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【JFAこころのプロジェクト「夢の教室」15周年企画】「子どもたちからパワーをもらえる取り組みをもっと知ってほしい」こころのプロジェクト支援企業座談会
2022年11月30日
JFAこころのプロジェクトは2007年4月19日に第1回の「夢の教室」の授業が行われ、今年で15周年を迎えました。前回の実施自治体担当者の座談会に続き、ここではプロジェクトの支援企業のご担当者の皆さんによる座談会を実施し、企業としてプロジェクトを取り入れた経緯や感想を聞きました。
○オンライン取材日:2022年11月11日
[参加者]
峰岸宏実さん(株式会社きらぼし銀行 広報部副調査役)
井本嵩さん(東京地下鉄株式会社 サステナビリティ推進部社会・CSR担当課長補佐)
米尾香澄さん(株式会社ムゲンエステート 経営企画部経営企画課主任)
――プロジェクトの支援に至った経緯を教えてください。
峰岸 きらぼし銀行は3行(八千代銀行・東京都民銀行・新銀行東京)が合併して生まれた銀行なのですが、その中の1つの旧八千代銀行が取り組んでいた企画です。銀行は地域に密着していますので、「夢の教室」の授業を通して地域に貢献できることが、理念と非常にマッチしていたのだと思います。合併後も変わらず、きらぼし銀行は社会と地域の発展を目指し、各種スポーツ振興にも力を入れています。以前は経営企画部という部門で行っていたのですが、昨年度から広報部が独立しサッカー協会と一緒に「夢の教室」の授業を届けています。
井本 東京メトロは会社ができて10年ほどの2013年のタイミングで、なにか地域の次世代育成に貢献できる取り組みはないかと探していたところ「夢の教室」を拝見し、こちらからお声がけさせていただいたようです。昨年度までは、広報部内のサステナビリティ推進室という組織でしたが、今年度からはサステナビリティ推進部として独立し、引き続き「夢の教室」を担当しています。
米尾 当社の社名ムゲンエステートは、社是で掲げております「『夢(ム)』を『現(ゲン)』実にする」にある通り、お客さまの夢の実現のお手伝いと、社員にも夢を実現してほしいという思いが込められており、夢がコンセプトになっているこのプロジェクトに、社長の藤田が大変共感しまして、2017年から支援企業として参加させていただいております。
――今まで実際に「夢の教室」の授業を見たことはありますか。
峰岸 毎年、元ハンドボール選手の東俊介さんにお願いして、新入行員向けに「夢の教室」を実施しています。私も入行した年の研修で初めて拝見しました。東先生はハンドボールが好きだという思いを前面に出して伝えていらして、さらにハンドボールを日本で認められるようなスポーツにすることが夢だとおっしゃっていました。現役引退後も夢を追いかけている姿がとても素敵だなと思いましたし、私自身もすごく勇気づけられた記憶があります。
井本 実は私の部下にあたるのですが、当社には安直樹という車いすフェンシングのアスリートがおりまして、夢先生として「夢の教室」でも登壇しています。去年、彼の授業を見ていて、紆余曲折やたくさんの挫折を乗り越えて今があるという話を聞き、彼のことを知っているようで知らなかったんだと思いました。本人も最初は夢先生を手探りでやっており、緊張もしているようでしたが、やっているうちに子どもたちのピュアな反応からパワーをもらっていたように思います。自らの夢を子どもたちに語ることで、彼自身が自分の夢を再認識する良い機会にもなっていると思います。
米尾 私は2018年から「夢の教室」を担当し、毎年すべての授業を拝見しております。社長の藤田も毎年1クラスは必ず拝見し、授業の様子や夢先生の話を全社に共有しています。2018年と2019年に夢先生をご担当いただいた波戸康広さんは「ポッポ先生って呼んでね」とフランクに授業に入っていくスタイルが新鮮で印象に残っています。私自身がスポーツをしてこなかったので、アスリートの皆さんはどこか遠くの存在だと思っていましたが、見えないところで努力を重ね、結果を出されているという話を聞き、個人的にもすごく身近に感じるきっかけになりました。
――子どもたちの変化も見えますか。
米尾 最初は夢先生と子どもたちの間に少し距離があるんですが、ゲームや授業を通して距離が近くなり、最後に集合写真を撮る頃には夢先生が子どもたちに囲まれて、質問攻めにあっている光景をよく見ます。子どもたちもアスリートを身近に感じて、プロの野球選手やサッカー選手になるというような、もしかしたらどこか非現実的に思う夢を現実的に感じられるようになるのではないかと思っています。
峰岸 授業の最後に子どもたちが手を挙げて自分の夢を発表する時間が、私は好きなんです。自信を持ってきらきらした目で、今の自分の夢をみんなに伝える姿が、すごく素敵です。
井本 小学校5年生の「夢の教室」を見ていて、自分が同じ年齢の頃に、そんな夢があったかなあと考えることがあります。提出してもらう夢シートを見ると、いろいろな夢が書いてあって、こんなに将来のことも考えて毎日暮らしているなんて、しっかりしているなあと驚かされます。
米尾 私も、子どもの頃に夢についてあまり真剣に考えたことがなかったなと、毎回授業を見るたびに思います。自分の夢に向かってどう努力していけばいいのか、このプロジェクトが広がることで、多くの皆さんにどんどん伝わっていけばうれしいです。
峰岸 私も子どもたちからパワーをもらっていると感じるので、この取り組みをもっと当行の職員にも、お客さまにも知ってもらいたいと思っています。コロナ禍以前は学校の近隣の支店の職員にも案内して、授業を見学に来てもらうこともありました。一度見ると夢の教室のファンになる職員が多くて、異動先の支店のある地域でも「夢の教室」をやってほしい、という問い合わせが継続的にあるんです。今後はさらに当行と学校だけの取り組みではなく、自治体やお客さまも巻き込んで、地域ごとの色をもっと出せる授業ができたら面白いと思っています。
井本 私は早く対面式の授業を取り戻したいと強く思います。アスリートの方々は画面越しだと小さく見えるかもしれませんが、小学生から見ればスーパーマンみたいな方もいらっしゃると思います。アスリートの超人性といったものも伝えたいので、やはり対面式で開催したいですね。
米尾 私もゲームの時間がすごく好きだったので、学校で行う対面式の授業の復活を待っています。対面の授業なら、より一層夢先生の思いも伝わりやすくなるのではないかと思います。