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S級コーチ養成講習会2023 Module2・集中講習③ 参加者レポート Vol.4
2023年06月29日
Module1終了後から約1ヶ月半が経った6月12日(月)、久しぶりに参加者20名が高円宮記念JFA夢フィールドに集合しました。本週ではメンタルトレーニングにはじまり、プレゼンテーションやエモーション、スポーツインテグリティの講義、そして全3回の指導実践が行われるなど、参加者にとってはインプットの多い1週間となりました。
Module2・集中講習③
期間:6月12日(月)~6月15日(木)
6月12日(月) | 午後 | 「メンタルトレーニング」 田中ウルヴェ京 「プロフェッショナルコーチング論」 石井正忠(ブリーラム・ユナイテッドFC 監督) |
---|---|---|
6月13日(火) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「プレゼンテーション実習」 片上千恵(帝京大学講師・メディアトレーナー) 「現代サッカーで求められるGK像」 川俣則幸(JFA GKプロジェクトリーダー) |
|
6月14日(水) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「世界のサッカー最前線」「Emotion workshop」 JFA副技委員長 小野剛 | |
6月15日(木) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「スポーツインテグリティ」 山本健太、植田仰生(レイ法律事務所) |
サポートプレーヤー派遣ご協力
慶應義塾大学、日本体育大学、帝京平成大学
参加者コメント
北嶋秀朗 さん(クリアソン新宿)
S級受講の期間は毎日が学びの連続になっています。
今回は慶應義塾大学、日本体育大学、帝京平成大学の選手にご協力いただき実技を行いました。学生の皆様の協力なくして私達の成長はありえません。心から感謝いたします。ありがとうございます。
さて、指導実践での学びを感じることは一つではありませんが、例を挙げるならば色んな視点から沢山のアイデアを提供してもらえることだと思います。その視点やアイデアの全ては自分の心の持ち方次第で良いものにも悪いものにもできます。自分自身が心を整え、オープンマインドでこの講習の日々を過ごすことができるならば、きっと素晴らしい時間になるでしょう。忌憚のない意見を出し合いディスカッションを重ね続けていることによって参加者同士の絆が日々深まっていることを強く感じています。この素晴らしい仲間に恵まれた素晴らしい時間は長いようで短い時間です。大切に大切に過ごしたいと思います。
座学の方でも沢山のことを学んでいます。
今回は4日間で6つの講義を受けました。初日に行われた田中ウルヴェ京さんによる「メンタルトレーニング」で、シンプルながらすごく感銘を受けた言葉があります。それは「どの感情も正しい」です。私達はマイナスの感情や怒りの感情を悪いものと捉えがちです。しかし、抑制するのではなく気づくことが大切だと田中先生はおっしゃいました。「感情のオナラをする」ように現状を言語化する。自分はどんな状況になるとイラつき、焦るのか、または落ち込むのか。そういったことを整理し向き合う時間を作ることで、建設的な思考が出やすくなり、感情予期で準備しやすくなってプラス感情に気づけるようになるのだと学びました。
石井監督による講義は対話方式で行われました。石井監督は鹿島アントラーズの監督としてFIFAクラブワールドカップで3位になる実績を誇り、現在はタイのブリーラムで2年連続3冠を取っている名監督です。それぞれの参加者が、思うことを質問をさせていただきました。全ての質問に丁寧に対応してくださり、器の大きさを感じました。タイと日本の違いやオーナークラブの大変さは経験したことがない私達にとってはとても興味深い話でした。また実際にミーティングで使用している映像やパワーポイントも見せていただきました。言葉よりも伝わるであろう映像を大切にしているとのことで目から入る情報は大切なのだと改めて認識しました。
片上千恵さんによる「プレゼンテーション実習」では監督としてテレビに出演した際の注意点などを学ぶために模擬番組を行いました。4人組になりMC1人と3人の監督という構図で実際にビデオを回し本番さながらで行い、その場ですぐにその映像を見てみんなでフィードバックを行いました。知らずに行ってしまう癖や声を大きく出す方法、滑舌よく喋る方法、言葉の語尾、インタビュー時にありがちな「えー・・・そうですねぇ」等をなくすように事前にトレーニングをして臨んだのですが、客観的に自分を見るとあまりにもうまくできていない。そんな経験もさせていただきました。
小野剛さんによる「emotion in football」はとても興味深い時間でした。沢山の仕掛けが散りばめられた講義は非常に面白かったです。小野さんからはエモーションという言葉が何度も出ました。「エモーションは車のダッシュボードのランプ」それは内側で起こっていることのサイン。怒りが出てきたら、押さえ込むのでなく、何かの欲求(needs)または価値観(values)を伝えようとしている。サインを見つけたらサインを解決しよう。そして必要ならアクションを起こそうと。感情はコントロール次第で大きな力になることを学びました。
そしてもう一つ。「テーゼ」と「アンチテーゼ」による議論があり「シンテーゼ」が生まれる。それを繰り返すことで螺旋状に積み上がり、上から見れば同じようなところをぐるぐる回っているような議論も横から見ればしっかりと積み上がっているといった内容の話がありました。それはまさに今のS級講習を表現されているような話でした。今の自分のサッカー観(テーゼ)とそれに対してのアンチテーゼがあったときにそこで深い議論が行われていることで新しい価値(シンテーゼ)が生まれている。だから議論が深く、刺激的であるのだと思いました。そして改めて私達は素晴らしい時間を過ごせているのだということに気づきました。
自分のために、日本のサッカー界のために今しかないこの時間を大切に大切に過ごし、これからもずっと学び続けたいと思います。
S級コーチ養成講習会は、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施しています。
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