副審は、ピッチ外で交代ゾーンと同じサイドで仮想のハーフウェーラインのところに位置する。タイムキーパーはタイムキーパー・テーブルのところに着席し、一方、第3審判および第4審判は、任務を遂行するにあたって、立っていても、座っていてもよい。
タイムキーパー、第3審判および第4審判は、協会または試合を所管するクラブが提供する精密な時計を用いる。また、主審・第2審判よりも明らかに見える場合は、反則について援助することができる。
副審の任務を正しく遂行するために、タイムキーパー・テーブルが設置される。
2. 職権と任務
第3審判は、
● 主審・第2審判およびタイムキーパーを援助する。
● 試合に参加する競技者の記録を取る。
● 主審・第2審判の要求の下、ボールの交換を監視する。
● 交代要員がピッチに入る前に用具を確認する。
● 得点者の番号を記録する。
● ピッチ上にいる主審・第2審判が判定を下すにあたり、採用するしないにかかわらず、試合に参加している者による反則、不正行為または反スポーツ的行為について知らせる。
● 警告された、または退場を命じられた競技者の氏名および番号を記録する。
● 退場を命じられた競技者に代わる交代要員がピッチに入ることができる時間を示す用紙をそれぞれのチーム役員に手渡す。
● 主審・第2審判の監理のもと、用具を正すためにピッチ外に出た競技者がピッチに戻るのを確認する。
● 主審・第2審判の監理のもと、負傷等によりピッチ外に出た競技者がピッチに戻るのを確認する。
● 競技者の警告や退場に明らかな誤りがあったとき、または主審・第2審判の視野外で乱暴な行為が行われた場合、主審・第2審判に合図する。いずれの場合でも、主審・第2審判は、プレーに関する事実について判定する。
● テクニカルエリアやベンチにいる者の行為を監視すると共に不適切な行動について主審・第2審判に知らせる。
● 外部からの妨害によりプレーが停止された事実および理由について記録する。
● 主審・第2審判のいずれかと協力し、キックオフが正しく行われたかを確認する。
● 主審・第2審判のいずれかと協力し、ピッチの中央から行われるフリーキックが正しく行われたかを確認する。
● 試合に関するその他の情報を提供し、主審・第2審判を援助する。
● 必要に応じて、ピッチ内でビーチサッカー審判員のための実践的ガイドラインの関係箇所に示されているポジションをとる。
● 主審または第2審判に負傷や事故があった場合、第2審判に代わる。
タイムキーパーは、
第7条の規定に基づき、次により試合時間を確保する。
● 各ピリオドの最初のキックオフが正しく行われた後に時計を進める。
● 得点のとき、ペナルティーキックもしくはフリーキックが与えられたとき、または主審・第2審判が何らかの理由でプレーを停止したときに、時計を止める。
● キックオフ、フリーキック、ペナルティーキック、ドロップボールまたは何らかの理由で主審・第2審判がプレーを停止した後の再開の後に、再び時計を正しく進める。
● 大型スコアボードが設置されている場合、得点および各ピリオドを表示する。
● チームが少ない競技者数でプレーする2分間を計測する。
● 第1ピリオド、第2ピリオドおよび試合の終了ならびに延長戦が行われるときには延長戦の終了を主審・第2審判が用いるものと異なった笛や音で合図する。
● 必要に応じ、ビーチサッカー審判員のための実践的ガイドラインの関係箇所に示されるように、ピッチ横にポジションをとる。
● 第4審判が割り当てられておらず第3審判が不在となった場合、第3審判が行うべき任務を果たす。
● 試合に関するその他の情報を提供する。
3. 国際試合
国際試合においては、必ず第3審判およびタイムキーパーを置かなければならない。
国際試合において用いられる時計は、必要な機能のすべてを備えていなければならない(正確な時間の計測、および、2人以上であっても、少ない競技者数でプレーする2分間を同時に計測する装置)。
4. 第4審判
第4審判は、競技会規定に基づき割り当てられることができる。その役割と任務は、ビーチサッカー競技規則に規定される条項に基づくものでなければならない。
第4審判は、
● 主審・第2審判または第3審判のいずれかが試合を開始または続行することができなくなった場合、第3審判に代わる。また、必要あれば、タイムキーパーとも代わることができる。
● 試合前、試合中または試合後、主審・第2審判の要請に従って、管理運営上の任務を含め、常に主審・第2審判および第3審判を援助する。
● 試合後、主審・第2審判の視野外で起きた不正行為またはその他の出来事について関係機関に報告する。また、その他の報告書の作成において、主審・第2審判を援助する。
● 試合前、試合中または試合後に起きたすべての出来事を記録する。
● 何らかの出来事が起きたときに必要になる予備の手動式ストップウォッチを携帯する。
● 試合に関する適切な情報を提供し、主審・第2審判および第3審判を援助できるよう、タイムキーパーの近くにポジションをとる。
第7条 試合時間
1. プレーのピリオド
試合は、プレーイングタイムで12分間の同じ時間からなる3つのピリオドで行われ、競技会規定で認められる場合のみ、短縮することができる。
2. プレーのピリオドの終了
タイムキーパーは、12分間のピリオド(および延長戦のピリオド)の終了をそれぞれ音により合図する。
● 主審・第2審判が終了の合図の笛を吹かない場合でも、音による合図があったとき、ピリオドは終了する。
● ピリオドの終了間際でフリーキックまたはペナルティーキックが与えられた場合、キックが完了したときに、ピリオドは終了する。ボールがインプレーになった後、次のことが起きたときにキックは完了する。
•ボールの動きが止まった、またはアウトオブプレーになった。
•ボールが、守備側ゴールキーパーを除く、いずれかの競技者(キッカー本人も含む)によってプレーされた。
•キッカーまたはキッカーのチームの競技者に反則があり、主審・第2審判がプレーを停止した。
守備側チームの競技者が、キックが完了する前に反則をした場合、主審・第2審判はビーチサッカー競技規則に従い、フリーキックまたはペナルティーキックをあらたに行う、または再び行い、試合を続ける。
● タイムキーパーの音による合図によってピリオドの終了が示された後であっても、上記の状況においてのみ、第1条と第10条の規定に基づきボールがゴールに入ったときに限り得点が認められる。
これ以外のケースで、ピリオドは延長されない。
3. 時計
時計が正しく機能しなくなった場合、タイムキーパーはただちに主審・第2審判にこの事実を知らせる。タイムキーパーは手動のストップウォッチを用いて試合時間の計測を続けなければならない。このような場合、両チームのチーム役員を呼んで、残りのプレー時間がどのくらいあるのかを伝える。
プレーを停止したのち、タイムキーパーが時計を進めるのを忘れた場合、主審・第2審判は、時計に経過した時間を加えるよう、タイムキーパーに命じる。
4. ピリオド間のインターバル
競技者には、3分間を超えない範囲でピリオド間のインターバルを取る権利がある。
延長戦が行われる場合、第3ピリオドの終了と延長戦の開始までのインターバルはない。しかしながら、この場合、短時間(1分間を超えるべきではない)の水分補給時間を取ることが認められる。
競技会規定には、ピリオド間のインターバル時間を定めなければならず、それは主審・第2審判の承認があった場合にのみ変更できる。
5. 医療上の理由による停止
競技会規定により、飲水タイムやクーリング・ブレークなどの医療上の理由による停止を認めることができる。これらは1分間を超えるべきではない。
6. 中止された試合
競技会規定、または主催者が定める場合を除き、中止された試合は、再び行われる。
第8条 プレーの開始および再開
試合の各ピリオドおよび延長戦のピリオドの開始、ならびに得点があった後のプレーは、キックオフによって行われる。フリーキック、ペナルティーキック、キックイン/スローイン、ゴールクリアランスおよびコーナーキックは、その他の再開方法である。
主審・第2審判がプレーを停止し、この条で定められた上記の再開方法が当てはまらない場合、ドロップボールで再開する。
ボールがインプレーでないときに反則が起きた場合、プレーの再開方法は変更しない。
1. キックオフ
進め方
● 主審がコインをトスし、トスに勝ったチームが、第1ピリオドにどちらのゴールを攻めるのか、またはキックオフを行うのかを決める。
● この結果により、相手チームがキックオフを行うのか、または第1ピリオドにどちらのゴールを攻めるのかを決める。
● 第1ピリオドにどちらのゴールを攻めるのかを決めたチームは、第2ピリオド開始のキックオフを行う。
● 第2ピリオドには、両チームはエンドを替え、反対のゴールに攻める。
● 第3ピリオドの前に再びコインをトスし、勝ったチームがどちらのゴールを攻めるのか、またはキックオフを行うのかを決める。
● この結果により、相手チームがキックオフを行うのか、または第3ピリオドにどちらのゴールを攻めるのかを決める。
● 延長戦が行われる場合、両チームはエンドを替え、反対のゴールを攻める。第3ピリオドにどちらかのゴールを攻めるのかを決めたチームが延長戦のキックオフを行う。
● 一方のチームが得点したのち、他方のチームがキックオフを行う。
すべてのキックオフにおいて、
● キックオフを行う競技者を除いて、すべての競技者は、ピッチの自分たちのハーフ内にいなければならない。
● キックオフを行うチームの相手競技者は、ボールがインプレーになるまで少なくとも5mボールから離れなければならない。
● ボールは、ピッチの中央に静止していなければならない。
● ピッチ上で、ベンチサイドの反対側のラインにいる主審または第2審判のいずれかがキックオフを行えると笛で合図をする。
● ボールは、けられて明らかに動いたときインプレーとなる。
● キックオフから直接得点することは、できない。ボールが相手競技者のゴールに直接入った場合、相手競技者にゴールクリアランスが与えられる。ボールがキッカーのゴールに直接入った場合、相手競技者にコーナーキックが与えられる。
反則と罰則
● 他の競技者がボールに触れる前にキックを行った競技者がボールに再び触れた場合、フリーキックが与えられ、次の位置から行われる。
•反則があったときにボールが相手チームのピッチ内にあった場合、プレーを停止したときにボールがあった位置から。
•反則があったときにボールが自分のチームのピッチ内にあった場合、ピッチの中央から。
ハンドの反則によって与えられるフリーキックは、反則の位置から行われる。
キックオフの進め方に対して、その他の反則があった場合、キックオフを再び行う。
キックオフの結果 | |||
反則 | ボールがゴールに入る | ボールがゴールに入らない | 再開の位置 |
キッカーによる反則 (2度触り) |
守備側チームのフリーキック | 守備側チームのフリーキック | ピッチの中央または反則が行われた場所 |
キッカー以外の攻撃側チームの 競技者による反則(相手ハーフに入る) |
キックオフのやり直し、 反則を行った競技者を警告 |
キックオフのやり直し、 反則を行った競技者を警告 |
ピッチの中央 |
守備側競技者による反則 (ボールから規定の距離を離れない) |
得点 | キックオフのやり直し、 反則を行った競技者を警告 |
ピッチの中央 |
同時に攻撃側チームの 競技者と守備側チームの競技者が反則 |
キックオフのやり直し、 両方の競技者を警告 |
キックオフのやり直し、 両方の競技者を警告 |
ピッチの中央 |
2. ドロップボール
進め方
● 次の状況でプレーが停止された場合、ボールはペナルティーエリア内で守備側チームのゴールキーパーにドロップされる。
•ボールがペナルティーエリア内にあった。または、
•ボールが最後に触れられたのがペナルティーエリア内であった。
● その他のすべてのケースにおいて、主審・第2審判のいずれかは、ボールが最後に競技者、外的要因または審判員に触れた位置で、最後にボールに触れたチームの競技者の1人にボールをドロップする。
● (両チームの)他のすべての競技者は、ボールがインプレーになるまで少なくとも2mボールから離れていなければならない。
● ボールがピッチに触れたときにインプレーとなる。
反則と罰則
● 次の場合、ボールを再びドロップする。
•ボールがピッチに触れる前に競技者がボールに触れる。
•ボールがピッチに触れたのち、競技者が触れることなくアウトオブプレーになる。
● ドロップされたボールが少なくとも2人の競技者に触れることなくゴールに入った場合、プレーは次のように再開される。
•ボールが相手競技者のゴールに入った場合は、ゴールクリアランス
•ボールがドロップされた競技者のチームのゴールに入った場合は、コーナーキック
しかしながら、ボールをドロップされた競技者がコントロールできない状況により(例えば、天候条件や正しくボールがドロップされなかった)、ドロップしたボールが少なくとも2 人の競技者に触れられることなく、どちらかのゴールに入ったならば、ボールは再びドロップされるべきである。
第9条 ボールインプレーおよびボールアウトオブプレー
1. ボールアウトオブプレー
ボールは、次のときにアウトオブプレーとなる。
● グラウンド上または空中で、ボールがゴールラインまたはタッチラインを完全に越えた。
● 主審・第2審判がプレーを停止した。
● 試合が室内のピッチでプレーされていたとき、ボールが天井に触れた。
ボールは、審判員に触れ、ピッチ内に残った場合も、次のときにアウトオブプレーになる。
● チームが大きなチャンスとなる攻撃を始める。または、
● ボールが直接ゴールに入る。または、
● ボールを保持するチームが替わる。
これらの3つのケースでボールが審判員に触れた場合、プレーは、ドロップボールによって再開される。
2. ボールインプレー
ボールは、審判員に触れる、またはゴールポスト、クロスバー、コーナーフラッグポストからはね返ってピッチ内にある場合も常にインプレーである。
3. 室内のピッチ
競技会規定は、天井高の最小値について定める。
ボールがインプレー中、天井に触れたならば、プレーは最後にボールに触れたチームの相手競技者により、キックインまたはスローインで再開される。キックインまたはスローインはボールが天井に触れた場所の下のグラウンドの場所から最も近いタッチライン上の位置から行われる。
第10条 試合結果の決定
1. 得点
ゴールポストの間とクロスバーの下でボールの全体が仮想のゴールラインを越えたとき、ゴールにボールを入れたチームが反則を行っていなければ、1得点となる。
ゴールキーパーが相手のゴールにボールを直接投げ入れた場合、ゴールクリアランスが与えられる。
得点とはならない
ボールが完全に仮想のゴールライン(第1条に規定されるゴールポストの間で)を越える前に主審・第2審判のいずれかが、得点の合図をし、直ちに誤りに気付いた場合、プレーはドロップボールによって再開される。
2. 勝利チーム
試合中により多くの数の得点をしたチームを勝ちとする。両チームが同じ数の得点または無得点の場合、試合は引き分けとする。
試合、またはホームアンドアウェーの対戦が終了し、競技会規定が勝者を決定する必要がある場合、次の方法のみが認められる。
● アウェーゴール・ルール
● 3分間以内で1つのピリオドからなる延長戦
競技会規定は、ピリオドの長さについて、定めなければならない。
● PK戦(ペナルティーシュートアウト)
上記の方法を組み合わせることができる。
リーグ戦の試合の場合、ポイントは次のように与えられる。
● 第3ピリオド終了での勝利:勝利チームに3ポイント
● 延長戦終了での勝利:勝利チームに2ポイント
● PK戦(ペナルティーシュートアウト)での勝利:勝利チームに1ポイント
3. PK戦(ペナルティーシュートアウト)
試合後にPK戦(ペナルティーシュートアウト)が行われるとき、他に規定されていない限り、ビーチサッカー競技規則の関係諸条項が適用される。試合中に退場を命じられた競技者のキックへの参加は認められないが、試合中、またはどちらのチームが最初にキックをするかどうかを決めるコイントスの前までに示された注意や警告は、PK戦(ペナルティーシュートアウト)に繰り越されない。
PK戦(ペナルティーシュートアウト)は、試合の一部ではない。
進め方
PK戦(ペナルティーシュートアウト)の開始前
● 主審は、その他に考慮すべきこと(例えば、ピッチの状態、安全、カメラの設置など)がない限り、または、競技会規定に特に定める場合を除き、コインをトスしてキックを行うゴールを決定する。
● 主審はコインをトスし、トスに勝ったチームが先にけるのか後にけるのかを決める。
● 試合または延長戦の終了時に負傷により、または退場を命じられて、試合から退いた競技者を除き、すべての競技者および交代要員はキックに参加する資格がある。
● 各チームの責任の下、資格のある競技者および交代要員からキッカーを選び、キックを行う順番を決める。順番は、主審・第2審判に通知される必要はない。
● 試合が終了したとき、または延長戦が行われた場合は延長戦が終了したとき、PK戦(ペナルティーシュートアウト)が始まる前に一方のチームの競技者数(交代要員を含む)が相手チームより多い場合、競技者数の多いチームは試合終了時のときの競技者数のままとすることも、相手の競技者数と等しくなるように競技者数を減らすこともできる。除外する場合、除外するそれぞれの競技者の氏名と番号は、主審・第2審判に通知されなければならない。除外された競技者は、キッカーとしてまたはゴールキーパーとしてのいずれであっても、PK戦(ペナルティーシュートアウト)に参加する資格がない(下記の場合を除く)。
● PK戦(ペナルティーシュートアウト)の前または進行中にゴールキーパーがプレーを続けられなくなったとき、ゴールキーパーは競技者数を等しくするために除外された競技者または交代要員と入れ替わることができる。しかし、ゴールキーパーは、それ以降PK戦(ペナルティーシュートアウト)に参加できず、キッカーを務めることもできない。
● ゴールキーパーが既にキックを行っていた場合、入れ替わって参加したゴールキーパーは、次の一巡までキックを行うことができない。
PK戦(ペナルティーシュートアウト)の進行中
● 資格のある競技者および交代要員ならびに主審・第2審判およびその他の審判員のみがピッチの中にいることができる。
● キッカーと両ゴールキーパー以外、資格のあるすべての競技者および交代要員は、キックの行われている反対側のハーフ内にいなければならない。
● キッカーのチームのゴールキーパーは第2審判と反対サイドのタッチライン上で、仮想のペナルティーマークと同じレベルにいなければならない。
● 資格のある競技者または交代要員は、ゴールキーパーと入れ替わることができる。
● キックは、ボールの動きが止まったとき、ボールがアウトオブプレーになったとき、または反則があって主審・第2審判がプレーを停止したときに完了する。キッカーは、ボールを再びプレーすることはできない。
● 主審・第2審判は、キックの結果を記録する。
● ゴールキーパーが反則を行い、その結果キックを再び行うことになった場合、1度目の反則であったなら、ゴールキーパーは、注意され、その後同じ競技者が反則を行ったならば、警告される。
● 主審・第2審判がキックを行うよう合図した後に行った反則でキッカーが罰せられる場合、キックは失敗として記録され、キッカーは警告される。
● ゴールキーパーとキッカーの両方が同時に反則を行った場合、キックは失敗として記録され、キッカーがは警告される。
● PK戦(ペナルティーシュートアウト)の進行中に、一方のチームの競技者数が相手チームより少なくなった場合、競技者数のより多いチームはそのときの競技者数のままとすることも、相手競技者数と等しくなるように競技者数を減らすこともできる。除外する場合、除外するそれぞれの競技者の氏名と番号は、主審・第2審判に通知されなければならない。除外された競技者は、それ以降、キッカーとしてまたはゴールキーパーとしてのいずれであっても、キックに参加することができない(上記の場合を除く)。
次の条件に従って、両チームが5本ずつのキックを行う。
● キックは、両チーム交互に行われる。
● それぞれのキックは異なるキッカーによって行われ、資格のあるすべての競技者および交代要員がキックを行わなければならず、その後は、いずれの競技者または交代要員でも2本目のキックを行うことができる。
● 上記の基本原則はその後続けて行われるキックにも適用されるが、チームはキッカーの順番を変更することができる。
● 両チームが5本のキックを行う以前に他方が5本のキックを行ってもあげることができない得点を一方のチームがあげた場合、以後のキックは行われない。
● 5本ずつのキックを行ったのち、両チームの得点が同じ場合、同数のキックで一方のチームが他方より多く得点するまで、キックは続けられる。
● PK戦(ペナルティーシュートアウト)は、競技者がピッチから離れたことで遅らせてはならない。キッカーがキックを行うまでに戻らない場合、そのキッカーのキックは無効(無得点)となる。
PK戦(ペナルティーシュートアウト)が進行中の退場
● 競技者、交代要員またはチーム役員は、警告される、または退場を命じられることがある。
● 退場になったゴールキーパーは、他の資格のある競技者と入れ替わらなければならない。
● プレーを継続できなくなったゴールキーパー以外の競技者は、他の競技者と入れ替わることができない。
● 一方のチームのキッカーが3人未満となった場合でも、主審・第2審判は、試合を中止してはならない。
4. アウェーゴール
競技会規定には、ホームアンドアウェー方式で競技する場合で、第2戦後に合計得点数が同じであるとき、アウェーのピッチで得点した得点数を2倍に計算する規定を設けることができる。
第12条 ファウルと不正行為
ボールがインプレー中に反則があった場合にのみ、フリーキックまたはペナルティーキックを与えることができる。
1. フリーキック
競技者が次の反則のいずれかを相手競技者に対して不用意に、無謀に、または過剰な力で行ったと主審・第2審判が判断した場合、フリーキックが与えられる。
● チャージする。
● 飛びかかる。
● ける、またはけろうとする。
● 押す。
● 打つ、または打とうとする(頭突きを含む)。
● タックルする、またはチャレンジする。
● つまずかせる、またはつまずかせようとする。
身体的接触を伴う反則が起きたときは、フリーキックまたはペナルティーキックで罰せられる。
● 「不用意」とは、競技者が相手にチャレンジするときに注意もしくは配慮が欠けていると判断される、または慎重さを欠いて行動すること。懲戒の罰則は、必要ない。
● 「無謀」とは、競技者が相手競技者にとって危険になる、または結果的にそうなることを無視して行動することで、警告されなければならない。
● 「過剰な力を用いる」とは、競技者が必要以上の力を用いる、または相手競技者の安全を脅かすことで、退場が命じられなければならない。
競技者が次の反則のいずれかを行った場合も、フリーキックが与えられる。
● ハンドの反則を行う。
● 相手競技者を押さえる。
● 相手競技者がシザーズキックやオーバーヘッドキックを行うのを不正に妨げる。
● 身体的接触によって相手競技者を遅らせる。
● チームリストに記載されている者もしくは審判員をかむ、またはこれらに向かってつばを吐く。
● ボール、相手競技者もしくは審判員に向かって物を投げるもしくはけりつける、または持った物でボールに触れる。
ボールを手や腕で扱う
ハンドの反則を判定するにあたり、腕の上限は、脇の下の最も奥の位置までのところとする。
競技者の手や腕にボールが触れることのすべてが、反則にはならない。
競技者が次のことを行った場合、反則となる。
● 例えば手や腕をボールの方向に動かし、手や腕で意図的にボールに触れる。
● 手や腕で体を不自然に大きくして、手や腕でボールに触れる。
手や腕の位置が、その状況における競技者の体の動きによるものではなく、また、競技者の体の動きから正当ではないと判断された場合、競技者は、不自然に体を大きくしたとみなされる。競技者の手や腕がそのような位置にあったならば、手や腕にボールが当たりハンドの反則で罰せられるリスクがある。
競技者が相手チームのゴールに次のように得点した場合、得点は認められない。
• 偶発的であっても、ゴールキーパーを含め、自分の手や腕から直接。
• 偶発的であっても、ボールが自分の手や腕に触れた直後に。
偶発的にボールを手や腕で扱った後、ボールが直接、または、直後にゴールに入った場合、プレーは相手チームのゴールクリアランスで再開される。
ゴールキーパーは、自分のペナルティーエリア外でボールを手や腕で扱うことについて、他の競技者と同様に制限される。ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内で、認められていないにもかかわらず手や腕でボールを扱った場合、フリーキックが与えられるが、懲戒の罰則は与えられない。しかしながら、プレーが再開された後、他の競技者が触れる前にゴールキーパーが再びボールを触れる反則の場合(手や腕による、よらないにかかわらず)、相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止した、または相手の得点や決定的な得点の機会を阻止したのであれば、罰せられなければならない。
シザーズキック/オーバーヘッドキック
シザーズキックおよびオーバーヘッドキックは、ビーチサッカーの特徴的なプレーであり、競技者がそれらのキックを行うことができるように守らなければならない。主審・第2審判は、それらのキックが行えること、プレーを妨げた競技者は罰せられることを確認しなければならない。
相手競技者がシザーズキックやオーバーヘッドキックを行うのを妨げた競技者を罰するために、主審・第2審判は、次の基準を考慮しなければならない。
● ボールがシザーズキックやオーバーヘッドキックを行っている、または行おうとしている競技者のコントロール下にあり、相手競技者がその競技者もしくはボールに触れた場合、その競技者のチームにフリーキックまたはペナルティーキックが与えられる。
● 上記2つの場合、相手競技者による妨害の結果として、シザーズキックやオーバーヘッドキックを行っている、または行おうとしている競技者が相手競技者に当たった場合、主審・第2審判はキックを行うことを妨げた、または妨げようとした相手競技者を罰する。
● ボールがシザーズキック、オーバーヘッドキックを行っている、または行おうとしている競技者のコントロール下になく、相手競技者がボールに触れた場合、相手競技者は反則を行っていない。
● ボールがシザーズキックやオーバーヘッドキックを行っている、または行おうとしている競技者のコントロール下になく、その競技者がキックを行うときに相手競技者を打った場合、キックを行っている、または行おうとしている競技者は反則に従って罰せられる。
● シザーズキックやオーバーヘッドキックを行うために、手や腕以外の体のいかなる部位でボールをコントロールした後、ボールが依然空中にあり、競技者の前または横で、競技者の近くにある場合、ボールは競技者のコントロール下にあるとみなされる。
2. ピッチの中央からまたは反則が行われたところから行われるフリーキックで罰せられる反則
a) ピッチの中央からのフリーキック
競技者が自分のハーフ内で次のような反則を行った場合、ピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。
● 危険な方法でプレーをする(下記に定めるとおり)。
● 身体的接触を伴わずに、相手競技者の進行を遅らせる。
● 負傷を装う、またはファウルをされたふりをする(シミュレーション)などで主審・第2審判を騙そうとする。
● 異議を示す、攻撃的、侮辱的、もしくは下品な発言や行動をとる、または言葉による反則を行う。
● 競技者を警告する、または退場させるためにプレーを停止することになるビーチサッカー競技規則に規定されていない反則を行う。
次の反則のいずれかを行った場合も、ピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。
•ボールがインプレー中にチームが自分たちのペナルティーエリア内で4秒を超えてボールを保持する。
•ゴールキーパーが次のいずれかの反則を行う。
● 自分自身のハーフ内で、手や腕または足を用いて、4秒を超えてボールをコントロールする。
● 味方競技者からのボールを受け取り、自分のペナルティーエリア内において手や腕でプレーした後、再び味方競技者からボールを受け取り、同じペナルティーエリア内において手や腕で意図的に再びボールに触れる。ただし、この間に相手競技者がボールに触れた場合を除く。
● ボールがインプレー中、ボールを手から放した後、グランドに触れる前に空中にキックする。
● ボールを自分のペナルティーエリアの外でプレーした後、意図的にボールを保持して自分のペナルティーエリア内に戻り、他の競技者がボールに触れる前に、体のいかなる部位であってもボールに触れる、またはプレーする。
ゴールキーパーがボールを手でコントロールしていると判断されるのは、次のときである。
● ボールがゴールキーパーの両手で持たれているとき、またはボールがゴールキーパーの手と他のもの(例えば、ピッチ面、自分の体)との間にあるとき、ボールに手や腕のいずれかの部分で触れているとき。
● ゴールキーパーが広げた手のひらでボールを持っているとき。
● ボールを地面にバウンドさせる、または空中に投げ上げたとき。
b) 反則が行われた場所から行われるフリーキック
競技者が相手チームのハーフ内で次の反則を行った場合、反則が行われた場所から行われるフリーキックが相手チームに与えられる。
● 危険な方法でプレーをする(下記に定めるとおり)。
● 身体的接触を伴わずに、相手競技者の進行を遅らせる。
● 負傷を装う、またはファウルをされたふりをする(シミュレーション)などで主審・第2審判を騙そうとする。
● 異議を示す、攻撃的、侮辱的、もしくは下品な発言や行動をとる、または言葉による反則を行う。
● ゴールキーパーがボールを手で投げるもしくは手から放すのを妨げる、または、ゴールキーパーがボールを投げるもしくは放す過程でボールをける、もしくはけろうとする。
● 競技者を警告する、または退場させるためにプレーを停止することになるビーチサッカー競技規則に規定されていない反則を行う。
危険な方法でのプレー
危険な方法でプレーするとは、ボールをプレーしようとするとき、(自分を含む)競技者を負傷させることになるすべての行動であり、近くにいる相手競技者が負傷を恐れてプレーできないようにすることも含む。
身体的接触なしで相手競技者の進行を遅らせる
相手競技者の進行を遅らせるとは、ボールが両競技者のプレーできる範囲内にないとき、相手競技者の進路に入り込み、その進行を妨げる、ブロックする、スピードを落とさせる、進行方向の変更を余儀なくさせることである。
すべての競技者は、ピッチ上でそれぞれ自分のポジションをとることができる。相手競技者の進路上にいることは、相手競技者の進路に入り込むことと同じではない。
競技者が、相手競技者とボールの間に自らを置くことは、ボールがプレーできる距離にあり相手競技者を手や体で押さえていない限り、反則ではない。ボールがプレーできる距離にある場合、その競技者は正しい方法で相手競技者によりチャージされることがある。
相手競技者をブロックする
ブロックすることは、接触があったときにブロックする競技者が静止している、または意図的に体を相手競技者の進行方向に動かすもしくは割り込ませて接触を引き起こしていない、または相手競技者にブロックを回避する機会があるのであれば、ビーチサッカーで認められる戦術だと考えられる。ブロックは、相手競技者がボールをコントロールできるできないにかかわらず、行うことができる。
3. 懲戒処置
主審・第2審判は、試合前のピッチの点検のためにピッチに入ったときから試合(PK戦(ペナルティーシュートアウト)を含む)の終了後にピッチを離れるまで、懲戒処置をとる権限をもつ。
試合開始のためピッチに入る前に競技者またはチーム役員が退場となる反則を行った場合、主審・第2審判は、競技者またはチーム役員を試合に参加させない権限を持つ。主審・第2審判は、その他の不正行為について、報告する。
ピッチの内外にかかわらず、他の者もしくはビーチサッカー競技規則に対して、警告もしくは退場となる反則を行った競技者またはチーム役員は、その反則に従って懲戒される。
イエローカードは警告されたことを知らせるため、レッドカードは退場が命じられたことを知らせるために用いられる。
競技者、交代要員またはチーム役員のみにレッドカードまたはイエローカードを示すことができる。
競技者と交代要員
カードを示すためにプレーの再開を遅らせる
主審・第2審判は、競技者を警告する、または退場させると判断した場合、罰則の処置をし終えるまでプレーを再開させてはならない。
アドバンテージ
警告や退場となるべき反則に対して主審・第2審判がアドバンテージを適用したとき、この警告や退場処置は、次にボールがアウトオブプレーになったときに行われなければならない。しかしながら、反則が相手チームの決定的な得点の機会を阻止するものであった場合、競技者は、反スポーツ的行為で警告され、反則が大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止したものであった場合、警告されない。
明らかな得点の機会を除き、著しく不正なプレー、乱暴な行為または2つ目の警告となる反則を含む状況で、アドバンテージを適用すべきでない。アドバンテージを適用した場合、主審・第2審判は次にボールがアウトオブプレーになったとき、競技者に退場を命じなければならないが、競技者がボールをプレーする、もしくは相手競技者にチャレンジする、または妨害した場合、主審・第2審判は、プレーを停止し、競技者を退場させ、次の位置からのフリーキックでプレーを再開する。
● ボールが反則を行った相手チームのハーフ内にあった場合、プレーを停止したときにボールがあったところから。
● ボールが反則を行ったチームのハーフ内にあった場合、ピッチの中央から。
ただし、その競技者がより重い反則を行ったならば、フリーキックは反則があったところから行われる(反則を行ったチームのペナルティーエリア内であった場合、ペナルティーキックが与えられる)。
アドバンテージが適用され、得点後2枚目のイエローカードまたはレッドカードが示された場合、反則を行った方のチームは、退場となった競技者に代わる交代要員を加えることができ、引き続いて同数の競技者数でプレーを続けることができる。得点とならなかった場合、そのチームはそのまま1人少ない競技者でプレーをする。
守備側競技者が、ペナルティーエリアの外で攻撃側競技者を押さえ、そのままペナルティーエリア内でも押さえていた場合、主審・第2審判は、ペナルティーキックを与えなければならない。
警告となる反則
競技者は、次の場合、警告される。
● プレーの再開を遅らせる。
● 言葉または行動により異議を示す。
● 主審・第2審判のいずれかの承認を得ず、ピッチに入る、ピッチを離れる、再び入る、または交代の進め方に反する。
● 次の方法でプレーが再開されるときに規定の距離を守らない。
•ドロップボール、コーナーキック、キックオフまたはキックイン/スローイン
•フリーキック(守備側競技者のみ)
● 自分のチームのキックオフが行われるとき、ボールがインプレーになる前に相手競技者のハーフに入る(キックオフを行う競技者を除く)。
● 繰り返し反則する(「繰り返し」の定義に明確な回数や反則のパターンは、ない)。
● 反スポーツ的行為を行う。
交代要員は、次の反則を行った場合、警告される。
● プレーの再開を遅らせる。
● 言葉または行動による異議を示す。
● 交代の進め方に反し、ピッチに入る。
● 反スポーツ的行為を行う。
別々に2つの警告となる反則が起きたならば(2つが近接している場合であっても)、2つの警告となる反則が行われたとすべきである。例えば、競技者が交代ゾーンを用いずピッチに入り、無謀なタックルをする、またはファウルやハンドの反則などで相手の大きなチャンスとなる攻撃を阻止した場合である。
反スポーツ的行為に対する警告
競技者が反スポーツ的行為で警告されなければならない状況は、様々である。例えば、
● 負傷を装う、またはファウルをされたふりをする(シミュレーション)などで主審・第2審判を騙そうとする。
● フリーキックとなる反則を無謀に行う。
● 相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止するためにボールを手や腕で扱う。
● 相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害または阻止するために反則を行う。ただし、ボールをプレーしようと試みて、または、ボールに向かうことで(相手競技者に)チ ャレンジして反則を行い、主審・第2審判がペナルティーキックを与えた場合を除く。
● ボールをプレーしようと試みて、または、ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジして反則を行い相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審・第2審判がペナルティーキックを与える。
● (その試みが成功しようとしまいと)ボールを手や腕で扱って得点をしようと試みる、または得点を阻止しようと試みて失敗する。
● ゴールがゴールキーパーによって守られているときに、ハンドの反則によって罰せられる方法でボールがゴールに入るのを止める。
● ピッチに認められないマークを描く。
● ピッチから離れるよう命じられたのち、ピッチから出る途中でボールをプレーする。
● 試合にとってリスペクトに欠ける行為を行う。
● プレー中に言葉で相手競技者を惑わす。
得点の喜び
競技者は得点をしたときに喜ぶことはできるが、その表現は、過度になってはならない。あらかじめ演出されたパフォーマンスは、勧められず、時間をかけ過ぎてはならない。
得点の喜びのためにピッチを離れることは、警告の反則ではない。しかし、競技者は、できるだけ早くピッチに戻るべきである。
次の場合、競技者は、得点が認められなかったとしても警告されなければならない。
● 安全や警備に問題が生じるような方法で、観客に近づく。
● 挑発する、嘲笑する、または相手の感情を刺激するように行動する。
● マスクや同様のものを顔や頭に被る。
● シャツを脱ぐ、またはシャツを頭に被る。
退場となる反則
競技者または交代要員は、次の反則のいずれかを行った場合、退場を命じられる。
● ハンドの反則を行い、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止する(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが手や腕でボールに触れた場合を除く)。
● フリーキックで罰せられる反則を行い、全体的にその反則を行った競技者のゴールに向かって動いている相手競技者の得点または決定的な得点の機会を阻止する(以下に示す場合を除く)。
● 相手競技者がフリーキックを行う場所と反則をした競技者もしくは交代要員のゴールとの間で、ボールがゴールポスト、クロスバー、ゴールキーパーもしくはグランドに触れる前に、ボールに触れて得点または決定的な得点の機会を阻止する。
● 著しく不正なプレーを行う。
● 人をかむ、人につばを吐く、または意図的に人に砂を投げる。
● 乱暴な行為を行う。
● 攻撃的な、侮辱的な、もしくは下品な発言をする、または行動をとる。
● 同じ試合の中で2つ目の警告を受ける。
退場を命じられた競技者または交代要員は、ピッチ周辺およびテクニカルエリアから離れなければならない。
大きなチャンスとなる攻撃を阻止する(SPA)
競技者がハンドの反則を行って大きなチャンスとなる攻撃を阻止した場合、競技者は警告される(自分自身のペナルティーエリア内のゴールキーパーを除く)。競技者が自分自身のペナルティーエリア内で相手競技者に対して反則を行い、相手競技者の大きなチャンスとなる攻撃を阻止し、主審・第2審判がペナルティーキックを与えた場合、反則がボールをプレーしようと試みて、または、ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジするものであったならば、反則を行った競技者は警告されない。それ以外のあらゆる状況では(例えば、押さえる、引っぱる、押す、またはボールをプレーする可能性がないなど)、反則を行った競技者は警告されなければならない。
競技者、退場となった競技者、交代要員またはチーム役員は、主審・第2審判のいずれから必要な承認を得ず、または、交代の進め方に反しピッチに入り、大きなチャンスとなる攻撃を阻止する反則を行ってプレーを妨害したら、2つの個別の警告となる反則を行ったことで、退場が命じられる。
状況がSPAかどうかを判断するために、次の要素を考慮すべきである。
● DOGSOの状況であってはならない。
● 反則が行われた場所とゴールとの距離。
● 全体的なプレーの方向。
● ボールをキープできる、または、コントロールできる可能性。
● アクティブな攻撃側競技者の数が(守備側ゴールキーパーと反則を行った競技者を除く)アクティブな守備側競技者の数より多いかどうか。
得点または決定的な得点の機会の阻止(DOGSO)
競技者が、ハンドの反則により、相手チームの得点または決定的な得点の機会を阻止した場合、反則が起きた場所にかかわらず、その競技者は退場を命じられる(自分のペナルティーエリア内でゴールキーパーが手や腕でボールに触れた場合を除く)。
競技者が自分自身のペナルティーエリア内で相手競技者に対して反則を行い、相手競技者の決定的な得点の機会を阻止し、主審・第2審判がペナルティーキックを与えた場合、その反則がボールをプレーしようと試みて、または、ボールに向かうことで(相手競技者に)チャレンジして行われたものならば、反則を行った競技者は警告される。それ以外のあらゆる状況(押さえる、引っぱる、押す、またはボールをプレーする可能性がないなど)においては、反則を行った競技者は、退場させられなければならない。
競技者、退場となった競技者、交代要員もしくはチーム役員が主審・第2審判から必要な承認を得ることなく、または交代の進め方に反してピッチに入り、プレーもしくは相手競技者を妨害し、相手チームの得点もしくは決定的な得点の機会を阻止した場合、退場の対象となる反則を行ったことになる。
DOGSOの状況かどうかを決定するにあたり、次の状況を考慮に入れなければならない。
● 反則とゴールとの距離
● 全体的なプレーの方向
● ボールをキープできる、またはコントロールできる可能性
● 守備側競技者の位置と数
著しく不正なプレー
相手競技者の安全を脅かすタックルをする、もしくはチャレンジする、または過剰な力を用いる、もしくは粗暴な行為を行った場合、著しく不正なプレーを行ったことで罰せられなければならない。
いかなる競技者もボールにチャレンジするときに、過剰な力や相手競技者の安全を脅かす方法で、相手競技者に対し片足もしくは両足を使って前、横または後ろから突進した場合、著しく不正なプレーを行ったことになる。
乱暴な行為
乱暴な行為とは、身体的接触のあるなしにかかわらず、競技者がボールにチャレンジしていないときに相手競技者に対して、もしくはその他の者に対して、過剰な力を用いる、粗暴な行為を行う、または行おうとすることである。
乱暴な行為は、ボールがインプレー、アウトオブプレーにかかわらず、ピッチ上、または境界線の外でも起こり得る。
主審・第2審判は、乱暴な行為が行われている状況において、明らかに得点となる機会が生じる場合を除き、アドバンテージを適用するべきではない。適用した場合、主審・第2審判は次のアウトオブプレーで、乱暴な行為を行った競技者に退場を命じなければならない。
主審・第2審判は、乱暴な行為が、しばしば競技者による集団的対立を引き起こすことに留意しなければならなく、厳格に介入して対立が起こるのを避けなければならない。
競技者および交代要員が乱暴な行為を行ったならば、退場が命じられる。
チーム役員
反則があり、その反則を行った者を特定できない場合、テクニカルエリア内にいる上位のコーチが罰則を受ける。
注意
通常、次の反則については注意となるが、繰り返して、または露骨に行った場合は、警告または退場とするべきである。
● リスペクトある、または対立的ではない態度で、ピッチに入る。
● 副審の指示または要求を無視するなど、審判員に協力しない。
● 決定に対して軽度の不満を示す(言葉や行動により)。
● 他の反則を行うことなく、時折テクニカルエリアから出る。
警告
警告となる反則は、次のとおりである(ただし、これらに限らない)。
● 明らかに、または繰り返して自分のチームのテクニカルエリアから出る。
● 自分のチームのプレーの再開を遅らせる。
● 意図的に相手チームのテクニカルエリアに入る(対立的ではなく)。
● 言葉または行動により異議を示す。例えば、
•ドリンクボトルやその他の物を投げる、またはける。
•審判員に対するリスペクトを明らかに欠いた行動をとる(皮肉な拍手などで)。
● 過度に、または繰り返し、レッドカードやイエローカードを示す身振りをする。
● 挑発するような、または相手の感情を刺激するような行動をとる。
● 容認できない行為を繰り返し行う(注意となる反則を繰り返すことを含む)。
● 試合にとってリスペクトに欠ける行為を行う。
退場
退場となる反則は、次のとおりである(ただし、これらに限らない)。
● ボールを放さない、ボールを遠くへける、競技者の動きをさえぎるなどで、相手チームのプレーの再開を遅らせる。
● 意図的にテクニカルエリアを出て、次のことを行う。
•審判員に対して異議を示す、または抗議する。
•挑発するような、または相手の感情を刺激するような行動をとる。
● 攻撃的または対立的な態度で相手チームのテクニカルエリアに入る。
● ピッチに物を意図的に投げ入れる、またはけり込む。
● ピッチに入り、次のことを行う。
•審判員と対立する(ピリオド間の休憩と試合終了後を含む)。
•プレー、相手競技者または審判員を妨害する。
● その他の人に対する身体的または攻撃的な行動をとる(つばを吐く、かみつく、砂を投げるなど)。
● 同じ試合の中で2つ目の警告を受ける。
● 攻撃的な、侮辱的な、もしくは下品な発言をする、または行動をとる。
● 認められていない電子機器や通信機器を使用する、または電子機器や通信機器を使用して不適切な行動をとる。
● 乱暴な行為を行う。
物(またはボール)を投げる、またはける反則
すべての場合において、主審・第2審判は、懲戒処置を適切にとる。
● 無謀な場合-反スポーツ的行為として警告する。
● 過剰な力を用いた場合-乱暴な行為として退場を命じる。
4. ファウルや不正行為の後のプレーの再開
ボールがアウトオブプレーの場合、その前の判定に基づき再開される。ボールがインプレー中、競技者がピッチ内で体を用いた反則を行った場合、次のように再開される。
● 相手競技者に対する反則の場合-ピッチの中央からのフリーキック、反則のあった場所からのフリーキックまたはペナルティーキック。
● 味方競技者、交代要員、退場となった競技者、チーム役員または審判員に対する反則の場合-反則のあった場所からのフリーキックまたはペナルティーキック。
言葉による反則は、すべてフリーキックで罰せられ、次の位置から行われる。
● 反則を行った競技者が相手競技者のハーフ内にいた場合、その競技者の場所から。
● 反則を行った競技者が自分のハーフ内にいた場合、ピッチの中央から。
ピッチの内外にかかわらず競技者が外的要因に対して反則を行い、主審・第2審判がプレーを停止したならば、主審・第2審判の承認なくピッチから離れたことでフリーキックが与えられた場合を除き、プレーはドロップボールで再開される。(フリーキックが与えられた場合)フリーキックは次により行われる。
•反則を行った競技者が相手競技者のハーフの境界線上の地点から離れたのであれば、ピッチから離れた境界線上の地点から。
•競技者が自分自身のハーフからピッチを離れたのであれば、ピッチの中央から。
ボールがインプレー中、
● 競技者が審判員もしくは相手チームの競技者、交代要員、退場となった競技者もしくはチーム役員に対してピッチ外で反則を行った場合、または、
● 交代要員、退場となった競技者もしくはチーム役員が、相手競技者もしくは審判員に対してピッチ外で反則を行った、または妨害した場合、
プレーは、反則または妨害が起きたところから最も近い境界線上の地点から行うフリーキックで再開される。これが反則の位置から行われるフリーキックで罰せられる反則で、反則の位置から最も近い境界線の地点がゴールラインの一部にあった場合、または反則を行った競技者のペナルティーエリアにあるタッチライン上の一部であった場合、ペナルティーキックが与えられる。
● 交代要員、退場となった競技者もしくはチーム役員が、相手または味方いずれのチームであっても、交代要員、退場となった競技者またはチーム役員に対して反則を行った場合、プレーはドロップボールで再開される(第8条を参照)。
反則がピッチ外で競技者によって、自分のチームの競技者、交代要員またはチーム役員に対して行ったならば、プレーは、次のように再開される。
● 反則が起きた地点から最も近い境界線上が反則を行った競技者の相手競技者のハーフ内の場合、その場所から行うフリーキック。
● 反則が起きた地点から最も近い境界線上が反則を行った競技者のハーフ内の場合、ピッチの中央からのフリーキック。
競技者が手に持ったものでボールに触れた場合、プレーは、フリーキック(またはペナルティーキック)で再開される。
ピッチ内または外にいる競技者が、相手競技者に物(試合球以外)を投げる、もしくはけった場合、または相手チームの交代要員、退場となった競技者、チーム役員もしくは審判員または試合球に物(試合球以外のボールを含む)を投げた、またはけった場合、プレーは、フリーキックで再開される。この位置がピッチ外の場合、フリーキックは、境界線上の最も近い地点で行われる。このフリーキックが反則を行った競技者のペナルティーエリアの境界線となるゴールラインまたはタッチライン上で行われるものであれば、ペナルティーキックが与えられる。
交代要員、退場となった競技者、一時的にピッチ外にいた競技者もしくはチーム役員が、ピッチ内に物を投げつけ、またはけり込んで、それがプレー、相手競技者または審判員を妨害した場合、プレーは、物がプレーを妨害した、または相手競技者、審判員もしくはボールに当たった、またはそれらに当たったであろう場所から行われるフリーキック(または反則を行った者のペナルティーエリア内であればペナルティーキック)で再開される。
第13条 フリーキック
1. フリーキックの種類
フリーキックは、競技者、交代要員、退場となった競技者またはチーム役員が反則を行ったときに相手チームに与えられる。ビーチサッカーには2種類のフリーキックがある。
a. 相手チームのハーフ内で行うフリーキック
b. 自分のチームのハーフ内またはピッチの中央から行うフリーキック
フリーキックが行われるとき、主審・第2審判のいずれかが4秒のカウントを示さなければならない。
2. 進め方
● 競技者は、壁をつくれない。
● フリーキックを行う競技者は、明らかに特定されなければならない。
● 反則がファウルであった場合、ファウルを受けた競技者がキックを行わなければならない。ただし、その競技者が重傷を負った場合、ファウルを受けた競技者と交代した交代要員がキックを行わなければならない。
● 例えばハンドの反則のように、反則がファウルでなかった場合、キックを行うチームの競技者または交代要員の誰でもがフリーキックを行うことができる。
● キックを行う競技者はボールの位置を高くするために、足かボールで小さな砂の山をつくることができる。
● フリーキックは、主審・第2審判がキックを行うよう合図してから4秒以内に行わなければならない。
● 各ピリオド(延長戦を含めて)の終了時に行うフリーキックのために時間を追加しなければならない。その場合、主審・第2審判は守備側ゴールキーパーがフィールドプレーヤーまたは資格のある交代要員と入れ代わることを認める。資格のある交代要員と入れ代わる場合、交代の進め方に従わなければならない。
● フリーキックからのボールがキッカー自身のゴールに直接入った場合、コーナーキックが相手チームに与えられる。
● フリーキックからのボールが相手チームのゴールに直接入った場合、得点が認められる。
● ゴールポストまたはクロスバーに当たった後ボールに欠陥が生じ、ボールがゴールに入らなかった場合、主審・第2審判はフリーキックを再び行わず、プレーを停止し、ドロップボールで再開する。
● 主審・第2審判がキックを行う合図をする前に競技者がフリーキックを行った場合、主審・第2審判はプレーを停止し、フリーキックを再び行うことを命じ、キッカーを警告する。
● フリーキックを行うためにピリオドを延長し、ボールがゴールポスト、クロスバーまたはゴールキーパーに当たった後に、ゴールポストの間とクロスバーの下でゴールラインを越えた場合、主審・第2審判は得点を認める。
● 競技規則で他の位置を示している場合を除き、競技者が承認なくピッチに入る、再び入る、またはピッチを離れる反則をした場合、フリーキックは、プレーが停止されたときにボールがあった位置またはピッチの中央から行われる。しかしながら、第12条第1項に規定される反則については、競技者がピッチ外で反則を行った場合、プレーは反則が起きた地点から最も近い境界線上からのフリーキックで再開される。もっとも、フリーキックの位置がゴールライン上または反則を行った競技者のペナルティーエリアのタッチライン上であったならば、ペナルティーキックが与えられる。
ボールは、
● 静止していなければならず、キッカーは、他の競技者がボールに触れるまで、再び触れてはならない。
● けられて明らかに動いたときにインプレーとなる。
フリーキックは、片足で、または両足で同時に持ち上げる方法でも行うことができる。
相手競技者を混乱させるためにフェイントを用いてフリーキックを行うことはビーチサッカーの一部であり、認められる。
競技者がフリーキックを正しく行い、不用意でも、無謀でも、または過剰な力を用いることもなく、意図的にボールを相手に向けてけって、はね返ったボールを再び自分のものとした場合、主審・第2審判は、プレーを続けさせることができる。
3. フリーキックの位置
a. 相手のハーフ内でのフリーキック
フリーキックが反則を行ったチームのハーフ内で行われる場合、すべての競技者は、次のとおり位置しなければならない。
● ピッチの中。
● ボールがインプレーになるまで少なくとも5mボールから離れる(キッカーを除く)。
● キッカーを妨害することなく、(守備側ゴールキーパーを除き)ゴールラインと並行なボールのレベルと同じ仮想のラインの後方。キッカーを除いて、どの競技者もボールがインプレーになるまで、この仮想のラインを越えることはできない。
b. 自分のハーフ内、またはピッチの中央からのフリーキック
反則を行っていないチームのハーフ内またはピッチの中央から行われるフリーキックの場合、すべての競技者は、次のとおり位置しなければならない。
● ピッチの中。
● 守備側ゴールキーパーを除き、ボールと守備側チームのゴール側の両コーナーフラッグを結ぶ仮想のエリア外。
さらに、守備側競技者は、ボールがインプレーになるまでボールから少なくとも5m離れていなければならない。
自分のハーフ内またはピッチの中央から行われるフリーキックの進め方
● ボールが相手のゴール方向にけられた場合、ボールと両コーナーフラッグを結ぶエリア内では、ボールが空中にある間、またはその後ゴールポストもしくはクロスバーに当たるまでは、守備側チームのゴールキーパーだけがボールに触れることができる。つまり、ボールがこのエリアから出た(再びこのエリア内に入ったとしても)、またはグランド、守備側ゴールキーパー、ゴールポストもしくはクロスバーに触れたならば、この制限は適用されなくなり、どの競技者でもボールに触れる、プレーすることができることになる。
● フリーキックが自分のペナルティーエリア内で行われる場合、
•ボールはけられて明らかに動いたときにインプレーとなる。
•すべての相手競技者は、ボールがインプレーになるまでペナルティーエリアの外にいなければならない。
4. 反則と罰則
● 主審・第2審判がアドバンテージを適用せず、反則が守備側競技者によって行われた場合、
•反則が、反則を行ったチームのペナルティーエリア外で行われたならば、ボールが触れられた位置から行われるフリーキックが与えられる。
•競技者が自分のペナルティーエリア内でボールに触れたならば、ペナルティーキックが与えられる。
● 主審・第2審判がアドバンテージを適用せず、反則がキッカーの味方競技者によって行われた場合、ピッチの相手ハーフ内でボールに触れた場合はその位置から、またはピッチの自分のハーフ内で触れられた場合はピッチの中央から行わるフリーキックが与えられる。
守備側競技者がキックが行われた場所と自分の両ゴールポストを結ぶエリアでボールに触れ、相手の得点または決定的な得点の機会を阻止していない場合、主審・第2審判は懲戒処置を行わない。相手の得点または決定的な得点の機会を阻止した場合、競技者は退場となる。
ピッチの自分のハーフ内、またはピッチの中央からのフリーキックで、主審・第2審判のいずれかがキックを行う合図をした後でボールがインプレーになる前に、相手競技者がボールからの最小距離を守らない、またはボールと両コーナーフラッグを結ぶエリアに入った場合、
● 主審・第2審判がアドバンテージを適用せず、フリーキックやペナルティーキックで罰せられる他の反則が行われていない場合、キックは再び行われ、反則をした競技者は警告される。フリーキックやペナルティーキックで罰せられる反則があった場合、主審・第2審判は後の反則で罰する。主審・第2審判は、他の反則が懲戒処置を必要としない場合、懲戒処置を行わない。
ピッチの自分のハーフ内、またはピッチの中央からのフリーキックで、主審・第2審判のいずれかがキックを行う合図をした後でボールがインプレーになる前に、キッカーの味方競技者が、ボールと両コーナーフラッグを結ぶエリアに入った場合、
● 主審・第2審判がアドバンテージを適用せず、競技者がピッチの相手ハーフ内で制限されたエリアに入った場合はその位置から、または自分のハーフ内であった場合はピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。主審・第2審判は、他の反則が懲戒処置を必要としない場合、懲戒処置を行わない。
ピッチの自分のハーフ内、またはピッチの中央からのフリーキックで、主審・第2審判のいずれかがキックを行う合図をした後でボールがインプレーになる前に、1人またはそれ以上の相手競技者がボールからの最小距離を守らない、またはボールと両コーナーフラッグを結ぶエリアに入る、あるいは1人またはそれ以上のキッカーの味方競技者がボールと両コーナーフラッグを結ぶエリアに入った場合、
● フリーキックは再び行われ、主審・第2審判は競技者に注意を与えるが、その他の懲戒処置を行わない。
ピッチの自分のハーフ内、またはピッチの中央からのフリーキックで、主審・第2審判のいずれかがキックを行う合図をした後、ボールがインプレーになる前に相手競技者がボールと両コーナーフラッグを結んだエリア内に入り、ボールがインプレー中にボールがこのエリアから出てしまう前に、または、ゴールポスト、クロスバー、守備側ゴールキーパーもしくはグランドに触れる前に、ボールに触れた場合、
● 主審・第2審判がアドバンテージを適用しなかった場合、
•反則がチームのペナルティーエリア外であれば、ボールに触れた場所から行われるフリーキックが与えられる。
•競技者が自分自身のペナルティーエリア内で触れたならば、ペナルティーキックが与えられる。懲戒処置は、とられない。
ピッチの相手のハーフ内で行われるフリーキックで、主審・第2審判がキックを行う合図をした後でボールがインプレーになる前に、相手競技者がボールからの最小距離を守らない、またはゴールラインとゴールラインに平行でボールのレベルと同じ仮想のラインとの間のエリアに入った場合、
● 主審・第2審判がアドバンテージを適用せず、またはフリーキックやペナルティーキックで罰せられる他の反則が行われていない場合、フリーキックは再び行われ、反則した競技者は警告される。フリーキックやペナルティーキックで罰せられる反則があった場合、主審・第2審判は後の反則で罰する。主審・第2審判は、他の反則が懲戒処置を必要としない場合、懲戒処置を行わない。
ピッチの相手のハーフ内で行われるフリーキックで、主審・第2審判がキックを行う合図をした後でボールがインプレーになる前に、キッカーの味方競技者がボールからの最小距離を守らない、またはゴールラインとゴールラインに平行でボールのレベルと同じ仮想のラインとの間のエリアに入った場合、
● ピッチの相手のハーフ内で反則した競技者が制限されたエリアに入った位置、もしくはボールからの最小距離を守らなかった位置から、またはピッチの自分のハーフ内であった場合は、ピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。主審・第2審判は、他の反則が懲戒処置を必要としない場合、懲戒処置を行わない。
● フリーキックは再び行われ、主審・第2審判は競技者に注意を与えるが、その他の懲戒処置を行わない。
チームが4秒を超えてフリーキックを行った場合、
● 主審・第2審判は、守備側チームのハーフ内で行われるフリーキックであった場合、その元の位置から行うフリーキックを相手チームに与える。ピッチの中央からまたは自分のハーフ内で行われるフリーキックであった場合、ピッチの中央から行うフリーキックを相手チームに与える。
フリーキックが事前に特定された競技者の味方競技者によって行われた場合、
● 主審・第2審判は、プレーを停止し、その味方競技者を反スポーツ的行為で警告する。守備側チームのハーフ内で行われるフリーキックであった場合、競技者がボールをけったところから守備側チームのフリーキックで再開する。自分のハーフ内で行われるフリーキックであった場合、ピッチの中央から行われる守備側チームのフリーキックで再開する。
フリーキックが行われるとき、ペナルティーエリア内にいる、またはボールがインプレーになる前にペナルティーエリアに入った相手競技者が、ボールがインプレーになる前のボールに触れる、またはチャレンジした場合、フリーキックは、再び行われる。
ボールがインプレーになった後、キッカーが他の競技者が触れる前に再びボールに触れた場合、反則が行われた場所が守備側チームのハーフ内であった場合はキッカーが再びボールに触れた位置から、反則が行われた場所が自分のハーフ内であった場合はピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。キッカーがハンドの反則を行った場合、キッカーがゴールキーパーであり、自分のペナルティーエリア内でボールに触れた場合でなければ、反則があった場所からのフリーキックまたはペナルティーキックが与えられる。ただし、ゴールキーパーが自分のペナルティーエリア内でボールに再び触れた場合、ピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。
フリーキックが行われようとしたとき、ボールの方向に動きキッカーを妨害した相手競技者は、5mの最小距離を守っていたとしても、警告されなければならない。
5. 要約表
主審・第2審判が笛を吹き、ボールがインプレーになる前までの反則
フリーキックの結果 | |||
反則 | ボールがゴールに入る | ボールがゴールに入らない | 再開の位置 |
攻撃側競技者による反則 | 守備側チームのフリーキック | 守備側チームのフリーキック | ピッチの中央または 反則が行われた場所 |
守備側競技者による反則 | 得点 | フリーキックを再び行う 反則を行った競技者に警告 |
ー |
守備側競技者および 攻撃側競技者が同時に反則を行う |
フリーキックを再び行う | フリーキックを再び行う | ー |
主審・第2審判が笛を吹き、ボールがインプレーになった後の反則
(ボールと両コーナーフラッグを結ぶエリアでボールがグランド、ゴールポスト、クロスバーもしくはゴールキーパーに触れる前にボールに触れるまたはボールをプレーする)
フリーキックの結果 | |||
反則 | ボールがゴールに入る | ボールがゴールに入らない | 再開の位置 |
攻撃側競技者による反則 | 守備側チームのフリーキック | 守備側チームのフリーキック | ピッチの中央または 反則が行われた場所 |
守備側競技者による反則 | 得点 | 攻撃側チームのフリーキック またはペナルティーキック |
反則が行われた場所 |
守備側競技者および 攻撃側競技者が同時に反則を行う |
フリーキックを再び行う | フリーキックを再び行う | ー |
第14条 ペナルティーキック
競技者が自分のペナルティーエリア内で、または第12条に規定されるプレーの一環としてピッチ外に出て、第12条の第1項に規定されるフリーキックとなる反則を行ったとき、ペナルティーキックが与えられる。
ペナルティーキックから直接得点することができる。
1. 進め方
ボールは、仮想のペナルティーマーク上で静止していなければならない。
ペナルティーキックを行う競技者は、次のとおりでなければならない。
● 明らかに特定される。
● 反則がファウルであった場合、ファウルを受けた競技者が重傷を負っていなければ、その競技者となる。その競技者が重傷を負っていた場合、キックは反則を受けた競技者に代わった交代要員が行う。ただし、ハンドの反則のように、反則がファウルでなかった場合、キックを行うチームのどの競技者または交代要員であってもペナルティーキックを行うことができる。
守備側ゴールキーパーは、ボールがけられるまでキッカーに面して、両ゴールポストの間のゴールライン上にいなければならず、キッカーを不正に惑わすような行動をとってはならない。例えば、キックを遅らせる、ゴールポスト、クロスバーまたはゴールネットに触れる。
キッカーがボールを置いた後、守備側ゴールキーパーが交代を要求した場合、主審・第2審判は、交代を認めるが、プレーの再開を遅らせたことにより、ゴールキーパーを警告しなければならない。
キッカーとゴールキーパー以外の競技者は、次のように位置しなければならない。
● ピッチの中。
● 仮想のペナルティーマークから少なくとも5m離れる。
● ペナルティーエリアの外。
キッカーはボールの位置を高くするために、足かボールで小さな砂の山をつくることができる。
競技者が本条に従って位置についたのち、主審・第2審判のいずれかが、ペナルティーキックを行うための合図をする。
ペナルティーキックを行う競技者は、ボールを前方にけらなければならない。ボールが前方に動くのであれば、バックヒールも認められる。
ボールがけられるとき、守備側ゴールキーパーは、少なくとも片足の一部を仮想のゴールラインに触れさせているか、仮想のゴールラインの上方、または後方に位置させていなければならない。
ボールは、前方にけられて明らかに動いたときインプレーとなる。
他の競技者がボールに触れるまで、キッカーは、再びボールをプレーしてはならない。
ピリオドの終了間際にペナルティーキックが与えられた場合、ピリオドはペナルティーキックが完了したときに終了すると考える。キックは、ボールがインプレーとなった後、次のいずれかになったとき、完了したと考える。
● ボールの動きが止まった、またはアウトオブプレーになった。
● ボールが、守備側ゴールキーパーを除く、いずれかの競技者(キッカー本人も含む)によってプレーされた。
● キッカーまたはキッカーの味方競技者に反則があり、主審・第2審判がプレーを停止した。
2. 反則と罰則
主審・第2審判がペナルティーキックを行う合図をしたならば、キックは行われなければならない。キックが行われなかった場合、主審・第2審判は、再びキックを行う合図をする前に懲戒処置をとることができる。
ボールがインプレーになる前に、次のいずれかが起きた場合、
● キックを行う競技者またはその味方競技者が反則を行い、
•ボールがゴールに入った場合、キックは、再び行われる。
•ボールがゴールに入らなかった場合、主審・第2審判は、プレーを停止し、相手チームのフリーキックで再開する。
ただし、ボールがゴールに入ったかどうかにかかわらず、次の場合、プレーは停止され、相手チームのフリーキックで再開される。
•ペナルティーキックが後方にけられる。
•特定されたキッカーの味方競技者がキックを行う。主審・第2審判は、キックを行った競技者を警告する。
•競技者が助走を完了した後、ボールをけるためにフェイントをする(助走中のフェイントは、認められる)。主審・第2審判は、そのキッカーを警告する。
● 守備側ゴールキーパーが反則を行い、
•ボールがゴールに入った場合、得点が認められる。
•ボールがゴールに入らなかった、またはクロスバーやゴールポストからはね返った場合、ゴールキーパーの反則が明らかにキッカーに影響を与えたときのみ、キックは、再び行われる。
•ボールがゴールキーパーによりゴールに入るのを阻止された場合、キックは、再び行われる。
ゴールキーパーが反則を行った結果キックが再び行われた場合、その試合において最初の反則については注意が与えられる。以降、同じ競技者が反則を行った場合、その競技者は警告される。
● 守備側ゴールキーパーの味方競技者が反則を行い、
•ボールがゴールに入った場合、得点が認められる。
•ボールがゴールに入らなかった場合、キックは、再び行われる。反則を行った競技者は、その試合において最初の反則であれば注意が与えられ、その試合でひき続き反則を行った場合は、警告される。
● 競技者がより重大な反則(例えば不正なフェイント)を行った場合を除き、両チームの競技者が反則を行った場合、キックは、再び行われる。反則した競技者はその試合において最初の反則については注意が与えられる。同じ競技者がその試合でひき続き反則を行った場合は、警告される。また、競技者がより重大な反則(例えば、不正なフェイント)を行った場合、相手競技者にフリーキックが与えられ、反則を行った競技者は注意されることなく、警告される。
● 守備側ゴールキーパーとキッカーが同時に反則を行った場合、キッカーは、警告され、守備側チームのフリーキックでプレーは再開される。
ペナルティーキックが行われようとしたとき、ボールの方向に動きキッカーを妨害した相手競技者は、5mの最小距離を守っていたとしても、警告されなければならない。
ペナルティーキックが行われたのちに、
● 他の競技者がボールに触れる前に、キッカーがボールに再び触れる。
•反則が行われた場所が守備側チームのハーフ内であった場合、反則があった場所から行わるフリーキックが相手チームに与えられる。反則が行われた場所が自分のハーフ内であった場合、ピッチの中央から行われるフリーキックが相手チームに与えられる(ただし、反則がハンドの反則であった場合、反則が起こった場所からフリーキックは行われる)。
● ボールが前方に進行中、外的要因がボールに触れる。
•キックは再び行われる。ただし、ボールがゴールに入りそうで、その妨害がゴールキーパーまたは守備側競技者がプレーするのを妨げておらず、(ボールとの接触があっても)ボールがゴールに入った場合、攻撃側チームによる妨害でなければ、得点を認める。
● ボールがゴールキーパー、クロスバー、ゴールポストからピッチ内にはね返ったのち、外的要因がボールに触れる。
•主審・第2審判は、プレーを停止する。
•プレーは、外的要因がボールに触れた場所で、ドロップボールにより再開される。
3. 要約表
ペナルティーキックの結果 | |||
反則 | ボールがゴールに入る | ボールがゴールに入らない | 再開の位置 |
攻撃側競技者による侵入 | ペナルティーキックを再び行う | 守備側チームのフリーキック | 反則が行われた場所 |
守備側競技者による侵入 | 得点 | ペナルティーキックを再び行う | ー |
守備側競技者および 攻撃側競技者による侵入 |
ペナルティーキックを再び行う | ペナルティーキックを再び行う | ー |
ボールが後方にけられた | 守備側チームのフリーキック | 守備側チームのフリーキック | 仮想のペナルティーマーク |
特定されていないキッカー | 守備側チームのフリーキック +特定されていないキッカーに警告 |
守備側チームのフリーキック +特定されていないキッカーに警告 |
仮想のペナルティーマーク |
不正なフェイント | 守備側チームのフリーキック +キッカーに警告 |
守備側チームのフリーキック +キッカーに警告 |
仮想のペナルティーマーク |
ゴールキーパーによる反則 | 得点 | セーブされない: ペナルティーキックは再び行われない (キッカーが影響を受けていない限り) セーブされる: ペナルティーキックを再び行い、 ゴールキーパーに注意、以降の反則には警告 |
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ゴールキーパーおよび キッカーが同時に反則を行う |
守備側チームのフリーキック +キッカーに警告 |
守備側チームのフリーキック +キッカーに警告 |
仮想のペナルティーマーク |
第15条 キックイン/スローイン
キックインもしくはスローインは、ボールがインプレー中、グラウンド上もしくは空中でボールの全体がタッチラインを越えたとき、または試合が室内のピッチで行われる場合、会場の天井に触れたとき、最後にボールに触れた競技者の相手競技者に与えられる。
キックイン/スローインから直接得点することはできない。
● ボールが相手競技者のゴールに入った場合、ゴールクリアランスが与えられる。
● ボールがキックイン/スローインを行った競技者のゴールに入った場合、コーナーキックが与えられる。
1. 進め方
2種類の進め方がある。
● キックイン
● スローイン
すべての相手競技者は、キックイン/スローインが行われる場所のタッチライン上の地点から少なくとも5m離れて立っていなければならない。
チームがボールをインプレーにする準備ができてから、またはチームが準備できたと主審・第2審判が合図してから、4秒以内にボールをインプレーにしなければならない。
戦術的な理由でプレーの再開を遅らせた場合、主審・第2審判は、競技者がキックイン/スローインをする準備ができているかどうかにかかわらず、笛を吹いて4秒のカウントを始める。
ボールがキックイン/スローインからピッチに入らなかった場合、主審・第2審判は相手チームの競技者にキックイン/スローインを行うように命じる。
競技者がキックイン/スローインを正しく行い、不用意でも、無謀でも、または過剰な力を用いることもなく、意図的にボールを相手競技者に向けてけるもしくは投げて、はね返ったボールを再び自分のものとした場合、主審・第2審判はプレーを続けさせることができる。
キッカー/スローワーは、他の競技者が触れるまで再びボールに触れてはならない。
キックイン
ボールを入れるとき、キッカーは、次のようにボールをけらなければならない。
● ピッチに面して立つ。
● それぞれの足の一部が、タッチライン上またはタッチラインの外のグラウンドについている。
● ボールがピッチを出た地点のタッチライン上またはタッチラインに近いピッチの外のグラウンドから、静止しているボールをける。
キックインをタッチラインから行わなかった場合、ボールがピッチに入ったら即座にインプレーとなる。キックインをタッチラインから行った場合、ボールが明らかに動いたら即座にインプレーとなる。
スローイン
ボールを入れるとき、スローワーは、次のようにボールを投げなければならない。
● ピッチに面して立つ。
● 両足ともその一部をタッチライン上またはタッチラインの外のグラウンドにつける。
● ボールがピッチを出た地点から、両手でボールを頭の後方から頭上を通す。
ボールがピッチに入ったら即座にインプレーとなる。
2. 反則と罰則
ボールがインプレーになって、他の競技者が触れる前にキッカー/スローワーがボールに再び触れた場合、守備側のハーフ内で反則が行われた場合は反則があった場所から、自分のハーフ内で反則が行われた場合はピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。ただし、キッカー/スローワーがハンドの反則を行った場合、
● 反則の位置から行われるフリーキックが与えられる。
● キッカー/スローワーがゴールキーパーであった場合を除き、キッカー/スローワーのペナルティーエリア内で反則があった場合、ペナルティーキックが与えられる。ただし、(キッカー/スローワーだった)守備側ゴールキーパーがボールを手や腕で扱った場合、ピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。
キッカー/スローワーを不正に惑わせる、または遅らせる(キックイン/スローインが行われる地点から5m以内に近寄ることを含む)相手競技者は、反スポーツ的行為で警告される。キックイン/スローインが既に行われた場合、守備側チームのハーフ内で反則が行われた場合は反則があった場所から、自分のハーフ内で反則が行われた場合はピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。
その他の反則があったならば、キックイン/スローインが4秒以内に行われなかった場合も含めて、相手チームにキックイン/スローインが与えられる(相手チームは、キックインまたはスローインのいずれかを選択することができる)。
第16条 ゴールクリアランス
ゴールクリアランスは、グラウンド上または空中にかかわらず、最後に攻撃側競技者が触れたボールの全体がゴールラインを越え、得点とならなかったときに与えられる。
ゴールクリアランスからは直接得点することはできない。ボールがゴールクリアランスを行ったゴールキーパーのチームのゴールに直接入った場合、相手競技者にコーナーキックが与えられる。ボールがゴールクリアランスを行わなかったチームのゴールに直接入った場合、行わなかったチームにゴールクリアランスが与えられる。
1. 進め方
● ボールは、ペナルティーエリアの任意の地点から守備側チームのゴールキーパーによって投げられるまたはリリースされる。
● ボールは、投げられるまたはリリースされて明らかに動いたときにインプレーとなる。
● チームがボールをインプレーにする用意が出来てから、または主審・第2審判がインプレーにする用意ができたことを合図してから、4秒以内にボールをインプレーにしなければならない。
● 相手競技者は、ボールがインプレーになるまで、ペナルティーエリアの外にいなければならない。
2. 反則と罰則
ゴールクリアランスを行ったゴールキーパーが、ボールがインプレーになった後、他の競技者が触れる前に、ボールに再び触れた場合、反則が行われた場所が相手のハーフ内であった場合は反則があった場所から、自分のチームのハーフ内であった場合はピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。ただし、ゴールキーパーがハンドの反則を行った場合、
● 反則があった場所がゴールキーパーのペナルティーエリアの外であった場合は、フリーキックは反則が行われた場所から行われる。
● 反則があった場所がゴールキーパーのペナルティーエリア内であった場合は、フリーキックはピッチの中央から行われる。
ゴールクリアランスが4秒以内に行われなかった場合、ピッチの中央から行われるフリーキックが相手チームに与えられる。
ゴールクリアランスが行われるとき、相手競技者が出る時間がなくペナルティーエリアに残っていた場合、主審・第2審判はプレーを続けさせることができる。
ペナルティーエリア内にいる、またはボールがインプレーになる前にペナルティーエリアに入った相手競技者が、ボールがインプレーになる前にボールに触れる、またはチャレンジした場合、ゴールクリアランスは再び行われる。
ボールがインプレーになる前に競技者がペナルティーエリアに入って、ファウルした場合、または相手競技者によりファウルされた場合、ゴールクリアランスが再び行われ、反則を行った競技者は、その反則により警告または退場が命じられることがある。
その他の反則があったならば、ゴールクリアランスは再び行われる。反則がゴールクリアランスを行うチームによって行われた場合、4秒カウントはリセットせず、ゴールキーパーが再びゴールクリアランスを行う準備ができてからカウントを続ける。
第17条 コーナーキック
コーナーキックは、グラウンド上または空中にかかわらず、最後に守備側競技者が触れたボールの全体がゴールラインを越え、得点とならなかったときに与えられる。
相手チームのゴールに対する限り、コーナーキックから直接得点することができる。ボールがキッカーのゴールに直接入った場合、相手競技者にコーナーキックが与えられる。
1. 進め方
● ボールは、ゴールラインを越えた地点にもっとも近い方のコーナーエリアの中に置かなければならない。
● キッカーは、ボールの位置を高くするために、自分の足かボールで小さな砂の山をつくることができる。
● ボールは、静止していなければならず、攻撃側チームの競技者によってけられる。
● チームがボールをける準備が出来てから、またはチームが準備できたと主審・第2審判が合図してから、4秒以内にボールをインプレーにしなければならない。
● ボールは、けられて明らかに動いたときにインプレーとなる。コーナーエリアを出る必要はない。
● コーナーフラッグポストを動かしてはならない。
● 相手競技者は、ボールがインプレーになるまで、仮想のコーナーアークから少なくとも5m離れていなければならない。
2. 反則と罰則
ボールがインプレーになって、他の競技者が触れる前にキッカーが再びボールに触れた場合、反則が行われた場所がピッチの相手のハーフ内であった場合は反則があった場所から、反則が行われた場所がピッチの自分のハーフ内であった場合はピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。キッカーがハンドの反則を行った場合、
● 反則があった場所から行われるフリーキックが与えられる。
● キッカーがゴールキーパーであった場合を除き、反則がキッカーのペナルティーエリア内であった場合は、ペナルティーキックが与えられる。ただし、キッカーがゴールキーパーであった場合は、ピッチの中央から行われるフリーキックが与えられる。
競技者がコーナーキックを正しく行い、不用意でも、無謀でも、または過剰な力を用いることもなく、意図的にボールを相手に当てて、はね返ったボールを再び自分のものとした場合、主審・第2審判はプレーを続けさせることができる。
キックを行うチームによるその他の反則があったならば、コーナーキックが4秒以内に、またはコーナーエリア内から行われない場合を含めて、ゴールクリアランスが相手チームに与えられる。守備側チームによるその他の反則があったならば、キックは再び行われる。