第100回全国高等学校サッカー選手権大会の1回戦15試合が、12月29日(水)に各会場で行われました。

ピックアップマッチ1

北海高校（北海道） 1-2（前半1-1、後半0-1）長崎総合科学大学附属高校（長崎）

駒沢陸上競技場で行われた北海と長崎総科大附の一戦は、序盤から北海のペースで試合が進みました。「最初の15分は相手がかなり押し込むサッカーをやってくるので、選手たちにはそれに巻き込まれずに攻めようと伝えた」との北海・島谷制勝監督の狙い通り、サイドを起点にチャンスをうかがうと、31分には左サイドの高い位置でこぼれ球を拾った笹森洸成選手がゴール前にパス。GKが弾いたボールを西椋弥選手が押し込み、先制に成功しました。

追いかける展開を強いられた長崎総科大附でしたが、40分に決定機が訪れます。左CKから放った別府史雅選手のヘディングシュートは相手DFに阻まれましたが、こぼれ球が自らの下へ。「自分のところに来たので決めるしかないと思って、振り抜いた」と話す一撃がゴールネットに突き刺さり、同点で前半を終えました。

後半に入ってからは、シュートへの積極性を増した長崎総科大附が主導権を握ります。しかし、北海の堅守に苦しみ、思い通りにゴールが奪えません。それでも終盤に途中出場の筒口優春選手のロングスローやCKからゴールを狙うと、78分に左クロスのこぼれ球を原口玖星選手が決めて勝負あり。2-1で熱戦をものにした長崎総科大附が2回戦に駒を進めました。

ピックアップマッチ2

堀越高校（東京A） 2-1（前半2-1、後半0-0）高知高校（高知）

堀越と高知の戦いは開始早々に試合が動きます。4分に堀越の中村ルイジ選手がペナルティーエリア左からゴール前にパスを入れると、相手に当たってフリーの古澤希竜選手へ。寄せたDFのタイミングをうまくずらして放ったシュートは、ポストに当たりながらもゴールへと吸い込まれました。

20分には、センターサークル付近で相手の縦パスを奪った渡部美紗哉選手からチャンスが生まれます。渡部選手が素早く前方の伊東來選手に預けると、右前方のスペースに展開。フリーで走り込んだ古澤選手が前に飛び出したGKの隅を突き、2点目をマークしました。

対する高知は、大坪裕典監督が「ボールが奪えなかったので、うちの武器であるカウンターを発揮できなかった」と振り返る展開が続きました。それでも、焦れずにサイドからチャンスをうかがうと、25分には中央でパスを受けた松井貫太選手が切り返しからシュート。右ポストに跳ね返ったこぼれ球を西田慎太郎選手が押し込みました。

後半は堀越が自陣での落ち着いたパス回しでうまく時間を使いながら、機を見て3点目を狙いに行きましたが、スコアは動きません。自分たちのペースで試合を進めた堀越が2-1で勝利しました。

監督・選手コメント

島谷制勝 監督（北海高校）
今年のチームは攻撃力がないけど、みんなコツコツ真面目にやってくれる選手ばかり。北海道予選から我慢強くサッカーをしながら少ないチャンスをものにして、ここまで来ました。今日もプラン通り最初の15分を戦ってくれて、先取点も取れました。勝負の時間帯で失点してしまったのは残念ですが、選手がこちらの指示も含めて自分たちで決めた事をしっかりやってくれたので、本当に感謝しています。

別府史雅 選手（長崎総合科学大学附属高校）
2年前の高校選手権は、「まだ来年がある」といった気持ちでピッチに立っていたのですが、3年生になると積み重ねてきたものが1年生のときとは違います。責任や最後というプレッシャーがあり、また1年生のときと違う雰囲気がありました。前半はみんなが硬くなっていたせいで流れが良くなかったので、プラスな方向にプレーできるような声掛けを意識していました。徐々に自分たちのペースをつかんで、全員で勝ち取れた試合だと思っています。

大坪裕典 監督（高知高校）
一言で言うと、本当に悔しかった。ただ、選手たちは本当によく頑張りましたし、自分たちで考えて判断するところをたくさん見せてくれました。その中で松井貫太や松井匠が違いを見せてくれて、素晴らしいゲームを展開してくれました。一方で、相手は良い立ち位置でサッカーをされていたので、プレスにも行かせてもらえないシーンがたくさんありました。なかなか経験できないようなプレーを目の当たりにでき、非常に素晴らしい経験になりました。

宇田川瑛琉 選手（堀越高校）
自分たちはこれまで堀越高校を背負って大会に臨んできましたが、この大会では東京都代表として恥じないプレーをし、責任を持って頑張ろうという気持ちで挑んでいます。また、たくさんの方々が足を運び、自分たちを応援しに来てくださいました。その人たちの目の前で一戦でも多く戦いたいという思いがありますし、チームとしてはベスト4という目標を掲げています。次の試合も勝てるように120％の準備をして臨みます。

第100回全国高等学校サッカー選手権大会

大会期間：2021/12/28(火)～2022/1/10(月・祝)

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