理念・意義・歴史
理念
意義
指導者ライセンス制度は、指導者がライセンスを取得することによって、指導者として必要な知識・能力等を身に付けてレベルアップをし続けること、選手や子ども達にとって安心・安全な環境を提供すること、そして、より多くの選手や子ども達にサッカーを楽しんでもらうことを目的としています。
また、「JFA2005年宣言」における2050年までにワールドカップで優勝するという目標の実現に向けて、日本を脅かしつつあるアジア諸国、そしてわれわれを阻むベスト8という世界大会の壁に負けることなく、さらに向上していかなければなりません。そのために、世界のサッカーの発展傾向を見続け、また学び続けていくとともに、強豪国のコピーをするのではなく、日本の良さを生かした日本人らしいサッカー“Japan's Way”を追求し、確立する必要があります。そしてわれわれ指導者が目標を明確にし、目指す方向を合わせ、力を結集することが必要だと考えています。当然、指導者の質の向上は欠かせません。エリート選手を指導する指導者の質の向上だけでなく、グラスルーツで活動する指導者もより深くサッカーを理解し、選手に関わることが必要です。1人の指導者が指導する全ての選手を日本代表選手に育てることはできませんが、サッカーが好きで、一生プレーを楽しみ続ける選手に育てることは可能です。日本全国でサッカーを楽しみ、プレーする選手が至るところで見られることで、はじめて夢の実現が可能だと考えています。
一方で、残念なことにスポーツ活動における体罰、暴力・暴言、ハラスメント行為は後を絶たず、子どもたちからスポーツの楽しさや心身の健やかな成長の機会を奪っている現状が依然としてあります。子どもたちが楽しく、安全に、安心してサッカーに打ち込めるよう、基本的な知識と指導力を有する指導者を全てのチームに配置することが必要だと考えています。
歴史
年 | 内容 |
---|---|
1957 | JFAで初となる全国指導者講習会を開催する。 |
1958 | ※学習指導要領が改正され、小学校から高校までの正課体育にサッカーが採用されることが決定する。 |
1959 | 全国教育系大学指導者講習会が始まる。 |
1960 | ドイツ人指導者、デットマール・クラマー氏が初来日し、日本代表選手を指導する。 |
1962 | ※小学校体育の正課にサッカーが採用される。 |
1963 | ※中学校体育の正課にサッカーが採用される。 |
1964 | ※高校校体育の正課にサッカーが採用される。 |
1969 | 日本で第1回FIFAコーチングスクールが開催され(千葉県/検見川グラウンド)、デットマール・クラマー氏が主任指導者を務める。 |
1970 | 第1期JFAコーチングスクール、第1回JFAサッカーリーダー認定講習会を開催。専門的な指導を行うJFA公認コーチと、主に少年たちを対象とする公認リーダーの2つの指導者ライセンス制度をスタートし、初年度は27人の公認コーチ、33人のリーダーが誕生する。 |
1971 | JFA内に指導者組織コーチャーズアソシエーション(CA)が発足(JFA公認指導者による任意組織)する。機関誌「SCA」を発刊する。 |
1973 | CAが担い手をなって、初の海外指導者研修会をイングランドなどで開催する。 |
1977 | 日本体育協会・公認スポーツ指導者制度創設に伴い、JFAでは同制度に準じ、「公認リーダー」から「公認コーチ」、さらに「公認上級コーチ」に上がるライセンス体系を構築する。 |
1984 | 技術部の中に指導者養成部ができる。(翌年度から指導部に改称) |
1988 | 日本体育協会の制度改定によって施行された「公認スポーツ指導者制度(新制度)」に準じ、「公認C級コーチ→公認B級コーチ→公認A級コーチ」の体系を確立する。 |
1989 | 指導委員会が発足する。 |
1991 | 都道府県レベルでの指導者不足や少年・少女への指導を充実させる目的で、独自に「公認準指導員(現公認C級コーチ)」資格を創設、養成講習会がスタートする。 |
1992 | プロチーム・選手を対象にした「公認S級コーチ」のライセンスを独自に創設する。 |
1994 | 「公認準指導員を9,000人養成」を目標に、「公認準指導員5カ年計画」をスタートする。 |
1996 | 「公認S級コーチ養成コース」の充実を目的に、筑波大学大学院にJリーグと共同で「寄附講座」を開設(〜2000年度)する。 |
1997 | サッカー指導員の質・量の確保を目的に、JFA独自のライセンス「公認少年少女サッカー指導員(現公認D級コーチ)」を創設する。 準指導員養成講習会のカリキュラムが、「JFA強化指導指針」で示された4種年代の育成方針に準ずる内容に改訂され、指導者講習会を通じて全国の指導者と共有できるようになる。 |
1998 | 指導委員会と強化委員会が統合され、技術委員会が発足。三位一体の強化策により、世界大会等で得られた日本の課題、強化・育成に関する情報が指導者養成にもダイレクトに共有される仕組みができる。 公認B級コーチ養成講習会(当時)」「公認C級コーチ養成講習会(当時)」の講師(JFA指導者養成インストラクター)の養成を目的にインストラクター制度を創設する。 第1回フットボールカンファレンスを開催する。 |
2000 | 「公認少年少女サッカー指導員養成講習会(当時)」「公認準指導員養成講習会(当時)」のインストラクター(JFA準指導員インストラクター)の養成を開始する。 |
2001 | 公認指導者研修会(リフレッシュ研修会)をがJFA開催(公認S級コーチ対象)と、各都道府県開催(公認A・B・C級コーチ/地域スポーツ指導員C級/公認準指導員対象)の2つに分類する。 |
2002 | JFA準指導員インストラクターを養成する「JFA準指導員インストラクター養成研修会」と、そのレベルアップを図る「JFA準指導員インストラクターリフレッシュ研修会」を実施する。 |
2004 | 「JFA公認指導者登録制度」を創設する。JFA指導者ライセンスの統廃合、キッズリーダー・公認GKコーチの養成開始、リフレッシュ研修会のポイント制導入など大幅な改革を実施する。 公認ゴールキーパーB級・C級コーチ養成講習会を開設する。 |
2005 | 公認A・B級コーチ リフレッシュ研修会はJFAナショナルトレセンコーチが講師を務め9地域開催、公認C級コーチ リフレッシュ研修会は47FAチーフインストラクターが講師を務め、47都道府県開催となる。 公認ゴールキーパーA級コーチ養成講習会を開設する。 公認C・D級コーチ養成講習会が大学、専門学校などの教育機関での開催がスタートする。 |
2006 | JFA公認キッズリーダー任意登録がスタートする。 アジアの指導者を対象としたJFAインターナショナルコーチングコースを開設する。 |
2007 | 公認A級コーチU-12養成講習会を開設する。 公認B級コーチ共通科目にeラーニングを導入する。 公認S・A・B級コーチにおいて、AFCライセンスとの互換が整備される。 |
2008 | 公認フットサルC級コーチ養成講習会を付加ライセンスとして開設する。 |
2011 | 公認フットサルB級コーチ養成講習会を付加ライセンスとして開設する。 |
2013 | サッカーの指導現場における暴力根絶を宣言する。 |
2015 | 公認A級コーチU-15養成講習会を開設する。 公認フットサルB級・フットサルC級コーチを本ライセンス化する。 |
2016 | 公認B級 FAコースを開設する。 |
2017 | 公認フットサルA級コーチ養成講習会を開設する。 |
2018 | AFCコーチングコンベンション・ Pro Level membershipを取得する。(AFC初) |
2019 | 公認フットサルB級・フットサルC級コーチにおいて、AFCライセンスとの互換が整備される。 |
2020 | 女性対象のAssociate-Pro(A-Pro)コーチ養成講習会を時限的に開設する。 ゴールキーパー指導者ライセンスの名称を変更する。(ゴールキーパーレベル1コーチ[旧ゴールキーパーC級コーチ]、ゴールキーパーレベル2コーチ[旧ゴールキーパーB級コーチ]、ゴールキーパーレベル3コーチ[旧ゴールキーパーA級コーチ]) 新たな公認ゴールキーパーA級コーチ養成講習会を開設する。 |
2021 | 公認フィジカルフィットネスC級コーチ養成講習会を開設する。 公認ゴールキーパーレベル1コーチ養成講習会FAコースを開設する。 |
2022 | 公認フィジカルフィットネスB級コーチ養成講習会を開設する。 公認フットサルGK-C級コーチ養成講習会を開設する。 講習会や研修会実施の実情に合わせ、「インストラクター」を「チューター」へと呼称変更。 |
2023 | 公認ユースB養成講習会を開設する。 公認C級コーチ養成講習会および公認D級コーチ養成講習会、公認フットサルC級の受講可能年齢を18歳から15歳へ引き下げ。 |
2024 | AFC COACHING CONVENTIONに基づき、ライセンス名称を改正 |