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川淵三郎最高顧問が2015年度の文化功労者に顕彰
2015年10月30日
日本サッカー協会(JFA)の最高顧問を務める川淵三郎キャプテンが、2015年度の文化功労者に顕彰されることが決まりました。
Jリーグの初代チェアマンとして、また日本サッカー協会の会長としてプロサッカーの成功と日本代表の強化に取り組むとともに、地域スポーツの振興、クラブ文化の醸成、校庭の芝生化を推進、さらには、日本バスケットボール協会のガバナンス改革を実現させ、同協会に課せられていた無期限国際試合出場停止の制裁解除に尽力するなど、日本のスポーツの普及・振興、競技力の向上に寄与した功績を認められての顕彰です。顕彰式は11月4日、都内のホテルで執り行われることになっています。
顕彰式に先立ち、記者会見に立った川淵キャプテンは、「1991年にJリーグを創設して以来、“豊かなスポーツ文化の振興と国民の心身の健全な発達への寄与”という理念をどう具現化していくかということで、多くの仲間と共に活動してきた。そのことが評価されたことを心から嬉しく思う」と喜びを述べ、各クラブが「地域密着」を理念に掲げて努力してきたこと、しかも、地域の特性を生かした個性豊かな活動をしていること、また、自治体のトップがJリーグの存在意義を認めたことで多くの為政者にJリーグの理念や価値が行き渡ってきたことなど、感慨を込めて振り返りました。
また、校庭の芝生化にも触れ、「全国で学校や幼稚園・保育園の芝生化が進んでいるのは嬉しい。子どもたちの体力増進のためにも芝生は必要。また、今後は健康寿命を延ばすために老人介護施設の芝生化も進めていきたい」と意欲を示しました。
バスケットボール界の改革については、「FIBA(国際バスケットボール連盟)から協力要請を受けた際、縦割りできた日本のスポーツ界に横串を指す絶好の機会と思い、改革を引き受けた。大仁(邦彌)JFA会長やJリーグの全面協力もあってよい方向に進んでいる。バスケットボールを含め、JFAこころのプロジェクトやスポーツこころのプロジェクトにおいてスポーツ界全体での活動が広がるきっかけをつくれたことを幸せに感じている」とコメント。また、現状のスポーツについては、「トップアスリートの活躍は多くの人々の興味と関心を集めるが、草の根のスポーツは関心が低い。草の根のスポーツ環境の整備はまだまだで、特に子どものスポーツ指導については、頭ごなしに叱りつける指導者が多く、そのことが子どものスポーツ嫌いを生んでいる」と課題を述べ、「子どもの運動能力が低下している中で、スポーツの楽しさを伝えていくことが大事。褒めること、補欠をなくすこと、スポーツの楽しさを伝えることについて今後も努力していきたい」と力強く語りました。