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「次のステージにつながる活動にしてほしい」高橋健介フットサルインドネシア代表監督インタビュー 第15回 全日本大学フットサル大会
2019年08月22日
第15回 全日本大学フットサル大会が8月23日(金)に開幕します。ここでは大学時代に順天堂大学ガジルを立ち上げ、その後フットサル日本代表にまで登りつめた高橋健介さん(現フットサルインドネシア代表監督)に、大学時代の思い出や大会に出場する選手へのメッセージを聞きました。
――大学時代の一番の思い出は何ですか?
高橋 やっぱりフットサルですね。大学3年まではサッカー部で活動していましたが、その頃にフットサルと出合って3年生の終わりにはプレデター(現バルドラール浦安)の練習生になっていました。また、自分たちの年代でフットサルの同好会(現在の順天堂大学フットサル部ガジル)を立ち上げて、プレデターで練習したことを自分なりに解釈し、選手兼コーチとしてみんなに伝えていました。現在、インドネシアの代表監督をしていますが、僕自身の指導者のキャリアは、その時から既にスタートしていたとも言えるかもしれません。
――順天堂大学ガジルは、大学フットサルを代表するチームになりました。当時はどんなチームだったのでしょうか。
高橋 競技の側面でいうと、レベルは低かったですね。当時、朝練習だったのですが、集まってくるのは私とマネージャーと、もう一人、二人いるかなというくらいで、まさに同好会という感じでした。私にとっては自主トレの場所であり、プレデターで分からなかったことを消化するすごく重要な場所だったんです。プレデターに一員として、当時日本最高峰リーグだった関東リーグの試合に出ながら、ガジルで学生リーグに出て自信と経験をつけていきましたね。今も何年かに一度は練習を見に行くことがありますが、私が選手だった当時とは、全く違ってしっかり取り組んでいますね。
――高橋さんは、どんな大学生だったんですか?
高橋 それなりに文武両道だったんじゃないかなと思いますね(笑)私の夢は教師になることだったので、サッカーだけではなく勉強との両立は常に意識していました。蹴球部でも「サッカーで成長するプロセスと勉強ができるようになるプロセスは一緒なのだから良い成績を取りなさい。勉強面で成長しない選手がサッカーで成長するはずがない」と言われたことに納得できたことで、さらにできることはしっかりやろうと考えていました。テストの合計点は学年で一桁台に入っていることも多かったですし、最終的には首席で卒業しました。また、フットサルでも2004年にチャイニーズ・タイペイで行われたフットサル世界選手権(現FIFAフットサルワールドカップ)に出場したので、オリンピックの出場選手とともに表彰されるはずだったのですが、卒業式と代表合宿が重なっていたので卒業式に出られなかったんです。周りからは「変わっちゃったね」とイジられましたね。
――本大会にはどのような印象がありますか?
高橋 私が大学生の時は、まだこの大会がなかったのでうらやましいというのはあります。自分の立場としては、この大会からFリーグやフットサル日本代表、そして海外でプロを目指したいという選手が一人でも多く出てくるようになることを願っています。大学フットサルの環境は、Fリーグのクラブの環境とも近い、もしくはそれ以上に成長するための時間や環境があると思いますし、今のフットサル界にとってはすごく貴重な環境だと思います。
――トップレベルで活躍するためには、何が必要ですか?
高橋 本当にそうなりたいのかどうかだと思います。そう本気で思えれば自然とそのためにはどうするかを考えると思います。「Fリーグでプレーしたい」「日本代表でプレーしたい」ならば、その時に何をやるべきか。そしてやれることを全部やっているのか。自分と向き合って、なりたい自分の姿から逆算していけば、今、何をすればいいかが変わってくると思います。
――長らく日本代表として活躍した高橋監督は今、インドネシアで指導者をしていますが、どのようなことをしていますか?
高橋 フットサルのインドネシア全カテゴリーの代表監督ですね。フル代表に加えて、U-20フットサルインドネシア代表、フットサルインドネシア女子代表でも指揮を執っています。
――大学生年代の指導者にアドバイスはありますか?
高橋 カテゴリーからすると、一般的には、代表チームの監督と大学生チームの監督では、大学生チームの監督の方が下に見られるのかもしれません。でも、実際は下の年代に行けば行くほど、指導者の能力がより高くないと務まらないなと痛感しています。特にインドネシアに来てフットサルの経験が浅い若い選手が多いので自分の伝え方一つで、選手が混乱してしまうということを何度も経験してきました。トッププレーヤーなら少し伝えれば理解されることが、育成年代だとなかなか伝わり切らない。その中で理解してもらえない根本的な原因を探してチームを積み上げていくのは大変なことなので、大学生チームの指導者を含め、育成年代の指導者にはリスペクトしかありませんね。いつかいろいろと情報をシェアできるとうれしいと思っています。それぞれの指導者の情熱がそれぞれのチームの色となって表現されて、試行錯誤した毎日の見えない努力が結果となって現れることを願っています。そして、頑張っている指導者がいるチームが目標を達成して、その価値を高めてほしいとは思います。
――最後に今大会に出る選手たちにメッセージをお願いします。
高橋 どのようなステージに進むにせよ、次につながる活動にしてほしいです。フットサルを真剣にやることが、次につながります。フットサルは人数が少なく、再現性をトレーニング、分析によって高めることができると思います。その一連の流れは人生勉強になりますし、そこに感情が入った時、成長や記憶が定着するとも言われています。若い選手というのは、一つの試合でもぐんと成長します。この大会で最後と思っている人も、もしかしたらさらにチャレンジを続けよう、次の目標を目指そうとなるかもしれません。全部をかけてやるからこそ、その感情が動きます。大学の仲間とボールを蹴る最後の大会という人もいるでしょう。真剣に取り組み、一つ一つやれることをやり切って、大きな学びの場にしてほしいと思います。
第15回 全日本大学フットサル大会
大会期間:2019/08/23(金)~2019/08/25(日)
会場:大阪府/岸和田市総合体育館
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