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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第49回 井上和徳 カンボジアU-15代表兼FFCアカデミーU-15監督
2021年02月26日
新たなメンバーによるU-15カンボジアフットボールアカデミー活動開始
新型コロナウイルスの影響により世界中のサッカー界は制限された活動を強いられています。ここカンボジアは、感染者数合計483件、回復者数470件、死亡者数0件(2021年2月18日現在)で、ほとんどが他国からの輸入症例という状態です。一時期、市中感染が数例発生しましたが、政府の迅速な対応により大きな流行を防いでいます。
感染の流行を防ぐため学校への通学やスポーツ活動を控える時期もあり、予定していたセレクションは何度か延期になりましたが、1月下旬から新たなU-15(2006年以降生まれ)のメンバーでの全寮制の活動が始まりました。
国内25州に設置された通い型のプロビンチャルアカデミーから推薦された選手中心のセレクションは育成年代のレベルアップが感じられました。2016年に赴任した時は現地コーチ陣による知人コーチへの電話連絡による招集方法からの選考でしたが今は違います。ピッチ上の技術や戦術だけでなく、育成年代の組織づくりの成長も選手のレベルアップに良い影響を与えています。
U-15代表活動とユースリーグ
育成年代の国際大会は新型コロナウイルスの影響を強く受けています。昨年のU-16代表は国際大会が中止となり十分な活動はできませんでした。2021年になり、新たにU-15代表を編成するためユースリーグの視察を通して選手の発掘作業を行っています。
カンボジアでは2018年からU-18・U-15のユースリーグが始まり、全国のプロビンチャルアカデミーとクラブチームが参加しています。それまでは国内に整備された育成年代の大会がなかったので画期的な発展です。
この大会も数回延期になり大幅に日程変更されていますが、選手たちの熱心なプレーぶりを見ていると、「真剣勝負」という場を大人が用意してあげることが選手の成長にいかに大切なのかがわかります。今年もU-15代表の活動は新型コロナウイルスの影響を受けることは予想できますが、可能な限り最善の活動を用意し、彼らのそしてカンボジアサッカーの将来へつなげたいと思っています。
カンボジアから見た日本サッカー
JFAフットボールカンファレンスがオンラインで開催されたため、カンボジアからも参加することができました。日本サッカー協会創立100周年ということもあり、過去から現在に至るまでの日本サッカーの取り組みが多く紹介されていました。
日本は国際大会において長期にわたりアジア予選を突破できない時期がありましたが、現在はワールドカップの常連国になりました。日本サッカーの軌跡はアジアのサッカー後進国へ大きなヒントを与えてくれます。
日本の良い部分をカンボジア風にアレンジして取り入れていき、近い将来、日本を脅かすようなカンボジア人選手を一人でも多く育てたいと思います。
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