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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第53回 轟奈都子タイ女子代表・U-20女子代表GKコーチ
2021年06月30日
2021年3月18日にタイに渡航し、15日間の隔離期間を経て、4月2日から本格的な活動がスタートしました。最初の活動はタイ女子代表の10日間のキャンプでした。まずは、選手の分析、オンザピッチ・オフザピッチにおける様子や特長の把握、タイ女子代表としての活動を理解することから取り組みました。タイ女子代表の選手たちは非常に明るくて身体能力が高く、サッカーが上手くなりたいという向上心を持った選手が多いという印象です。一方、基本技術や基本戦術においては、まだまだ身についていない部分も多く、そういった基礎をしっかりと積み上げていく必要があると思いますが、同時に大きな可能性も感じています。
実際に指導していて、言葉の壁による制約はやはり感じますが、その分どのようにして伝えたら伝わりやすいのかを考え、試行錯誤しながらトレーニングやミーティングを行うことが、私自身にとっても非常に貴重な学びとなっています。
タイのスタッフや選手たちとコミュニケーションをとるなかで、タイの女子サッカーの環境も少しずつ把握できるようになりました。タイでは女子リーグがあり、1部・2部各8チームでリーグ戦が行われていますが、未だリーグ自体が確立されておらず、試合がある期間しか活動していないチームがほとんどなので、日常のトレーニング環境が整っていません。そのため、今の状況を踏まえると代表キャンプを長期間実施し、大会に向けて準備していく必要があります。しかし、普及や選手育成、代表の強化といったこれからのタイ女子サッカーの発展を考えると、長期的なリーグの確立と継続、そして質の向上が非常に重要だと思うので、今後、多角的にアプローチしていきたいと考えています。
タイでの生活や文化、環境については、こちらに来てからの3ヵ月のうち、40日近くが隔離生活か代表キャンプだったので、慣れないことが多いですが、周りの方々はとても親切で、常に助けていただきながら生活しています。バンコク市内は日本人も多く、日本食のレストランや日本のものもたくさん売られていて、日本にいるような感覚になることも多々あります。代表キャンプはバンコクから離れた場所で実施することが多く、自然が豊かな分、周りには様々な動物がいて、ワイルドライフとの共存も日々学びながら励んでいます。
今後もサッカーだけでなく、生活面でも様々なことが起こると思いますが、タイ女子代表としての目標であるFIFA 女子ワールドカップ2023出場のために、ひとつひとつしっかりと積み上げ、みんなで目標を達成できるように取り組んでいきたいと思います。
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