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神戸、川崎、横浜FM、ACLEリーグステージ突破、広島はACL2ラウンド16で先勝
2025年02月13日
AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)2024/25東地区のリーグステージ第7節が2月11日(火)、12日(水)に各地で行われ、ヴィッセル神戸、川崎フロンターレ、横浜F・マリノスはそれぞれ勝利を挙げて、1節を残してノックアウトステージ進出を決定。AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)2024/25に参戦のサンフレッチェ広島は12日(水)、ラウンド16第1戦でナムディンFC(ベトナム)とのアウェイ戦を3-0で制して、ベスト8進出へ大きく前進しました。ACLEリーグステージ最終の第8節は2月18日(火)、19日(水)に開催。広島のACL2ラウンド16第2戦は19日(水)にホームで行われます。
神戸、中国リーグ王者に圧勝
昨季Jリーグ連覇を達成した神戸は11日(火)、ホームで昨季中国スーパーリーグを制した上海海港と対戦。武藤嘉紀選手らのゴールで4-0の圧勝を収め、勝ち点を16として上位8チームに与えられるリーグステージ突破を決めました。
広島に敗れた8日(土)のFUJIFILM SUPER CUPから大幅に先発を入れ替えた神戸は、昨季のリーグ連覇に力を発揮したメンバーで攻守に切り換えの速いプレーを披露。大きなサイドチェンジと汰木康也選手の左サイドでの仕掛けが効果的に機能して、早々から攻撃をたたみかけます。
先制は前半11分。汰木選手の左クロスを武藤選手が右足を振って先制すると、その5分後にはオフサイドになったものの、再び左サイドから攻撃で佐々木大樹選手がゴールネットを揺らす場面も披露し、厚みのある攻撃で相手を圧倒。横浜FMでも指揮を執ったケビン・マスカット監督が率いる上海海港は、昨季から外国人選手数名が入れ替わった影響か、守備がはまらず、自陣での対応を迫られる展開となります。
後半も神戸主導は変わらず、54分には鍬先祐弥選手が得点。そのリスタート直後には、2得点に絡んできた汰木選手が武藤選手のクロスに右足を合わせて3-0とします。78分にはPKを獲得。ここでは大迫勇也選手のキックがGKイエン・ジュンリン選手に阻止されましたが、その3分後に大迫選手が扇原貴宏選手の右サイドからのFKに右足を合わせて得点し、4-0としました。
終わってみれば、神戸はシュート21本を放ち、相手のシュートは3本に抑える猛攻で5勝目をマーク。一方の上海海港は、リーグステージ突破をホームで迎える横浜FMとの最終戦にかけることになりました。
神戸は次節18日(火)にアウェイで上海申花(中国)と対戦します。
川崎、浦項に4得点の快勝で新体制初白星
川崎は11日(火)にアウェイで浦項スティーラーズ(韓国)と対戦。山田新選手の前半の先制ゴールを皮切りに、前半終了直前に退場者を出した相手に後半3ゴールを決めて、5勝目で3位に浮上し、16強入りが確定しました。
ここまで4勝2敗で勝てばリーグステージ突破が決まる川崎は、今季から指揮を執る長谷部茂利監督の下、攻守に積極的なプレーを披露。川崎とは勝ち点3差で、リーグステージ突破に勝利が欠かせない浦項にゴールに迫られる場面もあるものの、しっかり競り合う姿勢を見せて簡単にプレーさせません。攻撃でも、左右のクロスを生かしたワイドな展開が機能し、得点につながります。
先制は前半38分。右サイドに入った新加入の伊藤達哉選手に一度預けてゴール前に入った山田選手が、伊藤選手のクロスに頭で合わせて均衡を破りました。
その後、43分に相手DFが山田選手へのファウルで2枚目の警告を受けて退場となり、後半は川崎が攻勢に試合を進めます。
71分、右サイドの高い位置で佐々木旭選手が相手にプレッシャーをかけてボールを奪い、ゴール前にクロス。山田選手が落としたボールを脇坂泰斗選手がゴールに突き刺して2-0。その3分後には、左サイドでの仕掛けから山本悠樹選手がゴール前に上げたボールに河原創選手が合わせて3-0とリードを広げます。最後は88分に左CKの流れから河原選手のシュートリバウンドに反応したエリソン選手が頭で押し込みました。
守備でも最後まで気を抜くことなく無失点で終了。新体制をアウェイでの白星でスタートしました。
川崎は次節18日(火)にホームでセントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)と対戦します。
横浜FM、4連勝でACLE首位をキープ
11日(火)に行われた他チームの結果を受けてノックアウトステージ進出となる上位8チーム入りが確定していた横浜FMは12日(水)、ホームで上海申花(中国)と対戦。ヤン・マテウス選手のゴールで1-0の勝利を収めて、4連勝で勝ち点を16に伸ばして首位をキープしました。
イングランド代表やチェルシーなどでコーチを務めたスティーブ・ホーランドを新監督に迎えて、横浜FMは新たに3バックを採用。新加入のジェイソン・キニョーネス選手や若手のジャン・クルード選手を先発に起用して臨みましたが、リーグステージ突破のために勝利が必要な上海申花の攻撃に序盤から押され気味の展開になります。
しかし、5シーズンぶりに古巣に復帰したGK朴一圭選手が好セーブでゴールを死守。相手の攻撃をしのぐと、横浜FMが前半20分に先制します。カウンターで前線へ攻め上がりペナルティエリアでパスをつなぐと、相手DFのこぼれ球を得たアンデルソン・ロペス選手がマテウス選手にパス。マテウス選手は左足でゴールに突き刺しました。
このゴールで流れを引き戻した横浜FMは、その後、ロペス選手や植中朝日選手、松原健選手らが相手ゴールを脅かす場面を作りましたが追加点はならず。上海申花もアグレッシブにゴールに迫りましたが、横浜FMはプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた朴選手を中心に最後までゴールを割らせず、ホーランド新監督の初陣を白星で飾りました。
横浜FMは次節19日(水)にアウェイで上海海港と対戦します。
なお、東地区このほかの試合ではジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)がアウェイでセントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)に2-1で勝利して3勝目。山東泰山(中国)はホームで光州FC(韓国)に3-1で勝ち、光州は2敗目を喫したもののノックアウトステージ進出が確定です。ブリーラム・ユナイテッド(タイ)はホームで蔚山HD(韓国)を2-1で下し、リーグステージ突破に前進しましたが、蔚山の16強入りの可能性はなくなりました。
この結果、東地区の順位は横浜FM(勝ち点16)、神戸(同16)、川崎(15)が1位から3位を占め、4位に光州(13)、ジョホールとブリーラムが勝ち点11で5位と6位に並び、7位に山東泰山(10)、リーグ突破ボーダーラインの8位には浦項(9)がつけています。9位は上海海港(8)、10位に上海申花(7)、11位に蔚山(3)と12位にセントラルコースト(1)となっています。
また、西地区ではACLE第7節を2月3日(月)と4日(火)に開催。アル・ヒラル(サウジアラビア)がヘルセポリス(イラン)に4-1、アル・ガラファ(カタール)はパフタコール(ウズベキスタン)に1-0、アル・ナスル(サウジアラビア)はアル・ワスル(UAE)に4-0で勝利。アル・アハリ(サウジアラビア)はアル・サッド(カタール)に3-1、アル・ラヤン(カタール)はアルアイン(UAE)に2-1で勝ちましたが、エステグラル(イラン)はアル・ショルタ(イラク)と1-1で引き分けています。この結果、この日までにアル・ヒラル、アル・アハリ、アル・ナスル、アル・サッド、アル・ワスルの上位5チームの16強進出が確定しています。
西地区の最終第8節は2月17日(月)、18日(火)に行われる予定です。
広島、アウェイでナムディンに3ゴールの先勝
広島は12日(水)、ACL2東地区のラウンド16第1戦でナムディンとアウェイで対戦し、3-0で勝って8強進出決定に大きく前進しました。
冬の日本から寒暖差のあるベトナムに乗り込んだ広島は、8日(土)のFUJIFILM SUPER CUPで神戸に勝って5度目の優勝を遂げた一戦から先発を1人変更。U-20日本代表でチームを離れた中島洋太朗選手に代わって川辺駿選手が中盤に入る布陣で臨みます。
前半は相手のファンが声援を送るなか、ナムディンがカウンターで攻め込む場面も作りますが、広島は落ち着いて対応。前半半ば過ぎに右サイドの攻撃やハーフタイム直前の連続CKのチャンスに相手ゴールに迫る場面も作りましたが、得点にはならず。前半をスコアレスで折り返すと後半は、菅大輝選手や中村草太選手ら交代選手が攻撃のリズムを作ります。
試合が動いたのは73分。ジャーメイン良選手の鋭いスルーパスを受けた中村選手がペナルティエリアの右から決めて先制。88分には、中盤で相手ボールを奪った田中聡選手がドリブルで相手3人をかわして左足を振って2-0。後半アディショナルタイムには、左サイド菅選手のボール奪取からジャーメイン選手がシュート。相手GKが押さえきれず、これを終盤交代出場の越道草太選手が捉えて3-0としました。
8強進出に大きく近づいた広島は、19日(水)にホームでナムディンとの第2戦に臨みます。
このほかのACL2東地区のラウンド16第1戦では、シドニーFC(オーストラリア)がホームでバンコク・ユナイテッド(タイ)と2-2で引き分けています。ポートFC(タイ)対全北現代モータース(韓国)、ムアントン・ユナイテッド(タイ)対ライオン・シティ・セーラーズ(シンガポール)の2試合は13日(木)に行われます。
監督・選手コメント
吉田孝行 監督(ヴィッセル神戸)
ホームで勝てたことはうれしいですし、なによりも内容的にも自分たちのやりたいサッカーができたのが良かった。前半はアグレッシブに自分たちがやりたいことをできましたし、後半は相手がだいぶ落ちてきたこともありますが、2点目、3点目を取れたので良かったと思います。点差が開いたことで、早めの交代もできました。この後は気持ちを切り替えて次のJリーグ開幕戦へ向けてしっかりみんなで準備していきたいと思います。
FW 大迫勇也 選手(ヴィッセル神戸)
しっかり勝ち点3を取れたことが全てですし、いい内容でいい勝ち方ができたと思います。「ここで突破を決めないと」という強い気持ちを持って臨んだので、いい流れで点を取れて良かったです。(自身のゴール場面は脛に当たったが)うまく流し込めたし、いいゴールだったと思います。(止められたPKは)決めないといけないシーンでした。やり続けたいと思います。FUJIFILM SUPER CUPでしっかり休めたので、(リーグ開幕戦となる)次の試合へ全力で臨めます。頑張りたいです。
長谷部茂利 監督(川崎フロンターレ)
これで次のラウンドに進めるので、大きな1勝でした。自分がこのチームに来ての初戦で、今季初戦でしたので勝利は非常にうれしいです。選手の意識が試合をやっていく中でどんどん良いものに変わっていって、プレシーズンから育んできたものがつながって、攻守にわたって良いプレーができていたと思います。リードしてから、切り替えなどを高い水準でできればもう少し意図した崩しにつながったと思うので、課題を持って次に向かっていきたい。まだまだ上げられると思っています。
FW 山田新 選手(川崎フロンターレ)
今年初の公式戦でアウェイでしたが、サポーターが声を出して背中を押してくれていました。笑顔で帰りたかったので勝ってノックアウトステージ進出を決めることができてほっとしています。(得点場面は)自分がさばいたあとだったので、確実にフリーになるなと思って、そこへ伊藤(達哉)選手が素晴らしいボールを上げてくれたので、うまく決めることができました。
スティーブ・ホーランド 監督(横浜F・マリノス)
チームにとって久しぶりの公式戦で勝てて良かったです。いいスタートが切れました。(監督キャリアで初勝利だが)どんな監督でも新しいクラブで早く1勝したいものです。取り組みが正しいと感じさせてチームに自信を与えて次へと成長していけるものになります。なので、この勝利はうれしく思います。選手たちもすべてを出してくれましたが、明日からまた改善していきたい。選手には自分の最大を出せるように、しっかり競争して自分を高め続けてほしいと思っています。
GK 朴一圭 選手(横浜F・マリノス)
しっかり勝てたことが一番です。今年は失点を減らすというチームの目標があるので、みんなでハードワークしてクリーンシートにできたことも良かった。前半に1つシュートストップがあって、相手に流れを持っていかせなかったのは良かったと思います。
FW 中村草太 選手(サンフレッチェ広島)
ジャーメイン選手から自分の得意とする動き出しのところでいいボールが来たので、あとは思い切り振るだけでした。(ホームでの第2戦へ)また来週もチームでいい準備をして、今日以上の内容とスコアで勝てるように頑張っていきたいです。