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【Match Report】SAMURAI BLUE、ベトナム代表に逆転勝利でAFCアジアカップ白星スタート
2024年01月15日
SAMURAI BLUE(日本代表)は1月14日(日)、AFC アジアカップ カタール 2023のグループD初戦でベトナム代表に4-2の逆転勝利を収めて、3大会ぶり5度目の優勝へ白星スタートを切りました。
南野拓実選手(ASモナコ)が2得点を挙げ、中村敬斗選手(スタッド・ランス)が勝ち越しゴールをマーク。後半から出場した上田綺世選手(フェイエノールト)も追加点を挙げて、昨年6月から続く国際Aマッチでの連勝を歴代最多の10試合に更新しました。
前回2019年大会準々決勝でも対戦して1-0で辛勝したベトナムとの初戦に、日本は4-2-3-1の布陣で先発の1トップに細谷真大選手(柏レイソル)、2列目に右から伊東純也選手(スタッド・ランス)、南野選手、中村選手を並べ、ボランチには守田英正選手(スポルティングCP)と遠藤航選手(リバプールFC)の組み合わせ。最終ラインは右から菅原由勢選手(AZアルクマール)、板倉滉選手(ボルシア・メンヘングラッドバッハ)、谷口彰悟選手(アルラヤンSC)、伊藤洋輝選手(VfBシュツットガルト)、GKには鈴木彩艶選手を起用して臨みました。
日本は前半10分、左サイドでの伊藤選手と中村選手が絡んで左CKを得ると、伊東選手のCKを逆サイドで板倉選手がつないで菅原選手が右足でシュート。相手GKに当たった跳ね返りに南野選手が反応して冷静にゴールネットを揺らし、先制に成功します。
しかし、ベトナムはかつて日本代表で指揮を執ったフィリップ・トルシエ監督の下、攻守にハードワークを披露して即座に反撃。鋭い出足でボールを奪い、左サイドのFWグエン・ディン・バック選手の仕掛けを中心にセットプレーの機会を得ると、得点に結びつけます。
前半15分、左CKにグエン選手がニアサイドに入ってヘディングで合わせると、ボールはGK鈴木選手の頭上を越える弧を描いてゴールに吸い込まれて同点に。さらに32分には、グエン選手の縦の突破で得たFKからファーサイドでDFブイ・ホアン・ヴィエトアン選手がヘディングで狙い、一度はGK鈴木選手が弾きますが、こぼれ球をFWプアン・チュアン・ハイ選手が押し込んで2-1のリードを奪いました。日本代表が2失点を許したのは昨年9月のキリンチャレンジカップ2023のトルコ代表戦(4-2)以来です。
しかし、日本はそこから焦れずにボールをつないで攻撃を仕掛け、前半のうちに形勢を逆転させる対応力と得点力を発揮します。
前半終了目前の44分、守田選手、遠藤選手とテンポ良くつないでペナルティエリアの南野選手へパス。スペースのない中でこれを受けた南野選手は右足で流し込み、2-2の同点とします。
さらに前半アディショナルタイム4分には、南野選手のパスを受けた中村選手が、寄せて来る相手DFを巧みにかわして右足を振ると、カーブのかかったシュートがゴール右上に吸い込まれ、3-2と逆転しました。中村選手はこれで出場6試合で6得点目です。
日本は後半開始から上田選手を投入。さらに、60分過ぎに堂安律選手(SCフライブルク)を送り込み、伊東選手を左サイドにシフトします。すると68分に左サイドをドリブルで切り込んだ伊東選手が守田選手へマイナスのボールを送り、守田選手がシュートで相手ゴールを脅かします。
その後も76分に佐野海舟選手(鹿島アントラーズ)と毎熊晟矢選手(セレッソ大阪)、84分には久保建英選手(レアル・ソシエダ)を次々と送り出し、少し動きの落ちたベトナムに対して攻勢を維持して試合の主導権をキープします。
最後の得点はその直後でした。遠藤選手、堂安選手とつないで、久保選手からパスを受けた上田選手が右足を振ってゴールネットを揺らし、日本が4-2で勝利を収めました。
なお、日本はこの試合には先日の能登半島地震で亡くなられた方への哀悼の意を表して腕に喪章を巻いて臨み、試合終了後には「被災地に力を」と書かれたバナーを選手が持ってピッチを一周。被災地へ励ましのメッセージを送りました。
今大会、各グループ上位2位までと3位の中で上位4チームがラウンド16へ進出できます。日本は次戦、19日(金)の第2戦でイラク代表、24日(水)の第3戦でインドネシア代表と対戦します。イラクとインドネシアは15日に初戦を迎えます。
監督・選手コメント
森保一 SAMURAI BLUE(日本代表)監督
まずは勝って、勝ち点3をつかみ取って次に向かえることはポジティブです。初戦の難しさを学んだ試合になりましたし、アジアは簡単ではないことを改めて学びました。難しい戦いの中、選手たちが落ち着いて90分、プラス、アディショナルタイムという考えの下でプレーしてくれたことで、1回リードされても追いついて逆転につながったと思います。選手たちが集中を切らさず、意思統一して戦ってくれたのがよかった。それに、選手たちは能登半島地震の被災者の方々に、最後まで戦い抜くというメッセージを送ろうと話していました。ベトナムはフィジカルが強く、テクニックがあって、トルシエ監督が組織的に個の良さを発揮する戦い方を構築していて、難しい戦いは必然的でもあったかと思います。初戦の難しさや相手がフレッシュな中、選手たちが前半を粘り強く戦い抜いてくれたことが後半につながりました。後半に向けては、相手の3バックと我々の4バックのマッチアップの部分で守備のかみ合わせがうまくいっていなかったところを、より役割をはっきりさせて、プレッシャーをかけられるように修正しました。今日の試合のすべてをポジティブに変換して、しっかり修正して、より勝つ確率を高められるようにしていきたいと思います。
GK #23 鈴木彩艶 選手(シントトロイデンVV/ベルギー)
難しいゲームになりましたが、まずは勝ち切れたことはポジティブにとらえて、自分としてはセットプレーから2失点してしまったので、改善しなければいけません。1失点目は準備を早くすることやチームとして組織的な部分での課題がありますが、2失点目は相手も見えていたので弾いて外に出そうと思ったのですが、うまく外に弾けずに失点してしまいました。手の出し方に問題があったと思います。反省です。このようなゲームになるとは誰も思っていなかったと思いますが、その中でも、失点した後にディフェンス陣は声をかけ続けて前半のうちに同点に追いつけたことは大きかったですし、後半も立て直してしっかりと守備ができたので、次につなげなければいけないなと思います。
DF #2 菅原由勢 選手(AZアルクマール/オランダ)
ベトナムの戦術的なボールの運び方やスペースの消し方など守備の組織的なところは、本当に素晴らしくて、やりながら難しさを感じて対策されているなと思いましたが、それを越えるものをつくらないといけないと思います。クオリティーや連係などいろいろなところをまだまだ突き詰めていく必要があります。それを勝った後で感じられているのはすごくポジティブだと思うので、チームとしても個人としても、ここからしっかり積み上げていきたい。前半はベトナムが優勢だったのは間違いないと思いますし、自分たちは若干後手に回っていたかと思いますが、南野選手がああやって仕留めるところを仕留めてくれて、中村選手が彼の一番の強みであるものを見せてくれたので、本当にそこは前線の選手に感謝したいです。
DF #3 谷口彰悟 選手(アルラヤンSC/カタール)
初戦が難しくなることは想定して入りましたが、相手にセットプレー2発で逆転されたのはやってはいけなかった。どんな相手でも得点を取らせると乗ってくることを改めて思い知らされました。やられて目が覚めたところがありました。でもそこから崩れずに隙を突いていくところは、こちらも我慢強くやり続けられたと思います。セットプレーに対するアラートさやバトルを含めて修正しないといけないですし、セットプレーをそもそも与えないことなど今日は反省点が多い。思い描く展開ではなかったですが、勝ちきるところはできました。アジアは簡単ではないとみんなこれで感じたと思います。
MF/FW #6 遠藤航 選手(リバプールFC/イングランド)
こういうトーナメントの初戦はいつも難しくなるというのはあります。相手も勢いを持ってやってきます。結構ボールをつなぐことは分かっていましたが、思った以上につないできて、前半はプレッシャーがなかなか嵌めづらいというのはありましたが、個の能力を生かしながらしっかり逆転できたのは大きかったと思います。後半は相手も落ちてきた中で、自分たちも毎回プレッシャーにいくというよりは、相手に持たせながらどのタイミングでいくかというメリハリがしっかりできていたと思います。結果的に4点目を取って勝てました。しっかり勝てたことが最終的には大事だと思います。(能登半島地震への試合後のバナーは)なにかチームとしてできないか、ずっと話をしてきてバナーを出して喪章をつけてやることにしました。しっかり結果を残して、少しでもいいニュースを届けたいと思っています。
MF/FW #8 南野拓実 選手(ASモナコ/フランス)
前半は相手に逆転もされて、すごく難しい展開でしたが、なんとか前半のうちに逆転してチームとしての強さを見せられたのはよかったと思いますし、初戦は非常に重要な試合だったので、この試合で勝ち点3をとって終えられたことが何よりもよかったです。ゴールでチームに貢献したい気持ちはありましたし、得点できたことはすごくうれしく思っていますが、それもチームメートのパスや、激しい守備で奪い返すなど、チーム全員の力があってのことです。それに、一番重要なのはこういう試合で勝つことです。そこを常に目指しています。育成年代からベトナムと対戦してきて、すごく力のあるチームであることはわかっていましたが、それでも、今日の試合ではディフェンスだけでなく、オフェンスの選手のレベルにはすごく驚かされました。
MF/FW #13 中村敬斗 選手(スタッド・ランス/フランス)
ゴールは振ったら入った感じです。ボールを持った時に相手は必ず2枚以上でコンパクトに来てカウンターを狙っていました。相手がやりたいことは明確で手強かったですが、その中でああいうシュートを決められて良かったです。右サイドに伊東選手がいて相手は右を警戒する。左が空いてくるので、「こぼれ」だけではなく崩して…と思っていました。ゴールまで崩すのはできなかったですが、チャンスを作れて良かったです。(6戦6得点で)自分自身、打ったら入るという感覚はないですが、今日のようなゴールは今まで代表でなかった。(パスを)受けた時に「ここで受けたら何をするか」を考えていました。それで上手くいく例はなかなかないのですが、今日はうまくできました。
MF/FW #20 久保建英 選手(レアル・ソシエダ/スペイン)
前回の試合は出ていないですし、合流は2日前だったので、おっかなびっくりでしたが、今日は10分で結果も出しました。次は内容も意識したいです。ベトナムはアジアで1,2を争うポゼッション力があったと思います。中に入って1タッチ目の置き所がうまいので余裕を持って日本のプレスに耐えられる。正直、今日の試合はトルシエ監督に僕らがやろうとすることをやられてしまいました。相手の嫌なことをやって、自分たちのペースでゲームを運ぶことを前半はずっとやられて、後半修正したのは良かったですが、前半は修正しないといけません。彼らに意気込みを見せられて戦術もいいものもありました。ベンチで見ていて圧倒されました。でも、こういう内容でも勝つのが強いチームなので、そこはポジティブな要素だと思います。
フィリップ・トルシエ ベトナム代表監督
(高い)山のような存在の日本に対して、我々は規律と強い意志や決意を持ったプレーを見せたいと思っていました。選手たちのパフォーマンスと姿勢には満足です。必要なエリアでプレスをかけて日本に考える時間を与えないように考えました。簡単ではないですし、ディシプリンと多くの部分で強さが必要でした。同じレベルでの打ち合いではなかったですが、ポテンシャルは示してポジティブに感じています。選手たちには自信になったと思いますし、この新しいやり方でやっていけると感じられるものになりました。我々にとって日本戦は次のラウンドに進出するためのプロセスで、その試合でイエローカードもレッドカードもなく、2ゴールを奪うことができました。0-2で敗れるよりも2-4で敗れる方がいい。グループステージ突破のために、インドネシア戦は勝たなくてはなりません。そこへ向けていい準備になりました。
YouTube(AFC):#AsianCup2023 | Group D : Japan 4 - 2 Vietnam
AFC アジアカップ カタール 2023
大会期間:2024年1月12日(金)~2024年2月10日(土)
グループステージ
第1戦 1月14日(日) 14:30[現地時間] ◯4-2 vs ベトナム代表
第2戦 1月19日(金) 14:30[現地時間] vs イラク代表
第3戦 1月24日(水) 14:30[現地時間] vs インドネシア代表
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