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都道府県サッカー協会取り組み紹介‐キッズの取り組み(三重県サッカー協会)
2015年10月13日
各都道府県サッカー協会の方針や活動内容を、「シニア」「第1種」「第2種」「第3種」「第4種」「キッズ」「女子」「フットサル」「ビーチサッカー」「審判委員会」「施設委員会(環境整備)」「技術委員会」「障がい者サッカー」の13テーマの下、紹介しています。全国各地でどのような活動が行われているのか、この機会にぜひご一読ください。
今回も引き続きキッズの取り組みを紹介いたします。
※以下の寄稿記事は、JFAnews2015年9月情報号「REGIONAL NEWS」コーナーにも掲載されています。
キッズの取り組み~三重県サッカー協会
城利英 技術委員長、中田一三 MM5プロジェクトリーダー
《「共に育つ」三重県サッカーのあしたづくり》
三重県サッカー協会では2012年まで、キッズ年代の普及・育成事業をキッズ委員会に一任する形で行ってきました。保育園、幼稚園への巡回教室やフェスティバルの開催などを通じて、サッカーと出会う子どもの数は確実に増加しています。しかし、リーグ戦などの定期的な試合経験やトレセンなどの刺激ある環境が与えられる10歳頃までは、各選手の生活圏内に熱心なチームがあるか否かに依存する部分が多く、地域によって育成環境に格差が生じていることが課題でした。
そこで、2021年に開催される三重国体まで10年を切った2012年に、技術、4種、キッズの3委員会が連携して「三重ミッション5(以下、MM5)」をスタートさせました。
MM5はU-8(地域によってはU-9)以下を対象に、4種の各地域協会(全12地域)とキッズインストラクターを中心として各地域で展開。目的は「三重国体以降も続くような、永続的で刺激ある育成環境の創出」です。ここでいう〝刺激""には、選手だけでなくわれわれ指導者も含まれています。
「選手がいるから指導者でいることができる」―。日ごろチーム単位で活動している指導者が、MM5の目的や指針を共有しながらトレーニングやディスカッションを重ねます。その内容はインストラクターからの事前指導案の配信、当日の指導シミュレーションおよび指導実践、地域に配置されたダイレクターの視察などで、指導力向上の機会としても積極的に取り組んでいただいています。初年度は6地域での開催でしたが、「ベクトル合わせ」(本協会が年数回開催する、全種別が集う研修会の名称)でキッズ年代の重要性を何度も発信したり、開催報告をキッズ委員会のホームページ(http://www.fa-mie-kids.jp/index.html)に掲載するなど地道な活動を続けた結果、MM5への関心が徐々に高まってきたように感じます。そして何より地域協会のご理解・ご尽力のもと、2014年度には11地域、延べ2000人以上の選手が参加する事業に拡大しました。
2013年度からは、「MM5ALL三重U-9」と題して、8歳の時にMM5に参加した各地域の選手が県内の同年代選手と刺激し合う場を年4回設けました。さらに年度末には、MM5の目的や指針の共有、指導力の向上を目的に、1泊2日の「MM5指導研修会」を企画。全地域からMM5に関わる指導者が集まりました。
MM5がスタートして今年で4年。一貫指導体制の確立を目指して、本年度より各地域の4種委員会がMM5の運営を行います。この移管によってトレセンとの連携もより密になることが期待されます。
選手と指導者が刺激を受け、共に育つ育成環境を整備し、その質をさらに向上させていくことで、県サッカーのあしたづくりに寄与したいと考えています。