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浦和、3度目のアジア制覇をかけてアルヒラルと対戦 ~AFCチャンピオンズリーグ2019~
2019年11月06日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2019もいよいよ大詰めとなり、11月9日(土)と24日(日)に決勝を迎え、浦和レッズが通算3度目の優勝と日本勢3連覇をかけてサウジアラビアのアルヒラルと対戦します。
この顔合わせは、2017年大会決勝と同一カード。2年前の決勝ではリヤドでの第1戦で浦和がアウェイゴールを挙げて1-1で乗り切り、ホームに戻っての第2戦をラファエル シルバ選手の2戦連続得点で1-0と勝利。2戦合計を2-1として、10年ぶり2度目のアジア制覇を遂げました。
今回はその2017年、昨年の鹿島アントラーズの初制覇に続いて日本勢として初の3連覇もかかっています。現行のACL体制では同一国による3連覇はまだありません。1967年に始まった旧アジアクラブ選手権時代でも実現したのは韓国のみ(1995~1998年)で、いかに難しいかが分かります。
今回浦和が対戦するアルヒラルは、その旧体制で1991年と2000年にアジアの頂点に立ちました。しかし、2002年のACL発足以降は2014年、2017年に決勝進出をしたものの準優勝に終わっています。今回は2年前の浦和との対戦があるだけに、クラブとしてリベンジの思いが強いのは言うまでもありません。
攻撃力のあるアルヒラル
アルヒラルは今大会、日本代表のMF中島翔哉選手が所属していたアルドゥハイル(カタール)、塩谷司選手のアルアイン(UAE)と同じグループを4勝1分1敗で1位突破すると、8月のノックアウトステージ1回戦のラウンド16でアルアハリ(サウジアラビア)にアウェイ4-2、ホーム0-1の2戦合計4-3で勝利。準々決勝では2大会優勝の経験がある同郷の強豪アルイッテハドをアウェイ0-0、ホーム3-1で下して4強へ勝ち進みました。
そして準決勝ではカタールのアルサッドと対戦。10月1日のアウェイ戦では前半のうちに10人になったアルサッドに4-1で勝利。同22日のホームでは2-4とされましたが、2戦合計6-5で競り勝って、3度目の決勝進出を決めました。
順調に歩みを進めて来たように見えますが、実は4月下旬には監督交代もありました。キングズカップ準決勝での大敗でクロアチア人のゾラン・マミッチ監督が解任となり、その後、国内リーグが終わる5月半ばまで、かつて大分を率いたブラジル人のペリクルス・チャムスカ氏が暫定監督として指揮。そして、ルーマニア出身のラズヴァン・ルチェスク現監督が着任したのは7月でした。
昨季PAOKをギリシャリーグとカップのダブル優勝に導いたルチェスク監督は、ACLは8月のラウンド16から、国内リーグでは8月23日の今季初戦から采配を振い、チームは今季開幕戦から6勝2分1敗で首位をキープしています。
リーグでは開幕から9試合で26得点をマーク。これはリーグ断トツの得点力で、10月27日にアルナスルに今季初黒星を喫した試合でも得点は挙げています。
主力得点源は元フランス代表FWベフェティンビ・ゴミス選手と、ブラジル出身MFカルロス・エドゥアルド選手です。ゴミス選手はリーグ3戦連続5得点をマーク。ACLでは大会トップの10得点を挙げています。
また、今年1月から元イタリア代表のFWセバスチャン・ジョヴィンコ選手が加入し、7月にはベンフィカからペルー代表ウィングのアンドレ・カリージョ選手とFC東京から韓国代表DFチャン・ヒョンス選手が加わりました。さらに、10番を付けるベテランMFモハマド・アルシャルフーブ選手、MFサラム・アルファラジ選手、MFサレム・アルドウサリ選手らサウジアラビア代表選手を多く擁しています。
アルヒラルは3日(日)に行われた今季のキングズカップ1回戦で2部のアラルに4-1で勝利しましたが、週末の浦和との決勝を睨んでメンバーを入れ替えての試合でした。5日(火)からは戦術練習を再開したとクラブ公式サイトが伝えており、浦和との大一番へ着々と準備を進めている様子がうかがえます。
浦和、早目の現地入りで調整へ
浦和はグループステージを3勝1分2敗で、韓国の全北現代に次いで2位で突破しました。ラウンド16で蔚山現代(韓国)にホームで1-2と黒星を喫した後、アウェイで3-0と逆転して2戦合計4-2で勝利。準々決勝では中国強豪の上海上港にホームで1-1、アウェイで2-2と粘り、アウェイゴールの差で4強進出を決めました。
準決勝では中国の広州恒大と対戦し、2度の大会優勝経験者同士の対決をホームで2-0、アウェイで1-0と制して決勝へ駒を進めてきました。
FW興梠慎三選手は得点嗅覚の鋭さを発揮。広州での決勝点で今大会得点は8点目。ACL通算得点を日本人最多の26に伸ばしています。
U-22日本代表にも選出されているMF橋岡大樹選手は、左サイドでプレーするMF関根貴大選手と共にキレも鋭く、DF岩波拓也選手、DF鈴木大輔選手、DF槙野智章選手の守備陣を中心に運動量と集中の高さで相手の動きに冷静に対応するチームの守備は、今大会で試合を経るごとに強固さを加えてきています。
決勝第1戦ではGK西川周作選手が、準決勝第2戦で受けた警告が累積2枚目となり出場できませんが、代わりに先日の鹿島戦に今季初先発でフル出場したGK福島春樹選手がゴールを守ります。
決勝進出決定の影響でJリーグでは中2日や3日での連戦となり、10月29日(火)広島戦と11月1日(金)鹿島戦をアウェイで、5日(火)の川崎戦をホームで対戦して1分2敗で順位は11位ですが、今季唯一残されたタイトルであるACLへ賭ける思いはより一層の強さがあります。
5日の川崎戦はACL決勝を考慮して選手を入れ替えて戦い、試合後の深夜にはサウジアラビアへ向けて出発。時差もあり、日本より暑い現地に適応してアルヒラル戦に臨みます。
アルヒラルはホームで持ち前の攻撃力を発揮して猛攻を仕掛けてくると思われますが、浦和は中東クラブ特有のスタジアムの雰囲気にのまれずに、これまで同様に連係のとれた粘り強い守備で失点を防ぎ、素早い切り換えからゴールを狙いたいところです。
決勝第1戦は11月9日(土)19:30(日本時間10日、1:30)キックオフの予定です。第2戦は11月24日(日)19:00から埼玉スタジアムにて行われます。
大会期間:
プレーオフ:2019年2月5日(火)~19日(火)
グループステージ:2019年3月4日(月)~5月22日(水)
ラウンド16:2019年6月18日(火)~8月13日(火)
準々決勝:2019年8月27日(火)~9月18日(水)
準決勝:2019年10月1日(火)~10月23日(水)
決勝:第1戦/2019年11月9日(土)、第2戦/2019年11月24日(日)