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山梨県サッカー協会が「JFA+PUSHコース」を開催
2020年02月26日
日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と「JFA+PUSHコース」(簡易救命講習会)を2017年から実施しています。
「JFA+PUSHコース」は、特別な医学の知識がなくても小学生から保護者・指導者まで、2時間ほどで手軽に学ぶことができます。
2月8日(土)山梨県サッカー協会事務局会議室で、チーム関係者32名が参加しました。熱中症・脳振盪(のうしんとう)などの講義と、実技では心肺蘇生の中でも最も重要な胸骨圧迫と、AED(自動体外式除細動器)の使い方を学習しました。受講者はAEDの重要性を認識し、日常における突発事案に対して設置場所を意識するなど、AEDへの関心も高まりました。
※AEDのご購入・リースは、「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
講師コメント
本間洋輔 先生(東京ベイ・浦安市川医療センター救急集中治療科)
JFA+PUSHコースで講義と実技を担当させていただきました。山梨県では初の開催とのことでしたが、1種~シニア・女子チームの各カテゴリーからそれぞれ参加していただき、今後山梨県内で広げて行きたいという想いを感じることができました。座学と実技で合計約2時間のコースですが、みなさま積極的に参加していただき休憩時間や終了後もたくさんの質問をいただきました。心肺蘇生の実技であるPUSHコースでは、みなさまモチベーション高く参加していただき大変盛り上がる講習となりました。サッカーに関わる全ての人を守るために、これからもっと広げていければと思っております。ご参加いただいた皆様、山梨県サッカー協会の皆様ありがとうございました。
受講者コメント
天野進 さん
簡易救命講習会に参加しました。前半の1時間は、熱中症・脳振盪・アナフィラキシー・窒息について講義を受講しました。普段から選手たちにサッカーをする場を提供する目的で企画・運営に携わっています。その中で特に安心・安全面に気を配っているつもりでいましたが、ピッチ上にある危険・試合中のケガ等以外のリスクについて学ぶことが出来るとともに、大きな責任があることに気付かされました。後半の「PUSH」によるCPR(心肺蘇生法)では胸骨圧迫による心肺蘇生、AEDの使用方法を体験しました。今回の講習会以前には胸骨圧迫の効果を意識することはありませんでした。
この講習会で胸骨圧迫について理解することができ、講習会を受けずに万が一の事態が発生した場合を考えると恐ろしくなってしまいました。胸部圧迫による心肺蘇生についてはすぐに伝えることが出来そうなので、早速関係者に伝え、安心・安全な環境を作ることに役立てていきたいと思います。
野口徹 さん
(一社)山梨県サッカー協会で開催された「簡易救命講習会(JFA+PUSHコース)」を受講しました。今回の講習内容は【脳振盪及び心肺にかかわる知識と対応】を主とした講習会とのことでしたが、改めて「脳振盪」「熱中症」「アナフィラキシー」といった、命につながる事象とその対応について学ぶことができました。
まずは、脳振盪についてです。特にAEDについては、今迄も何度か講習会など受講したことがありますが、今回、実際に体験することで、より深く学ぶことができました。
例えば、心肺蘇生トレーニングツール、「あっぱくんライト」を使用した、リズムとタイミングを計りながらの心臓マッサージ(胸骨圧迫)は、なかなか大変ではありましたが、いざというときに行動に移せるという自信につながりました。また、それに関連して、AEDを使用するまでにすべきことや、心臓マッサージを行い、脳に血液を送ることの大切さ、救急車が来るまでに出来る事、AEDを使用し蘇生した後も後遺症が起こる可能性があるということなど、改めて学ぶことができました。また、スポーツ脳振盪評価ツールや、復帰プログラムというものがあり、医学的見地からも、脳振盪については、非常に素早く的確な対応が求められるものなのだということがよくわかりました。
さらに、熱中症やアナフィラキシーといった、よく聞くけれども、実際に対応することになったら、焦ってしまうだろうなと感じていた対応方法について知ることができました。特にアナフィラキシーについては、知識と行動力がカギとなると感じました。
今回は、ピッチで起こりうる、脳振盪、熱中症、アナフィラキシーについての講習でしたが、いつ、その現場に立ち会うとも限りません。でも、一人でも多く、知識を持ち、行動できる人が携わることで、救命の確率が上がることは確かです。そのためにも、今後もこの様な講習会をサッカー関係者のみならず大勢の方々に受講していただければ良いと思います。私自身も機会があれば、「スポーツ救命ライセンス講習会」を受講してみたいと思います。最後になりましたが、今回の講習会開催に携わっていただいた皆様に感謝申し上げます。