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横浜FM、ACL決勝第2戦でアル・アインに敗れてアジア制覇ならず

2024年05月26日

横浜FM、ACL決勝第2戦でアル・アインに敗れてアジア制覇ならず

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2023/24決勝第2戦が5月25日(土)、日本時間26日(日)にUAEで行われ、横浜F・マリノスがホームのアル・アインFCに1-5で敗れて2戦合計3-6となり、初のアジア制覇はなりませんでした。アル・アインは現行方式が始まった2002/03シーズン制覇以来21年ぶり、通算2度目の優勝です。

アジア初制覇を目指す横浜FMは、5月11日(土)にホームで行われた第1戦を2-1で勝ち、アウェイでの第2戦で引き分け以上であれば悲願達成となるところでしたが、ホームで逆転勝利を期すアル・アインに主導権を握られ、序盤で失点を喫すると前半終了直前にはGKを一発退場で失うなど、苦しい戦いになりました。

ホームのハッザ・ビン・ザイードスタジアムに地元サポーターが大挙し駆け付けて大声援を送る中、アル・アインは立ち上がりからモロッコ代表のFWソフィアン・ラヒミら前線の選手のスピードを生かした攻撃でペースを握り、横浜FMゴールに襲い掛かります。

第1戦から2人を入れ替えた横浜FMに対して、元アルゼンチン代表FWエルナン・クレスポ監督が率いるアル・アインは、左サイドバックにUAE代表経験もあるDFサイード・ジュマ選手を起用する変更のみに留めました。前回は最終ラインでプレーしたMFパク・ヨンウ選手を中盤の底に起用。ボランチのMFヤヒア・ナデル選手が高い位置を取り、前線で4選手が攻撃に参加してプレッシャーをかけ、序盤からスピードと精度のあるパスで横浜FMの最終ライン裏のスペースを徹底して狙ってきました。

先制を許したのは前半8分。初戦でも攻撃をけん引していたラヒミ選手がナデル選手のパスを受けて左サイドを突破。ペナルティエリアでナデル選手に預け、ゴール前でリターンをもらうとゴールに流し込みました。

前半29分にもラヒミ選手が右サイドバックのDFバンダル・アルアフバビのパスを受けてペナルティエリアに切り込むと、相手DFと交錯。VARチェックでPKの判定となります。これを前半33分にMFアレハンドロ・ロメロ選手が決めて2-0とし、2戦合計で3-2のリードを奪いました。

横浜FMは17分にDF松原健選手が相手ボールをカットして右足を振り、前半半ば過ぎにもMF渡辺皓大選手やMF喜田拓也選手がサイドからの折り返しにシュートを狙いますがゴールには至りません。

しかし前半40分、右サイドで再三、仕掛けを試みていたFWヤン・マテウス選手が相手DFボールをインターセプト。そのままペナルティエリアに切り込んで、詰めてきた相手DFをかわすと左足を振ってゴール。横浜FMが1点を返して2戦合計で3-3の同点とします。

ところが、前半アディショナルタイムに横浜FMは苦境に立たされます。

前線のスピードを生かして横浜の裏を狙う攻撃を続けていたアル・アインは、10分間の前半アディショナルタイム終了直前、中盤から出たボールを受けたラヒミ選手がドリブルでゴールに迫ると、ペナルティエリアの外に出て対応を試みたGKポープ・ウィリアム選手が相手を倒してしまい、得点機阻止で一発退場に。横浜FMはFWエウベル選手を下げ、GK白坂楓馬選手を投入して対応しますが、数的不利で残り時間を戦うことになりました。

後半開始からはFW植中朝日選手に代えてMF榊原彗悟選手を投入。60分過ぎにも負傷交代したDF畠中槙之輔選手に代えてDFエドゥアルド選手、喜田選手に代えてMF山根陸選手を送り込み、4-4-1でブロックを作って守備を固めながら得点機会を探ります。

アル・アインは後半、速攻主体からボールを保持してパスをつなぐ攻撃に戦い方を変更。67分には、ラヒミ選手が後半途中出場のFWコジョ・ラバ選手のパスを受けてペナルティエリアに持ち込むと、左足でチーム3点目を決めて2戦合計4-3として均衡を破ります。

反撃に出たい横浜FMですが、前線の動きが限られて攻撃の糸口がなかなか見つかりません。78分にヤン・マテウス選手に代えてFW宮市亮選手を投入しますが、ゴールネットを揺らしたのはアル・アインでした。

後半アディショナルタイム1分、ラヒミ選手のパスを受けたラバ選手がペナルティエリア右からゴールを決めて4-1として2戦合計5-3とリードを広げます。さらにその4分後には、ラバ選手がMFマティアス・パラシオス選手のクロスを受けて2連続ゴールで追加点を奪いました。

横浜FMは後半アディショナルタイム8分にFWアンデルソン・ロペス選手がペナルティエリアに持ち込んでGKをかわして左足を振りましたが、カバーに入ったDFが蹴り出してゴールとはならず、第2戦を1-5で落として2戦合計3-6で敗戦。日本チームによる2大会連続での大会連覇はなりませんでした。

大会得点王は13ゴールを決めたアル・アインのラヒミ選手が獲得し、大会MVPも受賞。横浜FMはフェアプレー賞に選ばれました。

なお、AFCのクラブコンペティションは来季2024/25シーズンから新たなフォーマットに移行します。AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)とAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)、そしてAFCチャレンジリーグの3つに分かれ、日本からはACLEに昨季Jリーグ優勝のヴィッセル神戸、2位の横浜FM、天皇杯優勝の川崎フロンターレが出場。ACL2には昨季リーグ3位に入ったサンフレッチェ広島が出場します。東地区ではACLエリートの本戦が9月16-17日、ACL2本戦は9月17-18日に始まります。

監督・選手コメント

ハリー・キューウェル 監督(横浜F・マリノス)
我々の選手たちは素晴らしい戦いをしたと思います。ただ、我々には不利な判定があってうまくいきませんでした。レフェリーの判定はショッキングなものでした。サポーターはいつも素晴らしく、今回も遠いところまで来てくれていただけに、素晴らしい戦いを見せたかったのですが、フェアな戦いにならなかったことが残念でなりません。アル・アインにはおめでとうと言いたいと思います。

DF 松原健 選手(横浜F・マリノス)
アジアの壁を知りました。最善の準備をしてきたつもりでしたが、結果が出ないということは何かが足りないということに尽きると思います。一人ひとりのメンタリティをもっともっと強く持たないといけないですし、10人になってもチームがバラバラにならず、もっともっとまとまる必要があったと思っています。遠いUAEまでこんなにたくさんのサポーターが来て最高の後押しをしてくれて、日本からの声援も届いていましたが、自分たちが結果を出せずに申し訳なく思っています。すべては僕らの力不足に尽きます。切り替えて、中2日でリーグがあるので、またチームとしてまとまってやっていくしかないと思っています。

MF 喜田拓也 選手(横浜F・マリノス)
たくさんの人に期待してもらっていたので、マリノスに関わる全ての人にJリーグ、日本を代表して結果を届けたかったです。自分たちの力が足りず、届けられなくて本当に申し訳なく思います。サポーターには本当に感謝したい。日本からも後押しやパワーをもらっていたので、アジアチャンピオンにしてあげたかったのですが、自分たちの力が足りずに悔しい思いをさせてしまいました。ここから前を向くのは簡単ではないですし、難しいと思いますが、それでもやらなければなりません。この悔しさを噛みしめて、前を向いて返していくしかないので、この悔しさはずっと忘れずに胸に刻みたいと思います。

FW 宮市亮 選手(横浜F・マリノス)
試合が終わったばかりで今は空っぽな気持ちです。こちらまで駆け付けてくれたサポーターがたくさんいて、一緒に勝利を味わいたかったですし、日本で応援してくれたみなさんにも申し訳ない気持ちが大きいです。今、相手が優勝を祝っていますが、この光景の悔しさを絶対に忘れてはいけないと思っています。アル・アインも素晴らしいチームで、優勝おめでとうと言いたい。でも、この悔しさは絶対に忘れてはいけないですし、糧にして前を向いてやっていきたい。リーグ戦でぶつけていきたいと思います。

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