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横浜FMがロペス選手のゴールで山東泰山に勝利、初のACL4強に進出
2024年03月14日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24の東地区準々決勝第2戦が3月13日(水)に行われ、ホームで山東泰山(中国)と対戦した横浜F・マリノスはFWアンデルソン・ロペス選手のゴールで1-0の勝利を収め、2戦合計を3-1としてクラブ初のベスト4進出を決めました。準決勝では蔚山現代(韓国)と対戦し、4月17日(水)にアウェイで第1戦、24日(水)にホームで第2戦に臨みます。
横浜FMが後半一人退場者を出しながらも冷静、且つ、アグレッシブなパフォーマンスを披露して、初の4強への道を切り開きました。
3月6日(水)の中国でのアウェイ第1戦をロペス選手とFWヤン・マテウス選手のゴールで2-1と勝ってホームに戻った横浜は、第1戦の先発から横浜FMは両サイドバックを入れ替えてDF松原健選手とDF永戸勝也選手を起用しました。
逆転勝利で初の4強進出を狙う山東は、第1戦で出場機会のなかったFWクリサン選手と右サイドバックDFトン・レイ選手を起用。クリサン選手やFWフェルナンジーニョ選手、MFバレリ・カザイシュビリ選手らを中心に攻撃を仕掛けます。
序盤から激しい競り合いが続く中、横浜は開始早々にMF植中朝日選手がクロスに合わせてゴールを狙い、40分には右サイドの崩しからFWエウベル選手、MF渡辺皓太選手が立て続けにシュートを放ちますが、相手GKのセーブもあって得点には至りません。
山東もクリサン選手が28分に右クロスに頭で合わせ、前半アディショナルタイムにはFKを直接狙いますが、枠を捉えることはできず、0-0で前半を終了します。
ところが、後半に入って間もない47分に、状況が変わります。
永戸選手が相手へのファウルで2枚目の警告を受けて退場となります。この状況に、横浜FMは6分後にMF山根陸選手とDF渡邊泰基選手を投入。4-3-2のフォーメーションでMF喜田拓也選手、渡辺皓太選手、山根選手が豊富な運動力で中盤を広くカバーしながら、前線のロペス選手、前半途中出場のFW宮市亮選手と得点機を探ります。
努力が報われたのは75分でした。
右サイドバックの松原選手が仕掛け、宮市選手が右サイド深くまで切り込み、ペナルティエリアにいる山根選手へパス。山根選手がファーサイドに流れたロペス選手へクロスを送ると、後半序盤に巧みな個人技で2度の決定機を作っていたブラジル人FWは、左足のボレーで捉えてゴールネットを揺らしました。
横浜FMは、その後もMF榊原彗悟選手やMFナム・テヒ選手らを投入。バランスを保ちながら攻撃の姿勢を崩さず、相手ゴールに迫る場面を作ります。
山東も、準々決勝で川崎フロンターレに川崎での第2戦を4-2で勝利して、第1戦の負けを覆して2戦合計6-5と逆転した攻撃力を駆使。交代で次々と前線に選手を送り込みます。83分にはファウルで得点機を阻止したDFガオ・ジュンイー選手にレッドカードが出て10人となりますが、カザイシュビリ選手や交代出場のDFビー・ジンハオ選手がゴールに迫ります。
しかし、横浜FMはGKポープ・ウィリアム選手が好セーブを披露。守備陣もよく集中して対応し、90分で横浜の12本に対して23本のシュートを試みた山東に最後までゴールを割らせず、1-0リードを守って勝利しました。
このほか東地区では12日(火)に韓国勢対決となった準々決勝のもう一試合が行われ、2012年と2020年大会を制した蔚山現代が、2006年と2016年を制した全北現代モータースに、前半アディショナルタイムにDFソル・ヨンウ選手がゴールを決めてホームで1-0と勝利。2戦合計2-1として準決勝進出を決めました。
また、西地区では3月4日(月)、5日(火)に第1戦、11日(月)、12日(火)に第2戦を開催。第1戦で1-0としていた大会初代王者のアル・アイン(UAE)が、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド選手を擁するアル・ナスル(サウジアラビア)に延長3-4の末のPK戦を3-1で制して、準決勝に進出しました。
サウジアラビア勢対決となったもう一試合では、12日(火)に、2021年以来通算3度目の優勝を目指すアル・ヒラルが、大会優勝2度のアル・イテハドを2-0で勝利して、2戦合計4-0で勝ち進みました。
アル・ナスル対アル・ヒラルの西地区準決勝は、4月16日(火)に第1戦をアル・アインのホーム、第2戦は23日(火)にアル・ヒラルのホームで行われます。
なお、決勝は5月11日(土)に東地区のホームで第1戦、25日(土)に西地区のホームで第2戦を開催の予定です。
監督・選手コメント
ハリー・キューウェル 監督(横浜F・マリノス)
次のステージに勝ち進むことができて、うれしく思います。この大会は自分も経験ありますが、チャンピオンズリーグというものは欧州でもアジアでも難しく、どの試合もタフで、常にベストを尽くさなければなりません。今日はスタートからボールを支配して、良い形でプレーできたところが多くありました。山東はサイズも強さもあり、アグレッシブなチームでしたが、我々は一人少なくなっても最後までしっかり戦うことができました。選手たちを誇りに思います。この勝利は、ハイプレスとアグレッシブなプレーを続けた自分たちへのご褒美だと思います。
FW アンデルソン・ロペス 選手(横浜F・マリノス)
(得点場面の)時間帯は、僕らは少し押されていたのですが、ショートカウンターで松原選手と宮市選手、山根選手がうまく連係を取ってくれて、僕は(退場者が出た後で)一人少ない状態だったのでファーサイドに行ってうまくポジションを取ろうと考えていました。山根選手が僕の位置を見て良いボールをくれて、ゴールにつながって良かったです。
MF 喜田拓也 選手(横浜F・マリノス)
(一人退場になって)タフな状況になりましたが、自分たちから崩れることなく、必ず上に進みたい気持ちはみんなのプレーに出ていたと思いますし、そういう強い意志や覚悟は皆さんに感じ取っていただけたのではないかなと思います。仲間の分もハードワークする姿勢や、自分たちの意図する形でなくても力強く戦うところは、チームの成長と捉えていいと思います。なんとしても上のステージに行って歴史を変え続けたい、作り続けたいという思いでずっとやってきているので、まだ何も終わっていません。次があります。目のまえの試合をしっかりと戦っていきたいと思います。
MF 渡辺皓太 選手(横浜F・マリノス)
今年この大会に懸ける気持ちは強くて、もう1つ先に進めたのはすごく良かったです。一人少なくなりましたが、相手も攻めなくてはいけない展開だったので、耐えていたら絶対にどこかでチャンスは来ると思いながら、一人少ない分、みんなでハードワークしてチャンスを逃さないようにと意識してプレーしました。僕らはアジアを獲らないといけないチームだと思っています。次は韓国チームが相手ですが結果が大事なので、結果を出せるように、それまでの間に一試合一試合無駄にせず、完成度を上げていきたいと思います。
チェ・ガンヒ 監督(山東泰山)
横浜F・マリノスの準決勝進出を祝福します。我々の選手たちもベストを尽くしてくれて、そのことには感謝しています。敗因は、スケジュールの関係でフィットネスが整わず、疲労が残っていたことが影響したと思います。(今大会4度対戦した)横浜との対戦で多くを学びましたし、ACLで多くの試合を経験して準々決勝までくることができました。今後は国内リーグに焦点を当てて優勝を目指してやっていきます。