日本サッカー殿堂
掲額者
加茂 周KAMO Shu
特別選考 2017年第14回日本サッカー殿堂入り
- 1939年10月29日 大阪府生まれ
日本人指導者としては初となる「プロサッカー監督」であり、数多くのタイトルを獲得するとともに、チームマネジメントの重要性を日本サッカー界に浸透させた。
兵庫県立芦屋高校でサッカーを始め、関西学院大学を経て、ヤンマーディーゼルに入社。1967年に同部のコーチとなり、1969年に日本で開催された「第1回FIFAコーチングスクール」を受講。スクールマスターだったデットマール・クラマーの薫陶を受け、プロコーチになることを志す。
1974年に当時、神奈川県リーグだった日産自動車(現・横浜F・マリノス)の監督に就任。その後、チームを日本サッカーリーグ(JSL)1部に昇格させると、1983年度の天皇杯全日本選手権で初優勝。1988/89年シーズンには、JSL、JSLカップ、天皇杯優勝の三冠を達成した。また、マネジメント専門家の養成、選手のプロ化(契約選手化)の促進、ワールドクラスの選手の獲得など、チームマネジメントの面でも手腕を発揮し、チームの環境改善に努めた。
1991年には全日空(後の横浜フリューゲルス)の監督となり、1993年度の天皇杯で優勝を果たした。1994年には日本代表監督に就任。ワールドカップ初出場を目指したその仕事は志半ばで幕を閉じたが、その後も京都パープルサンガや母校である関西学院大学などの監督を歴任し、指導者としての実績を重ねた。
クラブチーム監督として天皇杯優勝4回、JSL優勝1回、日本代表監督としてキリンカップ優勝3回、ダイナスティカップ優勝1回。半世紀にわたり指導者として日本サッカーの第一線に立ち、「世界に通じるサッカー」を模索してきたその功績は大きい。