第100回全国高等学校サッカー選手権大会が12月28日(火)に開幕しました。国立競技場で行われた開幕戦では、関東第一高校（東京B）と中津東高校（大分）が対戦しました。

ピックアップマッチ

関東第一高校（東京B） 6-0（前半3-0、後半3-0）中津東高校（大分）

新・国立競技場で初めて実施された高校サッカー選手権の一戦は、思わぬ大差がつきました。「ステージが上がれば上がるほどいつも通りにプレーするのは難しいと都大会から話してきた。ましてや国立競技場での開幕戦なので、いつもと同じプレーは難しい。試合前には、前半の内容がどうのこうのということよりも、0-0でもいいからしっかり帰ってきてくれと話をしました」。小野貴裕監督がそう振り返る関東第一でしたが、いざ試合が始まると選手から緊張感は見られません。主将の池田健人選手は「試合の5分、10分前は緊張していたけど、試合前のボールを蹴る時間に緊張がほぐれて、いつも通りの気持ちになれた」と振り返ります。

キックオフと同時に肥田野蓮治選手を中心にサイドから見せ場をつくると、13分には肥田野選手のヘディングシュートで右CKを獲得しました。肥田野選手が上げたクロスは相手DFに跳ね返されましたが、真っ先に反応したのは若松歩選手。「CKから良いタイミングでこぼれてきたので、もう決められるなと思った」と振り返る一撃がゴールネットを揺らし、関東第一が先制しました。

16分には自陣で与えたFKを国広雄陽選手に直接狙われる場面もありましたが、クロスバーに助けられ失点を回避しました。そこからは再び攻勢を強め、22分に本間凜選手のポストプレーから坂井航太選手が2点目をマーク。40+2分には、左クロスのこぼれ球を高い位置で拾った藤井日向選手が豪快なミドルシュートを決めて、3-0で試合を折り返しました。

後半に入ってからも、関東第一の勢いは衰えません。43分には、左サイドを上がった矢端虎聖選手のパスから、本間選手がシュート。この一撃はポストに阻まれましたが、こぼれ球を詰めた肥田野選手のシュートを本間選手が体に当てて、ゴールネットを揺らしました。
残り10分を切ってからは、交代で入った選手も活躍しました。76分には共に途中出場となった小谷旺嗣選手と平形京太選手のコンビで5点目をマーク。79分には後半からピッチに入った林尚樹選手のタメから、矢端選手が左クロスを入れると、後方から走り込んだ肥田野選手が得点を奪いました。6選手による得点で快勝した関東第一は12月31日(金)に行われる2回戦で、尚志高校（福島）と瀬戸内高校（広島）の勝者と対戦します。

監督・選手コメント

小野貴裕 監督（関東第一高校）
記念すべき100回目の大会で国立という舞台を経験することができまして、本当に指導者冥利に尽きます。選手にはもちろん、スポンサーの方や東京都専門部の先生方のおかげで私がこの舞台に立てたので、いくら頭を下げてもキリがありません。試合前には高川学園のキャプテンが選手宣誓している姿を見て、本当に厳しい環境で頑張って耐えてくれたんだなと感じ、グッときました。恥ずかしくない試合ができればと思って、試合に挑んだので結果には満足しています。

池田健人 選手（関東第一高校）
このような素晴らしいピッチでサッカーができることに感謝をする気持ちを持って臨みました。試合内容としては点差が開きましたが、内容的にはあまり満足していません。もう少し決めきれる場面があったと思いますし、守備でも何度かピンチをもつくってしまった。入りの部分はもう少し強気にいくべきだったという反省点もあります。2回戦まで2日間空くので、しっかりリカバリーとチーム内のコミュニケーションを取って、良い準備をしたいです。

首藤啓文 監督（中津東高校）
関東第一さんが非常に素晴らしいチームで、一歩を寄せきれなかった。そういうところで失点を重ねてしまった印象です。私は今年が1年目ですが、3年間見ていらっしゃった先生は「非常に成長したね。この3年生は」というような言葉をかけていました。この1年間でもだいぶ成長したと思いますが、3年間の成長は目まぐるしかったと思っています。よく頑張ってくれました。学校生活を締めくくる大きな機会でまた成長させてもらえたと思います。

村本輝 選手（中津東高校）
家族の支えや周りの友だち、学校の仲間にたくさん応援してもらい、励みになりました。支えてくれる人の期待があって、自分たちがここまで来ることができました。今日の試合は相手の時間が続いた中で、最後のシュートの所で寄せきれず失点してしまった。自分たちはコースを限定できていなかったのに加え、相手のシュートの質も高かった。シュートまでの持っていき方がとても上手く、対応できなかったのが反省点です。

第100回全国高等学校サッカー選手権大会

大会期間：2021/12/28(火)～2022/1/10(月・祝)

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