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脳振盪(のうしんとう)

脳振盪(のうしんとう)とは何か?

脳振盪(のうしんとう)とは、頭を強くぶつけたり、揺さぶられたりすると、脳にひずみが生じることによって意識がなくなったり、記憶を失ったりするものです。重症の場合は、生命に危険を及ぼすことになりますので注意してください。

脳振盪(のうしんとう)はどのように起こる?

頭が他の選手のからだの一部(頭、膝、肘など)と強く接触したり、強く蹴られたボールを直接頭で受けたり、ゴールポストに直接頭を打ったりするほか、直接頭を打たない場合でも、例えばスライディングをした際に、相手選手のひざが下あごに入り、 頭が強く揺らされる場合でも脳振盪(のうしんとう)が起こる可能性があります。

脳振盪(のうしんとう)をどのように見極めるか?

選手が頭部を打った際、ただの打撲か、脳振盪(のうしんとう)なのかを見極めるには次のような方法があります。

  • ① 自覚症状を確認する。
    周囲の人からの呼びかけに、しっかりと応答できない。
    頭痛やめまい、耳鳴りや吐き気などがある。
  • ② 記憶や現状認識を確認する。
    今日の日付、場所、何の試合、対戦相手、スコアを明確に回答できない。
  • ③ バランスを確認する。
    目を閉じて、両手を腰に当てて20秒間立たせ、目が開く、手が腰から離れる、よろける、倒れるなど頻繁に起こる。

このような時は、脳振盪(のうしんとう)の疑いがありますので、すぐにプレーを中止させましょう。声をかけた際、「大丈夫です。」「やれます。」という本人の返事だけで、プレーを続行するのは危険です。

脳振盪(のうしんとう)はどのように対処する?

自覚症状、記憶や現状認識、バランスなどを確認し、少しでもおかしいと思うところがあったら、プレーをすぐに中止させ、安静にさせましょう。そして、できる限りすみやかに専門医に診てもらいましょう。

脳振盪(のうしんとう)の発生から対応まで

サッカーのような激しいボディコンタクトのあるスポーツでは、さまざまなスポーツ外傷を負うことがあります。
脳振盪(のうしんとう)も決して珍しいものでありません。脳振盪(のうしんとう)は、必ずしも頭と頭がぶつかった時に生じるだけでなく、肘や膝が頭とぶつかった時や、場合によっては直接頭部を打たなくても、体への強い刺激によって脳が強く揺すられることによって生じるものです。
ピッチ上で脳振盪(のうしんとう)の疑いが生じた場合は、すぐにプレーを一時中断します。軽度であり、意識があるような時には、簡易的な脳振盪(のうしんとう)診断ツールである“Pocket SCAT2”を用いて、脳振盪(のうしんとう)であるかどうかの判断をしましょう。
意識がなかったり、かなり強度の脳振盪であると判断された場合は、まずは頭部を手で固定し、頭頸部をねじったり、動かさないようにしましょう。担架(バックボードなど)に乗せたあとは、ヘッドイモビライザー(頭部固定具)で固定します。
※日本サッカー協会では、熟練している方による処置を除いては、ネックカラーの使用は推奨していません。

頭部外傷を受けたにもかかわらず、脳振盪(のうしんとう)と診断されなかった場合でも、頭痛、吐き気などが出現したり、いつもと違うような症状がある場合は専門医を受診した方が良いでしょう。24時間以内は単独で行動することは避けます。

脳振盪(のうしんとう)と診断されたり、疑われたりした場合は、各ステージをクリアし、段階的に復帰するプログラムを実践することを推奨します。

サッカーにおける脳振盪に(のうしんとう)対する指針
競技中、選手に脳振盪(のうしんとう)の疑いが生じた場合の対応[サッカー日本代表、Jリーグ対象]

 

 

FIFPro(国際プロサッカー選手会)脳振盪 日本語訳付

FIFPro(国際プロサッカー選手会)からの脳振盪に対する注意喚起動画です。
元チェコ代表GKのペトル・チェフ選手が、選手の将来を守るために大切なことを伝えています。

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