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アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第76回 井上和徳 U-16カンボジア代表監督兼FFCアカデミーU15監督
2023年02月24日
サッカー活動が再開された2022年
新型コロナウイルスの世界的な蔓延の影響を受け、ここ数年はカンボジアを含む東南アジアにおいてもサッカー活動の制限、国内外の大会中止がありましたが、2022年はこれらの活動も徐々に再開されてきました。
カンボジア国内ではユースリーグが再開され、中学生年代主体の我々は高校生年代のカテゴリーに出場し、準決勝で敗れたものの、リーグを3位で終えました。
代表活動は8月にAFF(ASEANサッカー連盟)U-16ユース選手権、10月にAFC U17アジアカップ予選の2つの国際大会に参加しました。AFF U-16ユース選手権では準決勝進出は逃しましたが、強国のオーストラリアに4-2で勝利することができました。この結果には選手、スタッフも大きな成果を実感でき、我々も「やればできる!」という自信につながりました。
AFC U17アジアカップ予選は1勝2敗で敗退。初戦の中国に0-9、再度対戦することになったオーストラリアには0-10の大敗でした。カンボジアの選手たちの成長を感じたものの、『本気』で試合に臨んできた強豪国との対戦になるとまだまだ歴然とした差があることを痛感させられた2試合になりました。
最終戦はJFA公認海外派遣指導者である三田智輝監督率いる北マリアナ諸島との対戦でした。日本人監督同士の対戦となり、「井上を負けさせるわけにはいかない!」と張り切ってくれた選手たちが頼もしく思えました。北マリアナ諸島側も同じ気持ちだったと思います。激しくもクリーンで印象的な試合でした。
カンボジアはもともと育成年代の大会が少ない状況でしたが、やはり大会を通して『嬉しい』、『悔しい』、『次こそは』などの感情の変化が選手やスタッフの成長に拍車をかけるものなのだと実感した2022年でした。
『SEA GAMES』 ホストカントリーの2023年
2023年は東南アジアのオリンピックと呼ばれる『SEA GAMES』(東南アジア競技大会)が5月にカンボジアで開催されます。カンボジアは大きな国際大会のホストを初めて務めることになるそうです。
その中で、サッカーは上位進出を国民から期待されている競技のひとつです。過去に日本人指導者たちの指導を受けた経験のあるアカデミーOBも代表入りすることが予想され、活躍がとても楽しみです。
さらに今年は『カンボジア・日本外交関係樹立70周年』の記念すべき年になります。これまで以上にサッカーを含む各分野において、両国の交流が盛んになることを期待しています。
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