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実施手順&ガイドライン

「脳振盪による交代(再出場なし)」の追加:実施手順

はじめに

2024年3月2日にスコットランドで開催された第138回IFAB年次総会(AGM)での承認を受け、競技規則により、全ての競技会で「脳振盪による交代(再出場なし)」の追加の使用を認めることになった。

「脳振盪による交代(再出場なし)」の追加は、実際に脳振盪を起こした、またはその疑いがある競技者が交代し、その試合の残りの時間に参加しない場合に生じる。この交代は、「通常」認められた交代(または該当する場合は交代の回数)の1人(1回)として数えない。

「脳振盪による交代(再交代なし)」の追加については、以下を参照のこと。

第3条 - 競技者

3.2 交代の数 - 脳振盪による交代(再出場なし)の追加

競技会は、「注記および修正」に記載されている実施手順に従って、「脳振盪による交代(再出場なし)」の追加を使用することができる。

注:試行では2つの異なる実施手順が用いられたが、IFAB年次総会では1つの実施手順(以下を参照)が承認され、その実施手順を完全に用いられなければならない。

原則

◦ 1試合において、各チームは最大1人の「脳振盪による交代」を使うことができる。
◦ 「脳振盪による交代」は、その前に何人の交代要員が使われているかにかかわらず、行うことができる。
◦ 氏名が届けられた交代要員の数が、「通常の交代」の最大数と同じである競技会においては、「脳振盪による交代で入る交代要員」は、交代で退いた競技者であっても交代で競技者になることができ、その前に何人の交代が行われているかにかかわらず、いつでも交代して出場することができる。
◦ 「脳振盪による交代で入る交代要員」が使われたならば、相手チームは、(脳振盪に限らず)いかなる理由であっても「追加の交代要員」を使うことができる。

進め方

◦ 交代の進め方は、第3条 - 競技者に基づき行われる(以下に示される場合を除く)。
◦ 「脳振盪による交代」は、次により行うことができる。

 ・脳振盪を受傷した、または、その疑いが生じた直後に
 ・フィールド上での診断、またはフィールド外での診断後に
 ・競技者が、その時より前に診断を受け、競技のフィールドに戻った場合を含め、それ以外で脳振盪を受傷した、または疑われるときはいつでも

◦ チームが「脳振盪による交代」を行うこととした場合、できることならば異なる色の交代カードまたは用紙を用いて、主審/第4の審判員に知らせる。
◦ 脳振盪を起こした、またはその疑いがある競技者は、PK戦を含むその試合の残りの時間に出場することができない。また、できる限り、更衣室や医療施設に関係者に付き添われて行かなければならない。
◦ 主審や第4の審判員は、相手チームに1人の「追加の交代要員」と1回の「追加の交代の回数」を使うことができることを通知する。これは、「脳振盪による交代」を行うチームと同時でも、その後いつであっても使うことができる(競技規則に別途示される場合を除く)。

交代の回数

◦ 「脳振盪による交代」は、「通常の交代」の回数の制限とは別に取り扱われる。
◦ しかしながら、チームが「脳振盪による交代」を「通常の交代」に合わせて行った場合、1回の「通常の交代」としてカウントされる。
◦ チームが「通常の交代」の回数を全て使い切ってしまったならば、「通常の交代」のために「脳振盪による交代」の枠を使うことはできない。
◦ チームが「脳振盪の交代」を行った場合、相手チームは1人の「追加の交代要員」を使うことができ、1回の「追加の交代」の機会を得る。この追加の交代回数は、「追加の交代要員」のためにのみ使うことができ、「通常の交代要員」には使うことができない。

審判員

主審およびその他の審判員、特に第4の審判員は、

◦ 競技者が交代すべきかどうか、また、「通常の交代要員」、あるいは、「脳振盪による交代要員」と交代すべきかどうかというチームの決定プロセスにかかわらない。
◦ 負傷や、またはその疑いがある場合、それが「脳振盪による交代要員」を使用することに該当するかどうか判断してはならない。
◦ 競技者が負傷した、またはその疑いがある場合、チームキャプテン、監督・コーチまたは医療スタッフに対して、競技者を診断する、あるいは処置する必要性があるかもしれないことを伝えるなど、適切な援助をするべきである。
◦ 負傷した競技者がプレーを続けることができないと、チームキャプテン、監督・コーチまたは医療スタッフが判断したならば、これを援助するべきである。これにより、主審は、競技者が競技のフィールドから離れるまでプレーの再開を遅らせることが求められる。
◦「脳振盪による交代」が不適切に使われたという懸念がある場合、関係機関に報告しなければならない。

一時的退場(シンビン)のガイドライン

はじめに

競技会を開催する国のサッカー協会、大陸連盟またはFIFA(など該当する機関)の承認があれば、ユース、年長者、障がい者およびグラスルーツのサッカーにおいて、警告となるすべて、またはいくつかの反則に、一時的退場(シンビン)の仕組みを導入することができる。

第138回IFAB年次総会は、「一時的退場(シンビン)のガイドライン」の改訂版を承認した。これは、すべての競技規則の変更と同様に、2024年7月1日から有効になるが、それより早く導入することも可能である。

一時的退場については、以下のとおりである。

第5条 - 主審

5.3 職権と任務-懲戒処置

主審はハーフタイムのインターバル、延長戦、PK戦(ペナルティーシュートアウト)が行われている間を含め、試合開始時に競技のフィールドに入ってから試合終了後までイエローカードやレッドカードを示す、または競技会規定で認められているならば一時的退場を命じる職権を持つ。

一時的退場とは、競技者が警告(イエローカード)の対象となる反則を行ったとき、即刻、以降の試合への参加を「一時的に認めない」ことにより罰するものである。これは、「即座に罰すること」が反則を行った競技者の行動に対して、その場で好影響を与えることができ、またはその競技者のチームに対しても同様の影響を与えられる可能性があるという考え方をもとにしている。

各国サッカー協会、大陸連盟またはFIFAは、(競技会規定を公開する前に)以下のガイドラインに沿って一時的退場の手続きを承認するべきである。

競技者に限っての適用

◦ 一時的退場は(ゴールキーパーを含む)、すべての競技者に適用されるが、交代要員や交代して退いた競技者が警告(イエローカード)となる反則を行った場合には適用されない。

主審の合図

◦ 主審は、イエローカードを示し、両腕で一時的退場を命じられた競技者の待機場所(通常、競技者のテクニカルエリア)を明確に指すことで一時的退場を合図する。

一時的退場の時間

◦ どんな反則であっても、一時的退場の時間の長さは、同じである。
◦ 一時的退場の時間の長さは、すべてのプレーイングタイムの10~15%とするべきである(例:90分間の試合であれば10分間、80分間の試合であれば8分間)。
◦ 一時的退場の時間は、競技者が競技のフィールドを出てからプレーが再開されたときに始まる。
◦ 主審は、(例えば、交代、負傷や得点の喜びなどで)前後半の終了時に加えられる「アディショナルタイム」のような「空費された」時間を一時的退場の時間内に追加するべきである。
◦ 競技会は、主審が行う一時的退場の時間計測を援助する人を決めなければならない。
– その援助は、マッチコミッショナー、第4の審判員または(チーム帯同ではない)中立な副審の責任とすることができるし、あえてチーム役員の責任とすることもできる。
◦ 一時的退場の時間が終了したら、競技者は、次にボールがアウトオブプレーになったときに主審の承認を得てタッチラインから復帰できる。
◦ 主審は、競技者がいつ復帰できるかの最終決定を下す。
◦ 一時的退場となった競技者は、一時的退場の時間が終了した後にのみ、交代することができる(チームが認められたすべての交代要員、あるいは交代の回数が定められているならば、それらを使い切っていない場合)。
◦ 前半終了時になっても一時的退場の時間が終了していない場合、残りの一時的退場の時間は、後半開始時から科される。これは、延長戦にも適用される。
◦ 延長戦を行う場合、後半終了時になっても一時的退場の時間が終了していない場合、残りの一時的退場の時間は、延長戦開始時から科される。
◦ 試合終了時に一時的退場はPK戦(ペナルティーシュートアウト)中には適用されないため、試合終了時に一時的退場の時間が終了していない場合でも、その競技者はPK戦(ペナルティーシュートアウト)に参加できる。

一時的退場時の待機場所

◦ 一時的退場となった競技者は、「ウォーミングアップ」(交代要員と同じ条件)を除きテクニカルエリアがある場合、テクニカルエリア内にとどまるか、またはチームの監督もしくはテクニカルスタッフと一緒にいるようにするべきである。

一時的退場時の反則

◦ 一時的退場となった競技者が、その競技者の一時的退場時間内に警告(イエローカード)または退場(レッドカード)の対象となる反則を行った場合、それ以降の試合に参加できない、また、他の競技者と入れ替わる、または交代することもできない。

さらなる懲戒処置

◦ 競技会または各国サッカー協会は、一時的退場について関係機関に報告するべきかどうか、または警告(イエローカード)の累積時の対応と同様に、一時的退場の累積による出場停止などさらなる懲戒処置が適用できるかどうかを決定する。

一時的退場の運用方法

競技会は、一時的退場の運用方法を次のいずれかとする。

◦ システムA - 警告(イエローカード)となるすべての反則を対象とする。
◦ システムB - 警告(イエローカード)となるいくつかの反則を対象とする。

システムA - 警告(イエローカード)となるすべての反則を対象とする。

・ 警告(イエローカード)のすべては、一時的退場で罰せられる。
・ 同じ試合で2つ目の警告(イエローカード)を受けた競技者は、

– 2つ目の一時的退場処置を受けた後、それ以降の試合に参加できない。
– その競技者のチームが交代要員の最大数、あるいは交代の回数が定められているならば、それらを使い切っていない場合、2つ目の一時的退場時間の終了時に交代要員と交代することができる(2つ目の一時的退場中は、その競技者を欠いた状態でプレーすることで、そのチームは既に「罰せられる」ことになるため)。

システムB - 警告(イエローカード)となるいくつかの反則を対象とする。

◦ あらかじめ決められた警告(イエローカード)となる反則は、一時的退場で罰せられる。
◦ その他の警告(イエローカード)となる反則は、一時的退場なしの(通常の)イエローカードで罰せられる。
◦ 一方または両方の警告が一時的退場となる反則であったとしても、同じ試合で2つの警告(イエローカード)を受けた競技者は退場となる。

*競技会によっては、次のような「不適切な」行為に関係した反則に対する警告(イエローカード)の場合にのみ、一時的退場を用いることが有益である。

◦ シミュレーションをする。
◦ 相手競技者のチームによるプレーの再開を意図的に遅らせる。
◦ 行動または言葉による異議を示す。
◦ 押さえる、引っぱる、押す、または意図的にボールを手や腕で扱う反則により、大きなチャンスとなる攻撃を阻止または妨害する。
◦ ペナルティーキックのときにキッカーが不正なフェイントを行う。

再交代(交代して退いた競技者の再出場)のガイドライン

2017年3月3日にロンドンで開催されたIFABの第131回年次総会(AGM)は、競技会を開催する国のサッカー協会、大陸連盟またはFIFAなど該当する機関の承認があれば、ユース、年長者、障がい者およびグラスルーツのサッカーにおいて、再交代の仕組みを導入できることを承認した。

再交代の規則は、以下参照のこと。

第3条 - 競技者(交代要員の数)

再交代(交代して退いた競技者の再出場)

◦ 再交代は、各国サッカー協会、大陸連盟、またはFIFAの合意の下、ユース、年長者、障がい者およびグラスルーツのサッカーにおいてのみ用いることが認められる。

「再交代」とは、既に試合でプレーし、交代した競技者(交代して退いた競技者)が、それ以降、試合中に他の競技者と交代してプレーに復帰することである。

交代して退いた競技者は試合に復帰し、プレーすることは認められるが、第3条および競技規則のすべての条項が再交代する競技者に適用される。特に、第3条で概要が記載されている「交代の進め方」に基づかなければならない。

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