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S級コーチ養成講習会2023 Module4・集中講習⑨ 参加者レポート Vol.11
2023年11月16日
S級コーチ養成講習会2023はModule4 第2週目を迎えました。本週はクラブマネージメントやスポーツマネージメント、Jリーグアカデミーの取り組みなど、監督を取り巻く周辺環境に関して多くのインプットがある1週間となりました。
Module4・集中講習⑨
期間:10月30日(月)~11月2日(木)
10月30日(月) | 午後 | 「プロフェッショナルコーチング論」 浮嶋敏 「クラブマネージメント」 鈴木満(鹿島アントラーズ) 「サッカーのピリオダイゼーション②」 Raymond Verheijen |
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10月31日(火) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 参加者プレゼン 「Jリーグアカデミー」 増本伸弘、黄川田賢司(Jリーグ) |
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11月1日(水) | 午前 | 「競技規則とVAR」 東城穣(JFA審判マネジャー) 指導実践 |
午後 | 指導実践 | |
11月2日(木) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「スポーツマネージメント」 原田宗彦(大阪体育大学 学長) |
サポートプレーヤー派遣ご協力
慶應大学
参加者コメント
中村憲剛 さん(U-16日本代表/川崎フロンターレアカデミー/中央大学サッカー部)
夢フィールドにて4週に渡って行われているModule4。2週目の集中⑨が始まりました。
今週も月曜から木曜まで、午前は指導実践、午後は講義とみっちり詰まったスケジュールの中で、各々のレベルアップに繋がる日々を過ごすことができました。
今回の指導実践は「監督・コーチ・GPコーチ・フィジカルコーチ」の4人1組で、監督を行う順番が予め決まった中で、今週のサポートプレーヤーである慶應大学の選手たちに対して指導実践を行ないました。
ここまで行われた3回のModule内での指導実践に加え、ModuleとModuleの間で大学以上のカテゴリーを指導実践する「間の学習」で各々が分析・ミーティング映像作成・ミーティング・指導実践と繰り返し経験を積む中で、監督としての引き出しが増えていることは間違いありません。
決められたテーマを選手たちにただやるのではなく、慶應大学の選手たちを自分のチームの選手だと思って、少しでも彼らの成長に繋がればと思い、参加者全員が全力でやっています。それに対して慶應大学の選手たちも真面目にひたむきに取り組んでくれたこと、本当に感謝しています。慶應大学の皆さん、改めてありがとうございました。
同期の参加者やチューターの方々からの切れ味鋭いフィードバックにより、自分では見えていない部分や気づかなかった部分を知ることで、自分の視野が広がっていく感覚はいまここでしか味わえないものだと思うので、本当にありがたいです。
午後は講義の時間です。
S級のチューターである浮嶋敏さんによる「プロフェッショナルコーチング論」ではメディカルスタッフとの関係性についてお話ししていただきました。監督としてメディカルスタッフとの関係をどう築くか、選手が怪我をした時や復帰までの過程を含めて監督とメディカルスタッフの目を合わせる、考えを共有することの大切さは現役時代にも感じておりましたが、改めて監督としての視点で考える機会になりました。
鹿島アントラーズを長きに渡り支えておられる鈴木満さんによる「クラブマネージメント」の講義では、「鹿島アントラーズの歴史とJリーグの歴史」、「勝利するクラブのマネージメント」「タイトルを取ることの重要性」、「監督と強化責任者の関係」など、多くの経験をされた満さんのお話しは、監督を目指す我々にとってとても貴重なものになりました。
9月のModule3に続き、「サッカーのピリオダイゼーション」理論の講義をレイモンド・フェルハイエン氏にリモートで行っていただきました。9月に学んだピリオダイゼーションの基本的な考え方・定義をベースに、試合期における試合2日前や前日、試合後にどのようなトレーニングをするのか、3つの原則を用いて今回は実際のヨーロッパのクラブのある時期のスケジュールを引用して、レイモンドさんが解説してくださいました。個人的には「ピリオダイゼーションはルールではなくツールである」という言葉が印象的でした。実際に監督をした際にピリオダイゼーションを用いる受講者もいると思うので、とても大きな学びになったと思います。
受講生のプレゼンの時間もありました。Module3では世界で活躍する20人の監督をそれぞれがプレゼンしましたが、今回のテーマは多岐に分かれており、どの受講者の方のプレゼンもこれから監督を目指す僕らにとっては勉強になる話ばかりでした。内容はもちろん話し方や構成力などみなさん素晴らしいプレゼンをされていたと思います。
Jリーグのアカデミー育成部の増本伸弘さん・黄川田賢司さんにお越しいただいて、Jリーグのアカデミーの取り組みをお話ししていただきました。「Jリーグヘッドオブコーチング(JHoC)養成」、「クラブフットボールフィロソフィ(CFP)の定義づけ」、「IDP 個別育成プラン」、「セーフガーディング」など、ここまでの取り組みとこれからの取り組みをお話しいただく中で、60クラブがそれぞれの哲学のもとアカデミーの選手たちをしっかり育成し、ホームグロウン(HG)選手としてクラブフットボールフィロソフィの中心的存在を担う大切さを学びました。
JFA審判部の東城穣さんには「競技規則とVAR」についてお話ししていただきました。現役時代には毎年アップデートする機会が設けられていましたが、監督として変わっていく競技規則をしっかり把握すること、VARをレフェリーの方たちがどのように運用して最終判定を下しているのか、その過程を改めて知ることで監督とレフェリーとの間に不必要な確執が生まれないためにも、指導者としてもアップデートしないといけないと思いました。
大阪体育大学の学長である原田宗彦さんによる「スポーツマネージメント」の講義では、スポーツマネージメントの歴史背景から現在のスポーツマネージメントについてお話ししていただきました。スポーツ産業も時代に応じた地域-企業-行政との関わりの変化、視聴環境や国民のスポーツへの関わり方含めて、スポーツマネージメントの在り方が大きく変わって来ていること、その大きく変わってきている中でのJリーグの取り組みやこれからの在り方。Jクラブの監督になる可能性がある私たちはその現状を認識した上でどう振る舞っていくかを考える機会になりました。
かなり長くなってしまいましたが、これはModule4の4週間の中で学んだ話ではなく、Module4・2週目の4日間の話です。更に講義が終わった後は、次の朝から行われる指導実践の打ち合わせを各班で夜に行うので、同じ班の受講生とは4日間ほぼずっと一緒にいます(笑)。かなり密度の濃い日々を過ごしていますが、お互いのサッカー観や考え方の共有、忌憚のない指導実践のフィードバック、情報の共有からたわいも無い話など、本当に多くのコミュニケーションを取ることで仲は否応無しに深まっています。また、私ごとで誠に恐縮ですが、2日目には私の43歳の誕生日を受講生・チューター・サポートプレーヤーのみなさんで祝っていただきました(この週の担当が私だったのはたまたまだそうです)。まさかS級受講中に誕生日を迎えるとは思わなかったので、みなさんにお祝いしてもらい本当に嬉しかったですし、一生忘れません。
講習会も残り少なくなってきましたが、19人の同期のみなさんと切磋琢磨して、更に成長する時間にしていきたいと思います‼
S級コーチ養成講習会は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施しています。